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6.長期間定住していた個体の行動圏利用について

 長期間調査地内に定住していた個体のうち雄2匹(4100オスと7080オス)と雌2匹(71メスと1060メス)の1986年の月ごとの行動圏の変化の様子は図10に示してある。4100オスと1060メスは5月に幼体で捕獲され、その後定住していた個体である(1060メスは6月はまだ亜成体)。71メスは4月から10月までずっと調査地内に定住しており、前年(1985年)11月以降に調査地内に移入してきた個体で、この個体は調査地内で春と秋の2回の繁殖を行った。7080オスは1986年6月に初めて捕獲された(捕獲時は成体)。これらの行動圏の変化を見てみると、4100オスと71メスはほぼ同じ地域を長期にわたって利用している。特に71メスは4月から10月の7ヶ月間(4月以前の生息場所が分からないのであるいは7ヶ月以上)その行動圏をほとんど移動させていない。1060メスは5月(幼体)から8月まではほぼ同じ地域に定住しているが、9月(繁殖期)になって大きく行動圏を移動させた。そして10月には捕獲されなくなった。7080オスは9月(繁殖期)に行動圏を東の方へのばし、10月には6月から8月まで利用していた地域から大きく離れてしまっている。

論文図表

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