小田急バス私設ファンクラブ
特集・境94系統変身への軌跡 後編

発車! 三鷹市コミュニティバス

C101(KC-RX4JFAA)
三鷹駅南口で出発式に臨む「みたかシティバス」


▲みたかシティバス誕生の経緯は前編をごらんください。

営業初日の風景

C101号車の車内  青空が広がった11月3日、三鷹市当局などの熱い期待を乗せて、コミュニティバス第一号「みたかシティバス」が営業を開始しました。
 この日は午前9時から、三鷹駅南口8番ポール前で記念式典とテープカットを実施。MXテレビのクルーが取材のカメラを回す中、始発便は運賃無料という太っ腹(?)で、新車リエッセは満員の乗客と関係者を乗せて、北野へ向かいました。車内では、計画の検討にタッチした地元の主婦と小田急バス幹部が談笑する光景もみられ、文字どおりコミュニティバスの趣。沿道では見慣れない車両に注目度抜群だったようですが、間もなく三鷹市の風景になじんでいくことでしょう。
 終点の北野では、折しも吉12系統のA8190号車が発車待ち中で、折り返し場の狭いスペースに2台が並ぶ格好となりました。吉12は北野−南牟礼間でコミュニティバスの新設停留所にも停車することになっており、小田急バス側からは「(吉12の)時間を少しずらした方が良いのではないか」との声も聞かれました。祝日ということもあって、ダイヤの乱れはほとんどなくて済みました。
 筆者は北野地区を一周して、三鷹市役所で下車。この後、三鷹通りを八幡前交差点まで歩くと、野崎・塚を回ってきた先のコミュニティバスに追いついてしまいました。

これからの「みたかシティバス」

三鷹市役所付近を行くC101号車  バスの車内で小田急バス幹部の方に、いろいろ話をうかがうことができました。境94系統は地元の陳情によって開設されましたが、武蔵境駅〜北野の旅客流動はほとんどないに等しく、バスはいつも空気輸送の状況。廃止のタイミングをうかがっていたところ、三鷹市コミュニティバスの企画が決まったそうです。「色については三鷹市と協議して決めましたが、小田急バスのイメージカラー(赤)も盛り込まれて、良かったのではないでしょうか」と語っておられました。
 当面、コミュニティバス専用車は1台のみ。毎月の検査日には通常の大型車が、みたかシティバスの方向幕を掲げて走ることになります(運行ルートは基本的に大通りばかりなので、小型車でなくても問題はありません)。今後、利用状況を見ながら車両の増備も考えたいとのことです。
 北野折り返し場のある谷端地域は関東バスのエリアで、千歳烏山駅との結びつきが強い所。吉12系統も昨夏、下本宿から延長されたものの、ダイヤは必ずしも便利ではありません。コミュニティバスのルートの半分は従来の系統(三鷹駅−塚、野崎)なのでそこそこ乗車があるとみられますが、問題は旧境94系統の経路である野崎−市役所−北野で、この区間の利用をどう振興していくかが三鷹市と小田急バスの課題と言えるでしょう。実際のところ、99年5月までの現状を見ると北野−市役所の利用は芳しくない一方、既設路線を含めて利用客の多い三鷹駅側は混雑がひどいようです。

〜写真はすべて1998年11月3日撮影〜

〜前編はこちらです〜

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