鴨川の堰について雑感2


さてここでいう堰とは、どこかで話題になっている、自然環境を破壊する
巨大な構造物を言うのではありません。川の所々にあって、川床が段々の
ダム状になっている構造物で、落ちる水が滝のようになり、夏などは
見ていても実に涼しげで、自然環境と共生できる綺麗なものであります。
堰をよく見ますと、背丈の高いもの、低いものなど大きさがいろいろ
あります。そしてまた堰は、多くのものが上下2段の構造になっています。

大きい1段目と、少し下流(10‐20mくらい下流)の、小さな2段目の
ものから構成されていることが多いのです。規模の大きな堰の中には、
3段目をもっているものもあります。また堰は1段目のところで(過ぎた
ところで)一時的に川幅が広がっていて、また深さも深くなっている
のです。おそらく、少し川の淀みを造ることで、流水に変化を付けて、
生態系に寄与する機能があるように思われます。そして、堰をしばらく
過ぎると、川幅は紡錘状にだんだんと細くなっていき、元の川の広さに
戻ります。下の写真は堰の脇にある、少し広がった淀みのところです。

そして、堰の所には水が滝のようになっていて、下の滝壷にあたる
部分に水が蓄えられていますので、鳥などが良く集まっています。
そこには、小さな魚や昆虫などの生物が多くいるので、鳥も集まって
くるのでしょう。多分、流水が勢い良く流れ落ちることで、川の水の
酸素飽和度が上昇するために、水中のいろんな生物が生活しやすい
環境になり、生物の生活サイクルが出来ているのだと思っています。
他の写真にも写っているものがありますが、下のような鳥もいます。

いつかこの綺麗な堰を写真に収めて、じっくりと観察したいという
思いがありまして、地図などを見ながら作戦を練っていたのです。
そしてまた、この無謀な写真撮影行動の事前に、地図で鴨川(賀茂川も
含めて)の流域は、意外と狭いということを調べて知っていました。
ですから、まあ時間がかかっても大した事は無いから、あるいは
少なくとも体力を多く使わなければならないことは、無いと判断した
ために、自転車なんかで撮影行動を起こそうと考え付いたのです。
しかし、この事前調査結果(の判断の甘さ)が、その後で大変疲れる
原因となってしまったのです(涙)。


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