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一桁>経営組織論?>『社員の評価養成』

《人材の訓練と養成-3》

続【基本訓練】
「ケース・スタディ」まず最初に、問題を記した文書をグループに与えます。
つぎに、指導管理者は、グループのメンバーが、その問題を分析して、解決案が出せるように、充分なデータを揃えます。
 ここで、グループは互いに協力して解決策を生み出すように努めます。

 そのとき、この解答はグループ全員と、この計画を担当する管理者によって、批判され問題点を討議されます。
 この方法は、参加者が問題になっている関係領域について、充分な知識を持っていればうまくいきます。この手法は、実際に生ずる職場内の問題を、解決する際に用いられる一般原則の基礎として、利用できる性質を持っています。

 この種の同系統のテクニックであるロール・ブレイング、ビジネス・ゲーム、インバスケット・エクササイズなどについては、現場においての実地訓練になります。
人事考課のための評価法としてこれを用いることは既に説明済みです。

「インシデント・プロセス」
 これは前述のケース・スタディの変形になります。
ケース・スタディを単純化し、更に現実に近づけることが試みられております。その進め方は、まず、研究すべき出来事について、要旨を簡単に書いたものがグループに与えられます。そして、その全容は質疑応答の過程で明らかにされることになります。

 この特長はまず最初に、リーダーは、質問に答える形でしか情報を与えません。
 そのとき、参加者はそれぞれ私案である解決策を提案する方法をとります。
 これらの提案された解決策をグループで検討します。このとき、問題解決法の妥当性をめぐって論争になっても差し支えはありません。

 この場合に取り上げる出来事は、指導管理者によって常に事実に即応しているようにしますから、実際にどういうことが起きて、どういう結末になったかは、リーダーが明らかにしてくれることになります。

「ロール・ブレィング」
 これは参加者が、相互関係にある当事者の役割を、演じることで技能を訓練する方法です。
 この相互関係には、監督と部下の関係、セールスマンと得意先の関係など、人と人の関係が出来るエピソードなども入れます。また、特殊な応用例としては、面接評価、譴責、など規律上の問題処理、労働交渉などの場合があります。

 ロール・ブレイングの終了後、合評会が開かれます。場合によっては、参加者同士で演じていた役割を相互に交換するように求められ、二通りの演技についてグループで比較検討をするなどします。

「ビジネス・ゲーム」
 これは数多くの可変要素を持った事例を一定期間内に拡大するケース・スタディの変形であります。
 競争するチームが自ら計画を立てて、利用できる情報を調べます。そして、最初の一連の意志決定を下します。
 意思決定の期間は、それぞれ時間単位で表される方法です。ですから、十分間が一日だったり、一週間だったり、一ヶ月だったりする場合もあります。
 最初の意思決定が提出されますと、指導者は、その意思決定によってどういう事態が起こるかを、必ずコンピュータを使ってその予想を算定します。
 そして、その結果を各チームにフィードバックします。

 この様にして更に意思決定を続けて下しながら、ゲームを続けるようにします。
 最後に、指導者が各チームの経営管理が「会社」を成功に導いたか?
失敗に導いたか? を、彼ら受講生に知らせることで指導します。

「インバスケット・エクササイズ」
 典型的な、ある一日の書類入れに入れられる何通かの書類を、受講参加者に渡して、種類別(メモ、手紙、電話メッセージなど)に割り振られる優先順位と、それぞれの書類について、担当責任者としてとるべき処置を決めさせる技能訓練です。

 これは管理者の時間管理の訓練と、日常業務で直面する管理者の生活実態の評価に特に有効なものです。
 各参加者にははじめに、当事者としての自分の活動理由を説明した上で、それを他の参加者の処置と比較する機会を与えられます。

 一般的に、自己啓発を志す管理者や、専門的な訓練を受けるように勧められている管理者は、この様に企業が個別に行っている訓練の他に、通信講座や、正規の大学院の講義なども、受けることが出来ます。
 この場合の受講料は、必ず会社側が直接ないしは授業料償還制度によって払う方法がとられています。

 管理者養成といっても、実質的には自己啓発ですから、企業組織では、少しでも昇進したいという意欲のある人達には、昇進への欲求を満たすために、必要な技術を社内で習得し、知識を身につけるあらゆる機会を与えるべきだと考えます。 つづく