HICKOK CardMatic Tube Tester カード式真空管テスタ AN/USM-118B

Dec.24.2005 

Feb.09.2006 update

Mar.04.2006Update


123A,R型 Cardmatic Tube Tester(同コーナーで説明しています)をいじっているうちに、上位機種でもあり、更に機能のアップされた1234型のCardmatic Tube Testerが気になるようになりました。いつもワッチしている米国のオークションサイト(e-bay)に時たま出品され、それが落札されるのを横目で見ていました。落札相場額もかなり高額(カードもそろっていると$1000を超えるときもありました)で、なかなか手が出せそうもありませんでした。いつも横目で見ていると、だんだんほしくなってきました。あるとき、カードが2,3百枚程度ついていて、外観も比較的きれいなAN/USM-118A1234の軍納入仕様で初期型)が、故障品と称して出品されました。説明では、「電源が入らない」「入ってもすぐ切れる」とか「真空管が一部欠品している」とかの説明がありました。見た目での判断ですが、何とか修理できるだろうと早速、入札しました。結果、幸いにも結構高額ではありましたが、なんとか落札することができました。送料を安くするために先方にエコノミー(船便)で送ってもらうようにお願いしました。その後、待つこと約2ヶ月、待望の品物が届きました。早速開封して中を見てみました。運送時の破損もなく、まったく問題のない状態で届きました。

AN/USM-118Bの外観と操作パネル

ふたにはAN/USM-118Aと銘が表示されていますが、中の操作パネルを良く見てみると、赤い銘板にはAN/USM-118Bと記載されています。また取ってのある、下側のケースつ貼られている銘板にもAN/USM-118Bと記載されています。

AN/USM-118Bの銘板(操作パネル面)

AN/USM-118Bの銘板(下側ケース部)

ひょっとして?!と思い、黒いパンチングメタルの真空管カバーネジを外してその中にあるトランジスタの動作点を調整するトリマを探しました。トランジスタを使ったメータの保護回路にはこのトリマがあります。ちゃんと隅に2個所のトリマがありました。間違いなくAN/USM-118Bです。


Q1BASE ADJUST Q2 BASE ADJUSTがあるので118B型

この時点で、得した気分です。AN/USM-118Aは初期型、AN/USM-118Bは後期型として区別されています。特に後期型は、メータの保護回路がトランジスタ回路で設けられています(123A,Rを調べるのにインターネットからダウンロードしておいた資料NAVSHIPS 93883 THNICAL MANUAL FOR ELECTRON TUBE TEST SET AN/USM-118A AND AN/USM-118Bによる)。またそれだけでなく、後期型は、年代も1968年以降で新しく、1980年台まで、軍の要求があれば製造されていたとのことです(Alan Douglas 'Tube Testers and Classic Electronic Test Gear'より)。内部の部品もきれいですので、後期型の中でも比較的新しいものであると思われます。どうも前のオーナか、それ以前のオーナのところで、ケースの蓋がAN/USM-118Aと入れ替わったようです。いずれにしてラッキーでした。休日にゆっくりと修理を試みることにしました。ここではAN/USM-118B型のCardmatic Tube Testerの機能や使い方、修理レーポートを報告します。

追記
当サイトをごらんになられた方より、メールをいただきました。118Aとかかれた蓋はカードデッキの蓋だそうです。
118AはHICKOKでは軍の認定を取るため試作したものだそうです。世に出たのは118Bのみとのことです。
 Tks. jd1aie

実は118Aとおぼしき機械をジャンクとして以前に入手していました。それを所有していたので118A,118Bともに市場に出ていたものと思っていました。そのジャンクをこちらに紹介します。

以下、(各コーナーをクリックしてください。ジャンプします)

T.本テスタの詳細説明
U.修理レポート
V.調整について
W.ちょっとした問題とその対策

X.水銀電池を使ったキャリブレーションセルの復活方法Feb.09.2006 追加

を説明します


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