小田急バス私設ファンクラブ・実録シリーズ
セレモニーが滞りなく終わったところで、試乗バスに早速乗り込んでみましょう。鬼太郎号は早々と満員になったため、後続のD558号車で、目玉のおやじを追って行くことにしました。
駅前ロータリーを発車したバスは、すぐに京王線を越えて、甲州街道に出ます。以前から仙川駅周辺は南北の道が貧弱で、バス路線以外の車にとってもネックになっていますが、一部とはいえ2車線で南北を結ぶ道が開通したのは結構なことです。ほどなく都道114号・吉祥寺方面へ右折、小田急バス本社を左手に見ながら、バスは快調に進みます。
女子大入口の停留所を過ぎ、マンションに挟まれた小道へ右折すると、小型車エアロミディMEの本領を発揮。緑橋で仙川を渡ると、民家の軒先をかすめるような狭い道を、右へ左へと折れていきます。緑ケ丘都営住宅の中に入っても、教習所のようなクランクの連続。試乗している奥さんが道端で知り合いを見つけ、手を振り合う光景もみられます。同じ小田急バスながら、大通りだけを走る隣の三鷹市のコミュニティバスとは違う雰囲気が感じられました。
それにしても、どんどん裏道に入り込んでいく緑ケ丘循環線、一度試乗したくらいではどこをどう走っているのか把握できません。筆者に土地勘がないせいかと思っていたら、営業前に試走を経験した狛江営業所の運転士さんも「わかんねぇー」とぼやいていたので、やはり複雑極まりないルートであることは確かなようです。
そんなこんなで、団地が途切れて再び仙川を渡り、すぐに「お疲れさまでした、次は仙川駅前…」と放送が流れても、いまひとつピンと来ないまま仙川駅前のロータリーに到着しました。1周およそ20分の道程で、ごく短距離の循環ながら、本当に地域密着の面白い路線になりそうな気がしました。