離党・組織離脱を許さない犯罪的組織原則政党

 

離党拒絶対応→10年度在籍党員中党費納入拒否148598人

 

党内離脱党員37.0%離党の自由権剥奪犯罪経緯

 

(宮地作成)

 〔目次〕

   1、共産党の08年度政治資金報告とそのデータが示すもの

       1、共産党の政治資金報告数値と党費納入率データ

       2、志位和夫の党員・有権者・マスコミ騙しペテン報告と真相解明計算式4つ

   2、イタリア・フランス共産党と日本共産党の党員数公表の違い

   3、離党・組織離脱を許さない党内犯罪システム

       1、党員の排除・離脱の対応4つ−除名・除籍・離党許可・離党拒絶

       2、離党を許可・不許可事項にする党内犯罪=離党の自由権剥奪の犯罪政党

   4、党内離脱党員37.0%=離党の自由権剥奪犯罪経緯3つ

       1、宮本顕治の党員倍加運動発動・強要による目標数量追求型政党への変質

       2、東欧・ソ連崩壊によるドミノ的連鎖逃散阻止手口=離党拒絶対応強化

       3、志位和夫の空想的な「党員50万人拡大5カ年計画」による離党拒絶体質完成

   5、離党拒絶されている党員14.5万人から見た宮本・不破・志位と私の党内犯罪

 

 〔関連ファイル〕         健一MENUに戻る

    『じり貧的瓦解4段階経過と第5段階への転落方針』08年7月6中総方針の表裏

    『志位和夫「党員5カ年計画」の欺瞞性と空想性』党員数の三重帳簿の欺瞞

    『党員拡大5カ年計画のマイナス決算と、総括放棄・隠蔽による党の変質・退廃』

    『共産党じり貧的瓦解〔段階4〕赤旗新聞社経営破綻・選挙財政破綻』

      01年以降7年間で、党費収入24.6%ダウン、機関紙収入24.0%ダウン

    『なぜ民主集中制の擁護か』党内民主主義抑圧の党内犯罪事例

    『ゆううつなる党派』民主主義的中央集権制の4システム

    『コミンテルン型共産主義運動の現状』ヨーロッパでの終焉とアジアでの生き残り

 

 1、共産党の08年度政治資金報告とそのデータが示すもの

 

 〔小目次〕

   1、共産党の政治資金報告数値と党費納入率データ

   2、志位和夫の党員騙しペテン報告と真相解明計算式4つ

 

 1、共産党の政治資金報告と党費納入率データ

 

 2008年度政治資金報告が、総務省HPで公表された。()の説明をする。〔第三帳簿〕とは、党内には党費納入党員年間総計非公表にして隠蔽するが、総務省にだけは総計報告をする政府向け帳簿のことである。〔第一帳簿〕は、各党大会における在籍党員数報告である。

 

 (1)、1カ月間平均の党費納入党員数=〔第三帳簿〕党費納入党員年間総計÷12カ月間で、計算した。

 (2)、党費納入率≒〔第三帳簿〕1カ月間平均の党費納入党員数÷〔第一帳簿〕公表在籍党員数の式で、算出した。

 〔第二帳簿〕は、非公表なので、〔第一・第三帳簿〕による推計になる。共産党は、HPにおいて、政治資金報告を毎年載せている。しかし、そこでは、政府(公安調査庁筒抜け)に報告した党費納入党員年間総計でさえも発表したことが、一度もない。

 

(表1) 〔第三帳簿〕共産党の政治資金報告数値

年・党大会

党費納入党員年間総計

1カ月間平均党員

公表在籍党員数

党費納入率

1987・第18

最高3586808

298901

最高490000

61.0

1990・第19

3448750

287396

480000

59.9

1994・第20

最低3129769

260814

最低360000

72.4

1998

3183233

265269

(380000)

69.8

1999

3163261

263603

2000・第22

3202455

266871

386517

69.0

2001

3245241

270436

2002

3311569

275964

68.3

2003

3277392

273116

(403793)

67.6

2004・第23

3223973

268664

403793

66.5

2006・第24

3142808

261900

404299

64.7

20075中総

(254708)

63.0

2007

3101919

258493

63.9

2008

3088830

257402

63.6

2010・第25

406000

 

 この党費納入党員年間総計データは、私が、総務省自治行政局政治資金課に直接電話確認した数値である。第18・19・20回大会の数値と、最近5年間の数値を調べた。2003年以降は、総務省政治資金報告HPに載っている。1987年最高なので赤太字にした。1994年は、東欧・ソ連崩壊後の大量離党許可最低になったので茶太字にした。2000年は志位和夫の「党員50万人拡大5カ年計画」開始なので、赤太字にした。このデータが証明するように、「5カ年計画」の結果は、増えるどころか、減っている。

 

    総務省『日本共産党08年政治資金報告書』 党員数報告

 

 〔第二帳簿〕が、党大会の代議員数を各都道府県に指令する基礎となる党費納入党員数合計で、政府には報告するが、かつ、公安調査庁筒抜けだが、党員に隠蔽する秘密帳簿である。党大会代議員は、年度により異なるが、およそ党費納入党員260〜280人に一人の割合で決定し、都道府県党会議で選出=事実上の任命儀式となる。

 

 例えば、2010年第25回大会の代議員数の計算は、党費納入257402人÷約25人≒1060を任命した。批判・異論者完全排除・濾過された1060人は、満場一致大会を演出し、供託金募金一律年間1200円=事実上の党費一律値上げ=選挙カンパの二重取りを満場一致の拍手で再び決定した。

 

    共産党『日本共産党08年政治資金報告』 党員数隠蔽

    共産党『日本共産党の財政−政治資金収支報告』95年〜08党員数カット

 

 2007年9月5中総時点党費納入党員は、25万4708人というのが、志位和夫が報告した党費納入率63.0%に基づく正確な数である。

 

    共産党『5中総』07年9月、党費納入率63.0%と報告

 

 2、志位和夫の党員・有権者・マスコミ騙しペテン報告と真相解明計算式4つ

 

 2008度データも、総務省政治資金HPから調べた。2008年度は2009年9月12日公表数値である。2008年1年間の党費納入党員数の増減はどうなっているのか。1カ月間平均党費納入党員数が、06年261900人−08年257402人=4498人減った。別の言い方をすれば、党費納入拒否・離党表明をしているのに、党機関による離党拒絶対応によって、支部・地区の共産党員名簿から削除されず在籍党員に数えられている党内離脱党員が、1年間で3407人増えたことを示している。

 

(表1−2) 〔第三帳簿〕共産党の政治資金報告数値

年・党大会

党費納入党員

年間総計

1カ月間平均

党費納入党員

公表在籍党員数

党費納入率

党費納入拒否

の在籍党員数

2006・第24

3142808

261900

404299

64.7

142399

20075中総

(254708)

63.0

149591

2007

3101919

258493

63.9

145806

2008

3088830

257402

63.6

146897

2010・第25

406000

増減

53978

4498

1701

1.1

4498

 

 2006〜08年2年間で、毎月の党費納入平均党員が4498人減ったという政治資金報告データと、志位による07年9月5中総以降の新規入党者毎月1000人大宣伝とを比べると何が判明するか。何か数字的におかしい。どうも、志位和夫による党員・有権者・マスコミ騙しペテン報告の匂いがする。

 

 志位・市田・不破らは、必死になって、これら党内での党員大逃散=内部崩壊という真っ赤な真実を、ペテン報告で、()党員騙しをし、()日本共産党は大躍進中であるとの赤い大本営発表で、有権者をも、たぶらかそうと謀っている。

 

 ()すでに、その結果、多くのマスコミも、志位和夫のペテンにひっかかった報道をしている。新聞社・雑誌社によっては、志位報告データや赤旗のデータを、そっくりそのまま引き写し、独自の検証をまったくしないで、新聞・雑誌紙面に載せている。それは、あたかも、共産党の赤い大本営発表を、第2次世界大戦中における軍部のペテンにまみれた大本営発表をそののまま転載した戦争加担行為を裏返ししたようなレベルの新聞社・雑誌社報道になっている。

 

 新規入党者の数字を報告すること自体は、ペテンではない。志位報告の何がペテンなのか。自らが総務省に提出した07年政治資金報告データが証明しているのに、党費納入拒否党員数増加を黙殺・隠蔽し、差引の純増でなく、新規入党者という増えた数だけしか報告しない行為こそが、党員・有権者・マスコミ騙しのペテン報告である。差引の増減なら、党員の党内大逃散=共産党の内部崩壊だからである。

 

 新規入党者とは、2000年、志位和夫の空想的欺瞞的な「党員50万人拡大5カ年計画」以来、激変・簡略化させた党員拡大スタイルに基づく入党者である。()まず、日曜版読者全員に入党申込書を配り、無差別の入党工作をする。()共産党演説会の会場に、必ず入党申込書を置き、弁士は聴衆者全員に入党を呼び掛ける。()綱領・規約の説明は後回しで、まず入党申込書を書かせる。()その入党申込書は、党中央指令で、地区委員会がわら半紙に印刷した共産党後援会入会レベルの紙である。()かくして、後援会入会と共産党入党との垣根を完全に取り払ったシステムになった。

 

 党費納入拒否・党内離脱党員とは、党員・赤旗拡大成績の数字追求・点検の裏側で、()年中続く一面的な党勢拡大運動への嫌気()国政選挙6連続惨敗への党中央方針への批判()それへの欺瞞的無責任な選挙総括に強烈な批判・異論を抱き、共産党からの大逃散として、離党を表明した党員である。

 

 しかし、志位・市田・不破は、全中間機関にたいし、党勢拡大成績の週報・月報システムを強制している。党大会・国政選挙のかなりの期間では、日報体制に移行する。その結果、あらゆる党機関・専従は、離党の申し出拒絶する。その言い分は、「再工作し、もっと説得せよ」であり、実質的に離党受付を拒絶する。党機関から離党拒絶をされた共産党員は、党費納入拒否・党内離脱党員に転化する。その幽霊党員が激増し続けている。差引で、彼らは、新規入党者数を毎年・毎月上回っている。これは、日本共産党の内部崩壊テンポを証明するデータである。

 

 もっとも、志位和夫が、()07年度は、新規入党者毎月500人、とか、1000人という新規入党者年間党費納入延べ42000人増という報告でなく、()その裏側では07年の年間党費納入拒否・党内離脱党員延べ82889人が出た、増減差引をすれば07年の年間党費納入党員延べ40889人減だったと真相報告をすれば、日本共産党の内部崩壊テンポを自白することになる。よって、彼は、口が裂けても、崩壊真相を告白することができず、党員・有権者・マスコミ騙しのペテンを続けるしかない。

 

 2009年度の増減結論は、2010年9月公表の08年度政治資金報告書で判明する。

 

 ここでの深刻な党内犯罪問題は、党員・有権者・マスコミ騙しのペテン報告だけでなく、党費納入拒否・党内離脱党員数である。それは、06年公表在籍党員404299人−07年党費納入党員258493人=145806人がいる。これらは、離党を表明しても、党機関から離党を拒絶され、22000支部・316地区の在籍党員名簿だけに存在させられている幽霊党員である。なぜ、離党・組織離脱許さないのか。その性質は、まさに党内犯罪ではないのか。

 

 1支部平均では、08年度146897÷22000支部≒党費納入拒否・党内離脱党員数6〜7人を抱えている。全党の平均で、37.0%の党員が離党の自由権剥奪されている。

 

 ()離党を口頭表明し、または、離党届を提出したのに、かつ、()支部会議に出ず()党費納入拒否をしているのに、自分の名前が、共産党支部・地区には、日本共産党員として残存しているとは、これら145806人は、想いもよらないであろう。私は、共産党専従・5ブロック責任者のとき、全担当支部において支部名簿で担当最初に、長期未結集党員数とその原因を調査した。ほとんどの支部が、ほぼ約3分の1の党費納入拒否・党内離脱党員数を残していた。そのすべては、地区委員長・専従が、離党・除籍処理拒絶した結果として、長期に残されていた。この問題に関する私の党内犯罪対応=専従としての党内転向については、下記で書く。

 

    『志位和夫「党員5カ年計画」の欺瞞性と空想性』党費納入による党員数の三重帳簿

    『党員拡大5カ年計画のマイナス決算と、総括放棄・隠蔽による党の変質・退廃』

 

 

 2、イタリア・フランス共産党と日本共産党の党員数公表の違い

 

 3党における決定的な違いは、()党費納入党員数だけによる公表か、それとも、()党費納入拒否・党内離脱党員を含めた在籍党員数かである。()イタリア・フランス共産党は、当然ながら、党費納入党員数=毎年の党員登録数で公表してきた。()日本共産党の公表データは、党費納入党員数を隠蔽し、離党拒絶対応→党費納入拒否・党内離脱党員を含めた在籍党員数である。

 

 日本共産党の党費納入党員数は、総務省報告÷12カ月間である。党費納入率もそこから計算した。党費納入拒否の在籍党員数は、党大会公表在籍党員数−党費納入党員数で、党大会年度だけを載せた。

 

(表2) イタリア・フランスと日本の党員数公表の違い

イタリア共産党

フランス共産党

日本共産党

党員登録者数

党費納入党員数

減少数

新規と差引

党費納入

党員数

在籍党員数

(党大会公表)

党費

納入率

党費納入

党員数

党費納入拒否

の在籍党員数

1947

2252916

1971

1510502

76

1814317

380000

77

1814154

163

400000

78

1790450

23704

79

1759295

31155

760864

1980

1751323

7972

440000

81

1714052

37271

82

1673751

40301

480000

83

1635264

38487

84

1619940

15324

85

1595668

24272

480000

86

1551576

44092

87

1508140

43436

490000

61.0

298901

191099

88

1462281

45859

89

1421230

38246

1990

1319905

101832

480000

59.9

287396

192604

91

共産党崩壊

左翼民主党

92

93

94

360000

72.4

260814

99186

95

96

274000

97

98

210000

69.8

265269

99

183878

263603

2000

386517

69.0

266871

119646

01

138756

270436

02

68.3

275964

03

133200

67.6

273116

04

125000

403793

66.5

268664

135129

05

06

134000

404299

64.7

261900

142399

075中総

63.0

254708

149591

07

63.9

258493

145806

 

 〔イタリア共産党〕

 

 党員数データは、『ウニタ』紙1991年1月31日が出所である。全イタリアでの党員数減少は、1977年〜89年で、党員数−383767人・党員減少率−21.4%だった。党員減少数とは、新規登録者数との差引数字である。このデータは、いずれも、後房雄『大転換−イタリア共産党から左翼民主党へ』(P.34)に載っている。

 

 1986年以降、差引の党員数減少テンポが急上昇した。1989年から91年にかけての東欧・ソ連10カ国と前衛党いっせい崩壊と、それらの前衛党犯罪情報の津波で、()ユーロコミュニズムもドミノ的に破綻し、()イタリア共産党も崩壊し、1991年、左翼民主党に大転換した。

 

    『コミンテルン型共産主義運動の現状』ヨーロッパでの終焉とアジアでの生き残り

    『イタリア左翼民主党の規約を読む』添付・左翼民主党規約

 

 〔フランス共産党〕

 

 党員数は、党費納入党員数=党員証交付数でほぼ毎年公表する。雑誌『労働運動研究』(労働運動研究所)に掲載された数編の論文で判明したデータだけを載せた。1979年76万864人から、2006年までで、党員62万6864人・81.6がフランス共産党から離党した。18.4%党員しか残っていない。

 

 フランスも、イタリアと同じだった。フランス共産党は、()プロレタリア独裁理論放棄()レーニンの民主主義的中央集権制・分派禁止規定を犯罪的組織原則だった認定し、放棄した。()ソ連崩壊後は、マルクス主義理論も誤りだったとして放棄宣言をした。しかし、()共産党名だけは残している。レーニンの犯罪理論・大量殺人犯罪データを批判し、様々な党改革をしてきた。しかし、国政選挙・機関紙・党財政・党員数などは、日本共産党以上のテンポじり貧的瓦解をしている。

 

    『フランス共産党の歯止めのないじり貧的瓦解』国政選挙・機関紙・党財政・党員数

    『フランス共産党の党改革の動向と党勢力』「進歩のための統一協定」運動とその結果

 

 〔日本共産党〕

 

 党員数に関するこのような三重帳簿を作り、党員・有権者・マスコミ騙しを続けている共産党は、ヨーロッパでレーニン型前衛党がほぼ全滅する以前でも、国際的に皆無だった。共産党以外の日本の政党でも、その党内犯罪帳簿で、党費納入拒否・党内離脱党員を上乗せする水増し加算操作・公表をする政党は一つもない。民間経営なら、それに類似する三重帳簿犯罪がばれれば、即座にトップ全員が解任になる性質の社会的犯罪となる。

 

 〔第一名簿〕は、幽霊党員約14.5万人を含めた党大会公表の合計数値である。〔第二名簿〕は、党大会代議員任命基準とする都道府県別の党費納入党員数で、その極秘資料に接することができるのは、トップ・書記局長・都道府県の組織部長・財政部長だけに限られる。〔第三名簿〕が、総務省に報告する政治資金報告書だが、党費納入年間総計は、公安調査庁に筒抜けなのに、共産党の政治資金報告HPではカットする。

 

 しかし、イタリア共産党党員数の激減テンポ、フランス共産党の崩壊レベルに近い党員の共産党からの大逃散と比べると、日本共産党はじり貧的瓦解しているとはいえ、瓦解テンポがまだ緩やかである。それが謎だが、それを解くカギが一つある。党費納入額激減テンポと釣り合わない。そのデータの謎解きは、別ファイルで検証した。その一部を転載する。

 

    『共産党じり貧的瓦解〔段階4〕赤旗新聞社経営破綻・選挙財政破綻』

      01年以降7年間で、党費収入24.6%ダウン、機関紙収入24.0%ダウン

 

 日本共産党HPの政治資金データは、1995年以降の12年間を載せている。1997年はなぜかない。官報公表データの内、収入分のみ()にした。ただ、共産党HPは年間党費納入者数を意図的に削除していて、官報にしかない。その数値は、私が官報から直接調査し、上記(表1)に載せた。

 

(表3) 日本共産党政治資金の収入分総務省公表データ

党費収入

機関紙誌書籍

収入合計

党費増減

機関紙増減

1995

13.4

277.9

311.0

96

14.

270.4

304.0

98

13.7

272.6

308.5

99

13.6

256.0

302.3

2000

13.2

281.1

327.8

01

12.6

291.7

342.8

02

12.6

282.1

334.2

03

12.1

260.0

307.1

04

11.3

251.2

300.6

05

10.9

240.7

284.1

24回大会

24回大会

06

10.0

230.9

281.9

07

9.5

221.5

264.8

08

9.1

215.5

249.6

1.8

25.2

単位は億円。収入合計は、寄付・借入金などを含む

00年赤旗年度途中値上げ増収01年赤旗年度当初からの値上げ増収

08年増減は、第24回大会後、満3間の激減

 

    共産党『日本共産党08年政治資金報告』 党員数隠蔽

    共産党『日本共産党の07年政治資金収支報告』07年分−08年9月12日公表

    共産党『日本共産党の財政−政治資金収支報告』95年〜06年

    総務省『日本共産党08年政治資金報告書』 党員数報告定期公表→共産党→1の2頁

 

 総務省への共産党平成20年度2008年度分報告は、2009年10月1日にあった。()党費年間総額9億1602万8749円()党費納入党員数数年間延308万8830人である。

 

 

 3、離党・組織離脱を許さない党内犯罪システム

 

 〔小目次〕

   1、党員の排除・離脱の対応4つ−除名・除籍・離党許可・離党拒絶

   2、離党を許可・不許可事項にする党内犯罪=離党の自由権剥奪の犯罪政党

 

 1、党員の排除・離脱の対応4つ−除名・除籍・離党許可・離党拒絶

 

 宮本・不破・志位らは、党員の排除・離脱について、4つの対応をしてきた。()党支部審議・機関承認による除名、()党機関が直接行う除籍、()本人・支部長からの離党申出許可、()本人・支部長が出す離党申出の実質的な拒絶→党費納入拒否・党内離脱党員化である。それぞれには、様々なケースがある。

 

 ()除名では、の1977年ケースのように、憲法の裁判請求権行使を直接・唯一の理由とする憲法違反の除名がある。ほとんどの他数百件除名も、中野徹三教授除名のように規律違反でっち上げによるケースである。

 

    『宮本・不破の反憲法犯罪、裁判請求権行使で除名』党中央批判→専従解任・除名

    『通称「ネオ・マル粛清」における中野徹三除名』不破論文批判→査問・除名

 

 ()除籍も、実質的な除名として乱用されてきた。古在由重教授や葦牙・霜多正次のように、離党届を出したのに、それを恣意的に受理しないで、4カ月間〜半年以上も放置し、規律違反をでっち上げて、除籍措置をした件もある。これらは、別ファイルで検証した。

 

    『なぜ民主集中制の擁護か』除名か、除籍か

    『平和委員会・原水協粛清事件』古在由重離党申出→離党不許可→除籍

    『葦牙批判大キャンペーンと粛清』霜多正次離党申出→離党不許可→除籍

 

 ()、本人からの離党申出許可するケースもある。田口富久治教授は、1994年、宮本顕治による丸山眞男批判キャンペーンに強烈な批判・異論を抱き、離党届を出した。党中央は、規律違反をしていないかを確かめた上で、離党を許可した。この事実は、本人の直接証言を私が聞いたので間違いない。筆坂秀世にたいし、常幹は、2005年、離党後の共産党批判をしないかどうかを判断し、離党を許可した。また、筆坂秘書が、常幹による筆坂処分の誤りに怒って、離党申出をしたのにたいし、それも許可した。これらの事実は、筆坂が証言している。

 

    Wikipedia『田口富久治』田口富久治離党申出→離党許可

    『筆坂秀世「日本共産党」出版をめぐる動向』筆坂証言があぶりだした3真相

    『筆坂秀世「政治的暗殺事件」とその謎とき仮説』離党申出→離党許可

 

 古在や霜多、田口・筆坂・筆坂秘書のケースに見られるように、暴力革命秘密結社・政党の伝統から、離党・組織離脱は、離党申出の瞬間からほぼ自動的に成立するのではなく、革命政党の党機関が、許可・不許可を決定する事柄なのである。この秘密結社的な鉄の規律運用をわきまえていないと、日本共産党による離党・組織離脱を許さない党内犯罪システムを理解できない。

 

 ()、さらには、一般支部党員の場合、離党申出をしても、党機関が離党を拒絶するケースが圧倒的に多い。党員50万人拡大運動最中に、在籍党員数が減るのを怖れて、「もっと再結集の説得をしてこい」という口実で受け付けない。もし、離党申出を自動的に許可し、地区の在籍党員数が大量に減少しようものなら、党中央→都道府県委員会のルートで、打撃的批判・罵倒が降り注ぎ、満座の前で、その専従・地区委員長が屈辱的な自己批判強要されることへの恐怖を何度も実体験しているからである。これが、党勢拡大数値目標の成績アップだけを一面的に追求・点検する上意下達政党の日常的党運営スタイルである。

 

 2、離党を許可・不許可事項にする党内犯罪=離党の自由権剥奪の犯罪政党

 

 離党許可・不許可事項にするという問題こそが、加藤哲郎が規定するように「日本共産党は、現段階のコミンテルン研究の、貴重な生きた博物館的素材(『コミンテルンの世界像』青木書店、1991年、P.3)となっている証拠の一つである。日本共産党は、時代錯誤の20世紀型レーニン型前衛党の遺物である。それが、資本主義国で唯一生き残っていること、党内民主主義を抑圧する犯罪的組織原則政党の残存自体の是非が問われている。

 

 イタリア共産党・フランス共産党は、()党費納入をしなくなれば、()自動的に離党扱いになり、()共産党員としての党籍が自動的に消える。()離党は、当然ながら、党機関による許可・不許可事項ではないからである。()離党の自由権を実態として認める民主主義政党なら、世界でも、日本の他政党でも同じである。現在の党費納入拒否・党内離脱党員14.5万人在籍党員として公表し続ける日本共産党は、世界でも唯一離党自由権を剥奪する犯罪政党である。

 

 私の共産党専従13年間においても、私は、同じ誤り・党内犯罪を遂行する側だった。もっとも、私の名古屋市民青地区委員長2年間は、この犯罪をしたことがなかった。というのも、学生同盟員の卒業で、在籍同盟員の転籍・在籍削除実務でおおわらわだったからである。地区には、名古屋大学1000人、日本福祉大学700人、名古屋工業大学数百人がいた。名大民青は、毎年4年生約400人が卒業する。その転籍書類を渡すことと、地区内の除籍実務をした。同盟費と民青新聞代の100%徴収をしないと、地区専従3人の給料が出なかったからである。

 

 経営班でも、同盟費を払わなくなれば、一応の説得をしても、ほぼ自動的に、民青離脱と認め、班・地区から除籍した。よって、私の地区は、即座に、自動的に班・地区から除籍するので、幽霊同盟員がいなかった。

 

 ところが、共産党専従になったら、まるでちがった。民青の体験があるので、5ブロック責任者として担当行政区が変わるたびに、支部会議とは別に、支部長・財政係とともに、担当支部の在籍党員数党費納入数を克明に調べた。民青と同じく、共産党地区も遅配続きだったからでもある。民青における即時転籍・除籍措置の経験から、再工作不可能・行方不明の在籍党員にたいし、離党・除籍の手続きを地区にするよう話した。すると、支部長・財政係らは、一様に、今までその申請をしたが、すべて地区専従・地区委員長が拒絶したと断言した。私はそれをおかしいと考え、ブロック責任者として、支部の肩代わりをし、離党・除籍申請を出した。すると、党中央准中央委員・愛知県副委員長の地区委員長は、その受理を拒否した。その言い分は、やはり、「もっと再説得をしてこい。行方不明なら徹底して探し出せ」だった。

 

 その行動を数回繰り返す内に、准中央委員・地区委員長は、離党許可・除籍措置を認めることによる愛知県党・名古屋中北地区の在籍党員数字が、党員・赤旗拡大運動中減ることを極度に恐れていると気付いた。党中央から党籍数減少にたいする打撃的批判・罵倒を受けるという恐怖がその根底にあると推測できた。私も、地区常任委員会で何度もその赤い冷酷な批判スタイルを味わわされてきたからである。

 

 それを数回体験した後は、私もブロック責任者として、支部からの離党・除籍申請の肩代わりを一切やめた。かつ、党費納入拒否・党内離脱党員を放置する専従側に党内転向した。316地区専従約1500人も、離党・除籍措置を実質的に拒絶し、離党の自由権剥奪する党内犯罪者に変質=党内転向をしている。共産党専従4000人も同じである。

 

 党内転向とは、民主集中制・分派禁止規定という党内民主主義抑圧する犯罪的組織原則政党において、共産党専従をやめようとしないかぎり、専従自身が、離党・除籍問題を含むあらゆる党内犯罪に加担し、その共同正犯者転落し、革命理想に基づく思想・体質とも変質させ、放棄=自ら同調させることである。それは、革命政党内での思想・理念転向をしなければ、()いずれ専従をやっていけられなくなるか、それとも、()矛盾の板ばさみに悩み、自律神経失調症病人にならざるをえない実態=思想状況を指す。

 

 現実に、愛知県の半分の党勢力を占める巨大な名古屋中北地区において、私は地区常任委員約10人の一人として、極度に一面的な党勢拡大運動を追及・成績点検を遂行し、その結果として、地区専従52人の内、12人自律神経失調症病人にさせる党内犯罪に加担した。支部段階では自律神経失調症病人数十人発生させ、多数の支部を崩壊させた。

 

    『「拡大月間」システムとその歪み』一面的拡大と党破壊データ

 

 もちろん、これら党内犯罪を発生させる根源は、宮本・不破・志位らが確立し、堅持してきた反民主主義システムである。志位・市田・不破が、離党を許可・不許可事項から外し、党費納入拒否・不払い→自動的な離党扱いをする民主主義政党に変化するのには、彼らの犯罪的組織原則そのものの放棄にかかわる大転換にならざるをえない。それは、()彼らトップの上意下達式な党内犯罪思想の堅持か、それとも、()全面放棄かにかかわる大問題に繋がる。

 

 よって、離党申出、または、党費納入拒否・不払い行為を、自動的に離党処理=党籍削除をする政党になるかどうかは、()日本共産党が、民主主義政党なのか、それとも、()党外には民主主義的政策を出し、民主的政党仮面を被り、()党運営においては、反民主主義の犯罪的組織原則政党なのかを見分けるバロメーターの一つになる。

 

 志位和夫は、07年9月5中総において、日本共産党史上初めて、党費納入率63.0%と報告した。総務省への政治資金報告データでなく、委員長が公表したことは歴史的に見て、画期的な出来事だった。その報告は、同時に、党費納入拒否・党内離脱党員が14.5万人もいて、彼らの離党不許可にしているという離党の自由権剥奪犯罪政党であることの自白になっていることに、彼は気付かなかった。彼は、まったく無自覚に、自らの党内犯罪を告白したというピエロを演じた。それだけでなく、彼は、上記のように党員・有権者・マスコミ騙しのペテン報告をぬけぬけとしている。この鉄面皮さをどう考えたらいいのか。

 

    志位和夫『5中総』07年9月、党費納入率63.0%と報告

 

 

 4、党内離脱党員37.0%=離党の自由権剥奪犯罪経緯3つ

 

 〔小目次〕

   1、宮本顕治の党員倍加運動発動・強要による目標数量追求型政党への変質

   2、東欧・ソ連崩壊によるドミノ的連鎖逃散阻止手口=離党拒絶対応スタート

   3、志位和夫の空想的な「党員50万人拡大5カ年計画」による離党拒絶体質完成

 

 1、宮本顕治の党員倍加運動発動・強要による目標数量追求型政党への変質

 

 これは小山弘健『61年綱領採択めぐる宮本顕治の策謀−党勢拡大と党内統制』(芳賀書店、1966年、絶版、第5章2節、P.249)からの一部抜粋である。1958年第7回大会において、宮本顕治主流派は、宮本綱領案が、代議員40%に反対され、採決できないという屈辱を味わった。そこで、第8回大会めざす1959年、宮本顕治ら主流派は、党員倍加運動を決定した。それは、下記のように二面的目的を秘めた運動だった。宮本発動の計画的党勢拡大運動は、その結果として日本共産党を、()反対派や批判・異論党員排除しつくす政党、かつ、()目標数量追求型政党に変質させるスタートとなった。

 

 イタリア共産党やフランス共産党は、当然ながら、党勢拡大を訴えている。しかし、日本共産党のような官僚的手法を拒否している。目標数量追求型政党への変質はどのようになされたか。それは、()全党的な拡大目標数字を決定し、()全中間機関に数値目標を具体化させ、()党中央による数字追求・点検()日報・週報・月報集約と赤旗への都道府県別拡大成績ランクの定期公表、()拡大成績が低い中間機関トップへの打撃的批判と自己批判強要という手法の採用である。

 

 第八回大会をめざし党員倍加運動の展開を決定→党中央に「手紙の返事をだすカンパニア」

 

 六中総は、選挙の不成績の原因が、政策のあやまりでなくて党員数が絶対的にすくないところにあるとする宮本派(幹部会党章派)発想にもとづいて、第八回大会をめざして党員倍加運動を展開することを決定した。それでとりあえず、中央から全党にむけて手紙をおくり、全細胞が党勢力の拡大強化の計画をたててそれを中委あての返信としてだすように、指示することにした。こうして、「党を拡大強化するために全党の同志におくる手紙」なるものが、八月七日付『アカハタ』に発表され、これのあと、全細胞をこの手紙に「返事をだすカンパニア」に追いこんだ

 

 一貫した反対派勢力の排除と抑圧の工作と併行する中央の強制的な党勢拡大運動

 

 それらの各時期にタイミングをあわせて中央がうちだした党勢拡大運動なるものは、当然、中央への下からの批判わきみちへそらすための格好の手段となった。中央の方針や指導のありかたを再検討しようとする下部からの要求は、これによって、なにより組織の拡大強化が第一だというあらぬ実践活動の問題にすりかえられてしまった。中央では、一一月の七中総ごろまで、旧主流派の批判分子から党章反対派にいたるまで、一致して宮本への批判的空気を強めていたが、このあと旧主流派の後退で次第に反対派が孤立していった。

 

 いずれにせよ、()一貫した反対派勢力排除と抑圧の工作と併行する、()中央の強制的な党勢拡大運動は、中央の権威をその方針と指導のただしさによって確立するのでなく、()上からの組織的統制の強化と、()中央にたいする下部の絶対服従と無条件忠誠強要によって確保しようとするもっとも非マルクス主義的な方法であった。

 

    小山弘健『61年綱領採択めぐる宮本顕治の策謀−党勢拡大と党内統制』

 

 宮本・不破の党員倍加運動は、目標数字達成かどうかを至上命令とする。よって、それは、離党の自由権全面剥奪するスタイルで遂行された。その結果が、1987年の在籍党員39.0%の離党拒絶、90年の在籍党員40.1%の離党拒絶データとなった。

 

(表4) 「党員倍加運動」による離党の自由権全面剥奪

在籍党員数

(党大会公表)

党費納入率

(総務省報告)

党費納入党員数

(総務省報告)

離党自由権剥奪

の在籍党員数

離党自由権剥奪

の在籍党員

198717大会

490000

61.0

298901

191099

39.0

199018大会

480000

59.9

287396

192604

40.1

 

 2、東欧・ソ連崩壊によるドミノ的連鎖逃散阻止手口=離党拒絶対応強化

 

 1989年〜91年、東欧・ソ連10カ国と前衛党いっせい崩壊前後の情勢、日本共産党の動向と党勢力、総選挙結果を年表で確認する。()、赤旗HNは、1980年がピークで355万部だった。しかし、東欧・ソ連崩壊前から激減し始め、その6年後には125万部・35%も減った()、在籍党員数は、1987年がピークP49万人だったが、東欧・ソ連崩壊による世界的な共産党のドミノ的瓦解により、13万人・26.5%が共産党から大逃散・離党した。

 

 ()、支部数も、赤旗部数・在籍党員数と同じく大量消滅した。1995年2.8万支部→2000年2.6万支部になった。さらに、07年は、2.4万支部→08年2.2万支部に減っている。13年間で、共産党の基礎組織である6000支部・21.4%消滅した。

 

 1970年代後半から80年代冒頭にかけてのユーロコミュニズム、または、ユーロ・ジャポネコミュニズムにたいし、()東欧・ソ連崩壊による「社会主義とレーニン型前衛党」の大量殺人犯罪データ、()レーニンの理論・実践の根本的な誤り、()レーニンのウソ・詭弁の情報がなだれ込んだ。()レーニンのプロレタリアート独裁理論と実践の誤りと成立のウソ、()民主主義的中央集権制・分派禁止規定という党内民主主義を抑圧する犯罪的組織原則の実態も暴露された。イタリア共産党、フランス共産党は、レーニンの犯罪・誤り・ウソ詭弁を認め、マルクス・レーニン主義との断絶的刷新を宣言し、それによる生き残りを図った。

 

 それにたいし、宮本顕治は、ユーロコミュニズム政党のイタリア共産党・フランス共産党・スペイン共産党との会談、相互交流数回を通じ、それらヨーロッパの共産党が、()スターリン批判からさらに踏み込んで、()レーニン批判に進み、()民主主義的中央集権制を放棄するのではという疑念を抱いた。スターリン信奉を本質として秘めた彼は、日本共産党の逆旋回を決断し、1982年から85年にかけ、4連続粛清事件を通じ、逆旋回クーデターを決行した。それには、彼が完成させていた宮本秘書団私的分派をフル稼働させた。その結果として、宮本顕治は、日本共産党をユーロコ・ジャポネミュニズムから断絶させ、スターリン型体質政党逆戻りさせた。

 

    『不破哲三の宮本顕治批判』〔秘密報告〕宮本顕治による逆旋回クーデター

 

 しかし、89年〜91年、東欧・ソ連崩壊による日本共産党員の大逃散・離党を防ぐことができなかった。宮本顕治は、慌てて、()「東欧問題は、革命でなく、資本主義への後退である」、()「東欧問題で腰を抜かす党員がいる」と叱咤した。また、()「安心立命の境地に立て」と宗教用語まで持ち出した。さらには、()1994年このドミノ的崩壊危機に際し、日本共産党批判学者を社会的排除しようと攻勢にも出て、丸山眞男批判の大キャンペーンを展開した。また、()「冷戦は崩壊していない」との詭弁を、上田耕一郎に論文を書かせて、宣伝した。()さらには、「ソ連は社会主義でなかった」、「ソ連の崩壊をもろ手を挙げて歓迎する」とまで叫んだ。これらはすべて、マスコミ・学者による物笑いの種となり、軽蔑・冷笑を誘っただけだった。

 

 この異様なまでの()丸山眞男批判キャンペーンは、なぜ、1994年だったのか。そこに秘められた宮本顕治のもう一つの目的が、党員13万人大量離脱・逃散→日本共産党のドミノ的崩壊ストップさせる謀略作戦残留している党費納入党員引きとめ、思想引き締めをする手口の一つだった、として再位置づけをする必要がある。立花隆批判キャンペーン『犬(特高の手先・立花)が吠えても、歴史(日本共産党)は進む』のときの意図と同じく、丸山眞男見せしめの血祭りに挙げたことは、戦前からの日本共産党の正しさを大宣伝することを通じて、東欧・ソ連崩壊で動揺し、腰を抜かす党費納入党員の離党をなんとか阻止しようとした謀略意図を含んでいた。

 

    『共産党の丸山批判・経過資料』

    『共産党は丸山眞男の何を、なぜ批判するのか』ファイル多数

 

 宮本顕治のウソ・詭弁・丸山批判大キャンペーンにもかかわらず、離党党員が続出した。47都道府県委員会・316地区委員会は、それら共産党員の突然の大逃散・離党にたいする対応ができていなかった。党機関専従4000人は、離党届・表明を自動的に受理してしまった。宮本顕治は、日本共産党員13万人・26.5%離党というドミノ的崩壊の恐怖に怯え、1994年以降、離党・組織離脱不受理離党拒絶方針強化を全党に秘密指令した。かくして、日本共産党は、カルト的組織離脱拒絶政党に変質した。その結果が、(表1)データのように、党内離脱・幽霊党員が、現在も14.5万人も抱え込む党内犯罪政党になっている。

 

(表5) 東欧・ソ連10カ国と前衛党崩壊によるドミノ的連鎖逃散

情勢と共産党の動向

党勢力−P、HN

議席

総選挙得票数・率

80

15回大会、自由分散主義批判HN最高3555万部

P44万、HN355

29

594万票、得票率10.1

82

16回大会、イタリア共産党批判

P48万、HN339

83

宮本顕治による日本共産党の逆旋回クーデター

27

543万票、得票率9.5

85

17回大会

P48万強、HN317.7

86

27

542万票、得票率8.8

87

18回大会、P最高49万人

P49、HN317.5

89

イタリア共産党批判東欧革命−9カ国崩壊

90

19回大会

P48万、HN286

16

522万票、得票率8.0

94

20回大会、丸山批判最高よりP13万人減

P36、HN250

96

小選挙区比例代表並立制総選挙第1

26

()727万票、得票率13.05

()710万票、得票率12.55

97

21回大会、宮本議長引退最高よりHN125万部減

P37万、HN230

1994年、東欧・ソ連崩壊の連鎖逃散で、在籍党員は13万人激減=離党・除籍処理

 

    『1994年、第20回大会と4つの誤り』

 

 宮本顕治は、それらの言動によって、日本共産党組織そのもののドミノ的崩壊を、在籍党員13万人激減の範囲でなんとか食い止めえた。しかし、東欧・ソ連10カ国と前衛党いっせい崩壊の衝撃度は強烈だった。彼は、そのトラウマ(心的外傷)によるものか、1994年第1回脳梗塞で倒れた。さらには、1997年第2回目脳梗塞で倒れ、最高権力者活動が不能になった。それら2回は、不破哲三にたいし、党内権力簒奪の絶好のチャンスをもたらした。不破哲三は、()不破グループを秘密裏に組織・計画し、()宮本引退強要()宮本秘書団私的分派全員解体「宮廷革命」=党内クーデターを発動し、新体制を確立した。しかし、彼は、宮本顕治の計画的党勢拡大路線とそのやり方をそのまま踏襲し、なんの変更もしなかった。

 

    『不破哲三の宮廷革命−第21・22回大会』97年、2000年

    『宮廷革命=宮本分派の平和的解体作業と新体制への移行』97年、2000年

    『不破哲三がしたこと、していること』ファイル多数

 

 3、志位和夫の空想的な「党員50万人拡大5カ年計画」による離党拒絶体質完成

 

 志位和夫は、2000年第22回大会において、「党員50万人拡大5カ年計画」を決定した。目標達成期限は2005年だった。この計画の欺瞞性と空想性、および、5年後マイナス決算総括放棄・隠蔽による党の変質・退廃については、別ファイルで詳細に分析・検証した。

 

 「5カ年計画」中ということで、離党申出・除籍申請を受け付ければ、中間機関の在籍党員数減る。その成績が上がらなければ、しかも、減るとなれば、犯罪的組織原則政党内では、トップ→上級機関→地区委員長→全専従へと、上意下達式の打撃的批判・罵倒が降り注ぐ。様々な会議の満座において、屈辱的な自己批判を強要される。一度そうゆう目に会うと、または、他幹部にたいする見せしめ的な侮辱シーンを目にすれば、全中間機関専従は、離党申出・除籍申請拒絶する体質の共産党員に変質=党内犯罪加担・共犯専従に転向する。

 

 もちろん、離党不許可などとは言わない。建前として、離党の自由権を認めている民主主義政党を装っているからである。拒絶の言い分は、「もう一度説得してこい。何度でも再工作をせよ。行方不明というが、とことん探し出せ」などである。かくして、志位・市田・不破らは、「5カ年計画」を通じ、実態として、離党の自由権剥奪の犯罪政党を完成させた。

 

(表6) 「5カ年計画」による離党の自由権剥奪犯罪激増

在籍党員数

(党大会公表)

党費納入率

(総務省報告)

党費納入党員数

(総務省報告)

離党自由権剥奪

の在籍党員数

200022大会

386517

69.0

266871

119646

01

270436

02

68.3

275964

03

67.6

273116

0423大会

403793

66.5

268664

135129

0624大会

404299

64.7

261900

142399

075中総

63.0

254708

149591

07

63.9

258493

145806

1025大会

406000

 

    『志位和夫「党員5カ年計画」の欺瞞性と空想性』党員数の三重帳簿の欺瞞

    『党員拡大5カ年計画のマイナス決算と、総括放棄・隠蔽による党の変質・退廃』

    『共産党じり貧的瓦解〔段階4〕赤旗新聞社経営破綻・選挙財政破綻』

      01年以降7年間で、党費収入24.6%ダウン、機関紙収入24.0%ダウン

 

 

 5、離党拒絶されている党員14.5万人から見た宮本・不破・志位と私の党内犯罪

 

 〔小目次〕

   1、宮本・不破・志位による離党拒絶対応→党内離脱14.5万党員放置・計上の党内犯罪

   2、私たち夫婦の誤った4・17スト中止指令加担犯罪と、大量未結集党員放置犯罪

 

 1、宮本・不破・志位による離党拒絶対応→党内離脱14.5万党員放置・計上の党内犯罪

 

 そもそも、離党許可・不許可事項にすること自体が、犯罪的な誤りである。暴力革命・非合法時期なら、離党申出は、革命への裏切り・特高スパイへの転落かと疑われた。スターリン時代なら、直ちに銃殺される。今日、憲法上の私的結社・政党において、加入の自由権とともに、離党の自由権は完全に保障されている。

 

 カルト集団なら、組織離脱を阻止するあらゆる手段を使う。暴力団なら、小指をつめるとか、暗殺する。日本共産党は、合法政党であり、建前として、当然、離党の自由権を否定したりはしない。離党をしたからといって、その党員が公安調査庁に垂れ込む価値があるような極秘情報・資料などは持っていない。また、離党を拒絶するといっても、それにたいし、カルト集団や暴力団がするような報復をすることはない。せいぜい、職場・地域で、シカトをする程度である。

 

 となると、離党拒絶という離党の自由権剥奪犯罪が、なぜ、東方の島国においてのみ、14.5万人もの共産党員にたいし発生するのか。イタリア・フランス共産党を含め、ヨーロッパの共産党で、このような党内犯罪をしている共産党は、もともと皆無だった。()離党を口頭表明すれば、かつ、()党費納入をしなくなれば、その共産党員の党籍は、自動的に削除される。

 

 それにたいし、日本共産党が堅持する実態としての離党の自由権剥奪犯罪システムによって、支部・地区の共産党員名簿から削除されていない14.5万人は、どうすればいいのか。彼らから見れば、()自分が離党表明をしたのに、()党費を納入しなくなったのに、支部・地区の在籍党員名簿載せ続けさせている宮本・不破・志位らは、計画的党勢拡大路線に基づく党員拡大成績・数値を減らしたくない党内犯罪政党トップ以外の何者でもない。

 

 2、私たち夫婦の誤った4・17スト中止指令加担犯罪と、大量未結集党員放置犯罪

 

 316地区委員長・約1500人の地区専従も、共同正犯である。共産党専従13年間の同じ党内犯罪者だった。とりわけ、1964年の4・17ストにおける日本共産党のスト破り犯罪において、私たち夫婦は、()その共産党犯罪に加担し、()多くの未結集を生み出し、かつ、()彼らを除籍もしないで、放置する犯罪を行った。

 

 私たち夫婦2人ともが、4・17ストは謀略・挑発だから中止させよという党中央決定に、何の疑いも持たず行動した。妻は、電通名古屋市外電話局の総細胞長だった。通信産業は革命の拠点職場とされており、彼女は1961年第8回大会の代議員にもなった。局内の全細胞長・LC緊急会議に地区委員長が出席し、スト中止を指令した。謀略説もほとんど討論にならず、局社前で公然党員らが共産党ビラをまく翌朝の体制を決めた。全国の公労協細胞と同じく、党員約100人の総細胞からも、細胞長・LCを含め未結集・離党者が続出し、大衆サークルも崩壊した。その後における現場の状況や、スト破り政党の細胞が職場でどうなったのかは、全国的にもまったく公表されていない。

 

    宮地幸子『政治の季節の ある青春群像』4・17ゼネストと職場

 

 私は名古屋中北地区常任委員・西区中村区ブロック責任者(=現在は名西地区委員長)として、国鉄名古屋駅の車掌区細胞、機関区細胞、動力車細胞LC全員を緊急招集し、スト中止を指令した。彼らは、名古屋駅のどこにも謀略・挑発の動きなどないと断言した。スト権投票で自分たち共産党員が組合執行部としてどれだけ動いたのか、地区は分かっているのかと反論した。深夜までの会議でも、彼らは誰一人としてスト中止に納得しなかった。私は、やむなく、共産党専従が常用する最後の奥の手を出した。私は「これは党中央の決定だ。それに無条件で従え」異論を抑え込んだ。

 

 その後、国鉄3細胞は労働者の中で、スト破り政党党員として見放され、敵視された。国鉄の各細胞は半崩壊状態に陥り、党員の半数近くが離党を表明し、または未結集になった。私は未結集になった細胞LCや地区委員にたいし、党中央と私の誤りを表明・謝罪した上で、何度も再結集の説得に歩いた。しかし、その都度、彼らから「中央とあんたの誤った指導は許せない」と罵倒されたこの誤りは夫婦にとって痛恨の共通体験である。同じ名古屋市にいながら、国民救援会細胞や名古屋中央郵便局細胞のように、4・8声明は反労働者方針で誤りとする判断がなぜできなかったのか。私も、全損保の労働運動や組合役員3年間やり、スト権投票オルグで損保各職場を駆け回った経験があったのだが、なぜ党中央指令の誤りを見抜けなかったのか。

 

 党中央は、名古屋中郵細胞長・LCら3人を、4・8声明批判反党行為ときめつけ、除名にした。そして、全党に除名キャンペーンを展開した。他党員は、全員が党費納入拒否をし、未結集になり、細胞はまるごと崩壊した。後に、宮本顕治は、スト中止指令は誤りと認めたのにもかかわらず、除名を取り消さなかった。名古屋中北地区の専従52人は、その対応に批判を抱きながらも、私を含め、誰一人として、除名を取り消すべきとの意見を正式に出さないで、誤った除名と細胞破壊、彼ら未結集の党籍無処理のままで放置する党内犯罪に加担した。

 

    『4・17スト中止指令の誤りと中国共産党の圧力疑惑』スト破りの国際的背景

    れんだいこ『共産党の奇妙な4・17対応』 『補足−4・17問題』

 

 私は、愛知県党の半分を占める巨大地区内における国鉄・電通・全逓細胞の半崩壊、スト破り犯罪政党党員と職場でののしられ、未結集になった地区委員・LC・党員の数百人の党籍除籍をしないままで、放置した。再結集の説得により、党に復帰した党員は一人もいなかった。よって、彼らが、それ以後、支部・地区の共産党員名簿として残存させられているのかどうかも知らない。これは、私たち共産党指導部夫婦にとって、忘れえない党内犯罪加担・放置犯罪だった。共産党によるスト破りという前代未聞の反労働運動行為未結集になった彼ら数百人からみれば、宮本・不破・志位だけでなく、宮地夫妻党内犯罪者となっている。

 

 離党の自由権を、このような形で、実質的に剥奪する犯罪政党が、世界で唯一、東方の島国において、いつまで残存し続けるのであろうか。有権者やジャーナリストは、いつまで、この政党犯罪から目を背け続けるのか。

 

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 〔関連ファイル〕

    『じり貧的瓦解4段階経過と第5段階への転落方針』08年7月6中総方針の表裏

    『志位和夫「党員5カ年計画」の欺瞞性と空想性』党員数の三重帳簿の欺瞞

    『党員拡大5カ年計画のマイナス決算と、総括放棄・隠蔽による党の変質・退廃』

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