書名:嘉吉の乱始末 悪党の戦旗
著者:岩井 三四二
発行所:新人物往来社
発行年月日:2007/3/30
ページ:378頁
定価:1900円+税
室町時代第六代将軍足利義教(足利義満の三男・元青蓮院門跡義園)が、三菅四職の1つ赤松満祐に殺された嘉吉の乱を描いている。将軍足利義教は悪評高く、義教に諌言した一色義貫を殺害、一族を壊滅、所領も没収、政にも不真面目、お気に入りを側に侍らせて、諌言する者は遠ざける。三管四職など有力大名の後継まで横槍を入れたりもした。
赤松満祐も諌言を呈したりして煙たがれており、幕府の仕事は赤松彦次郎に譲り、謹慎していた。こんなとき、赤松屋敷に将軍が御成になるというその機会を捉えて能が模様されている中、家臣に将軍を襲わせ殺してしまった。不忠の臣ということになる。その後赤松氏は京の屋敷を引き払って播磨に戻ってしまった。そこで山名、細川などが赤松討伐に大軍を派遣してくる。赤松氏も懸命に戦ったが、赤松満祐は討たれ、首は京へ。
そんな戦いの中で最後に城山城が落城しそうになった際、赤松家家臣の小寺藤兵衛、上月左近、間島彦太郎、中村弾正、石見太郎の5人が、宗家の血を継ぐ5人の者をそれぞれが担いで落ち延び、再起を図るという物語。15年後この5人が中心になって吉野の南朝の行宮を襲い、南朝の皇胤である自天王と忠義騙し討って、神璽を取り戻すことで、赤松氏は再興された。(長禄の変)