タマネギの根端分裂組織の観察をしました(1年生生物時間)

以前は、タマネギの根を発根させて固定したものを生徒に渡して、生徒に解離・染色をさせていたのですが(分裂観察1参照)、やや染まりが悪かったために、新しい学校に転勤になったこともありますが、新しい方法で観察することにしました。これは、前もって解離・染色をしておく方法です。固定してアルコール中に保存してあったタマネギの根を前日より塩酸+酢酸カーミン溶液の中に浸けておいてみる方法です。授業の説明に使用したパワーポイントのファイル(602KB)はこちら

細胞分裂の観察

生徒たちには、このような形で時計皿に入れて一人1本ずつ配りました。配るときには水に浸しておいて、染まりすぎた部分の脱色もしておきます。

細胞分裂の観察

スライドガラスをろ紙の上に置いて、その上で作業をするとわかりやすいですね。よく染まっている部分が分裂組織なので、根端より2〜3mmくらいの所を柄付きバリで切らせます。

細胞分裂の観察

切った状態の根です。必要なのは右側だけなので、左側のいらない部分は捨てさせます。

細胞分裂の観察

余分な部分を取り除いた状態です。この上にグリセリン溶液を1滴たらします(水でも可)。

細胞分裂の観察

そして、カバーガラスをかけると、カバーガラスの重みで根がつぶれます。

細胞分裂の観察

そして、次は細胞を広げます。カバーガラスの上から爪楊枝でとんとんと叩くように細胞を広げていきます。

細胞分裂の観察

拡げ終わった根の様子。もう少し拡げた方がいいかもしれません。また、この写真ではちょっとグリセリンが多かったかも・・・・。

細胞分裂の観察

次に、ろ紙を半分に折って、カバーガラスの上にかぶせて、上から親指で押さえます。これによってさらに細胞が広がります。

細胞分裂の観察

これが完成。600倍で観察しました。

観察できた分裂の様子です。

細胞分裂の観察

中期と後期の様子がはっきりとわかります。染色体自身もよく染まっています。前期の状態の細胞も結構ありますね。間期の細胞の核内の核小体もよくわかります。

細胞分裂の観察

終期と後期の様子がわかります。終期の細胞(写真の中央)では間に細胞板も一応観察できます。

細胞分裂の観察

前期の細胞が2つ並んでいました。

細胞分裂の観察

前期・後期・終期の細胞が1つの視野の中に見えます。このくらい見えると、生徒たちもすぐに探せていました。

 この方法は、よく細胞が染まっているので生徒たちが観察するのはしやすい方法です。ただ、作業をこちらで行っているので、固定→解離→染色という作業については経験できません。ただ、見えないと生徒も面白くないので、この方法の方がいいようです。写真はEOS Kiss Digital Nに顕微鏡アダプタをつけて絞り優先で撮影しました。

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