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SPACE JAM ザ・タイタニック 熱帯魚
ミツバチのささやき 目撃 マチルダ 世界の涯てに
小便小僧の恋物語 クルーシブル アビス<完全版>

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SPACE JAM
1996年・アメリカ

NBAのスーパースター、マイケル・ジョーダン(本人)は、バスケットボールの選手を引退し、
子供の頃からの夢であった野球選手に転向することを宣言した。
その頃、宇宙の果てのアミューズメントパークの経営者は、不人気による閉園を回避するために、
地球で大人気のバックス・バニーをはじめとする“ルーニー・テューンズ”を誘拐して見せ物小屋を作る計画を立て、
部下の“ナードラックス”の5人組みを地球へと送りこむ。
ナードラックスに囚われて、彼らに逆らえないことを悟ったルーニー・テューンズは、
バスケットボールの試合で勝負しないかと持ちかけた。
その提案に乗ってきたナードラックスは、NBAのスター選手の才能を次々と吸収し、
体長2メートルを越す“モンスター軍団”に変身。
困り果てたルーニー・テューンズは、マイケル・ジョーダンに救援を頼み込む。

本物のマイケル・ジョーダンと、アメリカでのアニメの人気者“ルーニー・テューンズ”が共演する、
実写とアニメの合成の作品。
マイケル・ジョーダン以外にも、NBAのスタープレーヤーが数多く出演しているようで、
“ナードラックス”に才能を吸収されてバスケットが全く出来なくなってしまうという設定の選手もいるので、
NBAに詳しい人には、それなりに面白いのかもしれません。
しかし、ストーリーは馬鹿馬鹿しいほど完全にお子様向けですし、
私と同じようにNBAにも“ルーニー・テューンズ”にも馴染みの薄い人には面白くない作品でしょう。
あくまで、NBAと“ルーニー・テューンズ”の絡みを楽しむことが出来る、
アメリカのお子様を対象に作られた作品だと思います。

レベル2

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ザ・タイタニック
1996年・アメリカ

1912年、豪華客船タイタニック号がイギリスからアメリカに向けて処女航海に出発した。
イギリスでの叔母の葬儀からアメリカに帰るためにタイタニック号に乗船したイザベラ(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)は、
船内で昔の恋人ウィン(ピーター・ギャラガー)と偶然出会う。
ウィンと別れた後、別の男性と結婚して子供を産んだイザベラだったが、
別れた後もお互いを忘れられなかったふたりは、再び激しい恋に落ちてしまう。
離婚してウィンと歩んでいくことを決意をしたイザベラは、
自分の帰りを待つアメリカの夫に向けて、船内から離婚を懇願する電報を打った。
しかし、その後タイタニック号は氷山に接触して大破、浸水してしまう。

テレビドラマ用に作られた、3時間ものの巨編。
前半で乗船している人々の人間模様を描き、後半で浸水後のパニックを描くといった構成は、
映画史上空前の大ヒットを飛ばしたジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』と同じです。
製作はこのテレビ版の方が先だったとはいえ、巨額の制作費を投じた映画版を先に観てしまった人には、
安っぽいセットが気になってしまうのは仕方ないことでしょう。
実話ベースのため、当然のことながらストーリー展開は映画版『タイタニック』とほぼ同じなので、
そこに描かれている人間ドラマでどれだけ違う感動が得られるのかが、この作品のポイントなのでしょうが、
この作品には魅力ある人物がほとんど出てきません。
イザベラとウィンの恋物語の他にも、色々な人物のドラマが描かれているのですが、
どれも感動出来るようなものではないのです。
イザベラとウィンの恋物語も、徹底的に自分主義の勝手な行動だけが鼻につき、感情移入の余地などありません。
映画版『タイタニック』をすでに観てしまった多くの人には、あえて観る必要のある作品ではないと思いますが、
『マスク・オブ・ゾロ』でスピルバーグの後押しによって彗星のごとくスクリーン・デビューを果たし、
世の男性たちの目を釘付けにしたセクシー女優キャサリン・ゼタ・ジョーンズが主役の作品ですので、
彼女の過去作品を見たい方はどうぞ。

レベル2

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熱帯魚
1995年・台湾

ツーチャン(リン・ジャーホン)は、入試を目前に控えた中学3年の少年。
しかし夢見がちの彼は、空想に浸ってばかりで勉強に身が入らず、入試には確実に落ちると教師に宣告されていた。
そんなある日、ひょんなことから彼はタウナン(シー・チンルン)という少年の誘拐事件に巻き込まれてしまう。
タウナンの側から身代金が期待出来ないと悟った誘拐犯は、ツーチャンの両親から身代金を奪うことを企むが、
主犯の男が金の受け取りに失敗した上、交通事故で死んでしまった。
もともと本意でない誘拐に携わっていた共犯の男ケアン(リン・チェンシン)は途方に暮れたあげく、
ツーチャンとタウナンを自分の故郷の親戚宅に連れて行き、監禁する。
その頃、テレビでは受験を間近に控えたツーチャンの誘拐事件の話題で持ちきりとなり、
ツーチャンが受験生だと知ったケアンは、参考書を与えて勉強の世話を焼き始める。

誘拐された少年と、成り行きで彼を監禁してしまうことになった家族の奇妙な交流を描いた作品。
題材は面白いと思いますし、ケアンの親戚たちも曲者揃いで可笑しいのですが、
台湾製のギャグセンスにいまひとつ乗りきれませんでした。
一番理解し難かったのが、タイトルとなっている“熱帯魚”の部分。
ツーチャンの“空想”の部分が、ストーリーに入り込むのを邪魔していたような気がします。
誘拐劇だけをストレートに見せてくれたら、もっと楽しめた作品だったと思います。

レベル3

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ミツバチのささやき
1973年・スペイン

スペインの小さな村に『フランケン・シュタイン』の巡回映画がやって来た。
その映画を観た6歳の少女アナ(アナ・トレント)は、姉のイザベル(イザベル・テリェリア)から、
怪物が精霊になって村外れの一軒家に隠れていると聞き、それを信じ込む。
好奇心からその家を訪れたアナは、そこでスペイン内戦で傷つき逃げ込んできた1人の負傷兵と出会う。

子供の純真な目で見た世界を描いた作品。
名作と言われていますが、私がすでに純真な心を失ってしまっているのか、
この作品の良さがよく分かりませんでした。
スペインの内戦という背景が、この作品の訴えるところに深く関わっているのだと思うのですが、
それを理解していないので、余計に分かり難かったのかもしれません。
この作品の監督ビクトル・エリセの別の作品『エル・スール』も観ましたが、
こちらも私には理解出来ませんでした。
この監督の作品、私には難しすぎるのかもしれません。
ただ、純粋な目をした少女アナは、とても可愛かったと思います。

レベル3

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目撃
1997年・アメリカ

大統領の後援者である政界の大物サリヴァンの一家が休暇で出掛けているところを、
邸宅に忍び込んだ盗みのプロ、ルーサー(クリント・イーストウッド)。
寝室の金庫室から大金を奪っていたところ、サリヴァンとカリブに行っているはずの
サリヴァンの夫人クリスティが大統領(ジーン・ハックマン)を伴って帰宅した。
とっさに身を隠したルーサーだったが、酒に酔った大統領がクリスティに暴力を振るい、
ナイフで反撃した彼女をシークレット・サービスが射殺するのを目撃してしまう。
大統領補佐官のグロリアは、大統領の不祥事のもみ消すため、
クリスティの射殺を泥棒の仕業に見せかけるべく工作を図る。
しかし、この事件の一部始終をルーサーが目撃していたことを知ったグロリアたちは、
口封じのためにルーサーの殺害を企てる。
一方、事件を追うフランク刑事(エド・ハリス)は、不自然な殺人現場に疑問を持っていた。

クリント・イーストウッドが自ら監督したサスペンス。
やっぱり自分が監督して自分で演じているだけあって、ルーサーは泥棒なのになぜか“いい奴”。
盗んだ大金を持って国外に逃亡しようとするのですが、
すんでのところで思いとどまり、汚い大統領に挑戦を仕掛けます。
それがきっかけで側近らに命を狙われることになるのですが、
盗んだ金をわざわざサリヴァンの家に返しに行ってしまうなんて、
ちょっと“いい奴”を作りすぎって気が。
でも、全体的に見てサスペンスとしては面白かったし、
娘・ケイト(ローラ・リニー)とのエピソードにはジーンとくるものがありました。
イーストウッドの監督したものの中では、初めて面白いと思える作品でした。
それにしてもエド・ハリスって、頭が薄いのに何であんなにカッコいいんでしょう。
この作品を観て、ファンになってしまいました。

レベル4

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マチルダ
1996年・アメリカ

マチルダ(マーラ・ウィルソン)は、子供に無関心な両親のもとに生まれた。
彼女は生まれつき人並み外れて優れた能力を身につけていたが、
インチキ商売を営んでいる父親ハリー(ダニー・デビート)も
ビンゴ狂の母親ジニア(レア・パールマン)も自分のことで精一杯で、そんな彼女の能力に気付かない。
2歳で自分の身支度をすることを覚え、4歳で家中の雑誌を読破してしまった彼女は、
両親にナイショで図書館通いを始め、6歳で『白鯨』を読んだ。
しかし、そんなマチルダの態度が気に入らないハリーは、図書館の本を引き裂いてしまう。
怒ったマチルダは、家族が見ていたテレビのブラウン管を爆発させる。
彼女はそこで自分に超能力があることを知るのだった。
やがてマチルダは小学校に入学するが、そこはスパルタ教育の女校長が取り仕切る、恐怖の館だった。
マチルダは、自分の超能力を自由に扱えるように訓練し、鬼校長に立ち向かう。

俳優のダニー・デビートが監督したコメディ。
まるでディズニーアニメのような突飛な設定ですが、なかなか楽しむことが出来ました。
善悪がはっきりしているところが実に分かりやすくていいし、
「そんなわけ無いよね」と思うことも、コメディの許容範囲内でしょう。
それにしても、ここに出てくる校長はめちゃめちゃ怖いです。
アニメにしてみれば、これくらいの怖いキャラはいくらでも居そうですが、
実写ではなかなかお目にかかれません。
『101』のグレン・クローズも、『スノーホワイト』のシガニー・ウィーバーも怖かったですが、
作りすぎたキャラが逆に滑稽に見えたりもしていました。
しかし、この校長は本当に怖い。
あの程度の人なら実際に居そうだと思えるし、言ってることもやってることも目茶苦茶なのに、
誰ひとりとして太刀打ち出来ないってところが怖さを倍増させるのかもしれません。
ストーリーは“お約束”に則って進む、いわゆる子供向け作品ですが、
大人でも充分に楽しむことが出来ます。

レベル4

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世界の涯てに
1996年・香港

香港の海運王の娘ケリー(ケリー・チャン)は、白血病で余命いくばくも無いと診断される。
それでも、気丈に父親の海運会社で働くことを決意した彼女は、
そこで出会ったスコットランド人の船員テッド(マイケル・ウォン)に恋をした。
テッドから故郷の島が“世界の涯て”と呼ばれていることを教えられ、ケリーはその島に憧れを抱く。
ところがテッドの乗っていた船は、ケリーの知らない間に出航してしまい、
テッドはケリーの前から姿を消してしまった。
4日後、ケリーは町で偶然“便利屋”のチュン(金城武)と出会い、
テッドの行方を探して欲しいと依頼を持ちかける。
しかし、ようやく探し当てたテッドは、船員をやめて故郷に帰るとケリーに告げ、去ってしまう。
一方、チュンはそんなケリーに惹かれ始め・・・・。

最近はワイルドなイメージで売っている金城武くんですが、この作品は“さわやか好青年”って感じ。
でも、この物語はあくまでもケリー・チャンが主役で、
金城くんの出番は思ったほど多くはありませんでした。
しかしこの作品、不治の病に冒された女性をめぐる美しい恋愛を描こうとしているのは分かるのですが、
設定は何から何まで強引で、セリフはクサすぎ。
時間の概念もあったもんじゃなく、附に落ちない点が多すぎです。
それに、恋愛映画では私が最も重要だと考えている“気持ち”の部分が全く伝わって来ないため、
彼らがどんな行動を起こしても、心に迫ってくるものがありませんでした。
監督は『月夜の願い』『不夜城』のリー・チーガイ。
『月夜の願い』も確かに強引な設定とクサいセリフはあったのですが、
コメディタッチの部分もあったしSFのテイストもあったので、それは気にならなかったし、
むしろ面白く観ることは出来たのですが。
マジでやられちゃうと、どうしてもついて行けなくなっちゃうんです。

レベル2

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小便小僧の恋物語
1995年・ベルギー

ハリー(フランク・ヴェルクライセン)は12歳の時に事故で家族を失った。
その事故の原因が自分にあったことを心に病んでいた彼は、
それ以来「愛している」という言葉を口に出来なくなり、
「愛する」という感情すら分からなくなってしまった。
18年後、ブリュッセルにやって来たハリーは、
市電の女性運転手ジャンヌ(アンチュ・ドゥ・ブック)に対し不思議な感情を覚える。
ジャンヌにハイヒールをプレゼントするために、一生懸命に働くハリー。
ジャンヌもまた、そんな純粋なハリーの気持ちに惹かれ、ふたりは少しずつ愛を育てていった。
しかし、ハリーには「愛している」という一言がどうしても言えないのだった。

「なんだか変な邦題だな」って思っていたら、原題が『小便小僧』という意味なのだそうです。
ハリーの家族は、ドライブ中にハリーが「おしっこをしたい」と言って車を止めさせ、
ハリーが用を足している時に、電車が突っ込んできて全員即死したという設定。
だからって、『小便小僧』っていうタイトルにしなくても・・・という気はするし、
いくら何でも、踏み切りの真ん中で車を停車させて、おしっこしてる息子を待つ家族に
あまり同情は出来ません。
しかし、大人の恋愛映画にしては珍しく恋の初々しさやもどかしさが伝わってくる作品で、
かなり強引なシチュエーションに目をつむれば、なかなか良かったと思います。
何か、こういう純な気持ちで相手のことを想えるふたりが羨ましくなったりしました。
ただ、肝心のラスト近くの意味が分かりにくかったのが残念です。
「え、どうなっちゃったの?」って感じで、その後のラストシーンを見てようやく納得。
もう少し分かりやすければ、気持ちが入り込んだままラストシーンまで行けたのに。

レベル3.5

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クルーシブル
1997年・アメリカ

1692年、マサチューセッツ州セイラム。
恋の願いを叶えるという呪術を行うため、少女たちは満月の真夜中に森に集まっていた。
しかし、動物の生き血を飲み、裸で踊り狂っているところを牧師のパリスに見られてしまう。
彼女たちは慌てて逃げ帰るが、自分たちの立場を守るために、
これを魔女の仕業にしてしまおうと企てる。
少女たちの中のリーダー格でパリスの姪アビゲイル(ウィノナ・ライダー)は、
農夫ジョン(ダニエル・デイ=ルイス)の家で召使いとして働いていたが、
ジョンと肉体関係を持ったことを彼の妻のエリザベス(ジョーン・アレン)に知られ、
その家を追い出されていた。
ジョンとの関係を忘れられず、エリザベスに恨みを持つアビゲイルは、
エリザベスを魔女だと告発し、死刑に追いやって彼の後妻になろうとする。

17世紀末に、アメリカで実際に起こった魔女狩り裁判を描いたドラマです。
タイトルの“The Crucible”とは、“坩堝(るつぼ)”という意味だそうですが、
どちらかといえば“どつぼ”と言った方がぴったりの作品。
嘘が嘘を呼び、罪の無い人を次々と絞首刑へと誘っていく、少女たちの罪を感じぬ恐ろしさ。
そして、一時の愚かな欲情のために召使いと関係を持ってしまった男の身に降りかかる、
あまりにも大きな代償・・・。
最後には“嘘をついて命を乞う”か“誇りを持って死を受け入れる”かという選択を迫られるという
この男のとても大きな心の葛藤と、妻との愛を確かめる場面が用意されているのですが、
少女の気持ちをもてあそび、妻にバレると「あれは一時の気の迷いだった」などと言って逃げてしまう
この男が私は許せなかったので、クライマックスでも彼に感情移入することは出来ませんでした。
女の恨みは怖いよ。男性方、気をつけましょうね。

レベル3

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アビス<完全版>
1993年・アメリカ

深海で暗礁に乗り上げてしまった原子力潜水艦の調査と救助のため、
現場近くの海底で作業をしていたパッド(エド・ハリス)率いる石油掘りたちが軍に協力を要請される。
彼らが特殊部隊“SEAL”たちと共に潜水艦を調査すると、そこには想像を絶するほどの核兵器が搭載されていた。
そんな中、海上を襲ったハリケーンによるトラブルで彼らの居る海底の掘削基地は大きく破損してしまい、
海上基地との連絡が不可能となり、完全に孤立してしまう。
その上、“SEAL”隊長の乗った小型潜水艇が、潜水艦から回収した核弾頭を載せたまま海底に沈み、
彼らは核爆発の危機にも見舞われるのだった。
パッドは核爆発を食い止めるために危険を承知で自らその現場に向い、そこで超常現象を体験する。

『タイタニック』のジェームズ・キャメロン監督が描く、海底SFドラマ。
さすがキャメロンというだけあり、海底の掘削基地の細部にまで渡るこだわりのセットは見事。
海底でのアクションや、隔離された場所で窮地に立たされた人間たちの巻き起こすドラマも
なかなか見ごたえがあり、3時間という時間も気にはなりませんでしたし、
この作品が“核への非難”や、“反戦”を訴えていることもよく分かりました。
ただ、物語を解決する術を“超常現象”に持って行ったのが不満。
“SF”と謳ってある作品なので、地球外生物が登場するのも仕方ないことなのかもしれませんが、
そこに行き着くまでに見てきた人間臭いドラマがかなり良かったので、
何もラストでそういう方向に持って行かなくても・・・と思ってしまいました。
“超常現象”を使ったことで、それまでの“人間ドラマ”まで嘘臭くなってしまった気がします。
そこまでして無理矢理にハッピーエンドにしなくても、充分に素晴らしい作品だと思うのですが・・・。

レベル3

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