書名:風の陣 烈心篇
著者:高橋 克彦
発行所:PHP研究所
発行年月日:2010/9/21
ページ:466頁
定価:1800円+税
我慢に我慢を重ねて来た蝦夷たち。蝦夷の雄・伊治鮮麻呂がついに決起を。もはや戦を防ぐ手立てはない。舞台は陸奥に移る。陸奥守は陸奥按察使と鎮守府将軍を兼務する紀広純。発掘される金をくすね私腹をこやし、折あらば、蝦夷に戦を仕掛け殲滅せんと軍備を増強、蝦夷征伐を都に要請していた。
その腹心である道嶋大楯は嶋足とは腹違いの弟であるが、紀広純を上回る野心家であり、蝦夷たちの反乱を煽動し、殲滅戦開始のための口実作り、挑発を画策する。ついに征伐の勅命が下る。その中には蝦夷は人間ではない獣。人間とは見られていない蝦夷があった。それを敏感に感じた伊治鮮麻呂はついに決断する。狙うは陸奥守紀広純、と道嶋大楯の首。そして次世代の者達が伊治鮮麻呂に続いてくれるという願い。アテルイも蝦夷の一部隊を率いて参加する。でも嶋足も苅田麻呂も登場しない。物部天鈴の影も潜める。風の陣第五弾(完結編)です。完結編にしてはちょっと物足りない作品です。「アテルイの乱」を描く『火怨』に続く前哨戦なのか。本当の完結篇は『火怨』?
1.風の陣(立志篇)
2.風の陣(大望篇)
3.風の陣(天命篇)
4.風の陣(風雲篇)
5.風の陣(裂心篇)