書名:紀文大尽舞
著者:米村圭伍
発行所:新潮社
発行年月日:2003/08/20
ページ:398頁
定価:1800 円+ 税
一代で莫大な富を築きながらも没落した紀伊国屋文左衛門は謎に包まれた人物である。伝説の人物といっていい。出自も不明、生没年も不明、いかにして富豪となり得たのかも不明。余りにも不明な点が多すぎ、その存在すら疑われたことがあった。戯作者志望のお夢は、その半生を題材とするため彼につきまとうが、何者かに殺されかけたところを謎の侍・倉地に救われる。倉地とともに紀文の謎を追い始めたお夢が、大奥にまで潜入して掴んだものは、将軍継承にまつわる恐るべき秘密だった。
歴史ミステリー誰かが誰かに踊らされている。それが誰なのか?次々とお夢がその謎を追いかけていく、どんでん返しの連続次々と興味をそそられるストーリー展開、米村圭伍という人の作品は初めてだが、歴史の中に隠された謎を巧妙に配置しながら物語って行く手法はなかなか面白い。奇想天外な結末はおもわずあっと言わせる。