煉瓦マニア垂涎のブツですが、当然素人の手に入るものではありません。

　旧開拓使函館支庁書庫で有名な刻印煉瓦で、小口に刻印があるので見放題ですが、痛恨のミスで刻印の写真を撮り忘れました（猫に気を取られた）。

　この煉瓦はあちこちで見ます。柴島浄水場、旧大阪織物、旧中林綿布、旧鐘紡洲本、他。

　琵琶湖疏水修理工事や同志社大学彰栄館などに使われていることが判っています。
　この煉瓦は旧北陸本線の葉原隧道（道路トンネルに転用）の補強工事の際に剥がされた煉瓦です。

　岡崎の三龍社（解体）や半田の旧カブトビールからも発見されている、井桁型の中に漢数字が入っている刻印は刈谷の大野煉瓦製と判っています。
　この煉瓦は大府の石ヶ瀬川橋梁解体現場から貰って来たもので、井桁の中に「七八」と見えます。
　鉄道用煉瓦を手掛けていた東洋組刈谷分局の直系の大野煉瓦製である可能性が高いと言えます。

　常滑焼の陶祖である鯉江家が所有していた窯の号が金島山です（明治１１年に命名されました）。
　この煉瓦は鯉江家墓標の前に敷きつめられています。

　シモレンの刻印に似ていますが、詳細不明です。

追記：星型ではなく桐の形に生の字で、桐生煉瓦の刻印だそうです。この画像の生の字を真下にしたのが正しいです。藤江医院の煉瓦塀も桐生煉瓦だそうです。

　旧近衛師団指令部でこの刻印の煉瓦が見つかったそうですが、知人が所有している芝給水所の煉瓦にも、この刻印があったそうです。

　「朝」または「韓」を図案化したようにも見えますが詳細不明です。
　朝鮮京城煉瓦工場（矢橋賢吉が提案し明治40年12月完成）でも囚徒が作業していたようで、無関係ではなさそうです。