今日の天気は
空を見上げる。
やっと今日は、少し体を動かすことができそうだ。
手早く朝食を済ませ、キャンプ場を後にする。
裏磐梯(うらばんだい)まで、一気に車を進める。
この辺りには、いくつかの散策路(探勝路)があり、
どれも、気軽にファミリーが、チャレンジできるルートばかりなのだ。
そのうちのひとつ、五色沼自然探勝路の入口である、「五色沼入口」へ車を停める。
ここは、1時間ほどの散策で、毘沙門沼から始まり、赤沼、みどろ沼など大小いろいろな沼々が目を楽しませてくれる。
そんじょそこらの
五色沼の名の通り、南国の海のような、エメラルドグリーンに輝くものから、
赤茶けた、どんよりしたものまで、非常にバラエティに富んだ、景色を楽しむことができる。
真っ青な沼を見ていると、 (景色は、こちら)
「沼」=「どんより よどんだ」 という観念が、音を立てて崩れていく、
沼よ今までお前を誤解していた すまんなぁ
磐梯山の噴火により、川がせき止められて、この地形ができた。
とのことだが、
なるほど、あちこちにきれいな小川を見ることができる。
水辺の近くというのは、気持ちが落ち着く。
紅葉の時期は、さらによさそうなのだ。
とくにるり沼あたりは、もみじの木が多くて、いい感じなのだ。
(いつか、秋にこよう・・・)
ペコペコ
「はらへったぁ!」
自然探勝路を抜けると、そこには沼ではなく、
その何百倍もある、どでかい湖(桧原湖)が見えてきた。
ここからさらに、桧原湖畔探勝路(ひばらこはんたんしょうろ)という散策路がある。
が、軟弱ものの我々では、この探勝路二連チャンは、きつい。
そこで、ここからは、遊覧船に乗ることにした。
遊覧船乗り場の近くのレストランで、昼食をとりながら、
湖を眺める。
「裏」という字がつくものの、この裏磐梯は、福島県いや南東北では、割と有名な観光スポットの内のひとつだと思う。
それなのに、「閉店」の張り紙が出された、お土産屋、レストランが目立つ。
昨日の、会津若松駅前のサティの店内の雰囲気といい、
ここから見える、浜辺の白鳥型足こぎボートの佇まいといい、うらわびしさを感じる。
バブルの頃に建てられたんだろうな、と思わせる
重厚な雰囲気を漂わせる、巨大な裏磐梯猫魔ホテルの前にも
「現在、閉鎖中です・・・」
の建て看板が立っていた。
いかん いかん
いかん、いかん。
こちとら遊びに来ているのだ。陰気になっている場合ではない。
さあ、時間だ、船に乗ろう!
乗船券を買うとき、売場のおねーさんに、当然のように
「往復ですよね」 と聞かれた。
遊覧船なので、片道切符の人は少ないのだな、ぐらいに思っていた。
心地よい船旅を楽しみ、そろそろ船着場だな
と思いながら岸を眺めると、
木製の桟橋が、申し訳なさそうに 「ちょろ」っと突き出している場所があった。
(あれが桟橋か・・・)
船の 「ずうたい」 に似合わず、
まるで、小錦が電話ボックスへ入るかのように(今回は、表現が冴えないなぁ・・・)
強引に船の先端を、砂浜に乗り上げさせながら、着岸した。
迷子?
ここで降りたのは、我々を含めわずか2組。
それ以外の乗客は、すべて遊覧組であった。
船を降りてすぐに 「往復ですよね」 と聞かれた理由がわかった。
だって、ここは人が乗り降りするように造られているとは、到底思えないのだ。
その小さな桟橋から陸にあがると、
いきなり 「けものみち」 らしき道が、たよりなさげに続いている。
「五色沼自然探勝路」の方が、数倍整備されている。
このどこまで続くのか分からない、人がすれ違うのがやっとの細い道を抜けると、少し広い道にたどり着いた。(当然未舗装)
振り返りながら看板を探すが、「遊覧船」 どころか目印になる看板類は一切ない。
ガイドは、いないのか?
降りることは、できてもここから乗ることは、ほぼ不可能であろう。
当然、待合所なんて設置できるスペースは、無い。
数人が 「けものみち」 で立って待っていたら、さながら無人島で、救援を待つ人のようになってしまう。
そうなのだ、「往復ですね」
というのは、「遊覧ですね」 という意味ではなく
「まさか、向こうで降りないですよね」 という意味であったのだ。
もし、桧原湖遊覧船に乗ってみようと計画しているあなた。
降りてもいいけど、国民宿舎側 (白樺舟付) から乗るのは、やめといたほうがいいですよ。
少なくとも、桟橋までガイドがいるな。
国民宿舎前のバス停に着いたときには、どっと疲れていた。
看板がない不安と、景色のつまらなさに疲れたのだ。
ここから会津バスに乗り、最初の出発点である 「五色沼入口」 まで戻る。
以上で、昨日から続く、電車・船・バスという
乗り物シリーズは、おしまいなのだ。
今日の温泉は
昨日、温泉で失敗しているので、今日は失敗しないのだ。
「ラビスパ裏磐梯」
温泉プールである。いわゆる スパリゾート施設。
ここなら大丈夫だろう。
ここまで、読んで賢明な方ならお分かりだろう・・・ そうなのだ。
また、はまってしまったのだ。
和歌山の二の舞なのだ。(⇒ 南紀西廻り編 を読んでない方、こちら)
入口に到着すると 「本日休業」 の看板が・・・
「なに〜!」
和歌山ラーメンで懲りて、それ以来、ちゃんと営業日を確認してから、行動していたはずなのに・・・
この失態
もう一度、ガイドブックを確認する
「水曜休み (ただし、夏休み期間中は無休)」 となっている。
そうなのだ、この夏休み期間中というのが、くせものであった。
夏休みは、もう・・・
我々(名古屋近郊に住むもの)の感覚では、8/28と言えば、まだまだ夏休み中で、 宿題の最後の追い込み、悪戦苦闘中という時期のはずである。
が、どうやらこの辺りでは、もう2学期が始まっているようだ。
目の前を、ランドセルを背負った小学生が、下校していく。
「とほほっ・・・」
自分の常識は、世の中のすべての常識ではないのだ。
「夏休み期間なんて、あいまいな表現を使うな!」
と本に八つ当たりする、なぐなぐ一味であった。
で、結局温泉探しの冒険をする気が失せ、キャンプ場の温泉に入ることで、落ち着いた。
湖はどこよ!
キャンプ場へ帰るのに、行きと同じ道じゃぁ芸が無いので、磐梯吾妻レイクラインを利用した。
これがまた、さびれた有料道路で、あまり整備されていない。アスファルトが、でこぼこしていた。その割には、高い通行料をとる。
いまいちだなぁ。と言っている間に終点。
中津川渓谷なぞ面白そうであったが、この時間(午後4時)からでは、全長9kmの遊歩道は走破(歩破?)出来ないので、あきらめた。
(それでも、磐梯山らしき山は、見えたのだ。 磐梯山(たぶん)は、こちら)
日本人は、やっぱり米なのだ
そして、そして今日も遅くなった夕食。
沖縄で買ってきて以来、気に入っている 「タコライス」 を食す。
(⇒ タコライス情報は、こちら)
その昔、山登りをしていた頃、
食事を作るとき、一番いやな当番は、「米炊き」であった。
気圧が低いので上手く炊けないのと、失敗したときの、リカバリーが難しいからなのだ。
ナン、パスタと続いた今回のキャンプ料理も、日本人最後は、御飯を食わねば、
ということで久しぶりに御飯を炊いた。
低地とはいえ、やっぱり緊張するねぇ
やわらかめであったが、まぁまぁの出来。(と、自己弁護)
ほっとする。
そして、このピリ辛タコライスには
ビールが一番!
そして、冷酒。
夜になっても 暑かった昨日までとは異なり、今日は、涼しい。
秋の気配が漂う、涼しい風に吹かれながら、飲む。
うまい、うまい
(つづく・・・)
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