書名:原発報道 東京新聞はこう伝えた
著者:東京新聞編集局
発行所:東京新聞
発行年月日:2012/11/27
ページ:366頁
定価:1800円+税
東京新聞というのは中日新聞のローカル新聞。その他の大手新聞社が触れることも出来なかったスクープと反原発の立場を貫いていけるのか?東京新聞の原発報道は 「果敢なるジャーナリズム精神」で菊池寛賞を昨年受賞しました。その原発報道を2011年3月11日以来2012年6月まで記事をまとめなおした一冊です。
「スクープと調査報道」、「折々の報道と連載 『レベル7』『福島作業員日誌』」の2部で構成。福島第一原発事故の直接原因となった全交流電源喪失への対策見送り、経産省資源エネルギー庁による誹謗中傷的な報道チェックなど、闇に埋もれていた事実を発掘した読み応えのある記事が再整理されています。トピックごとに記者コラムを掲載し、取材の裏話などを披露しています。真実に肉薄してきた“東京新聞の原発報道"を集大成です。
事故調の報告書等とともに一緒に読んでいくと原発事故とは何だったのか?政府(勿論自民党の長期政権も含めて)東京電力を疑うこともなく言うがままに信用してきた国民、マスコミはと改めて問い直してしまう。また大手マスコミが何故事故が起こってとんでもないことが起こっているにも関わらず、政府・東電発表しかフォローしなかったのか?国民、被災者の疑問には全く答えていない。しかし東京新聞は当たり前のこと、当たり前の疑問を何故、何故と追求していった課程がこの本でもよく分かる。ジャーナリズムの本来の仕事をしていた。ジャーナリズムの仕事を忘れた(怠けた)大手マスコミはこれを見て少しは勉強して欲しい。そんな感じにさせる良書です。
相変わらず、原発擁護、再稼働を経済のために必要と声高に書いている読売、産経、原発の事故なんかたいしたことはないごとく振る舞っている人々などこんな本も読んだことがないのでしょうね。原発とは何か、生きることとは何か、普通に暮らすことがどんなに大切か?そんなことを考えさせられる。
ある被災者の方がいままで住んでいた街は「死の街」、そう言わないと誰も責任を取らない。「死んでしまった街」誰の責任か問うことが出来ない。除染すれば戻れるようないい加減なことを言わず「死んだ街」と言わないと次に進めない。と悲壮な顔で言っていた。3.11から2年段々と隠れていた(隠されていた)事実が出てきた。もう一度考え直す機会に言い本だと思う。これからも東京新聞には政府・東電の欺瞞に鋭くメスをいれて言って貰いたい。
東京新聞:原発報道 東京新聞はこう伝えた 東京新聞編集局編
http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2012112502000178.html
東京新聞が反原発路線を突っ走れる理由
http://www.videonews.com/on-demand/601610/002580.php