美術館日記2018
2017
2015
2014
2013
2012

2016年の美術館日記。

伊藤若冲の動植彩絵、ルノアールのムーランドラギャレットなど、
大きな展覧会が多かった年。どちらもすばらしかったけど、
日本画家の米谷清和さんの絵との出合いが個人的にとても大きかったです。

2016.12

ゴーギャンの椅子

2016年12月06日

今回は展示されていなかったゴッホの椅子(左)と比べると肘掛けがあって坐り心地も良さそうだ。
他の展示を見ると肖像画のバックの明るさ。
ゴッホはゴーギャンを迎えるために新しくガス灯まで入れているというのがわかる。
(お金出してるのはテオなんだけど)

ゴーギャンとわたしは熱が消えていくほどに熱く話し込んだ。

ヴィンセントとわたしはことごとく意見が合わない。絵画に関しては特にそうだ。

この絶望的な片思い。そして耳切り事件で共同生活は幕を閉じる。

ここまで見て暗澹として先へ進むんだけどゴッホがサンレミで描いた青い渓谷のような絵、
もうぐるぐるのゴッホの絵だ、という感じがはっきりできている絵。
アンデパンダン展のこの絵を見たゴーギャンが自分の作品との交換を申し出る手紙を書いたという説明。
もうほとんど終わりの方だったので、ゴッホが見たかどうかはわからないけれど、
ちょっと救われたようでもあり、なんとも切ない気持ちになりました。( ´Д`)y━・~~


2016.11

ダリ展&日展 国立新美術館
2016年11月24日

23日(祝日)1時半過ぎ、行列の最後尾30分待ちが出ていたので、
先に日展を見て高座室で日本画の作品解説を聞いたりして、
その解説でも紹介されていた米谷清和さんの雪の公園の絵、
はじめはなにげなく見ていたのですがじわじわきてまた見直しに引き返してしまいました。
洋画で伊藤尚尋さんの風が吹き抜けるような風景がツボでした。書、彫刻、工芸と見ていたら4時半に。
あわてて見に行くとまだ行列20分。
それでも横に広がって並ぶのでそれほどかからなかった感じです。
中はやはり混んでいました。
いわゆるダリっぽい作品よりも舞台美術や本の挿し絵など、
制約のあるものの方が自分的にはひかれるものがありました。
ドンキホーテや不思議な国のアリスなど天野喜孝さんを思わせて非常にツボりました。
習作の鉛筆デッサンとかも。
ペン画や版画の作品は近寄って見て注意されている方がかなり。
近寄って見たくなる作品ということですね。
ガラの食卓のシリーズ、(たしかカラーリトグラフとか)も色彩が鮮やかでおもしろかったです。
形を壊したりくっつけたりする方向ではなくて細密に観ていったり
形はそのままで組み合わせを変えたりしたものの方がよりシュールに感じられるというか。
疲れて腰がいっぱいいっぱいだったのと時間いっぱいいっぱいで買い物はあきらめて帰りました。
ガチャガチャやりたかった。


輝くバラたちの庭展 富士フィルムスクエア
2016年11月23日

旭川上野ファームの方のギャラリートークをちょうどやってました。
今朝旭川を出てきた時の気温はマイナス8度でした。
ちなみに最高気温はマイナス5度ですよ。
つかみはばつちり。オッケー牧場。(*≧∀≦*)
バラ作り庭づくりの苦労、北海道ならではの苦労、楽しさなど、とても楽しく話を伺いました。
花選びについての質問に、バラにも原産地があってカナダとかの品種はやはり寒さに強いし、
南フランスの品種とかは枯れちゃう。お住まいの気候に近いものを考えられるとよいと思いますよ。
大事なことですね。
もともと米農家から自由化で直接お米を買いにくるお客さんのために
あぜ道などに花を植えるようになったのがきっかけだそうです。
自由化ピンチと言われるけどお客さんを楽しませる気持ちが今につながっているんだなと感じました。

http://fujifilmsquare.jp/detail/1611180123.html


犬か、猫か、
2016年11月04日

犬はかわいいものとして、
猫は、片手にネコ、片手に刀。
江戸時代の扱われ方が連想されてしまう。常識的にはそうなんだろう。だが、断る。
そこに画賛でツッコミする仙がいさんなんだな。
ヒグチユウコ ギュスターヴくん。
2016年11月04日

顔は可愛い猫みたいだけど手は蛇だし足はたこになってるふしぎな生物。
マッドなサイエンティストが動物を合成したキメラを作ってるギュスターヴ・モローの島ってるSFからきてるのかな。
写真はないけどニワトリとコラボしてる作品が特にはまりましたよ。
ニワトリのモデルが若冲の黒いやつで。
ギュスターヴくんに細密描写ギュスターヴくんに劣らぬ怪しい雰囲気を醸し出してましたよ。

銀座一丁目 ポーラミュージアムアネックス 11月20日まで会期中無休、無料です。

http://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/index.html


  日本刺繍体験してきました。
2016年11月04日

若冲の鳳凰の写真に魅かれていってきましたよ。
有楽町駅の交通会館地下。
紅葉を刺繍したものもとてもよくできていて、
見る角度によって光の当たり方で微妙に絵が変化する。
これは刺繍ならでは。
特に日本刺繍は絹糸を使っているということもありそうです。
もともとの動植彩絵も絹地に裏彩色したり、
裏側に貼る下地の紙の色をくふうして表に透けて見える時の色の効果を考えたりしている。
そういう部分を再現するのに絹糸を使って丁寧な仕事する日本刺繍がとても合っているように感じました。
、 実際に刺繍も体験。
糸を通して、針を刺して、裏側から見当をつけてちょっとずらして出す。これが思ったよりも難しい。
不器用ですから。
3往復くらいでギブアプでしたが、あたたかく見守ってくださいました。ありがとうございます。(^○^)
鳳凰図はじめ外のディスプレーは写真オッケーということで撮ってきたけど、
実際に見る方がぜんぜんいいですよ。
まだ11月5日までやっているようですのでお近くの方はぜひ。


2016.10

谷川俊太郎さんの講演
2016年10月24日

はるばる府中の生涯学習センターまでいらしてくださいました。
対談形式でゆるい感じで2時間。
デビュー作の二十億光年の孤独を描いたのは18歳。
お父さんは哲学者。お母さんが藝大のピアノ科出身で、
いつも家で弾いて歌ってくれていた。
視覚ではなく聴覚から入る。
難解な言葉ではなくふつうの言葉を使っているのに深いですね、という質問には、
学校行くのやめちゃったから難しい言葉使えないんだよね。
そういういろんな要素で谷川さんの世界ができたんですね。

親友の武満徹さん、大岡信さん、寺山修司さんなどのはなし、
鉄腕アトムの歌詞書いたけど、カラオケに入ってるのはちょっと気にいらなくてバラードの方がいいんだよねとか。
死んだ男の残したものはの歌詞でずっと「他には何も残さなかった」なのに最後だけ「残せなかった」にしたとか、
一文字でがらっとかわる言葉のふしぎとか。
和田誠さんの「あな」など絵本の話。
ご本人の朗読でいろいろ聞くこともできました。

講演では出なかったけど、スイミー(レオ・レオニ)の翻訳も谷川さんなんですよね。

こども向けの本が幼稚でだんだん高級になる、みたいなものではなくて
木の年輪みたいに真ん中の子どもの部分は常に残っているんです。

納得です。国語の嫌いな中学生でも小学校の教科書引っ張り出して楽しそうに読んでるもの。

ちなみに百万回死んだ猫の佐野洋子さんと結婚してた話は、
結婚はむずかしいよねみたいに触れただけで質問者の人もつっこまず。
ごはんだけは炊いておかずはセブンイレブンで買ってくるそうです。


版画家としてのエッシャー。(SOGO美術館エッシャー展)
2016年10月10日

渋谷まででかなりお疲れさんだったのですが東横線各停でゆっくり座ってうとうとして
ヒットポイント回復。横浜SOGOー♪美術館へ。
少年時代に出会った版画に夢中で取り組んで技法を研究していく。
順を追って見ていくうちに熱が伝わってきましたよ。
版画大好き少年が板目木版、リトグラフ、
木目がでない精緻な線が出せる木口木版と様々な技法をゲットしてエッシャーになってゆく。
銅版画のメゾチントに取り組んだ時期も。
銅版を隈なく目立てして逆にそれを削っていって濃淡を作る、浜口陽三や長谷川潔の技法ですね。
こちらもいい作品が見られましたよ。手法としてあまりに時間がかかるので、やらなくなったみたいです。
作りたい題材の方がどんどん湧いてきたというのもあるんだろうな。
この頃からいつものエッシャーらしい作品がどんどん増えてきましたよ。
で、いつものエッシャーの世界をじっくり堪能して、じつくり騙されて、
出口付近はリアルエッシャーコーナーでリアルに騙されました。(撮影可)

10.10まで滑り込みセーフ。

https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/archives/16/escher/index.html

帰りは崎陽軒本店で昔ながらのしうまいゲットだぜ。


ピーターラビット展 bunkamura
2016年10月10日

絵本、挿し絵、カード、ひとつひとつの作品か10センチ角ほどの正方形に細かく描きこまれていて、
絵として味わい深いです。そしてそれに文章と解説がついていて、さらにそれが続いている。
それもあってたいそう混雑してますが、間あいだから見ていって
後半の方はけつこう並ばず見られました。入り口付近が混む法則。
うさぎだけじやなく、ねずみもこぶたもかわいいです。猫はちょっとイジワルめ?
動物たちが注目されますが風景もうまい。

会期ぎりぎり間に合ってよかった。
10.11までです。

http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/16_peterrabbit/


むさ美美術館 あかり展 みんなのへや展
2016年10月07日

自転車で小平の学校の説明会行くときは毎年ちょっと早く出て寄っていくむさ美の美術館。
ことしは版画や絵や陶芸ではなかったのでとりあえず見るだけみるかってかんじだったのですが、なかなかどうして。
行燈など据え置きの明かりから外に持ち出せるような提灯、
さらに揺れても中は平衡が保たれるようなジャイロのしくみを工夫したり。
そういう江戸時代の明かりが浮世絵などを入れつつ風俗を絡めて紹介されてました。

真っ暗にした部屋で丸めた紙で電球の光をさえぎって、洩れた明かりで仏像を見る展示つぼでした。

あわせてみんなのへや展
世紀末のウイーンの家具。作家はチェコ出身。
ミュシャと同時代ということかな。
ニスがいい具合に味が出ていていい感じ。

日本のへやでは柳宗理バタフライチェアやシンプルなキッチンウェアのセット。
用の美ですねぇ。

来年もまたこの時期に。

http://mauml.musabi.ac.j


ひと足早くフジタ展 府中市美術館
2016年10月02日

会期2日目最初の日曜日。朝からさつそく見てきました。
いつもは常設展の部屋からスタートするまるごとフジタ仕様になってます。ここが一番混んでます。
ミュージアムショップもいろいろと。
藝大時代のきちんとした画風からフランスで乳白色になるまでの模索時代、
美女と猫、戦争、晩年の聖母子。ランスからも近美からもフジタ大集合です。
来週日曜日の無料観覧日はどうなるの?
パスがあるんで続きはまた平日ゆっくりと。


日本伝統工芸展 気になった作品。日本橋三越
2016年09月23日

路傍の烏 武腰潤さん
この間ワコーで見た武腰さんの作品が出てました。コーラ缶は潰れてます。

http://www.nihonkogeikai.or.jp/work/2213/91851/?exhibition_flag=1

黄白釉面取壺 寺本守さん
中田英寿が窯を訪問した笠間焼の匠です。ピンクの銀彩も見てみたいんだけど。

http://www.nihonkogeikai.or.jp/work/1175/91763/?exhibition_flag=1

杢目金打出水指 佐故龍平さん
陶芸だったら違う粘土をまぜて切るという練り込みなんだけど金属でどうやってんだろう。

http://www.nihonkogeikai.or.jp/work/415

(リンクは27年出品作品なのでリストの作品とは若干違ってますよ)

去年は値段が暗号みたいに書いてあって今年もかと思ったら
柿右衛門77って書いてあったので変だなーと思って聞いたらカタログ番号だった。
そうだよねー。桁がちがうよねー。

三越の陶芸コーナーでも受賞作家の作品展示してました。
それと美人日本画家の定家亜由子さんが絵付けした花の平皿がありました。
ご本人はいらっしゃいませんでした。
残念。


マイセン展 日本橋高島屋
2016年09月22日

となりでやってるこち亀展にココロひかれつつ
国立マイセン製作所アート部門責任者リアーネさんのトークを聞いてきましたよ。
ザクセンのアウグスト強王によって始めらた白い磁器の開発から東洋趣味のシノワズリーの絵付け、
立体造形による動物や人形とつづく歴史と製法を解説してくださるのですが、
その度に高島屋マンの方が実物を持って回ってくる。
大きなものはあちらの白頭鷲は、こちらのスノーボールはというふうにちやんとある。値段付きで。
以前図録だけ見つけて気になっていたお猿の楽団も。実物は10センチちょっと、22体。壮観。
現代のマイセン工房職人や日本人のアーチストとのコラボ作品。
日本画の影響が感じられるものがかなりあり。
金魚のアップがツボでした。
皿でしたが。
日本橋では26日まで。

https://www.takashimaya.co.jp/store/special/event/meissen.html


木々との対話 東京都美術館
2016年09月22日

今日の一押し、土屋仁応さん。
この仔のぷるぷるつるんつるんの触感。
火の鳥を思わせる鳳凰。
尻尾を持ち上げたニャンコのしなやかなさ。

木でできた彫刻なんですよね。

びっくりです。

http://www.tobikan.jp/exhibition/h28_treesofllife.html


平成の九谷色絵磁器 武腰潤の世界
2016年09月20日

カラスとコーラ缶の絵柄、たしか三越の日本伝統工芸展で。
石川県九谷焼美術館の館長も務めてられるんですね。
伝統の技と現代的なデザイン感覚。真っ白な磁器に鮮やかな色合いで低温で再度焼き付けた上絵付け。
瑠璃色に緑のカワセミと白黒ゴマ柄のヤマセミ。見ごたえありましたね〜。
銀座ワコーのギャラリーで25日まで。

http://www.wako.co.jp/exhibitions/512


時代の風貌 ノエビアギャラリー
2016年09月19日

オフ会1時間前に銀座着したので銀ぶらしながら反対方向に歩いて新橋近くのギャラリー。二階には上がれません。
ワンフロアだけの展示。でも写真充実してました。亡くなった方で一番お若いのが永六輔さんという。−2016と。
ご存命なのは藤子不二雄A先生。池田満寿夫夫人の佐野洋子さん(バイオリニスト)それから五木寛之さん。
髪の毛真っ黒な時代の。
hpの表紙にもなっている志賀直哉の並びが川端、三島、池波正太郎さんがダンディです。
福田平八郎画伯、作品の前に寝転ぶ加山又造画伯、珠子先生は分厚い眼鏡で作画中。
午後6までですが休日5までです。

会期11月4日までなのでちょっと立ち寄るのにもいいと思いますよ。

http://gallery.noevir.jp/jidai/


小林かいち 吉祥寺美術館
2016年09月16日

チケットからしておしゃれ。
絵葉書やカードなど小さなものが多かったです。
蓮子様こと柳原白蓮の「踏み絵」の口絵やクロスワードをあしらったデザインもツボでした。
チラシにはないけど展示には文字を入れたものも。古畑任三郎を思わせる感じ。
浜口陽三銅版画ルームはザクロやクルミがいい感じです。

9月25日まで。100円です!

http://www.musashino-culture.or.jp/a_museum/exhibitioninfo/index.html


2016.8

イングリッドバーグマン写真展
2016年09月02日

明大前で仕事だったので足を延ばして渋谷文化村ギャラリーへ。
母国のスウェーデンから赤ちゃんを抱いてアメリカへ来た当時の写真から
数々の名画の撮影風景、大きなスキャンダルと非難を浴びた頃、そんな中で生涯貫いた女優人生。 聖女から悪女、というイメージが一人歩きして語られるバーグマンの
子供と遊んだりリラックスしたオフショットなど飾らない表現の写真もあったりして。

会場は写真の他に日本で上映された時のポスターや
当時ポスターを描いた野口久光さんによるスケッチ画も展示。
野口さんの企画展行った時にもヘップバーンとかはあったけど
バーグマンのは初めてのような。りんとした表情が印象的でした。

9月5日月曜日まで。

http://www.bunkamura.co.jp/s/gallery/exhibition/160827_bergman.html


忘れられた天才五姓田義松 横浜美術館の常設展で。
2016年08月18日

メアリー・カサットの関連女流画家の企画、
カサットが現代の女性の壁画を描く時に日本人の女流洋画家でただひとり選ばれて参加した渡辺幽香と周辺の人々。
周辺の人々の中に実兄の五姓田義松が。
高橋由一より30歳も年下で、日本で最初にパリのサロンで入選した天才でありながらその後忘れられていた五姓田義松。
父や油絵を学んだワーグマンの作品もありました。
切り株に描かれた鶏の描写が圧巻。不遇の時代の肖像画のリアルさ。
ただしそれが印象派全盛に変わっていく画壇の流れに乗れなかったということにもなるんだろうな。
時代から取り残されたように言われながら時が巡って新しい。
日曜美術館でも諏訪敦さんがゲストだったことが納得のスーパーリアリズム絵画の先駆者なんですよね。
松井冬子さんの作品あり
、 上村松園の隣に鏑木清方あり、
中島清之画伯も見られます。
カサット展は余裕をもって、常設展も是非。

横浜美術館 常設展
http://yokohama.art.museum/exhibition/index/20160423-469.html

日曜美術館 五姓田義松
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2015/1011/

南部アフリカの動物たちと自然の中の幾何学模様。
2016年08月14日

六本木富士フイルムスクエアの写真展。
ガレリアのガレ見た後立ち寄りました。

山形豪さん 南部アフリカの動物たち。
ライオン、象、サイなどはもちろんのこと、マングースも生き生き。彼らここ出身だったのね。

林幸恵さん クモの巣と雫、水流と泡、トンボの複眼や羽の接写。曲線と直線、
同じ図形の繰り返しにみえながらひとつも同じものがない。おもしろい世界観です。

無料ですよ。

http://fujifilmsquare.jp/photosalon/tokyo/s1/16081201.html


サントリーのガレ展
2016年08月13日

昨年秋に新宿駅西口の古本市でガレの素描の本を見つけてから見たいと思いながら、
春の庭園美術館に行きそびれてたんですよね。
やっと見られました。六本木で。ガレをガレリアで。(u_u)
サントリー美術館の豊富なガレコレクションとオルセー美術館所蔵のデッサン画を並べて展示。
タイトル 海底
渦巻き状の水流と、逆回転に練り込んだ色ガラス。
これが反対側が透けて何重にもクロスして見える。緻密な計算と、計算以上の効果なんだろうなあ。
紫陽花
淡いスケッチと、花器。スケッチやはりうまいなあ。ごてごてしてないのが実に。
バッタ
バッタだったの?バッタ怪獣じゃなく?
昼顔と蛾
実によく観察されたスケッチ。
見ていたキレイめな女子。「本物だったらあたし絶対無理」
カロの銅版画
ナンシー出身の銅版画家ジャックカロの作品を餌付けしたものや飾り文字や紋章をモチーフにしたものもたいへんうまい。
宮川香山風な作品も
と思ったら宮川香山 ガレ所属だったり。
重なるところあるなぁ。そういう時代だったのね。

サントリーのガレ。三通り以上に楽しめた展示でした。(^_^*)そこか。
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2016_3/display.html


2016年6月

古伊万里展戸栗美術館からの有田豆皿紀行BUNKAMURAギャラリー
2016年06月21日

戸栗美術館で伊万里は有田で作られた焼き物が輸出された港の名前がついたところからきているようです。
初期の染付、型紙を置いて吹き墨で白抜きしてから輪郭を描いたうさぎの絵柄、
藩の献上品を作るために選抜メンバーを組んだともいえる鍋島とじっくり鑑賞。
http://www.toguri-museum.or.jp

そして坂を下ってbunkamuraへ。
有田のそれぞれの窯に特色があって、とても楽しい。
わりとお手頃価格のものも。

さすがに今右衛門窯と柿右衛門窯は予約販売でした。

http://www.bunkamura.co.jp/s/gallery/exhibition/20160618kinsyai.html

となりのボックスギャラリーは蜷川有紀さんの個展。

http://www.bunkamura.co.jp/s/gallery/exhibition/box_160615ninagawa.html

蜷川さんご本人もいらっしゃいました。
鬼平犯科帳のおしま金三郎だったかな。峰岸徹さんの相手役で出てらした時の妖艶なオーラがそのままでした。
お花も鬼平の五六蔵親方の綿貫勝彦さんのがやはりツボでした。

会場で歴史学者の磯田先生もお見かけしましたよ。


中島千波とおもちゃシリーズ展

2016年06月20日

花の絵とちょっと変わったおもちゃを合わせた楽しい絵。
一緒に花だけをスケッチして透明水彩で軽く彩色した下絵も展示されていて、
それだけの方が本格日本画展示になるんでしょうが、それを言っちゃあおしまいよー。
千波先生の茶目っ気あふれた遊び心が随所に感じられました。
展示されている実物のおもちゃとは微妙に表情やポーズが違っていたりする。
実物ではしてないのがウインクしてたり羊さんの目が横一本線になってたり。
猫はふだん描かないので娘さんに猫カフェに連れて行ってもらったとか。
猫カフェでデッサンしてる先生想像すると、笑。

ショップコーナーで先生の気さくなようすのお話とかを係の人に伺ったり。
絵葉書セットも12枚入り1,000円のものは特別に500円になっていました。

楽しいうれしいほつこりできました。

松濤美術館7月10日まで。

http://www.shoto-museum.jp/exhibitions/168nakajimachinami/


2016年5月

立石鐵臣展 この貝、動植綵絵にもいたような。
2016年05月27日

初めて知った名前でしたが、絵の師は岸田劉生、色彩感覚は梅原龍三郎の折り紙つき。
細密画の揚羽蝶や昆虫の展示コーナーは、ご自由にお使いくださいのルーペが。
覗いてみると触角のとげとげや、脚の毛の一本一本までが。
木版画展でマスクを配布してガラスごしでない展示をしてくれたり、府中市美術館、地元ながらやりますな。
7月3日まで。

http://www.city.fuchu.tokyo.jp/smph/art/kikakuten/kikakuitiran/tateishitetsuomi.html

黄金のアフガニスタン 東博表慶館
2016年05月25日

ソ連のアフガン侵攻、度重なる内戦、タリバン、
その中で命の危険を冒して宝を守った博物館の学芸員たちがいて、
だから今散逸することなく目にすることができる。
ちょうど第二次大戦終末期の美術品の略奪の本読んでいることもあり、いろいろ胸に響く展示でした。

史上初めて仏陀の像を描いたとされるメダイオンがあるかと思えばギリシャ神話の神々をモチーフにしたものが並んでいたり、
海の守り神ポセイドンなんだけど首が大仏だったり。
そして女神様はボンキユボーンです。
西洋と東洋、ギリシャローマ文明と仏教美術、シルクロードの中継点を、かんじます。
発掘された墓室の副葬品は、まさに黄金のアフガニスタン。
合わせる石は、特にトルコ石が多かったです。それにガーネット。
赤い瑪瑙の縞模様。そしてラピスラズリで青で彩色。
ウルトラマリンと言われるのは海の青のイメージがあるけど海を越えてアフガニスタンから来たってことを実感。
細かく薄く加工されたネックレス、ハートのイヤリング、その1つ1つをつなぐ鎖に技術の高さ。
そしてそれらは身につけていたままの場所に置かれて展示されています。事件現場か。
手には銀貨が握られていた、というのが葬られた女性が愛されていたんだなと。
あちらに行っても困らないように。2000年前もそうした思いは変わりませんね。または。
三途の河の渡し賃。(≧∇≦)
遺跡の保護や、流出した文化財の返還に力を尽くされた平山郁夫先生のスケッチも見ることができました。
芸大美術館では復元された壁画も無料展示されているということで、
そちらにも足を延ばすつもりだったけど、本館常設展示が充分していて、
そちらの入館時間過ぎてました。そちらも是非行き直したいです。二千年以内に。爆

http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1765#top


酒井抱一四季花鳥図も見られる東博常設

2016年05月24日

久しぶり立ち寄った東博本館。
壁見て行って引き返してフロアの真ん中ガラスケース見ていく季節の花々が。
うまいなーと思って見ていくとだんだん季節は夏から春に。
逆に見てました。で、作者にたどりついたら抱一でした。
そりゃうまいでしょ。
季節がら紫陽花が特にきました。
七宝の展示では、並河靖之の揚羽蝶。有線七宝で羽の色分けが見事なコントラスト。
この間美の壺で出てきた蝶に思いがけず会えました。
東博常設、見ごたえありますなぁ。
大観、観山、今村紫紅、小杉未醒が東海道をスケッチしながら
ぶらり旅してリレーで描いていった絵巻がいい雰囲気出してます。
リラックスして描いてる感じ伝わってきます。
来月は中宮寺の半跏思惟像と韓国の仏像の仏々交歓特別展示もあり、また企画展とセットで行きたいです。
ただ、常設見ごたえありすぎて足がぱんぱんマンです。(≧∇≦)

http://www.tnm.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=hall&hid=12


穎川美術館の名品展。読めないけどすごいんです。
2016年05月04日

雨と風のピークは午前中、という予報でしたが、雨の方すっかり上がって出かけました。
風のため京王線は遅れてましたが。
神泉から松濤美術館へ。
渋谷からと違い坂上りません。

長次郎赤楽茶碗 無一物。
写真で見るだけではなかなか伝わらない素材感です。
透明釉をかけたとありますが、マット上にかすれていてまるでかけてないように見える。
だけど高台をのぞくと半分くらいのところで色が変わっていて土色との違いがわかるという。
赤というよりほんのりピンク色。そしてザラっとしたような。
口当たりよさそうだなー。

茶碗だけではないコレクション。
入っていきなり黒く化学変化した川の流れに銀の渦まく光琳水流。
近代日本画のコーナーには小林古径の梅に小鳥、竹内栖鳳の勢いよい滝に並んで速水御舟の猫が。
もうおぼっちゃま猫としか思えません。
ふた回りほどしてから、いつもながらふかふかすぎのソファで無一物を目の前にまつたり。
ああどこも混んでるGWに、まったりな贅沢なひと時が過ごせました。

http://www.shoto-museum.jp/exhibitions/167egawamuseum/


2016年4月

若冲展 その1
2016年04月26日

日曜日3時前に到着。10分待ちだが広がって並べるので割とすんなり。
三重四重人がいるところもそれほどでもないところもある。
そうでもないところを中心に1周目。特に混んでいるのは巻き物系。
淀川の30石船で下るのと野菜と虫の。きちんと行列してる上に前の方が全く動かない。
それから動植綵絵の左回りのスタート半周位。この部分だけ40 50になってる。
逆のほうは結構見られる。空いてるところから見てくださいと何度も係りの人が言ってるけど
順番に見たい人が多いんだよなー。それから出口前の鳥獣花木図ですよプライスさん。
1番混んでいると言い切る。そのようにしてとりあえず1周目4時半ごろに終わって振り出しに戻る。
閉館1時間前さっきは混んでて見られなかったなかったところがずいぶんすいてるよ。グレートによく見えるぜ。

つづく。

若冲展のmy favorite @南天雄鶏図
2016年04月27日
動植綵絵の中だけみても高い鶏度。その中では数も一匹だけだし、
ポーズもアクロバティックしてないんですが、
(逆にどんだけ描いてどんだけすごいかっこしてるのがふつうに)逆の逆にそれが堂々たる立ち姿になってるっていうか。
そして大きく一羽だけ描いた中を細部に分け入るように描き込んでいく。
羽の1枚1枚の中が規則的で微妙に違う。鳥獣花木図のマス目の中をうめていく感じを連想す。
色はそれほど使ってない。他作品に比べると特に。黒、赤、あとは白か。
それが逆に強烈に効いてるてるってこともあるし同じ赤や黒でも濃淡、塗り重ね、色味が違う。
そしてドット。数えようというだけで気が遠くなるような点々打ってます。そしてそれが南天の実の粒々と呼応してますよ。
南天の実、横に広がってさらに奥への重なり。無数にあるのに1つ1つの実が独立しているのがわかるんですね。
細かい細かい中にちゃんと隙間を書いている。(書かないことで)
これ、NHKの番組でも色を微妙に違うという科学的な分析をやっていたけれども
その両方で一つ一つの違いもわかるし奥行きもわかるんですな。
辻先生の言葉をお借りするなら、宇宙的というか。
小さなスペースの中に深く深く宇宙が広がっている。

と、こんなに細かく見られたのも、ぐるりの真ん中過ぎてちょっと人少なかったポジションの関係もあつたりしますね。

入り口すぐの作品は最初回った時は近づくこともできず。
そのへんのところへと、さらに

つづく、、かも。

http://www.tobikan.jp/exhibition/h28_jakuchu.html

若冲展墨絵の微の壺(^.^)など。
2016年04月28日

細かすぎてじっくり見ないと伝わらない、みたいなとこを。
葉が裏返ってる部分やえんどう豆のさやに豆が入っているようす。
こうしたとこ墨の濃淡だけでかき分けている。
しかも筆のおもむくままに大胆な勢いで書いてます。
だから最初見たときはとても自然な書き方をしているように思うんだけど
じっくり見ていくと理にかなった書き方をしているということがわかる。
裏は裏に表は表になるように書き分けているんだな。
壺その弐見比べる贅沢。
彩色した絵と墨の作品を見比べる。
プライスさんの虎も来てるんだけど全く同じポーズで片手ヒョイとしてる水墨画もある。
発見されたばかりの岡田美術館の極彩色の鳳凰も来てるけど墨だけで書いたものもある。
それも単に色を塗ってないってことだけじゃなくて墨でこそ味わえる味があるのですよね。
これきちんと塗った絵を見るとすごく感じられること。墨絵の贅沢ちょっと矛盾するような表現ですが。
壺その参 自由な表現。
月が大きく書いてあって鳥が飛んでるんだけどカラスみたいな鳥が下向きに。
横じゃないのかよ。急降下かよ。とか。
鶏ももちろん色入れたやつは凄いけど墨のやつもいいんだよね。

ちなみにドットで書いた石灯籠もなにげに飾ってありますよ。

と、止まらないのでとりあえずこのへんで。

http://jakuchu2016.jp/#!/about

若冲 孔雀鳳凰図
2016年04月30日

きのう銅版サークルでインク拭き取る新聞紙にこれが。セーフ。
83年ぶりに発見、専門誌にモノクロ図版が載って以来とのことと書かれている。
こんな色だということも、分からなかったんですね。特集番組のこの絵を見た時の辻先生、小林先生の驚きの表情。
五色に彩られているという伝説に基づいて若冲が描いたと言うことが
実際この絵を前にすると非常に納得できます。それだけ鮮やか。それだけ華やか。
この絵が書かれたのは若冲40歳位のことと言うんだね。
若冲が青物問屋を弟に譲って隠居して本格的に絵に打ち込んだ時期。
動植綵絵書かれたのはこのすぐ後。40歳から50歳と言うことですよね。
この鮮やかさ納得です。納得と同時に、この絵で五色に彩られた鳳凰と、
動植綵絵に描かれた鳳凰の違いが非常に興味深い。
伝説の色彩を描いてみて、あえてそうしなかった。
若冲が選んだのは金が透けて見える白。
若冲の中の鳳凰がそれだった。
動植綵絵は三の丸尚蔵館で、こちらの孔雀鳳凰図は、岡田美術館で、
それぞれ見る機会はあるのでしょうが、これを見比べることがらできたのは、はなはだ貴重な機会だったように思います。

http://www.tobikan.jp/exhibition/h28_jakuchu.html


府中市美術館江戸絵画(後期)ファンタチックが止まらない。
2016年04月19日

パス更新して行ってきました。
画狂老人卍(北斎)の白抜きした富士の空へ昇っていく雲竜図に、
漢詩とか書いてる人がっ。よく見たら、幕末のあの先生(信州松代出身)。
蕭白のそして途方に暮れる後醍醐天皇(裸足)と蘆雪のやさしげな諸葛孔明図。
(机の下にこどもが寝てるからか)
酒井抱一の地獄図。書類を作成中の閻魔大王の背後の壁にかかった絵の賛が、
「応挙の絵を抱一写す」だと?
河鍋暁斎の波乗り観音像。観音様、鯉をボードに波に乗る図なんですが
鯉に乗っていると言うよりも重力を無視してどや顔で観音様が空中浮遊してて、
その無重力圏に鯉が引き込まれてしまっているような。
鯉泳いでるっていうよりひればたばたさせて口ぱくぱくしてる。
かと思うと暁斎きぬたを打つ楚々とした女性を描いていて。これがまた非常に美しい。
しかも正体がきぬた←こう読めと。

ファンタスティックついでに後期は若冲も2点。
墨をつけずに空刷りしてからぽんぽん墨をのせる拓摺りの乗興舟。
なんか得意技筋目書きこれでもかと使って、
なんか鶏の羽書くときのような筆遣いでこれでもかとしっぽみたいのはえてる亀。
おめでたい図柄だけどさすがに生え過ぎだろ、なんで俺?みたいな目。

あと、すごく印象に残ったのが高井鴻山の妖怪図。
北斎の弟子で小布施で北斎が筆を執ったときもこの人のところ泊まったんだっけ。
鑑定団でも出たことがあるけど、展示作はタッチがざっくりしてラフ。すごくいい感じでしたね、これが。

順路のラストが、やはり後期から展示のあれきたーってファンタスティックだったんですが、
展示スペースに入るところでそのラストの作品が見えちゃう。
できるだけみないようにしてラストきたー感をお楽しみください。

http://www.city.fuchu.tokyo.jp/smph/art/kikakuten/kikakuitiran/fantastic.html


浦沢直樹展 世田谷文学館
2016年03月22日

ついこの間、分倍河原の中学校の教室で一年上のTK氏と対談して、
例のT−REXのレコードをかけた放送室を訪ねた、という番組があったように
府中とはたいへん縁の深い人なのです。(20世紀少年もかなりの部分が地元)
その府中で過ごした少年時代のノートや、
もちろんパイナップルアーミーやマスターキートン、YAWARA、HAPPY、そしてプルートウ、MONSTER、
20世紀少年の生原稿、(このへんはセリフが特に濃密なこともあり、かなり混雑)
清志郎さん、ボブ・ディラン、ジョン・レノンのペン画の作品が、またいい感じの浦沢ワールドになっておりました。
世田谷文学館、やりますなぁ。
ちなみに4月からは精霊の守り人ですか。
予習せねば。
http://www.setabun.or.jp/sp/exhibition/exhibition.html


ファンタスティック江戸絵画 府中市美術館
2016年03月15日

恒例の春の江戸絵画展。行ってきましたよ。
この間日曜美術館の曾我蕭白10選でも仙人図を取り上げてましたが、
蕭白の仙人は執着たっぷり人間味たっぷり。そしてさっと書いてあるけど岩を掴む指は緊張感を感じ、
巻紙を持つ手は柔らかく、タッチが書き分けられていたり。
亀仙人、じゃない仙人亀?がとぼけた感じで空中浮遊も楽しい。
かたや円山応挙の元旦の図。
え?応挙?という写生してない感じがなんともいいです。
国芳の地獄、妖怪コーナーも楽しい。

クイズやりながら回ると帰りにポストカードがお土産に。
北斎の滝ですねー。でも展示はしてなかったみたいだな。
パスポート期限もう少しなんだけど、やっぱり後期もみたいかも。更新かなー。

http://www.city.fuchu.tokyo.jp/smph/art/kikakuten/kikakuitiran/fantastic.html


2016年2月

蟹が有名だがやはり真葛香山は京焼きの名工である。
2016年02月24日

真葛香山展。
釉薬を研究し、絵付けであったり透かし彫りの技を研鑽し、
意仁清や意乾山という作品には幕末横浜に窯を移す前の京都で培った技と先人へのリスペクトが感じられる。
古清水意の水指。
口べのところ上からのぞきこんでみたら京焼きの代表的な透かし彫りの模様と同じ感じになっていて、
細かいところにもこだわりを感じました。
京焼きっていろんなところの影響も受けつつそれを洗練させていった流れがあって
透かし彫りと言えば薩摩焼の流れを受けた京薩摩が浮かびますが、
説明の中に横浜に窯を移すにあたっては薩摩藩の家老小松帯刀の並々ならぬ尽力を受けたという記述が。
小松帯刀、篤姫のときはエータくんだったなぁ。
京都の混乱で窯を閉めるところも多かった中、
海外へ開かれた横浜という目の付けどころ、さすが西郷や大久保の名上司、小松さんです。
超絶技巧。
今回展示されていた代名詞的な蟹の張り付いたやつ。
ずっと作っていなかったのに晩年に自作を模してしかもバージョンアップしている。
伝統の技を継承しつつ自分にしかできないものをどうだっと出してきたようにも思いました。
2月29日まで日本橋三越にて。

日本画の革新者たち そごう美術館
2016年02月18日

入ってすぐの加山又造「駱駝と人」と横の壁一面の大きな横山操「川」の間の日傘を差したおばちゃんたちの後姿の絵を見て、
「わー、ステキな絵」「おしゃれ」って言ってるおふたりが。

ちょっとちょっとおねえさん、その絵の作者米谷清和画伯はですな。
横山先生のお弟子さんで加山先生が長年つとめておられた多摩美の日本画科の教授でですな。
今、三鷹でやっている企画展で同じく福井県立美術館所蔵の作品が出品されておりましてですな。
信号がかわって歩き出す前の光景の絵もありましてですな。
ちなみにアトリエに向かう途中の深大寺の交差点で・・・、
うーんこの絵のよさがわかりますか。すし食いねえシウマイ食いねえ、と思わず言ってしまいたくなる気持ちを抑えつつ。
(安心してください。言ってませんよ)
岡倉天心からの東京美術学校の流れ、狩野芳崖や橋本雅邦からの大観、春草、観山そろい踏み、
(解説でまだ経験の少ない大観も、みたいな記述に苦笑)
福井県美コレクションの奥深さに感じ入りました。
そして販売コーナーの壁に院展の流れで田渕俊夫画伯の桜の枝の水彩画が。
さっと描いた感じでしたがこちらも実によかったです。
会期末の日曜日、ぎりぎり間に合いました。行って良かったなぁ。

https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/archives/15/nihonga/index.html


米谷清和展 安心してください。日本画ですよ。
2016年02月12日

終電車の酔っ払い、なにやら訳あり風のおねえさま、
通勤ラッシュのホームや階段を急ぐサラリーマン、新宿中央公園のラジオ体操。
そうした画題から人間の息遣いが聞こえてくるような、不思議な魅力です。
黄色い公衆電話が岩絵具で厚塗りされていて、それに細かい文字や数字まで正確に書き写されてます。
雪の駅ガードの群衆風景、これ写真やhpで見たのとはかなり違う。六曲の屏風サイズですから。でかいです。
で、その前にイスが置いてあるんですけどかたいプラスチックのイスなんですよね。
でもそれに座ってまったりしてると、なんかね、ホームのベンチに腰掛けて外見てる感覚なんですよね。
あーホーム屋根あってよかった。みたいな。
まあ他の人は誰も座ってなかったんで、そういう意図で置かれたイスかは、わかりまへん。
てか、座っていいイスかも、わかりまへん。(≧∇≦)
と、ここまで駅周辺の情景を書いてあれですが、一番の推しは真夏の交差点で信号待ちしてる群像風景だったりして。
自宅からアトリエに向かう調布の深大寺界隈の信号。
小さく描かれた人物なんだが、顔の造作も書いてないんだが、
その中の親子の姿になんか小倉遊亀さんのさんぽの絵とか連想してしまったり。
公園描いた絵でも、タバコ吸っててもちゃんとひとつひとつ据え付けの灰皿構造物書いてあるぞ。あるあるある。
自転車で遠征して、いまこのあたり通って来ましたよ、ということもあるとは思いますが。(≧∇≦)

三鷹美術ギャラリー。安心してください。hpから割引券プリントアウトしていくと、600円→ 480円ですよ。

http://mitaka.jpn.org/ticket/gallery/


2016年1月

新宿風景展 中村屋サロン美術館
2016年01月28日

展示スペースは小さいけれど、広重から高層ビルの新宿まで、流れを楽しめる内容。
川瀬巴水の冬の月 戸山が原や吉田博の神楽坂通り。いまとの違い、いまとのつながりを感じる作品。

ちなみに開館時間は10時半からでその前はエレベータは三階止まりません。
休館日は火曜です。
念のため。https://www.nakamuraya.co.jp/museum/exhibitions/


今右衛門×柿右衛門 三越日本橋
2016年01月04日

同じ有田の地の今泉今右衛門と酒井田柿右衛門。
伝統を受け継ぎ、新しい風を吹き込み、次の世代に受け渡す。
13代今右衛門さんと14代柿右衛門さんを中心に。
鍋島様式の中のデザイン性に初期の有田焼に着想を得た吹き墨を取り入れた今右衛門さん。
轆轤で回しながら10分以上の吹き付け。(これやったことあるけど1分で頭クラクラですよ)
埋め尽くされた吹き墨の濃淡とその上にれた絵付けのバランス。
対して柿右衛門様式の濁し手の乳白色の、余白を生かした絵付け。
描いた花や葉の裏返った描写に、スケッチを重ねた姿が見えてくる。
14代が日本画科出身というのが非常に納得できます。

新館7階1月11日まで。本館の陶芸コーナーにも。
なお14代柿右衛門さんの作品は、九州の豪華列車でも見られます。( ´ ▽ ` )ノ


古代地中海黄金伝説からの、久々モネの部屋 西洋美術館
2016年01月02日

地中海文明。海の文明なのです。金のアクセサリーもタコなのです。
金ダコなのです。

村人が掘り出していくつもあったけどいっこだけ持って帰ってブタさんたちの食器にしてたら、
なめてるうちにぴかぴかに。金でした。黄金伝説こういうエピソードが多いみたいです。

神話をテーマにした絵画も。
モロー、クリムト、ルノアール。
パリスの審判。三人の美神を描くルノアールはモデルさんを使っていたが、
最後は自分の家政婦さんをモデルに描いた。
安心して下さい。ぽっちゃりさんですよ。
ネックレス、腕輪、リング。これ紀元前の作品ですか、という精巧な細工。
そしておしゃれです。サファイア、エメラルド、石榴石、真珠、紀元前4世紀となり紀元前5世紀とか。(O_O)
このあと松坂屋で黄金の茶釜が福袋で出てたんだけど、なんだかやけにぴかぴかして見えちゃって。
2000年以上お腹いっぱいみちやつたから。(≧∇≦)
常設展、モネの部屋のソファーはやはり落ち着きますなあ。
版画、素描のスペース2000初期のフェルメール作品(と思われる)などが入っていましたが、
版画スペースなくなるわけじゃないということで、ホ。( ´ ▽ ` )ノ

http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2015gold.html


美術館日記2018
2017
2015
2014
2013
2012




こじま塾の表紙へ