小田急バス私設ファンクラブ・実録シリーズ

交通空白地を埋めた「西回り」

=ムーバス境南循環線試乗記(前編)=


▲武蔵境駅前を発車、東西それぞれのルートに向かうムーバス

 武蔵野市のコミュニティバス「ムーバス」に、吉祥寺循環(関東バス)に加え境南循環の2路線が加わることになり、11月26日の開業に先立って無料試乗会が23日に行われました。地区住民へのPRと、運転士の習熟を兼ねており、指導運転士が同乗したほか小田急バス本社の皆さんも立ち会いました。筆者は同日、西回りと東回りで乗車してきました。


▲【西回り】仮設運賃箱を付けて走るC104号車

●境南町4丁目地区で早くも満員の西回り線

 まずは午前9時30分発の西回り線に乗りましょう。7割ほどの座席が埋まる程度で発車したバスは、津田公園入口で吉01系統などのバス通りをいったん渡り、境南町4丁目内の路地を回って富士見通りに戻ってきます。この間、西原踏切と稲荷前でかなりの乗車があり、立つ人も多くなりました。
 同地区は武蔵境、新小金井、東小金井各駅のちょうど中間にあり、既存のバス停からも少々遠い、いわゆる交通空白地帯。こういう所を小型車で丹念に回るのがムーバスのコンセプトであり、コミュニティバスの基本と言えるでしょう。同じ小田急バス担当でも、中途半端な路線計画でコミュニティバスとして事実上失敗した隣の三鷹市とは、はっきり差が出てしまいます。
 ちなみに西回りに入っていたC104号車は、小田急バス以外の事業者が付けていたとみられる運賃箱を搭載していましたが、どう見てもムーバスで使うとは思えないものでした。この点について同社の方にうかがったところ、新車登録の際に運賃箱設置が条件なので仮設した由。正式開業までにはムーバス用運賃箱に換装するとのことでした(C105号車は正規品を取り付け済み)。
 9番停留所「のぞみの家」は、吉01系統の「富士見通り」と同じ場所にあります。既存の停留所にムーバスの停留所を併設する際、境南線では大体名前を合わせてあるのですが、他にも現「境南2丁目」に「かえで通り」と名づけたケースがあります。


▲【東回り】境南2丁目と同じ場所に設置された「かえで通り」停留所

後編に続く>>

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