書名:熱月(テルミドール)
著者:山崎 洋子
発行所:講談社
発行年月日:1994/12/19
ページ:476頁
定価:1845円+ 税
武林無想庵夫人・武林(中平、宮田)文子のパリで、様々な恋の遍歴を描いている。大正から昭和のはじめ、スキャンダルにまみれた新しき女、抑圧された妻、母から解放された女の生き方をした自由闊達な女性として生きた武林文子を中心に、武林無想庵と夫婦生活、大正ロマンの一面で新しき女を自由奔放に生きた文子を描いている。
このパリでの生活で、山本夏彦がこの夫婦と一緒に暮らしていたことがある。山本夏彦の「無想庵物語」はどちらかというと無想庵が主人公、この熱月は文子が主人公。女性の自立が叫ばれた時代。今の時代でも十分スキャンダルの中心にいる女だろう。こんな生き方もあるもんだ。
本文より
-----------------------------
私はハッキリいって、辛抱が嫌い
というよりもちっともできない人間です
だからこそ
いろいろと数奇な運命をたどることになったのです