美術館日記2018
2016
2015
2014
2013
2012


美術館日記2017

あらためて書き出してみるとぐるっとパス期間、それも終了間際の駆け足っプリが。
そして、終わると12月は一回しか行ってないし。
年間パス買ったのでリピートしたけど。Σ(・∀・)

ミュシャのスラブ叙事詩。
ティツイアーノ展、
運慶展、印象深い展示が。

銅版画はベルギー奇想の系譜のブリューゲル、
埼玉県立近代美術館の駒井哲郎展。
八王子の清原啓子さん。
と、練馬美術館の麻田浩展。
正直名前もはじめての方だったけど銅版画のクオリティーの高さに驚かされました。

そして、地元の府中も春の国芳からフィンランドデザイン展、
木版画の浅野竹二さんはベンシャーンとの交流などにも触れていてたいへん興味深く。
今正宗得三郎さん、マティスを日本に紹介したということで色彩と音楽やリズムの関係などにも触れていた。
マティス、カンディンスキー、クレーに通じるところが。

どれが一番だったかは決めがたいが、サプライズも含めて練馬の麻田浩展で。

2017年12月

銅版画家 清原啓子展 八王子夢美術館

期限が切れてだいぶなる年間パスポート更新して行ってきました。
1200円から1400円に上がってたけど、それでも安いよね。
没後30年といっても31才で亡くなってるんで生きてたらまだ61なんだよなあ。
エッチングで線を書くだけではなく無数の点々を打って腐食させることで陰影までも表現する。
アクアチントって一度に黒い面を作ることもできて彼女もそれをやっている作品あるんだけど、なにか違う。
点を埋め尽くして作った面とでは。ただし猛烈に手間と時間がかかるわけで。
それでやはり点に戻るという。作品の数が30点ほどというのもそういうところからなんですよね。
ルーペ貸出ししていて、レンズ越しに見ると場所ごとに密度だけじゃなく点の種類や大きさ、長さなどいちいち変えている。
レンズの中の世界がまるっきり別の宇宙という感じなのです。
僕が初めて名前を知ったのはやはりこの美術館に行き出した時でたまたま所蔵品の常設に数点が。
その後全作品の企画展があって、その時は机や書棚の様子も再現されていて。
幻想文学、心理学、三島由紀夫、哲学書。
そして制作過程の試し刷りとその度に書かれた腐食の時間や方法を細かく記したノート。
今回は本棚などはなかったけどえいきょうを受けたルドンなどの銅版画も展示されてました。
日曜美術館のアートシーンで紹介されたこともあり、かなり入ってましたね。
ぎりぎり間に合ってよかった。14日まで。

hp


2017年11月

運慶作八大童子、不動明王

高野山金剛峯寺の八大童子より、
お団子童子とお坊っちゃマン。

少し離れると並んで視界に入るくらいに閉館間際混雑緩和したのでじっくり観察。
目の間隔が一体一体違っていて特徴が出てるんだね。

浄楽寺不動明王像。
これは左右の目の開きかたで大きく見開いている方は明るく、睨む形に細くなっている方はコゲチャイロに。
会場は照明の具合でもっとはっきりとわかるんだよね。
それと、これも後半空いてきた時にぐるっと周りを移動しながら見たら、
睨みの横顔からだんだん開いてるもう片方見えてきて、見開いてる横顔へ。
全然違って見える。
これ後ろも見える東博展示ならではですなあ。
食いしばった口からのほほ、目までの筋肉の動きも、思わず三井ってました。おっと三井じゃなかった。


玉眼名人運慶と、その子。

目の開きかたで見えかたも表情もかわる。目の色も変わって見える。
目でコロ助、いや殺す。
そして運慶の三男康弁のあいつ。
俺の頭の上のやつ、なんだーって、ちゃんと目で追ってるんだよねー。
おもろい。三男、おもろいやつ出てくるようだ。

運慶前夜。

運慶の父康慶はもともとの仏師ではなく、寺男か末僧だったという説あり
大仏師の康助が腕を見込んで息子康朝の弟子にして
康の一字を与えて康慶。
そして康助師匠の息子康朝の息子がからだが弱かったということもあるが、
見込みに見込まれて大仏師を受け継いで運慶を経て
現在の大仏師松本明慶さんまで慶の字の方を継いでるってことなんだね。
当時の平安時代の仏像彫刻はもっぱら藤原氏を中心とした貴族からの依頼。
豪華な社殿に優美な仏様を寄進する。それがあっちにいってっからの極楽浄土につながる。
注文は奈良仏師の本流から離れもっぱら古仏の修復。
逆にこの逆境が後々生きてくる。
平安以前の飛鳥白鳳の仏像と向き合えてたわけだから。
やがて時代は平安末期。平家によって南都の寺院に火が。
平家によるってか結果そうなっちゃった感もあるが。
それを当時29歳の運慶も経験していて運べる仏像は必死で避難させようとがんばったことでしょう。
そして仏像造りにも大きな影響を与えているようにおもわれる。
平家は壇之浦の藻屑と消えて時代は源氏の世に。
注文主としては今まで貴族や平家に作っていた京の仏師には頼みたくない。
そこで奈良仏師の出番。東国の武士に合うワイルドな作風が求められた、というのももちろん一面正解。
もうひとつの大きな理由は父の康慶も運慶も寺に大きく関わっていてということ。
後に仏像を作るにあたり運慶自ら発願して写経を行ったり、
仏像の中に供物を納めたり。それまでの依頼者の朝廷や貴族は仏教についての知識教養もあるが、
この時代ホントに救いを求めているのは庶民。
ましてや寺は焼け落ち仏像は焼け落ち首は落ちる。
目に見える形で頼りになる姿が求められるのは当然のことじゃないだろうか。
三十三間堂の千手観音1001体のうちのひとつの足に運慶の名がありこの時13歳。
これはまだ父康慶の指導の元、そして1001分の1。
自ら任されてのデビュー作円成寺大日如来から運慶展いよいよスタートデスヨ。
製作期間異例の11ヶ月とな。運慶25歳。気合入ってますなあ。

運慶展
米谷清和展(多摩美術大学教授退職記念展)

昨年の三鷹市民ギャラリーの企画展、
同じころのSOGO美術館の日本画の革新の展示
(日傘を差してばあちゃんが信号渡っている絵)が非常に心に残っていて、
その後国立新美術館の、日展だったかなあ。
遊具に雪が降り積もった公園の絵でもお名前を拝見していた米谷清和先生の多摩美教授退職記念の企画展に、
はるばるきたぜ多摩センター、逆巻く多摩川乗り越えてー。自転車こいで行ってきました。
作品を見ながら質問に答える形での先生のギャラリートークにも参加。
気取らないお人柄が伝わってくるようでした。
黄色い公衆電話を岩絵の具で描いた作品はいくつか描かれていて三鷹で見たものとは別バージョン。
数字がその時の個展のはじめと終わりの日にちになっているということでタネアカシも。
伊集院静さんのノボさんのカバーにもなっていた。持ってました。いい絵だと思ってたんだよなあ。
この絵は雲がいい感じの作品というリクエストで伊集院さんがこれって気に入って決まったそうです。
描いてある場所、米谷先生の故郷の福井の東尋坊ですから。小説正岡子規と夏目漱石だけど松山じゃないんですね。
それでも雲がいいからありなんですね。
ギャラリートークの流れでその後のかんぱーいまで参加させていただきしっかり美大生気分。
米谷研究室気分。
教え子の皆さんもとってもあったかい感じで楽しかったです。それで米谷先生と書いちゃってたりして。
どこかで個展あったら、米ちゃん先生。(て、卒業生から呼ばれてた)また是非見に行きたいです。

hp


18世紀の古伊万里ー逸品再発見 戸栗美術館

17世紀に誕生、技術革新を果たし、製造技術が頂点に達した伊万里焼。
それらの名品の数々は大名など限られた人の使う高級品でした。
続く18世は伊万里焼を使用する人の裾野が広がり、高級品から廉価品まで、
使う人の合わせたさまざまな製品が産み出された時代と言えるでしょう。(hpより)
西欧の王候貴族むけには装飾を施したより大きな壺や皿。
元禄繚乱に沸く町人階級がハレの日の調度品として求めた金蘭手。
そして、ふつうの人々のふだん使いの食器。
17世紀ということは江戸時代とともに生まれながら、
というかその前の秀吉の朝鮮出兵で陶工の人たちが連れてこられたのが始まりなんだね。
無益な出兵して豊臣滅亡真田丸につながるけどそれがいまの陶芸に繋がっているというなんとも。
それはともかく。
18世紀でも初期の蛸唐草は輪郭線を描いてから中にだみを入れる。
後半になるとガイドの線を書いてそれに沿ってぐりぐりと。手法の変遷を紹介しているのも興味深かったです。

hp


パステル事始め 目黒区美術館

クレヨンのように顔料をロウで固めたものではなく、ほぼ顔料だけをチョークのよもの。
だけに、書く場所は画用紙など場所を選ぶが色を重ねたり、混ぜたりすることもできる。
そして、油絵の具と違って乾くのを待たずに塗れる。て、はじめから乾いてますから。
そんなパステルの魅力に着目して自分のものにした二人、矢崎千代二と武内鶴之助を中心に。
海外から持ってきた外国製のパステルを使ったり、あっても輸入品。特定の色がなくなるとなかなか補充できない。
よく使う色って決まっているし。そういうこともあり国産のパステルの製造にも関わったり。まさに事始め。
ドガ、ルドンなどのパステル作品も展示。
光の表現によく合った画材といいのがよくわかる作品ですなあ。

hp


粉彩八桃文盤(松岡美術館蔵)

上絵付けでできない桃のグラデーションの色を出すために、ガラスの粉を使っているんだな。
いろいろ技法あって、おもしろか。

hp http://www.matsuoka-museum.jp/exhibition/201704_3.html


超絶有線七宝並河靖之と蛇革バッグ

銀の線で仕切りを立ててその間に釉薬を埋めて焼く有線七宝、
同じく並河の並河惣助の無線七宝が仕切りを抜いて焼くのに比べて輪郭線がはっきりしているのが特徴。
現代作家の有線七宝は、そのはっきりした輪郭線が蛇のウロコによく合ってる。
会場でも一番びっくりした声が上がってましたね。

超絶技巧に息をのんで、茶室にしつらえた掛け軸の下にユリが生けてあって、
生け花まで作り物に見えてきちゃったりとか自分にツッコミしてよく見たら、それも作品だった。\(◎o◎)/

hp


釈迦十大弟子を独り占め

小金井方面で仕事あって五日市街道まわりに少し遠回りして小平の平櫛田中美術館へ。
今日から展示が民芸のコレクションになったということだったのだが、
2階の展示室に一面に棟方志功の釈迦6大弟子が。
あとの4人と二菩薩は1月6日に展示替えですと。
せっかくの機会。誰かくるまで見てようと思ったら、来ない、来ない。
とそのうちそんなことも頭に上らなくなって、
指の関節の彫りや長方形の板の形に制約されることがかえって不自然なほどにひねりがはいったり
へんな方向に指が出てるのにみいっていて、
下から他のお客さんが上がってくるまで20分はあったみたいです。ああ眼福眼福。
濱田庄司、河井寛次郎、冨本健吉、そしてバーナードリーチの陶芸作品もですが、
芹沢啓介の佐藤春夫の挿し絵原画がまた。
後白河院、北条頼政政子父、法然、親鸞、うわおもしろそうです。その本。
他にも志村ふくみさんの着物や平良敏子さんの芭蕉布の帯なとも展示。
平櫛田中彫刻ももちろんありますよ。
気楽坊は木彫と石膏像が両方。
自宅を保存した記念館にも上がって、
庭に置かれた新しい彫刻に取りかかるために買い入れた巨材にも再会してから帰りました。
90過ぎてもやる気十分。見習いたい。
また展示替えもきたい。1月、自転車寒そうだが。

hp


晩秋の目黒川へGO さくら美術館へ

上野毛から自由が丘で乗り換えて中目黒へ郷さくら美術館へGO!
朝東横線乗り入れてる半蔵門線の信号確認かなんかで止まった言うてたんで逆回りじやなくてよかった。
古今、新古今などの和歌と、日本画と。最初の部屋で菊に囲まれて香りがしてくるようで。
そして紅葉。月。特に月にむら雲な作品が心に残りました。

そしてまた、ぐるっとパス一枚クリア。
このふたつに行けたので日程としてはかなり楽に。
ちょっと二子玉経由でせいか堂文庫もとかすめたけど駅からバスだしさすがに断念。v(・∀・*)
明日は自転車だーん。

hp


GO TO 東急線途中下車美術館

はい、五島です。
瑠璃、ハリ、七宝。明日香村から出土したものに始まり、
唐物と呼ばれる中国からの渡来品 は7世紀ごろから明清に至るまで。
また日本での茶の湯とのかかわりなどを通しての七宝の変遷を展示。
銅の本体に銀線を置いて間に釉薬を埋めて焼く有線七宝の技法を
途中経過のサンプルありで段階的に説明してくれているコーナーがたいへん分かりやすく勉強さしてもらいました。
他に彫ったとこに釉薬入れる象がん七宝もあってかなり陶芸との共通点がありますね。
明治の超絶技巧の並河靖之七宝見に行く前に歴史勉強できたのもよかった。
そしてぐるっとバスまたひとつクリアです。(^o^)

hp


正宗得三郎展 府中美術館

2017年11月08日

色彩で音楽のように生き生きと絵を描きたい。
モネから光を学びまだ日本であまり知られていないマティスと親交、
紹介した正宗得三郎。色彩で音楽のように心に訴えるというのがまさにマティス。
そして、先日いったカンディンスキーやルオー、クレー展の講演の話ともつながりました。
マティスが描いた正宗の肖像も展示されてました。正宗白鳥の弟なんですよね。
府中をついのすみかとして武蔵野の自然も描き、水墨画も実に味がある。
色彩の中での黒と白の重要性、すべての色が入っている間のグレイといった部分も共通しますね、と。

hp





2017年10月

2017年10月12日
吉祥寺美術館常設の浜口陽三室のテーマが、さくらんぼ。

いやいやいや、さくらんぼいつも展示してるし。さくらんぼアンドでしょう。と思ったが、THE さくらんぼでした。
だが、いくつのさくらんぼの中に並ぶと、さくらんぼの方が白抜きの作品がとても新鮮に見えてくる不思議です。
はい、ここもぐるっパス。

hp


高松明日香展 三鷹美術ギャラリー
2017年10月06日

ちょうど自転車で三鷹周辺にいく仕事があり、
ちょうど雨の降りだしが思っていたより遅くなりそうだっていうんでちょっと足をのばして三鷹美術ギャラリーへ。
高松明日香さん、高松の人なんですね。何枚かの作品でストーリーや空気感を出している感じ。
ノーマンロックウェルや映画のスタンドバイミーを連想。作品の人気投票もあり、手で水をすくっているものに一票。
前回きたのが米谷清和展でしたがここはスペースは小さいけどおもしろい企画しますね。
そしてここはぐるっとパスに入っているのでこれにて元がとれましたよ。(*^^*)

hp


やきものの在処ありか むさび美術館
2017年10月04日

ひとつ目の部屋 柳宗悦が興した民芸運動を中心に
濱田庄司、河井寛次郎の作品と、濱田の教えを受けた金城次郎、
そしてバーナードリーチと共に眠っていた技法の再発見に取り組んだイギリスのスリップウェアが見られました。
一点ずつですが。そしてシンプルな白のティーセット。
これが柳宗悦の息子さんで民藝館の館長もされていた柳宗理さんデザインというシャレたならびに。
用の美がプロダクトデザインの中に生きてます。
二つ目の部屋は文学作品と関連付けて焼き物を展示。
夏目漱石、抱一やエヴァレットミレイのオフィーリアなど絵画作品はよく取り上げられますが焼き物もありですね。
宮沢賢治春と修羅より、詠訣の朝。これは最愛の妹が病に倒れたときに、
アメユキトテキテケンジャ あめ雪取ってきてくださいというので陶器に取ってきたというところで使われてます。
改めて全文よむとじわりです。
川端康成、妻に対しては弱き器を扱うようにせよみたいな。そして永井荷風の墨東奇たんと。
図書館との共同企画ということなので当時の装丁の本も一緒に展示されております。

もともと美術系じゃなく文系出身で、抜粋された文章を全部読んでたらスペース以上にじっくりいられました。

hp


2017年09月

根岸に学ぶ 浅井忠の弟子たち
2017年09月27日

埼玉県立近代美術館の駒井哲郎展見ているときに常設展示の解説があると放送があり、
再入場のスタンプもらって1Fへ。
黒田清輝らとともに創成期の日本の洋画界を牽引した浅井忠は
京都に移るまでの数年間を根岸で過ごし正岡子規らと交流、
雑誌ほととぎすのために挿し絵も書いている。
その時期浅井の元で学んだ若い画家の卵たちの作品を写生、写真、本画などを並べて展示。
浅井忠自身アールヌーボーの意匠や写真、それと正岡子規関係の短歌や俳句もあるか、
など多方面の興味の対象を持っていただけに弟子たちの作品も多彩。 特に倉田悌次郎はhp掲載のゴブラン織とズック素材のカバンの質感が実によく出ていて、
また農家の軒先を描いた油絵の下絵、木炭で描いてあってこれがまた。 初めて聞いた名前だが才能があった人なんだなと感じた。プロフィールには21歳で病没したとき、
浅は手をとって泣いたとある。そうなんだなあ。早世の系譜の中にこういう人もいたんだなあ。
西洋画家のコレクションでは特にシャガールとピカソ中心に解説が聞けました。
キスリングの静物画やモネの積み藁、ロートレックの足元見えないけどスケートしてる少女のポスターなど。
常設の入場券に使われていた猫が描いてある絵が見たかったけど、たぶん小茂田青樹展に出張中ですね。
ちなみに常設展示はぐるっとパスには入らないので200円別料金ですよ。
椅子人気投票になんか座ったことあ椅子だと思ったらフィンランド。
府中市美術館で座りましたー。

hp


銅版画 駒井哲郎 埼玉県立近代美術館
2017年09月25日

前日のはしごが過ぎてひとつにしぼって北浦和の埼玉県立近代美術館へ。
天気もよく公園を散歩気分で美術館へ。
乾いた暑さが心地よい秋の気配。そして秋の銀杏爆撃がすでに。
銅版画ファンには駒井哲郎の名前は必ず出てくる名前。
プロの銅版画家さんの展示行って駒井哲郎にささぐというような作品に出合うこと多数。
だから駒井哲郎といえばこういう画風というイメージができていました
、小さな正方形やひし形、立方体などがたくさん、みたいな。
確かにそれは代表的なデザインで手法ですが、それだけじゃない。むしろそこにいたる過程、そこかかの展開が。
はじめの頃の作品、樹木、建物、運河、舟などスケッチを元にしてエッチングの腐食で線を作ってゆく。
そこから次第に松ヤニの粉を振りかけて熱定着させ時間差で腐食させて濃淡のある面をつくるアクアチントや
目立てをして全体が真っ黒になる銅版を作ってから逆にそれを削ることで階調をつけて白く出るようにしていくメゾチント、
直接銅版を引っかいて線を書くドライポイントやさらに細い線をビュランという彫刻刀みたいなやつでやるエングレービング、
ソフトグランドエッチングにリフトグランド。
そんな中でパリでは長谷川潔さんとの交流。日本では恩地孝四郎さんのもとに
集う若手の版画家たちのお会、一木会(毎月第一木曜日)で模索していく。
参加者の色紙に関野準一郎さんの名も。
海外の賞を受賞し銅版家としての名も高まる中で舌癌の発覚。
病気の治療と向き合う中で作られた作品は、初期を思わせる樹木のデッサン、エッチング、
そしてそれまでのモノクロの画面が色彩を帯びていく。享年56歳。
最初見た時にはどこに向かっているのかわからなかった試行錯誤の手法に見えた途中の作品が、
そこから戻りながら見て、さらにはじめから見ていくうちにじわじわつながってきました。
そして駒井が影響を受けた恩地、長谷川潔、ルドン、ミロ、クレーといった展示作からのつながりとリスペクトも。
と、いうことで、結局閉館間際まで。
hp


日本伝統工芸展
2017年09月24日

半蔵門線で戻って三越前。
お目当ての笠間焼き寺本守さん、
去年は白の球体が型でしたがうって変わって黒土の鉢。この変化がまたいいんだなあ。
九谷焼の武腰潤さんの大きな牡丹の皿。
地の白土に黒の発色が印象的です。本館美術画廊で個展も開催中。
以前からとり組まれているカワセミなどの鳥の図柄はこちらで見られます。
伝統の中にも新しいデザイン性。そして鮮烈な色の対比なのです。九谷カッコいいです。
そして金工で毎年楽しみな佐故龍平さんの杢目模様。
木の年輪というか、ウルトラQのオープニングのうねうねの廣賀ってゆくような模様。
金属というのがなんとも不思議。伝統工芸展は10月2日まで。

hp


本館に向かうスペースは、あんこ博覧会も開催中。冷たいお汁粉が気になりました。そして安定の人気、とらや。


和田誠と日本のイラストレーション展
2017年09月24日

たばこと塩の博物館へ久々に行きました。
久々と言っても渋谷にあったとき以来。
半蔵門線の押上B2出口から出たらどっち行くのかわからない。
するとすぐそばにバス停が。ここは地元の地理に精通されていそうなおかあさんに聞いてみるにしかず。
すいません、たばこと塩の博物館へはどういけばいいでしょうか。
わからないわねえ。
すると他の方が、
ああ、それはJTだったとこだよ。
あらそうなの。あそこなのねーそうそう。
みたいな会話に。
さすが鬼平の町、人情あったかいです。

展示は子供のころの絵を描くこととの出合いから学生時代の作品、広告デザイン、週刊文春の膨大な表紙絵。
JAZZ、落語、ハリウッド映画、演劇やご自身が手がけた麻雀放浪記や怪盗ルビーなど監督作品のポスターなど多岐にわたります。
ハイライトの青い地に白いロゴに黒い線の星のパッケージデザイン、和田さんの作品で、黒地のものの色違いバージョンだったのか。
そして連作のアニメーション作品、みんなの歌、バケツの穴の歌懐かしい。
金曜ロードショーのオープニング映像なども見られます。
さらに実際に鉛筆であたりをつけて下書きするところからどう色を塗っていくのかまでの制作風景も。
鉛筆は2Bってるのかーとか、描いていた顔を消してこう直したのか、とか
色は筆でなくペインティングナイフを使ってたんだーとか。食い入るようにがっつり見てしまいましたよ。
特に人間の顔の部分はそんなに違うわけではない。
ちょっと目と目の間を離すとかレイアウトが大事というのが印象に残りました。
常設展示は渋谷時代同様たばこと塩の歴史と浮世絵。
それと現代の浮世絵版画も。山藤章二、粟津潔、田中一光、そして和田誠。
とても楽しかったです。ポスター買いたかったけど品切れでした。図録1000円+税これお得すぎ。
ちなみにここもぐるっとパス使用可。入場料100円だからあと1400円で元がとれますよ。

hp


インドに咲く染めと織りの華。
2017年09月23日

井の頭線渋谷の手前の神泉で降りて松濤美術館へ。初めてぐるっとパス購入。
1枚使いましたよ。チーン2000円ー入場料500=あと1500円で元がとれますよー。

インドの布と一概に言ってもこんなにも種類があり、用途があり、製法があるのか。
絞りなどの染めや刺繍。キルトのパッチワークがあったり。
柄はペイズリーが多かったです。刺繍の猫は顔が人間ぽかったり立ち上がってたりにゃろめー。
思った以上、かなりの以上に楽しめました。
hp
坂を下ってBunkamuraギャラリーへ。
boxギャラリーもぶち抜きで万華鏡展。
ぐるぐる回して模様が変わり、また万華鏡を向けた先によってまた色が変わります。
先程まで見ていたパッチワークや曼陀羅の要に染められた布とよく似ている。
いいはしごでした。
hp


瀕死の白鳥 院展 東京都美術館
2017年09月16日

土曜日午前中、上野まで行ってきました。
廃線になった駅と線路、雪に覆われた田んぼ、小田野尚武さんの小さな駅、
宮廻正明さんの位相空間、空間と時間が無数に積み重なり、原子レベルの話まで解説に。
そして絵の題材が京都競馬場マイラーズカップ第4コーナー。
一列に並んだ馬、たぶん13頭が自分の走りやすい側の脚を前に出るように準備オッケーして、
これ手前を変えるという、さあ用意ドンという瞬間の場面。
静の中の動でもあり動の中の静が切りとられたようななるほど解説が不思議とうなずけました。
となりの手塚雄二さん新緑の沼、閑な木立の情景と並んでいるのがまたよいです。
そしてさらにとなり瀕死の白鳥、西田俊英さん。
牧阿左美バレー団の三宅里奈さんに踊っていただきましたとあり、
近づいて見ると指先まで神経がゆきとどいた描写。
思わず絵はがき買ってしまいました。、でもやっぱり大きな絵で見たい作品ですこれは。
でも東京都美術館は17日明日までなんです。各地巡回して横浜に。また行こうか考え中であります。


フィンランドデザイン展 府中市美術館
2017年09月09日

ナツヤスミパレタン企画が終わり秋の企画展示初日です。
アラビア社のコーヒーカップとムーミン目当てでいったのですが、
食器棚などの家具、特にイスがかっこよくて座りやすい。
会場だけではなく一階の休憩スペースのイスもフィンランドデザイン。
そしてご自由にお座りください。
ギャラリーショップの女性のエプロンもマリメッコのお花が鮮やかに咲いてます。

アラビアのムーミンマグカップあんなに種類があるんだなー。

見てるだけで心地よい空間。また何回も行きたいと思います。

hp


象徴派から世紀末のフォークロア Bunkamuraボックスギャラリー
2017年09月03日

ホームページにはその他になってのっていませんがムンクの叫びじゃない版画が出てます。
ベッドに女の子が座っている。鉛筆でEdw~ゴニョゴニョ~ってサインが!
ルドンの目玉じゃないシルクスクリーン。明るくいい色が出ています。
ピアズリーの書いたVOGUEの表紙。1905年の装画本が時代を感じさせます。
小さなスペースですが見ごたえあります。

hp

おとなりのギャラリーの方も幻想絵画展で
村上春樹の世界の終わりとハードボイルドワンダーランドなどの挿絵などでも知られる落田洋子さんや、
カボチャラダムスさんのすごいカボチャバベルの塔、興味深く拝見。銅版画好きにはたまりません。


2017年08月

鉛筆だけ。木下晋さんの写実。
2017年08月20日

日曜美術館の再放送でやっていましたが盲目のごぜにみせられて描いた木下晋さん。
府中美術館の夏の常設展示に
大きな横キャンパスにさらにクローズアップして両眼を描いた絵があり何度も見に行ってます。
数年前に木下さんの企画展があって、鉛筆デッサンの講座も開かれました。
応募多数で外れたけど。残念。

企画展示は例年のパレタンですが、動物園です。なにげに蕪村と応挙が並んでたり。
パレタンは音由美子学芸員の作ったキャラクターのようですが、
二紀会の薮野健館長が描いたパレタン絵地図もツボでした。
hp

世にも奇妙な絵画たち 文化村ギャラリー 2017年08月19日

上野から銀座線で渋谷。京王線で帰るのがちょうど初日とぶつかり渋谷まわりに。
そうでなくても行くつもりでしたが。
下のミュージアムでやっているボスとベルギーきも怖い系譜 違 ちなみにこの次も幻想絵画展。
会場には作者の方も。
大正、昭和初期風の店先を描いているのは若い女性で
かっこうもそのまま療養所から抜け出してきたようなイメージ。
看板の文字がムウジラとか←に並んでいて怪しい商品名だが体には害になるようなものがツボということを小さな声で。
作者名さちこ。 さちこさんに幸多かれ。

hp
藝「大」コレクション展 後期
2017年08月18日

名品編
曽我しょう白の柳下鬼女図屏風
鬼なんだけど髪の毛のあつかいや目付きなど女の部分がなお怖い感です。
上村松園草子洗小町はもちろんですが、となりの松岡映久伊香保の沼もすてき美人。
小倉遊亀さんの径、実物結構大きいんですよね。
日傘のお母さん、小さい娘、そしてまた犬。何度みてもほほえましく癒される。

藝大卒業制作作家の原点編
板谷波山(貼られたシールの学生名は、まだ波山ではない) 元禄婦人像 木彫
ちょ、木彫です。しかも指先の滑らかさ、柔らかい頬、着物の襞までしっかりと。
陶芸家として釉薬を研究して極める以前に非凡な彫刻家だったのですね。
杉山寧 野 薄の野に子供たち。卒業時からこの完成度。後に娘さんは三島夫人となるわけです。

現代作家の若き日の自画像編
O JUNこと、齋藤潤さん 岡本太郎を彷彿させる爆発ぶりです。
千住博さん 今の姿そのままのさわやかな若者がいます。
松井冬子さん 画風は松井冬子になってます。
ここからだんだん内蔵がdetetariどくろになったりしていくわけですね。
山口晃さん
源頼朝の肖像画に自分の顔をのせています。
戦国や江戸の風景や絵地図に現代をコラボレーションする手法がすでに卒業時に。
そして頼朝の山口さん憂い顔。
村上隆さん
一番意外な自画像でした。ふつうに自画像描いている。そして、上手い。
これがあるからスーパーフラットいけるんだな。
会田誠さん
以前からテレビではぼろぼろの文庫本が自画像というの看ていたのですが、
文庫本を描いてるんだと思ってました。
ほんとのぼろぼろの文庫本を張り付けてました。そのままかい(o≧▽≦)ノ
らしいです。そしてこれ認めるとこが藝大なんですね。
おもしろかったです。そして、やはり藝大は奥が深い。
hp
レオナルドダヴィンチ展 そごう美術館
2017年08月17日

始めに言っておくと、ダヴィンチのホンモノのどの絵が来日したわけではありません。
そして三菱一号館のようにスケッチがきているわけでもありません。
それでもとても楽しめました。
飛行機、ヘリコプター、戦車、自動車、自転車、ジャッキやベアリング、
歯車などの機械部品からロボット騎士ロボット楽器など、
ダヴィンチが残した設計図や完成図をもとに再現。
写真おkさらにさわって回して遊べます。
ただし赤シールはドント タッチ。これ手挟んだり危ないやつ。黄色は係りの人に聞いてね。
後半の絵画コーナーはモナリザ、受胎告知、最後の晩餐など全部見せます複製だど。
でも子供たち回したり鳴らしたり生き生き楽しそう。
自由研究や夏休みの日記などにもぴったりの企画ではないかと思いましたよ。
中学生以下無料だし。大人は1500円だけど。( ・∇・)
ホンモノ見たくなってきたr、三菱一号館へGOGOってことですね。
hp
オルセースクールミュージアム
2017年08月10日

東小金井の東京電気大付属でオルセー公認リマスター作品の展示見てきました。
デジタル化だけあってスマホで作品解説が見られるシステムにもなっているのですが、
それよりも中学生や高校生が一生懸命絵の解説をしてくれるのがうれしい。 アングル先生の泉と較べてマネの笛を吹く少年に筆跡が残るタッチなのはどういうことか。
モネのを向いている日傘の女はなぜ顔が書いてないか、
ルノアールのムーランドラギャレットのまだらな光のビョウシャなど、
一生懸命説明してくれましたよ。
ちょっと(゜゜;)\(--;)つっこみ質問してみたらそれまでガン見してたあんちょこメモからから目を離して
一生懸命自分の言葉で説明しようとがんばってた。
後ろでハラハラ詞ながら見守ってる先生と思わず顔を見合わせてにこり。
そっちの方がずっといいよ○○君。そうそうよかったよかった。
こういう展示もおもしろい。
hp

2017年07月

ベルギー奇想の系譜。渋谷bunkamura museum
2017年07月21日

ヒエロニムス-ボスからの、ピュートル-ブリューゲルからの、ルーベンスからの、アンソールからの、夢にデルヴォーからの、
そんでもってマグリットからの、現代の作家への系譜を追ったきもい、もとい奇想の絵画の作品展。
ポストボス的なテーマを引き継いだブリューゲルの銅版画にボス名前が入っていて
売れ線を狙って画商が入れてたりする。
大きな魚が小さな魚を食べるなんだけど大きな魚が小さな魚を吐き出して、小さな魚がもっと小さな魚を吐いてるとも。
で、貪欲だの大食だの七つの大罪に続いて正義、剛毅など対抗する七つの徳目の版画が展示してるんだけど、
徳の方の登場人物がやってまーすってかやらされてる感。
欲望へんのモンスター達のほうがオモシロクミエチャウ。絵の前の混みかたも比例。
ルーベンス、フランダースの犬の舞台アントワープも、ベルギーなんですよね。
パトラッシュ、筋肉、筋肉、それとも筋肉だよ。
それぞれそう枚数が多くはないので、ちょうどよい感じで見て回れました。なにせ細かいデスカラねえ。
上のギャラリーのサマーセールもご一緒に。

hp
竹内栖鳳と京都画壇 講談社野間記念館にて
2017年07月16日

新宿西口からバスで椿山荘前。お向かいに丹下健三作の東京カテドラルです。
東の大観に対して西の栖鳳と弟子たち、そして京都画壇の日本画家たちの作品を展示。
個性の現れた様々な十二ヶ月図。上村松園さんは12枚中8枚女性像だし、
福田平八郎さん、どこかスタイリッシュな感じが。
山口華楊さんは花押し。やはり6月のアジサイよい。
中村大三郎さん、アップな感じ。上村松こうさんの鳥。 それにつけても、上村松園の女性像はなんつうか、
ただ美しいだけではないんですよね。
生き霊でなくても、狂気をはらんでいなくてもどこか情念を感じたり。
松園さんの情念なんですかねえ。
17日(月)の会期末ぎりぎりいってきましたよ。

hp
文化村ボックスギャラリーで銅板画
2017年07月05日

メリヨンのパリ、ルドン、そして現代の銅板作家へ。
小さなスペースですが、とてもツボな展示でした。
デューラーに影響を受けた直接版を刻み込むエングレービング、
塩化第二鉄で銅を腐食させて版を作るエッチング。
詳しい解説が聞けて大変勉強になります。自分でやってる時よりか。d=(^o^
お隣はよしもとばななさんのキッチンなど作品のイタリア版原画。
これもいい雰囲気。ばななさんからもお花きてましたよ。

hp
カッサンドルポスター展 八王子夢美術館
2017年06月24日

疾走する急行列車、豪華客船、文
字が絵を邪魔するのではなくより疾走感を際立たせ、巨大な船に安定感を与えている。
沢木耕太郎 深夜特急のカバー作品でも有名ですが、
レコードジャケットなども手がけていたのしらず、興味深く拝見いたしましたよ。
バルテュスの影響を受けたりシュールレアリズム的な作品を手がけたりもしていた。
ルコルビジェ先生からは見せかけのキュビズムだと酷評されたことも。
しかし、大胆な省略や強調、斬新な構図、スタイリッシュな字体など今見ても新しさを感じさせます。
てか今見るからかもしれません。
写真はサティピアノ曲集。チラシに写真なかったのでググッとしたら今でも売ってるんですね。
25日日曜まで。ギリギリ間に合いました。

hp
藤田嗣治の巴里と船越桂版画展
2017年06月22日

東急渋谷本店で藤田。リトグラフ、エッチングの他、木口木版画の作品も。
素描は同じ猫を上下に二つ書いているものがあり、
練習してたのかと興味深く拝見。聖母子像がやはり美しいです。
油絵も数点。小品で教会で藤田夫妻が洗礼を受ける場面。
そして晩年に描いた聖母子。これが目玉になっていてだいたい4本でおつりがくるぐらいでした。
このみとしては素描の方のお顔が。値段はヒトケタ下ですが。
6月28日まで。
となりでアール・デコ展も。ラリックが中心でガレやドームのランプ、テーブルウェア、リモージュのお皿なども。
こちらは7月5日まで。

1階の文化村ギャラリーでは船越桂版画展。スフィンクス、
ではないものもずいぶんあって、思わずギャラリーのひとに言ってしまいました。
人間いいですねー。(≧∀≦)
初期の作品もスフィンクスじゃなくてなかなか渋くてこのみ。
あ、スフィンクスがいやというわけではないのてすが。

大丸絵画セールの日本画など。
2017年06月19日

東京駅からの、無料巡回バスちょうどきたのに乗って日本橋行ってからの、
銀座線でミュシャだったので大丸美術画廊も寄ってみた。
伊東深水の美人がよかった。買えませんが、意外と高くないかも。買えませんが。
それとhpもチラシにも出てないけどこれはいいと思った絵が。
メバルの。小茂田青樹。速水御舟と同じ画塾に半日違いで入って終生の友人でありライバルだったという。
これいいサカナでした。写真ないけど検索したら島根県美で企画展が。
巡回しないかなぁ。

hp 大丸の絵画セールは明日まで。
目の保養に。


青山通りのミュシャ展
2017年06月19日

きのうアートシーンで取り上げていたこともあり人出はかなり出てました。
ポスター中心。故郷チェコへのものも少々。
作品の中にハートを探すクイズに10問全問正解して絵葉書いただきジスモンダ。
スラブ叙事詩よりがっつり見てしまいました。
絵葉書もらったし入場も無料だけどやはりポスターも買ってしまいました。
美女にはお金がかかるのです。
7月2日まで。

hp
浅野竹二の木版世界
2017年06月16日

きちんとした日本画や小林清親に影響を受けた名所図版画と徐々に並行して制作していく自由度いっぱいの自由版画。
転機は来日していて個展を見たベンシャーンのソレ、ユウゴウシチヤイナヨーというアドバイス。
(まぁもっとちゃんと言ったんだろうけど)
わざわざアトリエまで訪ねてきて。
やがて出来上がった作品を持って今度は浅野竹二さんがアメリカへ。
デフォルメ具合がいい感じ。そしてベンシャーンと通じるものがありました。
会場にはそのベンシャーンのマルテの手記より数点が展示。
これもうれしいサプライズ。
関連で常設の方にも小林清親、平塚運一、前川千帆、川上澄生と木版画が並ぶコーナーが。
また先日日曜美術館でも取り上げていた木下晋さんの鉛筆画も見られました。
実は年間パスが春で切れててちょっと迷ってたんですが、すいません、更新大正解でした。
7月2日まで。

hp
塩谷亮写実を超えて 文化村ギャラリー
2017年06月05日

モデルさんも美しいけどご本人もさわやかなイケメンです。写実王子です。
日曜美術館のクラーナハ展のヴィーナス?の絵のモデルさんにポーズをとってもらっての再現スケッチ、
テンペラでのクラーナハが使った白に近い薄い下地を塗って、
すけるような色を出したものとイタリア式の濃い下地で白い絵の具を塗って比較したものも展示。

http://www4.nhk.or.jp/nichibi/x/2016-12-11/31/7233/1902706/ 版画以外はほとんど売約シールで、
え、売れてないの?という作品はホキ美術館所蔵のタグが。
渋谷文化村ギャラリー6.13まで。

hp
2017年05月

上野の森美術館大賞からのシャセリオー
2017年05月06日

5月5日に行きました。
上野の森美術館。
大賞作品の水の描写などなかなか見ごたえある作品多かった。
中でも気に入った作品が牧弘子さん
妖しい感じがツボでした。
西洋美術館のシャセリオー。
10代にして師アングルに絵画のナポレオンになる言わしめた天才。
先生がイタリア行ってる間にドラクロアに強烈に惹かれていく。
ほらアングル先生とドラクロアって生涯のライバル的な。
これはやばいよと思ったらアングル先生と決別したんだね。
でも、作品を見ていくとアングル門下で鍛えた下地の画力がしっかり生きているように見えましたよ。
この展覧会前には知らない名前でしたがモローなど後に続く画家たちに与えた影響は大きい。
行って、よしでした。写真、なんとなく並べてみたくなりにけり。

hp


柿右衛門展 戸栗美術館
2017年05月04日

柿右衛門窯と戸栗美術館、先代からの親交が生んだ良展示。
襲名した15代柿右衛門作品も酒井田浩さんの時からかなりの数を展示。
日曜美術館のアートシーンでも紹介されていた桜の花の輪郭を桜色で、
中を薄いブルーなどで塗ったりといったスタイルや画風などを見ていったりというのも楽しい。
先代の柿右衛門さんの下絵も。いいですなぁ。
そして柿右衛門の赤が生まれた逸話掲載の尋常小学校の教科書から、江
戸時代の柿右衛門作品と流れがわかる作品が並びます。
一階の小部屋コーナーでは実際に値段のついた柿右衛門窯の皿や
一輪挿しなどもみることが(買うことも)できるんですなぁ。

hp
19世紀パリ銅版画の旅 練馬区美術館
2017年05月03日

練馬区美術館は銅版画活動も盛んでコレクションも充実してますが、他の美術館からもかなりきてました。
ユトリロのムーランドラギャレットなどモンマルトルを描いた油絵数点が松岡美術館。
の、となりに佐伯祐三the看板 近美などなど。
そしてミュシャのジスモンダのポスターと、違う作者のサラベルナールのポスター。
どちらも大学の所属。それまでのちゃんとした芝居のポスター!?といかに異質か、見比べるとよくわかりますねー。てか、ポスター自体が主役。
新美術館でスラブ叙事詩見てきた余韻残っていたのでなおさらいろいろ感じるところあり。
おっとロートレックもありましたよ。

hp
ミュシャ展
2017年05月01日

大エルミタージュのヒルズからは反対側ですが、
巨大な蜘蛛のあるウッドデッキからエスカレーターをふたつ降りて地上に出ると、
割とすぐ行ける。(余計なところを曲がって出てきたとこに戻っちゃったけど素直にいけばちゃんと行けます)
いつもの反対側の方から国立新美術館に入ったので入り口までは周りの庭の部分を歩きます。木が全部草間カラー。
日曜の6時前に入場ということでスラブ叙事詩、じっくり見ることが出来ました。
音声ガイド借りてよかった。何も知らずに見てたら見落としていたポイントが多々ありました。
そして双眼鏡持っていってよかった。
足場が組まれている右上に立っている女性が松明を右手に持って火薬に火をつけようとしているのが見えます、とか
眼の見えないおじいさんの手を取り、はじめてスラブの言葉で書かれた聖書を読んであげている若者は、若い頃のミュシャ自身がモデルと言われています、などなど。
なにしろ絵が大きい。右上見るのになかなか右まで行ってられませんから。
そして双眼鏡で見ていくとはじの方の人まで細かく気を配ってデッサンされて、
目の動きまで書き分けられているのがわかりました。正面を見つめる人だけではなく不安そうに横目の人、見つめ合う目などなど。
アールヌーボーの作品はサラベルナールのジスモンダ、ハムレット、メディアなど一連のものや
四つの花(カーネーションが好み)四芸術(やはりダンスでしょう)そして黄道十二宮ゾディアックなど今回は1部屋だけです。
神戸からなのでアルフォンスミュシャ館からの出展かな。
そしてアメリカに渡り肖像画を手がけたりするうちに写実度が高まって
万博のボスニアヘルツェゴビナ館の装飾などを手がける中で次第に祖国に帰ること、
そしてスラブ叙事詩の構想が浮かんでいく。
苦労して描き続けたスラブ叙事詩は絵画の潮流や政局の変化で飾るところもないまま。
そしてミュシャ自身はナチス侵攻でゲシュタポに逮捕後体調を崩して命を落とす。
スラブ叙事詩が国外で初の展示というのも大きさもあるけどようやく再評価される時代になったという感。
若冲が自分の絵がわかる人がいてくれる1,000年後の人のために書くみたいな事と何かつながるように思う。
ゴールデンウィーク中は夜8時まで開館。
檀れいさんの音声ガイドを二周して閉館近くは物販コーナーもぎょうれつなしでした。
ポスターがなかったのが残念ですが。

hp
大エルミタージュ展 2017年04月30日

2時半にヒルズ前まで来たけど工場直送プレモル100円につられて
巨大蜘蛛の足下のウッドテラスで日向ぼっこしながら一杯してたら四時前入場。
52階へと。 今回のエルミタージュ展はいわゆるオールドマスターの巨匠の作品。
王道イタリア部門からティツィアーノの美女がお出迎えですよ。
都美館のティツィアーノの時の日曜美術館でも言ってたが、服を抑えているような、逆にも見えるような。
出口前ドイツイギリス部門で、表紙にもなっているクラーナ派母子像。やっぱり一癖も2癖もある。
そして一押し、運命をさとるハマン(レンブラント)
ホーホな、豊富なコレクションからすると印象派来てないけど、逆にポイント絞れていい展示かも。

hp
国芳展 後期
2017年04月12日

前期と全取っ替えの後期展示、さっそく行ってきました。
相馬の古内裏、三昧続きのうち左の一枚が平将門の娘、滝夜叉姫。
進撃の骸骨が、右二枚。滝夜叉姫が正太郎くんで、
骸骨が鉄人28号みたいな関係なんですな。
他にも宮本武蔵と巨鯨とか。
主役は宮本武蔵だけど、ほとんどクジラの絵ですよね。これは骸骨も言えるけど。
猫も役者絵もそれぞれ新しいのに変わってました。それと百面相みたいなのがあって、
田中要次さんや加藤諒くんみたいな人が変顔して登場してました。 桜はギリギリ花の残ってました。今週の週末には間に合わないかなぁ。

hp
並河靖之七宝展 庭園美術館
2017年04月02日

桜やや咲きの目黒へ、庭園美術館に行ってきましたよ。
単眼鏡の無料貸し出し大正解。黒の中から浮かび上がる蝶をくっきりととらえることができました。
正面からは見えないけど裏に回ると燕が二羽飛んでたり、
じっくり単眼鏡で見てたらかなり疲れちゃって、
渋谷方面でハシゴの予定でチケット買ってたんですが次にしてまっすぐ帰って他の芝生へと。 (=^▽^)σ
会期来週までです。

hp
2017年03月12日

歌川国芳 絵画力 府中美術館
2017年03月12日

早速きました。
猫、います。
金魚、います。
水滸伝、八犬士、役者絵、東都名所、江ノ島図など風景画もばつちりです。
鬼若丸と緋鯉、鰐鮫讃岐院の三枚続きのパノラマ。
クイズに答えて回るやつも楽しい。
賞品の絵葉書若冲のかえるとフグの相撲のやつありました。是非。
組み立てコーナーニャロメスタンプゲットだぜ。
ガチャポン、髑髏を狙ったんだけど。次きた時にまた挑戦してしまいそうです。
また後期も来ないとです。髑髏後期展示だからして。
ただし、2回目半額ですよ。

hp
サントリー美術館コレクターの眼
2017年03月06日

新しく寄贈された陶磁器と世界のガラスのコレクションを展示。
イタリアのマヨルカ焼き、それがオランダに伝わってデルフト焼きに。
カオリンのような白い石がないので純粋な磁器ではないが、
錫釉をかけて二度焼きすることで独特の白を出し、より工夫をして誇りをこめて呼ぶデルフト磁器。
釉薬がはがれている部分にその名残も見られる。
ヨーロッパ陶磁だが、絵付けは朝鮮や中国に見られるような図柄が多かったです。
東インド会社を通じて輸出された中国陶磁や鎖国後も続いたオランダと日本の交易など、
焼き物を通して教科書の知識にあらためて触れる感じが新鮮でした。
会期一週間につき思い出横丁前で280円でゲットです。

hp
ティツィアーノとヴェネツィア派 都美
2017年03月05日

マグダラのマリアが一番好きでした。日曜美術館もフローラとダナエだったけど。
ダナエの解説で、ミケランジェロがよく出来ているが素描の修練が足りないのが惜しまれる、
みたいに評しているの見て苦笑。
ちょっと行ったら相関図貼ってあって、
ティツィアーノミケランジェロ
ライバル関係
苦笑。

hp

2017年02月

オルセーのナビ派展?ドニの奇妙な冒険
2017年02月12日

ゴーギャンと浮世絵に導かれた、という惹句。赤を感じたらヴァーミリアンに。
青だと思ったら感じたままに思い切りウルトラマリンブルーで。
感じたままの色を塗ってよし!みたいなゴーギャンからの手紙。
ゴーギャンもまたゴッホから引き継いだものを渡したんだな。
黄色く感じたら教会を黄色く。みたいな。
モーリスドニ。日曜美術館のゲストがジョジョの荒木飛呂彦先生だったのがうなづける神父の肖像画。
18歳の時の自画像がオールバックにヒゲのフレディマーキュリー。
この時からキラークイーンバイツアーダスト発動してたのか。ゴゴゴゴゴ
でもおくさんや子供達を描いた絵、優しさが溢れてます。
そして小さきものを描くときの眼差しには、熊谷守一さんを連想させるものが。塗り方も。熊谷もーりスドニなのです。

hp
ナビ派展?フェリックスヴァロットン
2017年02月12日

ヴァロットン展のボールを追う女の子の絵。きてます。
キャンバスのかなりの部分を侵食した影と、なにも知らずに話し込んでいるような2人。
ぞわぞわしてきます。
食卓を囲む家族の情景の絵も平穏なようでなんとなく不安やら不穏な空気を感じさせます。
そしてとてもひかれた木版画の連作も。
その中で一枚、タイトルの位置が反対側のものがあって、これ原画なんです。
墨書き。といって文字は反転していない。
制作過程を推測するのもまた、お楽しみですよ。

2017年01月

ガレドーム展
2017年01月22日

美術史家の鈴木潔先生の解説を聞きながら作品を見ていくギャラリートーク。
箱根の岡田美術館所蔵ということで、所蔵の日本画作品も関連で見られました。
本阿弥光悦の書と俵屋宗達の画。
ガラスでは珍しいそうしたコラボをガレはしている。
七度豊作が続き、七度凶作が続く。
そのココロは。王は豊作に浮かれず備えよ。
そうした為政者の心得を絵と文で刻んだのは赤十字から当時のフランス首相に贈られたものだから。
しっかり赤い十字が入っていますよ。
ガレは白血病で倒れその後をガレ妻が引き継いだのだが
ガレ存命時に100人ほどだったのが400人に。
芸術家ガレの率いるオーダーメイドからプレタポルテにということか。で、超絶技巧の職人の出番は少なくなる。
そしてその頃に作られたのがドームのベニウチワ花瓶。
赤い花や緑の葉を浮かして貼り付ける手法。
ヘッドハンティングですか。
ガレの技はかえってドームに残された。
大恐慌でガレ工房がなくなった後もドームが続いているのがなにかうなづける。
いままでよくわからなかったグラインダーによる手削りとエッチングの手間の違いなどもとても勉強になりました。
ギャラリートークは会場から出て本館アートリゾートのガレドームコーナーへとさらに続きました。こちらは値段も見られます。
光琳蒔絵、尾形乾山向付、北斎雪中鴉図、若冲笠に鶏図、大観、古径、神坂雪佳の菖蒲に東山魁夷。
ガラス以外も充実もすごい岡田美術館ならではですね。


2017年01月

セラミックスジャパン 松濤美術館
2017年01月19日

明治に日本人の手で洋食器を作るべく試行錯誤した日本陶器。のちのノリタケなど。
陶器の低迷期も行われた学校や研究所での研鑽。
そんな歴史を辿る興味深い企画。
フランクロイドライトデザインで、ライト建築ともマッチした食器セット。
浅井忠デザイン、清水六兵衛作は琳派の香り。
板谷波山作マジョルカ焼き皿。現東工大の嘱託だったんですね、当時。
香蘭社や深川製磁など有田の窯元、バーナードリーチ、
河井寛次郎など民藝の流れにも触れ、
タイルから電線の碍子、点火プラグまで。
たいへん面白くまわれました。


立川高島屋川瀬巴水展追加講演
2017年01月15日

川瀬巴水の娘さんから仕立てていただいたジャケット、チョッキを着用の新版画協会会長の鈴木昇さん。
ジャケットの生地は北条氏の家紋三つ鱗のような△を重ねた大島紬、裏地は華やかな赤、チョッキは紋付の羽織りから。
全部川瀬巴水と奥様、お嬢さんの着物ですよ。
川瀬巴水が鏑木清方に弟子入りしたのは二十代も半ば過ぎ。
清方は自分の名前のサンズイから弟子に水の一字を与えた。
美人画の伊東深水は、深川生まれから。
巴出身小学校から川瀬巴水。
でもそれ清方先生の勘違いで、学校の名前には桜がついていたらしい。
なにか桜が多い川瀬巴水のと符合したりする話。
会場にも展示されていた宗右衛門町の版画。
大阪の展示の時には題材の町家がご自分の家という方が。

この頃は芸妓さんだけで絵の中のような舞妓はんはいないとの話が。
でもここは舞妓さんの帯が垂れているのがいいんです。
風景でも構図など実際では見えないところをあえて変えていたりしているところがあるのとも通じます。なるほどなぁ。
会期ギリギリですが行ってよしでした。


小田野直武 秋田蘭画 サントリー美術館
2017年01月03日

新年3日から火曜日だけどやっていたサントリー美術館。
平賀源内達との交流、西洋の銅版画などから西洋画の構図や遠近法などの手法を学んで取り入れていく過程を見ることができる。
そして銅版画好きのこじろうさんはとなりに展示している模写した版画の方に目がいくのだった。
それから写生帖。細川家のお殿様の超絶精密な蝉とか。
人魚が発見されたのでスケッチして江戸の源内さんにおくりますみたいな手紙とかいちいち読んでいくと楽しい。
その源内さんのつながりで小田野挿し絵担当の解体新書。
和綴じ本だったんですね。そして木版刷り。
小田野直武が江戸にきて数ヶ月で出せているのは瓦版や浮世絵などの技術があったから。
そして一刻も早く世の中に届けたい思いからなのだろうね。
のちには銅版画挿し絵の本式の本が出るのだが。

それからポツン展示の画集が作者 諸家となっていてわりとすっと通り過ぎてる人が多かったんだけど
説明に同時代の画家を紹介した画帖、京都で活躍している伊藤若冲。
開いてるいる頁、若冲居士の印押してある水墨画。
枝の折れ曲がり、墨のかすれたタッチ、ザッツ若冲の梅ですよ。
あなたー伊藤若冲って書いてあるわよって先に行ってる旦那さんを呼んでいらっしゃる奥さまお見かけしました。(゚∀゚)

hp

美術館日記2018
2016
2015
2014
2013
2012

こじま塾の表紙に戻る