すみれ|医療法人 橋本医院|こすもす

レセプトソフト導入奮闘記

 この体験記の内容は既に古いものになっています。これからレセコンソフトを導入しようとされているかたはそのことをよく理解した上でお読み下さい。削除しようかとも考えたのですが、時々、ここを読まれて、参考になったとメールを下さるかたがおられますので、あえて残しておきます。
 特に、リンクのある部分は既にリンク先がなくなっていることもありますのでご注意を。

(平成20年6月2日)

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No:1 それはある春の晴れた日、サービスマンの突然の来訪から始まった

 1998年、世界はウィンドウズ98がいつ発売されるかということで浮かれいるそんな時、町の小さな診療所を営んでいる私の所にエイワのレセコン担当者がパンフレットを持ってやって来ました。
 そこには私を驚愕させる事実が書かれていました。
 1999年に世界は崩壊すると。
 それまで2000年問題なんて、どこか他の世界の問題だと思ってました。銀行や大企業など、昔からコンピュータを使っていた、そういうところでしか問題は起こらないだろうと。
 私が使っているパソコンはDos/Vですし、ウィンドウズやその中に入っているアプリケーションはほとんど2000年問題に対応している。してないやつがあっても、しているものに変えたらすむと、そうたかを括っていた。
 しかし、そうではなかったのです。
 レセコンもコンピュータだったのだ!
 それも、ウィンドウズパソコンよりもはるかに値段は高いくせに、逆に能力ははるかに劣るという、そういうコンピュータだった。能力が高ければ、プログラムを適当に書き換えたら2000年問題にもすぐ対応できる、しかしその能力もないコンピュータだったのです。
 さらにです。
 2000年問題は2000年に発生するのではなく、1999年にも起こり得るものなのだそうです。
 言われてみれば確かにそうです。
 2000年のことを計算するのは2000年とは限らない。1999年にも計算することはおおいにあり得ますから。
 つまり、レセコンは1999年のある時、突然、とんでもない計算をやらかすという、あってはいけないことが起こるということになりますから、1998年中には、今使っているレセコンを新しいものに変えないといけない。
 さぁ、困った。
 200万円から300万円くらいの出費は覚悟しないといけないでしょうが、その前に、どういうレセコンにするかです。
 以下次号、、、
(1998年5月記)

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No:2 レセコンとは何か?

 レセプトというのは近頃では業界用語ではなくなって、これが何かというのを知っている人は多いでしょうが、一応、説明しておきます。これを知らないと、なんで私がこうあたふたしているのか理解していただけないと思いますので。
 レセプトとは、医療機関が支払い団体(健康保険組合)に治療費を請求する請求書のようなものです。あなたの保険組合に加入している誰々さんに、こういう病名でこういう検査をし、これこれの治療行為を私どもはしましたから、それについてこれだけの医療費を私どもに支払って下さいという請求書。
 そして、その用紙に書く事柄や金額などは厚生省が定めた規則によって行います。
 どこの医療機関にも、何百ページもある分厚い「医家点数表の解釈」などのレセプトを書く上での参考書がおいてあります。もちろん私のような町の小さな診療所にもありますし、大学病院のようなところにはたぶん何十冊とあるでしょう。
 こういう参考書を見ながらレセプトを書き、支払い団体に提出し、さらにその内容についての審査を受けてOKをもらってはじめて私たち診療機関側はやっと患者さんに行った治療費をもらえるのです。その内容が間違っていると、こんなものには支払えませんと、支払いを拒否されることもあります。こうなると医療機関の方は持ち出しになりますから、必死です。
 で、その大切なレセプトを作るコンピュータがレセプトコンピュータ、略してレセコンと言うわけです。
 以下、次号、、、

(1998年5月記)

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No:3 インターネット

 当院で使用中のレセコンは1999年中には使用できなくなるというのがはっきりしている以上、1998年中には新しいレセコンを買わざるを得ません。これはどうにもならない。金がないのどうのと言ってはおれない。
 後は、何を買うかです。
 レセコン専用機は懲りました。
 二度と買わない。
 となるとレセプトソフトということになりますので、どういうものがあるのか資料を集めることにしました。
 まずインターネットで検索、レセコンとかレセプトという言葉をキーワードにして検索、さらに日経メディカルのような雑誌の広告も参考にして、何社か選び、パンフレットやデモソフトなどを集めました。

 IJIα/V2
 アクセプト
 アップルドクター
 プロフェッショナルドクター

 IJIα/V2へはインターネットでEメールしたところ、徳島の販売店から営業マンが来院、そのうちデモをしてもらうことになりました。
 アクセプトは、インターネットでデモソフトを注文(これが5万円!)。アップルドクターはデモソフトは無料。
 プロフェッショナルドクターはレセプトソフトというより、電子カルテにレセプト機能がついているというもののよう。デモソフトはなし。
 あと一つ、友人の開業医から紹介してもらった日立系列のレセプトソフト。営業マンにデモしてもらったのですが、その印象なども含め、、、

以下次号、、、

(1998年5月記)

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No:4 アクセプト

 デモソフトで料金を請求されたのはここだけです。まぁ、CD−ROMを返せば払い戻すとうことですから、目くじらを立てるほどのことではありません。ただめんどくさいことはめんどくさいですね。
 価格は「基本セット」が80万円、当院のように入院会計も必要な時はオプションの「入院」20万円というのを追加する必要がある。これで100万円。これが最低限必要なセットとなりますか。
 その他のオプションとしては、統計、10万。カルテ連続印刷、10万。
 伝言、3万とか、DM発行、3万や薬剤在庫管理、20万てのはまず要らないでしょう。
 値段的には、私が資料収集したソフトの中では一番安い。

 問題は、使い勝手および後々の保守をきちんとやってくれるかどうかです。
 保守は、どうもフロッピーのような媒体を郵送することでやっているようで、こういうのはどうも不安です。私たちは薬にしろ医療器械にしろ、営業の人たちの面つきあわせて買っていますから、商品のみの郵送で間に合わすというのはどうも感じがつかめない。
 使い勝手は、デモソフトを私のパソコンにインストールして走らせてみたのですが、まぁ普通のレセコンと変わりない。以前からあるDOS版のプログラムをただウィンドウズ用にそのまま移植しただけのものみたい。そのためか画面が固定されており、1280×1024の画面ではあまりに小さすぎ字も読めません。640×480くらいにしてはじめて普通の状態になるのでしょうが、これではなんのためにウィンドウズにしているのか分からなくなってしまう。

 しかし、100万円という価格は魅力です。

 以下次号、、、

(1998年5月21日記)

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No5:インター医師会ネット

 レセコン情報のまとめがこのサイトにあります。
 こういうところを最初から知っていたら、時間の無駄がだいぶ省けただろうにと残念です。http://www.osaka-med.ac.jp/~friend-2/toku/ima.htmlに「レセコン関連」という項目があり、ここにレセコンメーカーの一覧が載っています。
 それによりますと、レセコンやレセプトソフトを扱っている会社は257社もあるのだそうです。
 驚きました。まさかこれほどとは、、、

 ここには興味深いコーナーが多々ありますが、その中でも特に参考になると思ったのが、「パッケージングレセプト発行ソフト購入に関する注意点」というコーナーです。

 http://www.exe.ne.jp/~naruse/reseputo.htm

 レセプト発行ソフト(パッケージングソフト)を購入され、トラブルを経験された開業医の方が書かれたもののよう。
 その先生も「購入に際しての不安」として「トラブル時のメインテナンス」と言われていますが、確かにそうだと思います。
 ハードも含め全部で400万円ほどの出費をして購入したはいいが、結局、ソフトのバグのためにこのパッケージングソフトは一度も実際に使われないまま、新たにレセコン専用機を買うはめになったのだそうです。

 まさに、書くも涙、読むも涙の物語です。
 そして、この先生の怒りもよ?く分かります。

 教訓

 ソフト会社の言う「サポートは万全」との言葉は、空念仏であると肝に銘じておくこと!

 以下次号、、、

(1998年5月23日記) 

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No6:アーチャンレセプト

 アップルドクターとかいう会社の製品で、元はマック用のレセプトソフトです。それをウィンドウズ用に改造したもの。
 デモソフトを送ってもらいましたので私の感想を書くことにします。
 インターネットでデモソフトを希望したら、デモソフトの入ったFDが数枚、無料で送られてきました。さらに詳しいマニュアル(ただしコピー)とVHSのビデオも。こういうところはアクセプトとは大違いで、なかなか親切だと思いました。特に、ビデオはソフトの全体像をつかむのに非常に役立ちます。

 画面はアクセプトほどではありませんが、1280×1024では文字が小さすぎます。1024×768でなんとかという感じ。しかし、これはしかたないでしょう、ちょうどいいような画面で使えばすむことですから。
 しかし、よくハングアップするのにはまいりました。これは問題です。デモ版だからかもしれませんが、正式版ではうまく動くのかと心配になります。さらにもう一つ、薬や処置名の入力はみな、プルダウンメニューで選ぶようになっているのですが、これも問題です。初心者にはこれでいいかもしれませんが、慣れてきたら短縮名や番号で打ち込んだ方が速いのですから、こういう入力方法もできるようにすべきでしょう。

 一番の問題は、LANがサーバー・クライアント方式にしか対応していないこと。
 これではLANの構築に費用がかかりすぎます。開業医で何十台もパソコンをつないだりすることはないのですから、ピア・ツ・ピアで十分です。これなら費用もほとんどかからない。

 ソフト自体の価格は安いです。
 100万円で入院もできる。

 No5のことを知るまでは、かなりこれに引かれていたのですが、今はちょっと躊躇しています。

 以下次号、、、

(1998年5月25日記)

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No7:IJIα/V2 イジアルファ/ヴィツー

 本日、徳島の取扱店からインストラクターや営業マンに来院してもらい、デモしてもらいました。
 今使っているレセコンよりは確かに進歩はしているとは思いました。しかし、まだ元になったDOS時代の制限を引きずっているという印象は否めません。今のレセコンを買ってもう10年です。もうちょっと進歩していていいと思うのだが。それに、Win98、NT5.0完全対応とうたっているくせに、ウィンドウズの機能を生かしていない。ここにDOSを引きずっているという印象を受けた理由があるのだと思います。

 特にこのインストラクターや営業マンはLANのことをよく知っていないみたいだった。

 私自身、LANについてはど素人ですから、質問も適格性を欠いている、それに答える者も一緒のど素人となれば会話が成り立たない。
 ノートパソコンにデータを取り込んで、自宅で修正、それをまた診療所に持ってきて元のデスクトップパソコンへLANを通してデータ転送するってのができるのかどうか、これを尋ねたのですが、要領を得ない回答しか得られませんでした。

 もう一つ、このソフトも画面や文字の大きさを自由に変えることができません。ここにもDOS時代の根っこを引きずっている面が現れています。
 インストラクターに本社(JSP、京都の会社みたい)でこのソフトの開発に携わっている人がどれほどいるのか聞いたのですが、5人とのことでした。
 これではねぇ、、、、
 でも、こういうのはどこのメーカーでも一緒でしょう。

 ソフト自体はまぁまぁだと思います。
 十分、実用にはなります。

 また、ここは販売店が責任を持ってアフターサービスするようです。これもソフトを売りっぱなしというところよりはいいです。No5のような自体だけは是が非でも避けねばなりません。
 後は値段になりますが、150万くらいなら、これにしてもいいですね。
 さて、見積もりをどれくらい出してくるか?

 以下次号、、、

(1998年5月26日記)

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No8:日立のレセコンソフト

 開業医仲間の医師より日立のレセコンソフトを紹介されました。元々あった日立のレセコンからそのままウィンドウズに移したものだそうです。

 先日、デモをしてもらったのですが、これも今までデモしてもらったものと同じで、DOSを引きずっています。しかし、機能としては十分なものを持っていると感じました。十分実際に役立ってくれるでしょう。
 問題は、ソフトの価格(どうも200万円を越えそうです)、日立のパソコン(フローラってやつ?)を必ず1台は買わないといけない、このソフトは営業所の方でインストールしユーザーはインストールできない、というようなところです。これでは自分でLANを構築しようにも、パソコンを新しく買ったら、いちいち営業所に持っていかないといけない、なんてのは時代錯誤としか言いようがない。
 さらに、このソフトの営業所は「エイトス」という会社で、高松にある。徳島に営業所がないというのは少し不安ではあります。

 問題外。

 以下次号、、、

(1998年6月1日)

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No9:サーバ・クライアント方式の方がいい!? 

 掲示板の方でLANに詳しい人に教えられたのですが、今、サーバ・クライアント方式の方がいいのではないかと考え直しています。
 サーバ方式を取る一番の利点は速いということ、問題は構築に金がかかるということだった(一台がサーバ専用に使われてしまう)のですが、サーバにそれほどいいのを使わなくてもいいと言うのです。ハードディスクにはいいのを(つまり速いのを)使わないといけないが、CPUなんて486でも十分なのだとか。
 また、ソフトもサーバ用のウィンドウズNTなんていうのになると、95よりもはるかに高いのですが、そんなのを使う必要はない。ウィンドウズなどという、高いは欠陥はあるはのソフトなど使わなくとも、フリーではるかに安定しているサーバ用OSがあるからそれを使ったらいいのだと。かえってウィンドウズのような、しばしば凍り付いてしまうような欠陥OSは、サーバには使えないと。
 クライアントのパソコンにはマックだろうがウィンドウズだろうが、自分の好きなOSを使えばいいし、さらに混在させることさえ可能。

 サーバ方式でとなると、アーチャンレセプトも考慮に入れ戻さないといけない。
 それと、Doctor's GoodWill とかいうサーバ方式のレセプトソフトも。このソフトはホームページからデモソフトをダウンロードできます(http:www.gol.com/doctor/DGW-169.exe)。その印象記などは次回に、、、

(1998年6月10日)

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No:10 LANって何?

 予定を変更して、、、

 私はLANのことが分かってない、それもどこが分かってないのかさえ分かってないのだ、ということに気づきました。これは重大なことです。LANをどう構築するかはどのレセコンソフトを選ぶかの一番重大な問題です。
 で、本屋に行き、簡単なLANの本を探したのですが、なかなかいいのがない。
 専門科を対象にしているとしか思えない「簡単な***」、「初心者の***」とか、逆にあまりにも非実用的な本当の簡単で初心者向けの本しかない。一応、そのなかでこれはという本を1冊買って読んでみたのですが、まだ暗闇のカラス状態。それやこれやでどうしようかと思っていたら、私のホームページを見てLANで困っているというのを知ったある業者の営業さんが資料をどうぞと持ってきてくれました。
 それを読んだり見たりして私なりに理解したこと、それは、、、

LANとはコンピュータ資産を共有することなのだ。

 ハードディスクとかプリンターなどのハード資産、ファイルやデータさらにはアプリケーションなどのソフト資産を、ケーブルで結んだコンピュータで共有すること、それがLANなのだ。
 その方式として各コンピュータが対等の関係で結ばれているピア・ツ・ピア方式と、1台を共有資産の管理専用にあてるクライアント・サーバ方式というのがある。
 私が、この中で未だによく分からなかったのが、アプリケーションの共有ということです。サーバにアプリケーションがあって、それを各クライアントが共有するってのもできると本には書いてあるのですが、例えば、ウィンドウズ用のアプリケーションをマックのサーバに入れることができるのか、それを複数のウィンドウズパソコンがLAMを通して使用したりできるのか、、、
 さらに著作権がどうのこうのと本には書かれているのですが、これもよく分からない。例えば、今までクライアントが3台ということで使っていたが、1台増やしたいのだがそれをユーザーが勝手にしてはいけないのか、、、

 それと、サーバには強力なマシンを使わないと速度が遅くなると書いてある本もあれば、そんなことはないと教えてくれる人もおられます。
 いったいどっちなんだぁ?!

 弱った、、、  以下次号

(1998年6月12日)  

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No11 Doctor's Good Will

 前回、LANの話題のためにお預けになっていた Doctor's Good Will というソフトについてのレポートです。この会社のホームページ(http://www.gol.com/doctor/)からデモ版をダウンロードできます。その印象を簡単に書いておきます。
 アーチャンレセプトとよく似た感じのソフトだなぁというのを最初に感じたのですが、それも当たり前です。元々はMac用のソフトであることが同じなうえに、さらに元になっているデータベースソフトが4Dとかいうこれも同じソフトをつかっているのですから、同じようなものになるのは当然でしょう。
 違いと言えば、このソフトは電子カルテ機能がついていることくらいかもしれない。
 というより、電子カルテ機能がこのソフトの「売り」なのかもしれません。「単なるレセコンソフトではありませんよ」というのが「売り」なのでしょう。所見や処置の記載、さらに画像も記録できるようになっています。慣れれば、小規模診療所で、医療事務員が1人あるいは0とかいうところには便利かもしれない。Doctor's Good Will の電子カルテに医師がやったことを入力すればそれがそのまま窓口会計に出力されるし、月終わりにはまとめてレセプトとして出力することもできるという、そういうソフトみたい。
 ソフト自体はなかなか洗練されていると思います。
 ただ一つ難点を指摘させてもらえば、処置名や薬剤名の検索機能が弱いのではないかと思います。最初の文字で検索するとか、慣れてきたらコードで入力できるとか、こういう柔軟性があってほしい。
 私はこれにかなり引かれたのですが、大きな問題が一つあり、断念しました。
 どうやら外来のみの対応で入院は対象外のようです。ホームページに「外来のみの無床診療所向け医療統合ソフトです」と書かれていますし、デモをダウンロードするページにも「医科入院外=無床診療所対応版」と書かれています。また、デモソフト自体にも入院を扱う機能はないようです。
 これでは当院のような有床診療所では使えません。
 電子カルテとしての機能もあり、かなりこのソフトには期待していたのですが、断念せざるを得ません。断腸の思いとまでは行きませんが、このソフトは対象外です。

 以下次号、、、

 (1998年6月18日記)

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 No12:助け船

 以前からレセコンソフトを導入されている方のアドバイスがほしいと願っていたのですが、捨てる神あれば拾う神あり、願ってもない助け船が来てくれました。このホームページを訪問された先生が、私がレセコンソフト導入で悪戦苦闘しているのをご覧になって、ご自分の経験や知識、また友人でレセコンソフトを導入されている先生方を紹介していただきました。
 本当にありがたい。また、これこそインターネットのいいところでもありましょう。
 その先生方から沢山の情報をいただき、また今もいただいているのですが、次第に私にも分かってまいりました。

 それらの結果を踏まえて、、、

1)ソフトはアーチャンレセプトかIJIα/V2のどちらかにする。

 その操作性、値段、使われている先生方の経験談などから決めました。

2)LANはサーバ・クライアント方式にする。

 ピアツーピアではほかのパソコンからのアクセスがあるとすごく遅くなるとのことで、どうもイラッチの私としてはこれは嫌であります。

3)アーチャンレセプトならハードはマック、IJIα/V2ならDOS/V機。

 問題はサーバのOSをどうするかです。マックの場合はマックOSを使わざるを得ないのでしょうが、DOS/V機の場合はどうするか、NTとなると少々不安なのです。ウィンドウズ95のようなことはないとのことですが、欠陥OSじゃないのかと心配です。またかなり巨大なOSみたいで、高いハードスペックを要求されるようでもあります。
 まぁ、レセコンソフトをどうするかとうろうろしていた最初の時のように五里霧中という感じではなくなりました。それでもまだ前は十分見えない状態に変わりはありません。しかし、残された時間は少ない。これにすると決めても、導入、稼動までには1?2ヶ月の余裕をみていないといけないでしょう。

 後、半年もないのです。
 焦ります。

 以下次号、、、

(1998年6月25日記)

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No13 ドクターソフト

 宣伝文句によると、これは単なるレセコンソフトではなく、レセプトの機能は電子カルテの中の一部の機能に過ぎないのだそうです。そして、「Doctor's Good Will」と違い入院にも対応しています。
 こういう電子カルテを「売り」にしているソフトに「プロフェッショナル・ドクター」というのがあって、以前から私は注目していました(これも入院に対応しています)。ただ、これにはデモ版がなく評価のしようがありません。今、メールでいろいろ問い合わせていますので、その返答が来たら、ここに書くことにしますが、今はここに書く材料がありません。それに、高い!

 ドクターソフトは「株式会社 油井コンサルティング 豊島区高田3-38-12-601 トリニティー目白」のウィンドウズ95およびNT上で動くアプリケーションソフトです。ホームページは
http://209.130.59.131/home/home.htm
ですので、参照して下さい。また、デモソフトをこのウェブサイトよりダウンロードできます。ただし、IE3.01(以降)が必要で、私のようにネットスケープ愛用者にはダウンロードするのに苦労するかもしれません(IE3.02のインストールからしないといけなかった、これがまた、、、以下略)。それとドクターソフト自体のダウンロードにも2時間ほどかかったのにはまいりました。また、どうもアクティブX技術を使って直接こちらのパソコンを操作するようで、こういうのは気色が悪いです。事実、途中で凍り付いたりして冷や汗もんだったのです。一番の問題は大切なデータを扱うアプリケーションにセキュリティーに問題があると指摘されているような技術を使っていることです。これは私のような素人が評価できるようなことではありませんが、心配ではあります。

 前回、IJIα/V2かアーチャンレセプトのどちらかにすると決めていたはずなのに、なぜこういう電子カルテソフトに触手を伸ばしだしたのかと言いますと、販売店から買って導入しても、その販売店がきちんと対応してくれないのなら販売店を通して買う意味がないと思ったからです。デモや見積もりへの対応さえきちんとしないのに、実際使うようになったときアフターケアをきちんとしてくれるとは思えないと。
 販売店がきちんと対応してくれなければ、直接、ソフト会社の方に電話したり、あるいは送られてくる対応版のFDやMOで自分でインストールすることになります。それなら、そういう販売店を通さない方式をとって、ソフトの料金を安く設定しているところがいいのではないかと考えたわけです。

 これにピッタリなのが「ドクターソフト」でした。

 ハードを組み(LANの構築も)、OSのインストールをし、インターネットに接続できるようにし、ソフトをダウンロードする、そしてそれを自分のハードにインストールして動くように設定する、これらを全部自分でしないといけない。
 しかし、安い。
 最初に「契約時一時金」として20万円と月々数万(クライアントマシンが何台かで違いますが、それでも4台で6万円です)の保守契約料だけですみます。そして、いつでも解約できるようにもなっています。
 これはいい!
 後はソフトがそこそこのものであればこれにしてもいいのですが、今のところ、ダウンロードしたデモ版がうまく動いてくれていません。さらに、ダウンロードしたマニュアルがMS−WORDという悪名高きmicro$oft製のワープロソフト形式になっていて、読めない!
 一つ分からないのが、LAN構成はどういうものでいいのかです。たぶん、ドクターソフトという電子カルテソフトの元になっているデータベースソフト次第なのでしょうが、これはメールで直接尋ねるしかないでしょう。

 このように、実際の評価が今のところできていないのですが、ウェブサイトにある解説を見る限りは、なかなかのものだとは思います。
 今、かなりこれに傾いています。
 以下次号、、、

(1998年7月28日記)

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No14 ウィンドウズがこけた!

レセコン専用機から汎用機に変える機会に、LANを導入すると決めました。
 それには、まずLANがどういうものか実際にやってみる必要があると友人からノートのお古を手に入れ、これと今使っているデスクトップパソコンとをつないでみることにしました。LANカードやドライバを入れたりなど、一苦労だったのですが、なんとかLANで2つのパソコンをつないでデータのやりとりができるようになりました。
 フォルダの共有、プリンタの共有というのが、これでなんとか実感できるようになりました。
 次は、どういう方式にするか、OSとして何を使うかが問題になります。
 どうせするなら、方式としてはクライアント・サーバー方式(クラサバと略称するらしい)にしようか、ただし費用の問題もある、その他、OSも何にするか決めねばならない。そういうところに友人がLinuxなるPC-Unixがあり、フリーな上にNTよりもはるかに堅牢だという話しを教えてくれたのです。

さぁ、迷った。

 WIN95のように、すぐフリーズするような欠陥OSにうんざりしていたところに、安い上に堅牢だとくれば迷わざるを得ません。
 で、Linuxのお勉強をすることになったのですが、これが地獄の一丁目、、、
 そう簡単に最初からうまく行くわけがないとは覚悟してましたが、これほどとは、、、
 Linuxを紹介している本を買ってきて、付録についているインストール用CDからインストールを試みたりといろいろやってみたのですが、なかなかうまくいかない。なんとかインストール自体はできるようになっても、うまく使えない。まぁプレタコ(Linuxの世界では初心者をタコと言うらしいです、私はその初心者よりさらに前ということでプレタコ)ですからしかたのないことではありますが。
 また、OSを切り替えるためにそれ専用のアプリケーションを買ってきて(敢えて名前は出しません、こいつのためにひどい目にあった)、WIN95とLinuxを切り替えて立ち上げられるようにしたりもしました。
 しかし、これがいけなかった。
 そのうちwin95そのものが立ち上がらなくなってしまったのです。
 これが盆休み前、徳島では阿波踊りで全県浮かれ気分になる時期なんですが、これに合わせて私の診療所も休診にしています。この休み期間中にLinuxの勉強やドクターソフトに習熟してやろうと予定していたのに、パソコン自体が使えなくなってしまった。
 さぁ、それからが大変です。絶対なくしては困るデータはバックアップをとってありますが、できれば今までの環境やアプリケーションをそのまま引き継げるようにとまずWIN95の再セットアップを試みました。ところがうまくいかない。立ち上がることは立ち上がるのですが、OSの切り替えソフトを使うとおかしくなる。また再セットアップしないといけなくなる、ということを繰り返すうちに、再セットアップ自体ができなくなってしまった。
 なぜだか分かりません。
 で、しかたなく、再インストールです。泣く泣くCドライブを初期化して、WIN95を最初から入れ直し。
 ここまで既にまる2日を消費していました。
 WIN95自体は、この再インストールでなんとか立ち上がるようになりましたが、こんどは環境整備です。リソースをうまく分配してやらないと、通信はできないは、SCSIつないでいるPDやHDDを認識してくれないは、サウンドカードが鳴らないは、などなど使いものにならないのです。あの悪名高きplug&prayというやつのせいです。
 で、これにまた1日かかり、さらにこんどはアプリケーションの再インストール。これがまた聞くも涙だったのですが、くどくなりますのでここでは書きません。結局、なんとか使えるようになるのに、盆休み全部かかってしまいました。それも、なんとか使えるようになったというだけで、完全復旧にはさらに8月いっぱいかかってしまいました。
 それやこれやで、Linuxとかドクターソフトの評価どころではありませんでした。その上、ドクターソフト自体も、この時一緒に天国に行ってしまい、再ダウンロードしないといけなくなるわで、使えるというにはほど遠い状態にだったのです。そのためドクターソフトの評価は次に書くソフトの後回しにします。なお、できればLANでの使用感も紹介できればいいのですが、私がLANを使いこなしているとはとても言えない状態ですからアヤシイものではあります。
 8月末に富士通のレセコンソフト「HOPE/SX−P」というのをマスコット株式会社の営業マンが当院に売り込みに来ました。
 インター医師会ネットのレセコンソフト紹介のページでこういうソフトがあることは知っていたのですが、その紹介先のサイトにはあまり情報がなく、検討ソフトには入れていませんでした。しかし、売り込みに来たとなれば話しは別です。9月はじめにデモに来られますので、次回はこの印象記を書くつもりです。これの一番の障害はちと高いことですが、約束通り見積もりを出してくれたのはここだけ、保守の方もきちんとやってくれそうな感じです。これが他とは違う。こういうところにはすぐしっぽを振るのが私の悪い癖。

以下次号、、、

(1998年9月6日記)

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No15 HOPE SX−P

 富士通のレセコンソフトです。
 このソフトを当院に売りこみに来られたのはマスコット株式会社(Tel 0886-68-8060)の営業マンなのですが、SEをそろえて保守点検をするのはテック情報株式会社(Tel 0886-22-2673)だそうです。
 平成10年9月7日、この2社のかたが3人来られデモしてくれました。
 その印象記です。
 レセコンのみに特化したソフトです。電子カルテ機能というようなものはついていない。使い勝手は、他の同種のレセコンソフトと変わらない。機能的には十分満足できるものだと感じました。窓口で事務員が受け付けをし、医師がカルテに記入したらそのデータを打ち込むと即座に会計として出るし、レセプトも出る。間違い処理も、画面を見ながら簡単に修正できるようにもなっています。入力の仕方も洗練されており略号でもコード式でもできるようになっている。
 このように、レセコンとしては申し分のないものだと思います。
 問題は、条件です。
 いかんせん、ちと高い(ホンネを言えば、かなり高い)。それと、契約条件のことも少し心配です(参照、平井先生のウェブサイト、http://www.urban.ne.jp/home/hirai/rece2.htm)。
 このソフトは買うというのではなくライセンス契約のようです。見積書を見ると、確かに「クライアントライセンス」とかいう語句があります。なんか不安です。これらいろいろな名目をみなひっくるめたソフトの値段は(ソフトの値段であって、ハードの費用は別です)、2台をLANでつなぐシステムで240万円でした。その他、保守料が月1万円および改訂情報サービスなるものが毎年12万円で、計24万円は最低必要。なお、ハードは富士通の製品でないといけないとのことです。正直言って、こんな商売は止めた方がいいです、あの日立のレセコンもそうですが、今時何を考えているのかと思います。今やソフトの時代ではないですか。
 それと、LANのことがあまり分かってない私が言うのもなんですが、どうもLANでつなぐ価値のあまりないソフトのよう。もしこれにするのなら、今までと同じようにレセコン専用機として外来に1台だけおいておくという案も考えられます。
 しかし、トラブル時のバックアップ体制はここが今まで見た中では一番充実しているようです。安心してまかせられそう。また、同じ医師会の友人がこのレセコンソフトを導入したこともあり、候補として外すわけにはいかない。

以下次号、、、

(1998年9月9日記、人類滅亡まで後3ヶ月)

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No16: HOPE SX−P(その2)

 何度か営業の人がこられ、条件面の詰めを行いました。
 あの5年間という契約条件は、よほど不評なのでしょう、本社の方でも撤回することになったそうです。5年を過ぎてもソフトの契約はそのまま継続される。ただし、保守契約料が1.5万円になり、7年目からは、新たに契約し直す(そのまま継続もOK)というようになりました。5年過ぎれば、ハードの方も修理が必要なところが増えるでしょうから、5千円値上げというのも納得はできます。さらに、ソフトのヴァージョンアップは保守契約料の中に入っているというのも良心的です。
 また、ハードは、数年でもう古くなりますが、これを自分で新しいのを買ってもいいそうです。ただし、富士通のパソコンでないといけないですが。古いパソコンは、中に入っているレセコンソフトは消去してしまい、ただのウィンドウズマシンになる。そして新しいパソコンにレセコンソフトを新たにインストールすると。そしてこのインストール料は無料ということです。これも良心的です。
 今使っている東芝のレセコンのデータも、営業所の方で患者データだけは変換して、新しいパソコンに入れてくれます。
 条件としては、これ以上望めないくらいになっています。問題は価格だけということになりますか。
 前回、書きましたように、このソフトを買うとしたら、スタンドアローンで使うことになるでしょう。これだと200万円を切る値段を提示してきました。もちろんハード込み(無停電電源装置やプリンターなども含む)です。これだと他のレセコンソフトとそれほど遜色ありません。

近々、アーチャンレセプトをマックで運用されている先生のところを訪問し、見学させていただくことになっています。
 それとの比較でどちらかに決めます。なお、この HOPE SX−P はレセコンソフトというより、富士通のレセコン専用機としておいた方がいいと思います。ハードがウィンドウズ・マシンというレセコン専用機。また、導入には2ヶ月かかりますよと言われています。導入する先生方が多いのだそうです。2000年問題に恐怖しているのは私だけではないということでしょう。

以下次号、、、

(1998年10月16日記、あと2ヶ月)

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No17 レセコンソフト最大の短所

 以前、No5でご紹介したことがありますが、成瀬先生があるレセコンソフト会社相手に裁判を起こされています。
http://www.exe.ne.jp/~naruse/reseputoindex.htm
 ここを参照して下さい。
 レセコンソフトを導入されようとされている先生は必見です。レセコンソフトと専用機の比較などもされています。非常に参考になります。
 レセコンソフト最大の欠点は、保証とサポート体制が不十分なものがあるということだと思います。成瀬先生のケースはまさにこれでしょう。
 レセコンソフトはレセコン専用機に比べ価格は安い。そして、いろいろな多彩な機能もついているのが多い。汎用性に優れている。しかし、パソコンというものは、ウィンドウズというOS自体の不安定さもあり(マックOSなら大丈夫だと言ってはいません)、必ずクラッシュしたりフリーズしたりするものだと考えておかねばなりません。その時、サポートをどれほどしてくれるかが問題です。ある程度のパソコンの知識があれば、自分でそのトラブルに対処できることもあるでしょうから、サポート体制が不備でも価格やその他のレセコンソフトの長所を買うというのも一つの考えです。また一方、レセコンというのは医師の金づるですから、ちょっとの遅滞も許されない、サポート体制こそ命だというのなら、ある程度価格が高くても、サポート体制のしっかりしているところから買うべきでしょう。
 成瀬先生のケースのように、立ち上がりさえうまく行かないのにその保証はしないというのは、これはもう論外です。こういうところに引っかからないよう、導入する前によく情報を仕入れてから、何にするか決定しないといけない。
 私は、先に書きましたように、アーチャンレセプトか HOPE SX−P のどちらかにすることにしました。もう残された時間も少なくなってきた。
 HOPEは、レセコン専用機と考えていいもので、そのサポート体制もしっかりしています。たぶんトラブル自体も少ないでしょう。一方アーチャンレセプトは純粋なレセコンソフトです。代理店を通さずに開発元から直接買うことになる。代理店によるサポートなどは望むべくもない。しかし、価格は安いし、汎用性も優れている、しっかりLANにも対応している。
 とにかくあと1ヶ月以内にはどちらかに決定します。

以下次号、、、

(1998年10月16日記)

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No.18 まとめ(その1)

 1998年もそろそろ終わりに近づいてきました。
 いくら優柔不断の私でも、そろそろ決断をつけないといけない。
 候補は、アーチャンレセプト、HOPE SX−P、ドクターソフト、IJIα/V2の4つとします。

IJIα/V2

 IJIα/V2は、一度は候補から外していたのですが、再度候補に入れることにしました。
 理由は、私が開業するまえにお世話になっていた病院(大きな私立病院です)で、大きなシステムで導入され、経営者の先生も非常に満足されていることを見たからです。立ち上がりまでにはいろいろ苦労されたようですが、私が見学させていただいたときにはほとんど問題もなく順調に動いているとのことでした。NEC製のサーバー上で10台近いクライアントが動いていましたから、これほど大きなシステムにしても大丈夫だということになります。さらに、IJIα/V2を導入してから、レセプトミスが非常に少なくなったということです。減額査定がほとんど無くなったと院長先生は言われていました。
 問題は、価格です。価格がいくらか分からないことには判断のしようがありませんから、とにかく価格を知らねばなりません。
 以前、代理店の方が見積もりを出すと言っていたのに、なしのつぶて(No7)。そのため再度、JSPのホームページより、購入を検討しているから見積もりを出してほしいと、今度は本社の方に直接申し込みました。ところが、当社では代理店を通して販売しているから、代理店(NECソフトウェア四国)の方に申し込んでくれと言ってきました。代理店がダメだから直接申し込んでいるのにこれではやはり候補を外そうかと思っていたら、代理店の方から電話がかかってきた。そして今度はすばやいというか翌日、営業の方が来られ、見積もりを持ってきました。ところがです、その値段ときたら、あまりに高い。いろいろ込めて300万円。もちろんソフトのみの価格であり、さらにこの上、月間保守料として2万円まで要るときている。見積もりを再検討するとのことですから、もう少し待つことにしますが、これでは話になりません。

アーチャンレセプト

 10月中旬、アーチャンレセプトを導入されている有床診療所を院長先生のご厚意で見学させていただきました。アップルでクライアント・サーバー方式のLANを組まれており、ほとんどトラブルもなく稼働しているとのことでした。画面は、デモ版で見たウィンドウズ版とほぼ同じで、使いかっても良さそうな印象をうけました。値段も、4つの候補の中で一番安い。よしこれにしようかと傾きかけたのですが、帰る間際ちょっと気になることを言われてしまったのです。
 外来はよく出来ているソフトだが、入院用は使いにくいと言われるのです。無床診療所なら、本心より勧めるが、入院もしているのなら、勧めるのはちょっと躊躇すると。
 さて、困った、、、

HOPE SX−P

 これは、代理店の人が熱心です。また、一番保証がしっかりしていて、安心して導入できそうに感じています。ハード込み、入院、自賠責、労災などの機能も含めての値段も交渉の結果下げてくれ、アーチャンレセプトには負けるとしても、リーズナブルな値段にまではなっています。また、同じ医師会の親しい先生がこれを導入されているのですが、なかなかいいレセコンソフトだと言われています。
 とにかく、ここは一番サポートがしっかりしていますし、これをはずすわけにはいきません。

ドクターソフト

 これは他の3つの候補が何らかの事情でダメなときに導入することにします。
 というのは、ドクターソフトの会社のホームページよりダウンロードしたデモソフトを使ってみたですが、うまく使いこなせないのです。マニュアルを読みながらでは、どうしてもうまくいきません。これは私に責任があるのでしょうが、やはり最初はインストラクターを派遣してほしいです。導入したはいいが使いこなせないということになりそうで、、、

今のところの結論

 IJIα/V2がリーズナブルな価格を提示しなければ、HOPE SX−Pにします。そして、この場合はしばらくはスタンドアローンで行くことにします。

以下次号、、、

(1998年10月29日記)

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No.19 まとめ(その2)

 先ほど、導入するソフトを何にするかというのを決断しました。

IJIα/V2とします。

 HOPE SX−P と最後までどちらにするか迷ったのですが、LANを運用したいということでIJIα/V2にしました。
 「アーチャンレセプト」は、価格は一番安いのですが、サポート面の不安と入院の操作がいまいちと言われる先生がおられたことで候補より外しました。ドクターソフトは、サポート面に不安があったこと。プログラムはインターネットでダウンロードし、サポートはインターネットと電話で対応するというのでは、よほどパソコン運用に自信がないと踏み切れません。それと、私はマニュアルだけで操作に慣れるという能力に欠けていると分かりました。これでは使いこなせません。やはり最初だけでもインストラクターに来てほしいです。
 HOPE SX−P は、サポートが一番しっかりしています。また営業の人も誠実で好感が持てた。機能も、友人のところで問題なく動いていることから、満足できるものであるのは間違いない。さらにハードも一緒にサポートしてくれる契約になっていることも心強い。値段もスタンドアローンで運用する分には、そこそこのものを出してくれました。
 それなら何も問題なしじゃないか、どうしてこれにしないのかと思われるでしょうが、どうしてもLANを組みたかったのです。
 LANを組むとこれが一挙に高くなる。これでは手がでません。
 スタンドアローンで行くとしたら、これにしていたでしょう。また、そもそもLANにする意味が実際にあるのかと言われると返答に困るのですが、これはもう私の趣味の問題と言うしかありません。
 で、IJIα/V2です。
 ここは最初から3台をLANで結ぶという構成で見積もりを出してきました。さらに4台以上になるときは、1台につき5万円出すだけでいいということでした。はっきり言ってこれは安い。サポート料はHOPEと同じ月額2万円になりますが、こちらはソフトのみのサポートとなる。ただ、そこは水心あればなんとやらで、困ったときは助けてくれるだろうという下心がこちらにはあります。それと、私もパソコンのことを何も知らないという医者ではありませんので、これについてはある程度冒険をしてもいいと考えました。
 機能面については不安は持っていません。以前にも書きましたように、私が開業する前にお世話になった大きな病院で問題なく動いているのを見ていますから。

 今、次のような構成にしようと考えています。
 外来に1台、ここに中心となるデータベースを置く。さらにプリンターも。ですから、LANはピアツピアですが、サーバーに近い機能をこのパソコンに持たすことになります。
 クライアントは3台。私の診察机に1台、入院用として詰め所に1台、そして院長室に1台と。そして、ルータを置いて、どこからでもインターネットできるようにする予定です。
 OSをどうするか、これも迷ったのですが、営業の人は、Win98でもNTでもどちらでもいい、もちろん95であってもOKと言われていましたので、Win98にすることにします。堅牢ということではNTに一日の長があるかもしれませんが、私はNTを使ったことがない。Win95で、問題なく動いているということですから、Win98にすることにしました。なお、95より98が信頼性があると言っているのではありません。新たなハードを買えば98がついてくるからそうしているだけの話で、古い機種のは今まで通り95を使い続けます。

 さて、長々と書いてきたこのレセコン導入記も機種選定の巻はこれで終了です。
 ただし、これで終わりというわけではなく、次回より、本当の「導入」奮闘記を始めることにします。たぶん、今まで以上の苦労とお笑いネタがあることでしょう。

 乞う、ご期待!

(1998年12月4日記)

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NO.20 総まとめ、1999年になるにあたって

 問題の1999年が始まりました。
 いよいよ恐怖の大魔王が天から降ってくる年になった、というのは冗談ですが、2000年問題も大詰めです。
 2000年問題が、私の所のような弱小診療所にも関係あるのだと突然知らされてあたふたした半年が終わり、なんとか目途をつけることができました。ここに、これまでの反省とこれからの豊富を書きたいと思います。

 まず反省から、、、

 とにかく、無知であったということ。無知は罪であり、その罰は自分自身にかかってくる。その無知を無知でなくすには、情報の欠けたところを埋めるしかないのですが、今回、インターネットが非常に役立ちました。情報を得られただけでなく、何人ものかたとお知り合いになれたのは、望外の喜びでもありました。
 しかし、未だ無知です。
 レセコンのこと、LANのこと、まだまだ知らないところが多すぎる。
 次回より、真の意味でのレセコン導入記を書くつもりですが、たぶん同じように無知をさらけ出すことでしょう。これを反面教師としていただけたら幸いです。
 レセコン専用機の時代は終わったこと、このことを今回思い知らされました。それも、データを独自形式で保存しているようなレセコンは、絶対に買うべきではない。これは今回、声を大にして言いたいです。

 当院は東芝のTOSMEC7000EXというレセコンを使っていたのですが、2000年に対応できないというのはしかたありません。すでに10年になる古い機械ですから。しかし、中のデータは東芝のものではない。販売店のものではない。橋本医院のもの、宝です。それを、データ変換は東芝のレセコンを買えばしてあげますが、他社製のを導入するのならやらないと言うのですから、開いた口が塞がらない。二度とここからは買わないと心に誓いました。
 ただし、こういうのは東芝だけではなく、どこでもそうなのかもしれません。しかし、もしそうであるならば、ますますレセコン専用機というのが廃れて行くのは間違いないでしょう。

 汎用OSで動くレセプトソフトにも問題がないことはない。
 特に、サポート体制が不備なものが多い。特にこの部分に金をかけずに、その分、値段を安くしているのもあります。これはそういうものとして買うべきでしょう。自分にパソコンの知識があるのなら、ある程度サポート体制が不備なところのものでも使いこなせるはずです。レセプトソフトがうまく動かないというので、レセプトソフト自体に問題があることより、パソコン、特にOSに問題があってうまく動かないというのが大半だと考えます。そういう時には、自分で対処できることも多いはずです。とにかく、ウィンドウズというのはフリーズするのが当たり前のOSなんです。そういうものに当たり散らしても無意味です。使う前からそういうものだとして使うことです。一方、レセプトソフトに問題があるとなれば、これはユーザー個人ではどうにもなりません。サポート体制が不備だと、レセコンが動かない事態になってしまい、もしそんなことにでもなれば、診療自体にも障害となります。こういうこともあり得るのだというのを知った上でレセプトソフト選びをしないといけないでしょう。

 LANというのがこれほど便利なものだと、これは今回のことがなければ、いつまで知らなかったかもしれません。
 パソコンはLANで結んでこそ、その真価が発揮されるとまで言えると思います。もし、ここを読まれていて複数のパソコンを持っているがLANで結んでいないかたがおられたら、それは宝の持ち腐れです。是非、LANに挑戦されんことを!

 次回より、IJI/αV2導入記の顛末を、今までと同じく同時進行で書いていくつもりです。たぶん、これも今までと同じように悲喜劇が起こるでしょう。

 乞う、ご期待!

(1999年1月25日記)

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No21:LAN構築

 LANを前提にしてレセプトソフトを導入するということになりましたから、まずLANを病院内に構築することにしました。
 まずどういうLANにするかというのがあります。OSをどうするのか、クライアント・サーバーかピアツピアかなどなど。しかし、私のような素人がやるのですから、自ずと限られてきます。で、以下のようなことになりました。
 OSはウィンドウズ、95と98の混在(新しく買ったパソコンには98がインストールされているが、古いパソコンはわざわざ98に変更するまでもないと判断)としました。Linuxは一時サーバーにと考えて、インストールして使ってみたのですが、思うように動いてくれず、あきらめました。残念ですがしかたありません。でも、いつかLinuxでサーバーを組みたいとは思っています。WinNTは最初から候補に入れませんでした。値段の高さ、また95や98と比べてどれほどのメリットがあるのか疑問であったことなどのためです。
 接続方式はOSがWin95・98となったことにより、必然的にピアツピア接続となります。
 パソコンの設置場所は、外来受付、診察室、詰所、院長室およびノートの計5台としました。
 まずそのためのLANケーブルを引かないといけない。これは当院に電話設備を行った業者に依頼しました。ケーブルの規格はカテゴリー5というもので、10BASE−T、100BASE−Tという通信速度に対応します。LANカードは両方に対応しているのですが、HUBが10BASE−Tのため、現在は10BASE−Tとなっています。将来、100BASE−Tへの変更も考えておりますが、今のところ10BASE−Tで十分満足しています。
 LANケーブルの設置費用は10万円でした。もうちょっと安い値段を想像していました(なにしろ10万出せばかなりなパソコンが買える)。工事費というのは意外と高いものです。 次にルータの設置。
 ルータというのは、いわばLANとLANをつなぐ機械とも言えるものです。LANを構築していてインターネット(インターネットは世界中を結んだものとも言えます)につなぐ場合にはこれほど便利なものはありません。LANに結んだパソコンがルータを通してそのままインターネットに接続できる。パソコンまで電話線を引いてきて個々にインターネットにつなぐということをしなくてよくなるのですから。
 ただし、外からLANに進入されて悪さをされないか、それが心配ではありますが、専用線接続ではないですから、まず大丈夫ではないかと思っております。いずれはセキュリティーのことをもっと勉強して、きちんとしたファイアウォールというのを作り上げたいと、これも希望となりますが、思っています。
 なお、ルータはそのほとんどがDSUやTAと一体になったものが多いのですが、当院では既にISDNを引いており、既にDSU・TAがありますので、ルータのみの製品を購入しました(マイクロ研究所、NetGenesis4)。
 パソコンは外来受付に新しく購入しましたが、それ以外は今まで使っていたものを流用します。というか、これこそがレセプトソフトの最大のメリットと言うことができます。今までのハードウェア資産を使えること、これがレセコン専用機との大きな違いです。外来に置くパソコンはメーカー製(DELLコンピュータ)としました。自作機よりも信頼性があるという私の先入観のためです。CPUはペンティアム2、400MHz。128MBのメモリー、HDDは8.4GBで、税込みで18万円弱でした。
 パソコンの要求スペックはIJI/αV2の担当者からは、ペンティアム133MHz以上、メモリー64MB以上、HDD1GB以上ということを言われていました。これは既に何世代も前のスペックになります。自作するとなれば10万円もかからない、いやけちれば5万円程度で作れるのではないかと思ったのですが、一番大事なコンピュータは張り込むことにしました。とにかくこれが動かないことには、診療自体が止まってしまうことになります。
 LANの設定は簡単でした。LANカードやウィンドウズのマニュアルでパソコン側の設定を行い、ルータもルータのマニュアルにそのまま従って設定して終了です。DNSがどうのIPアドレスがどうのと意味不明な言葉も出てきますが、分からないままただマニュアルどおり設定したら、それぞれのパソコンがつながり、さらに各パソコンからインターネットにもつながりました。
 周辺機器ですが、プリンターはページプリンターでA4の印刷ができることと言われました。これも安いものなら10万円程度でいけます。パソコンのパラレルポートに接続するのもありますが、せっかくLANを構築しているのですからネットワーク対応のプリンターを購入することにします(これを書いている時点ではまだ機種は決まっていません)。
 その他、MO(230MBタイプでいいとのことでしたが640MBタイプのものを購入することにすることにしました)、UPS(突然の停電からパソコンを守る電源装置)が必要です。
 次回は、これら周辺機器もつけてレセプトソフトのインストールしていると思いますので、その騒動のことなどを書けると思います。
 乞う、ご期待!

(平成11年1月28日記)

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No22:当院のLAN

 今回は、インストールの騒動を書けると予想していたのですが、全く支障なくインストールでき、既に事務員さんが入力の練習をしています。そのため騒動記は書けず、完成したLAN構成のことを書こうと思います。
 平成11年2月も終わりに近くなって、最後まで届かなかったプリンターが送られて来、最終的に当院のLANシステムが完成しました。
 以下のようになっています。

LAN構成

 LANの中心となるHUBは3台あり、10BASE−T対応のもの。
 ケーブルはカテゴリー5で、この配線工事だけに10万円かかりました。こういう工事は高いものです。10万円も出せば、かなりなパソコンが買えるのに、、、
 コンピュータ5台、ルータ、プリンターにはそれぞれIPアドレスがついています。
 コンピュータに入っているOSは受付のDell社製パソコン(CPU:PentiumII400MHz、これだけが新品)がWindows98である以外はWindows95です。
 PC9821の2台には外付けモデムがついいますが、これはここに検査会社より検査データが送られて来て、それぞれのパソコンにデータが蓄積されるようになっています。
 院長1号は直接TA+DSUに接続されていて、ルータを通さずにインターネットに入れます。他のパソコンもルータを通して自由にインターネットに接続できます。
 レセコンソフト(IJI/αV2)は、Btrieveとかいうデータ管理ソフト上で動くようになっており(担当者の話)、これはLANでつながっているどれか一つのパソコンをデータを管理するサーバーにするのだそうです。それで、外来のDell社製パソコンをサーバー用に使うことにしました。クライアントは院長1号、2号、詰所のPC9821XAに入れました。
 一つ問題になったのが、レセプトを印刷していると外来処理が遅くなるかもしれないと言われたことです。ただし、担当者の話では、遅くはなっても外来処理に支障がでるほどではないとのことです。
 確かに、IJI/αV2の速度は、今使っている東芝のレセコンよりかなり速く(当然ですが)、少々遅くなっても外来処理は苦痛なくやれるでしょう。
 プリンターは、ネットワーク対応というページプリンターというのですか、エプソンのLP9300という機種を購入しました。27PPMということですから1分間に27枚印刷できる。確かに速いです。数年前に買ったレーザープリンターやバブルジェット・プリンターとはウサギとカメほど違う。コピー機より速いですよ言われたのですが、確かにそうです。
 以上の機械を使って、この3月、入力の練習をやり、4月より本格稼働の予定です。
 以下次号、乞うご期待!

(平成11年3月4日記)

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No23:本格稼働

 3月いっぱい、京都よりインストラクターに来ていただき、事務員へのソフトの使い方を指導してもらいました。
 そして、4月よりIJI/αV2の本格稼働を開始しました。
 あっけないほど簡単、スムーズでした。日常業務でも問題なく、さらに5月に入ってのレセプト提出でも何の支障も起こりませんでした。あまりにもあっけなく、ひと騒動ここに報告できるのではないかと、期待と不安を持っていたのですが、残念ながらほとんどありません。
 事務員さんもすぐ使いこなすようになり、何度もJSPにお尋ねの電話をすることになるよと言われていたことが杞憂になってしまいました。
 ただ、これではあまりに面白くありませんので2、3、、、

1)外字が消える

 患者の氏名や病名に外字がどうしても必要になります。
 JSPでも、よく使用される外字を登録してくれていますし、事務員さんも独自にWin付属の外字エディタで作成しています。
 ところが、この外字が、しばらくすると消えてしまうという現象が起こっています。
 原因は未だ不明です。
 外来においてあるDELLコンピュータのみにこの現象が起こっており、診察室においてある院長1号の外字ファイルをDELLコンピュータにコピーして対処しました。現在は、外字ファイルをいちいち別ファイルにバックアップしていますが、鬱陶しいことこの上ない。

2)時々ハングアップする

 まぁ、これはウィンドウズというOSの欠陥によるもので、しかたありません。あきらめるしかない。
 ハングアップしたときは、例のCtrl+Alt+Delで強制終了していますが、医療データに障害が出たことは今までありません。

3)受付には2台必要

 IJI/αV2は1台に2つを同時に立ち上げることができるのですが、パソコンとして2台置いてある方が便利です。これは事務員さんからの要望ですが、私もレセコンソフト導入時に、このことはある程度予想していたことでもあります。
 そのため、さっそくノート型パソコンを受付に置くことにしました。
 これも中古で、既に3世代前くらいのものです。Pentium166、メモリー40MB、800*600ドットTFT。これでも十分動くとのことで、これにもインストールすることにしました。もちろんLANで結びます。
 最後に、プリンターとしてLP9300を入れたのは大正解でした。
 ネットワークプリンターとして、全てのパソコンから簡単に使えるし、スピードも非常に速い。20万円を切る値段でこれほどのネットワークプリンター、それもページプリンタが買えるようになったとは驚きです。

(平成11年5月25日、記) 

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No24:サーバーダウン時の備え

IJI/αV2は順調に稼動しております。
 時々、エラーが出ますが、その時は京都のJSPに問い合わせて対処しております。そのほとんどは大したものではなく、OKボタンを押して終わりです。中にはアプリケーションの再立ち上げをすることもありますが、データが異常になったようなことはありません。
 しかし、パソコンに限らずコンピュータというのは、クラッシュするものであります。
 アプリケーションのクラッシュならそれほど大事には至りませんが、OSのクラッシュとなると、HDDをフォーマットをしないといけないこともあります。また、パソコンの中でHDDはもっともクラッシュしやすい部分であり、これが起こると、HDDを入れ替えないと行けなくなる。もちろん、アプリケーションはもちろんのことOSさえも立ち上がりません。
 趣味でパソコンを使っているのなら、こういうことが起こっても、パソコンを蹴って終わりです。
 しかし、レセコンとして使っているような時にはそうもいかない。日々の業務に差し支えます。
 私は幸いなことに今までHDDのクラッシュに会った経験はないのですが、噂はよく聞きます。そして、誰もが大変な目にあった、本当に困ったと言われています。
 それと、平井先生の導入記(平井内科胃腸科、http://www.urban.ne.jp/home/hirai/、「間違いだらけのレセコン選び」の「新レセコン導入記1」)を読んで、サーバーがクラッシュしたときのことを考えておかねばならないと思いました。データ自体はMOに取り込んでありますから、前日までのデータはMOからコピーすればいい。しかし、サーバーがクラッシュした時にはクライアントも全て動かなくなってしまいます。
 当院ではDELL社製パソコンがIJI/αV2でのサーバーとして機能しています。
 これがクラッシュしたときの予備サーバーを作っておくことにしました。
 平井先生はシェアウェアや商用ソフトを使ってシステムを構築されておられますが、私は安上がりに組むことにしました。それほど高機能なものを求めることもないだろうと考えたためです。
 幸い、JSPの担当者に問い合わせたところ、サーバークラッシュ時には、別のクライアントパソコンをサーバーにする方法があるとのことでそれを教えてもらえました。
 PC9821V13(「No22:当院のLAN」参照)を予備のサーバーにすることにしました。
 このパソコンは検査会社からのデータを電話回線を通して受けており、24時間稼動しております。ハードディスクは3.5Gほどあり、その内1.5GをAディスクとして検査会社のアプリケーションおよびデータ保存用に使っていて、残りは未使用になっています。これをBディスクとして、ここにIJI/αV2のプログラムやデータが全て入っているフォルダ(ap020というフォルダ)を丸ごとバックアップすることにしました。そのバックアップソフトにはフリーソフトを使うことにしました。
 RealSync(Realtime Folder Sync)というソフト(http://www.takenet.or.jp/~ryuuji/でダウンロードできます)で、設定した時間毎に変更されたファイルを指定したところにバックアップしてくれます。具体的には、PC9821V13のBディスクにap020というフォルダ(このフォルダは共有設定しておく必要があります)を作り、ここにDELLパソコンのCディスクにあるap020フォルダをバックアップするように設定しました。
 こうしておけば、アプリケーションばかりでなく、データも常時バックアップされていることになりますので、サーバーがクラッシュしても予備のサーバーにサーバー先を変更することで、クライアントのIJI/αV2(少し設定の変更をしないといけませんが、簡単です)を使うことができます。
 サーバーがクラッシュいないことが最善で、たぶんそういうこともまずないとは思いますが、もしものことを考えておくことにしました。
 また、その対処に新たな出費も必要とせず、それもアプリケーション本体に操作を加えずに簡単なLANの設定変更だけでできるのですから、やるにかぎります。もし、IJI/αを導入されているかたでここを読まれておられるのなら、是非、そうされることを薦めます。

(平成11年7月16日記)

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No25:ほぼ1年のまとめ

IJIα/V2が本格稼働しだしてよりほぼ1年になろうとしています。その間、大きなトラブルもなくきておりますが、LANの構成など変えた部分の報告して、このレセプトソフト導入奮闘記を一段落させることにします。外来受付に2台目を置いた。
 さすがに私もK6:200MHzではその遅さにストレスを感じるにようになり、診察室のパソコンをセレロン433MHzで動くようにマザーボード、メモリー、CPUを入れ替えました。それで使わなくなったお古を使い1台パソコンを組み立て(新たに購入したのは筐体、CDドライブ、LANボードのみ)、これに800×600ドットの液晶モニタ(図ではCRTになっていますが、液晶モニタです)をつけて受付に置きました。
 LANを100BASE−Tに変更。
 HUBも1台1万円を切るようになり、100BASE−T用のスイッチングハブを3台買い、10BASEから100BASEに高速化しました。
 LAN構成は下のようになっています。

LAN構成2

 外字ファイルが消える問題はなぜか起こらなくなりました。
 ウィンドウズがおかしくなるのは相変わらずですが、これはそういうOSだということでしかたありません。NTに変えてもよく似たものだそうですから、これはウィンドウズから手を切らない限りどうにもならないでしょう。
 なお、クライアントサーバーかピアツピアかというのを私は誤解していた可能性があります。IJIα/V2に関しては受付の(1)パソコンがサーバーとして機能しており(ファイルサーバー)、これがクライアントになることはありません。
 院長室のパソコンにLinuxをインストールして、DNSやWeb、Mailサーバー、プロクシサーバーなどを動かすことでクライアントサーバー方式のLANというのが少し分かるようになりました。雑誌の付録についているOSでここまでできるのですから、すごいとしか言いようがありません。当地でもCATVの常時接続サービスが平成12年度の秋頃より開始されるそうで、その時には院長室にもう一台パソコンを置いて、これにLinuxをインストールして本格的なサーバーにしようと考えています。
 これにてこのレセプトソフト導入奮闘記は一段落とさせていただきます。
 レセプトソフトを導入されようとする方の参考になれば幸いです。

(平成12年4月3日記)

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No26:追加、ORCAなど

 ホームページをリニューアルするのにあわせて内容を読み返したのですが、さすがに古くなっています。そこで何点か追加しておきます。

IJIα/V2の状態

 IJIα/V2は今(平成17年10月)も順調に動いてくれています。保険改訂にあわせての修正は京都本社からMOで送られてきますし、操作上の問い合わせなども全てIJIα/V2の京都本社の担当者に電話で行っています。つまり、徳島の代理店はただサポート代の仲立ちをしているだけの状態で、医院に担当者が来たこともない(それくらい順調と)。

Linuxサーバーを置いた

 IJIα/V2はBetrievというファイルサーバー上で動いているようですが、このサーバーを外来のパソコンからLinuxパソコンにしました。Linuxでもいろいろあるんですが、使いやすさ、インストールのしやすさ、きちんとアップデートがやられていることなどからVineを使っています。このサーバー上でSambaを動かしてここにBetrievファイルを置いて、各クライアント(Windows98)からアクセスするようにしています。
 Windowsの時のように突然ブルー画面になってにっちもさっちも行かなくなるなどということもなく、まさに岩にように安定して稼働してくれています。止まったのは停電の時くらいです。
 また、このサーバー以外にももう一台Linux(これもVine)パソコンを動かして、これをバックアップにしています。
 ハードは今や10万円を切る時代。いや、サーバーといえども時には5万円を切るような時代に、OS代と称して10万、20万を要求するなど時代錯誤も甚だしい。その上無料、さらにアップデートもインターネットで簡単にできるとなれば使わない手はありません。私のような小規模なところには、こういうフリーなソフトは最適でしょう。その上、このLinuxは、今やスーパーコンピューターの基本ソフトにさえ使われているくらいで、大規模な事業所にもたくさん使われているそうですから、少なくともサーバーに関してはWindowsを駆逐してしまうんじゃないでしょうか。

ORCAを勧める

 これからレセコンソフトを導入されようとされているかたがおられるのなら、私はORCAを勧めます。
 ORCAプロジェクト(http://www.orca.med.or.jp/)
 ORCAとは、日本医師会が開発したオープンでフリーなレセプトソフトです。オープンでフリーとは、そのソースコードが公開され、全ての人がそれを無料で自由に使えかつ自由に改訂してよく、その上自由に再配布していいという意味です。この対局にあるのがWindowsですが、それと比べてみてください。ソースは公開されておらず、裏で何をされているのか分からない。もちろん無料ではないし、自由に改訂などしてはいけないし、再配布などもってのほか、そんなことをしたら莫大なお金をふんだくられてしまう。ORCAは自由に改訂することもできますから、中には詳しい医師もいて独自のORCA改訂版のようなものも公開されています。またIJIα/V2もそのソースコードは公開されておらず、自由な改訂や再配布もできませんので、オープンでもフリーでもないレセコンソフトと言えます。
 私も次に使うとしたらこのORCAにしようとは考えているのですが、IJIα/V2も、今のところ問題なく稼働していますし、事務員も慣れているというのもあって踏み切れてはいません。
 ただ、もしこれからレセコンソフトを導入しようと考えておられるならば、ORCAも選択肢の一つに入れてみてください。導入しなかったとしても、他のレセコンソフトの値引き交渉に使えるはずです。これもORCAの効用の一つです。実際、ORCAが動き出してから、だいぶ他のレセコンソフトの値段が安くなったようです。
 なお、ORCAを導入するのであれば、信頼できるベンダーを見つけるのが重要と思います。

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No27:再追加、ORCA自己導入

平成20年4月より当院でもORCAでのレセプト提出を始めています。
JSPより4月の保険改訂からは私の医院で使用しているバージョンのIJIα/V2は対応しないと言われたからです。私の医院のはWindows98で動くタイプで、さすがにOSとして古く対応できないということなのでしょう。で、新バージョンを入れるとなると費用はいくらと聞いたら40万と。
それならこの際ORCAをとなったわけですが、ORCA導入をどうするかです。
1)どこかベンダーを選んで、そこに全面的にお願いする
2)全て自分でやる
もちろん一部分のみベンダーにお願いするという手もありますが、既にORCAを導入されていて、その上、パソコン関係に非常に詳しいという先達が、幸いなことに私にはいたということもあり2)の自己導入でやることにしました。
これが昨年末です。
(もちろん、趣味としてORCAをインストールってのは幾度かありましたが、実際、医療事務として使うとなると趣味の領域ではいけない)
etchのインストール、ORCAのインストール自体はそう苦労はしませんでした。特にetchはそれまでのdebianとは比べものにならないくらいインストールが楽になっています。ORCA自体も、aptitudeで簡単にインストールできる。プリンター関係に苦労したというのがインストール関係での苦労でしょうか。
ORCAをきちんと動くようにするのは、予想したとおり、独力では無理でした。なんとか使えるようになったのは、ひとえに先達の教えのおかげと言えます。そして、今年に入ってからはIJI/αと両方に診療データを入れて、同じ結果がでるかの確認を行い、大丈夫との確認をした後、平成20年4月提出分よりORCAでのレセプト提出となりました。

なお、サーバーはDELLが時々やっているたたき売りで買ったものです(将来、きちんとしたサーバーでの運用を考えているのですが、はたしてそれが必要かどうかというくらい安定して動いてくれています)。これを2台使っての運用です(これをできるようにするのにも先達の教えが必要でした)。診療データの入力はLANで結ばれたクライアント(WindowsとLinux(Debian))パソコンで行っています。

ORCAは期待したとおりでした。すばらしいレセコンソフトと思います。事務員さんもその使用にすぐ慣れてくれました。

(平成20年6月2日記)

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著作者
医療法人 橋本医院
院長:橋本 公昭