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人間の精神段階


 当サイト管理人は、2013年7月下旬(たぶん7月28日)、弘法大師(空海)の十住心論に関する下のサイトを読んでいて、なるほどと思いました。その数日後(8月4日)、人間の精神段階について、このページのような着想を得ました。
LINK piicats index仏教の勉強室秘密曼荼羅十住心論

 人間の精神についての分類として、以前から「小脳の働きによるところの欲望と、大脳の働きによるところの理性がある」と考えていました。そして、大脳(理性)は小脳(欲望)をコントロールしようとしているのであって、そこに人間としての葛藤が生まれていると考えます。そして、この理性の世界は、人間の思想・哲学・宗教が歴史的に進展するとともに発展してきていると思います。
人間の精神と脳
 こうした現実世界(「理性の世界」+「欲望の世界」)の上に「神の世界」があるとすれば、(神・霊・仏など)に対する人間の思い(信仰)もまた歴史が進むにつれて変わってきていると思います。たとえ神が存在しなかったとしても、神を信じて生きている人々は、神によってその行動を規定されているのであって、あたかも神が存在するかのように行動していると考えます。
 当サイト管理人自身は、神や霊の存在は信じていないのですが、それらに畏敬の念を持って生きることは重要なことのように思います。


分 類 段 階 説   明 備考
神の世界
(未知の世界)
汎神論 (注1) 自然のあらゆるもの、人々のまわりのあらゆるものに、神的なもの(祖先の霊を含む)が存在し調和している世界 「神の世界」をどのように考えるかは、実際の人々の行動を規定する。たとえ神が実在しなくても。
曼荼羅 多くの仏(神)によって調和のとれている世界
一神教(神の世界の独裁者) 一つの完全なる善の神が世界を支配している世界
神話・多神教 完全なる善とはいえない多くの神々が織りなす世界
アニミズム 人々のまわりの様々なものに霊的な存在を感じ取る世界
理性の世界
(大脳の働き)
和道主義 (注2) 社会全体(他者の総和)がうまくいくように、皆が自分を規律しながら生きる。 人間の思想・哲学・宗教の歴史は、「理性の世界」を進展させてきた。
菩薩の慈悲 仏陀の悟りを持ったうえで、他者の救済に努める。
仏陀の悟り 人間の苦悩の原因を正しく知り、覚悟を持って生きる。
モラル・儒教的な道徳 社会全体として守るべき規律
タブー 未開社会で生まれた最初のルール
欲望の世界
(小脳の働き)
支配欲(暴力的な)(注3) 縄張りや群れを支配(ボス争い)するための欲望 欲望は理性によって、より良くコントロールされるべきである。
性欲 子孫を残すための欲望
食欲 自分の肉体を維持するための欲望

(注1)ここでの「汎神論」は、自分の身のまわりのどこにでも神がいるとする、日本的な宗教観を念頭に置いています。
(注2)「和道主義」は、日本的な価値観を表すための、当サイト管理人による造語です。
     日本的価値観としての「和道主義」
     日本と日本人 の「■日本の価値観■」の項
(注3)「支配欲(暴力的な)」は、しばしば、人々(特に男たち)を戦争へ駆り立てる原動力となっている、と考えます。


 日本的な価値観(和道主義)の指し示す将来の方向性は、すべての人々が菩薩のように行動すべきだ、と言っているように思います。現実的には、それが不可能だとしても、それに近づくことはできるはずです。

 また、当サイト管理人は、政治宗教は完全に分離されるべきだと考えます。そして、他人に危害を及ぼさない限りにおいて、信教の自由は認められるべきだと思います。ということは、他人の信じる神を認めなければならないのであって、一神教のように「自分の神は正しくて、他人の神は邪教(あるいは悪魔)である」と決めつけることは認められないと考えます。一神教は、まるで神の世界の独裁者のように見えます。神の世界も、独裁制から民主制へ歩みを進めるべきだと思います。





【参考ページ】
社会を動かす3つの要素
人間の精神と脳
人間の精神段階 〜このページ

日本と日本人
日本の歴史認識
日本的価値観としての「和道主義」





参考文献
LINK piicats index仏教の勉強室秘密曼荼羅十住心論
「密教世界の構造 空海『秘蔵宝鑰』」 宮坂宥勝 著、筑摩叢書、1982年(注:1994年に、文庫版(ちくま学芸文庫)が出ているようです。)



更新 2015/8/13
当初 2013/8/6
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