IN MY ARMS TONIGHT
1992.9.9 BGDH-1014
- IN MY ARMS TONIGHT
- 汗の中でCRY
- IN MY ARMS TONIGHT（オリジナルカラオケ）
- 汗の中で CRY（オリジナルカラオケ）
全体的な印象
ZARDって綺麗綺麗な世界ばかり歌っているか？それはノーだ。この作品のカップリングを聴いてみよう。
前作「眠れない夜を抱いて」でZARDはブレイクした。そしてこの作品は「眠れない夜を抱いて」がまだヒットしている最中、アルバム「HOLD ME」リリース直後にリリースされた。正直言って発売意図が良くわからないが、タイアップの都合上か、アルバム告知のためのＴＶ出演のためか、どちらかだろうか。
この作品ではＴＶに２度出演している（ミュージックステーションとＭＪ）。このＴＶ出演からベース担当の星の姿が確認できない。また、この作品リリース直後のＴＶ出演では「眠れない夜を抱いて」を演奏しており、この作品の演奏は１０月に入ってからになる。
ジャケット写真が「HOLD ME」と同じフォトセッションの写真なので、アルバム「HOLD ME」収録という印象があるが、発売が「HOLD ME」の１週間後なので「揺れる想い」収録だ。
どうも中途半端な印象が残るこの作品だが、この作品の最大の存在意義はカップリング曲にある。この作品からしばらくはカップリング曲はアルバムに収録されないようになるが、その原因になったのだろうか、「汗の中でCRY」はとても収録できるような歌詞じゃない。
IN MY ARMS TONIGHT
作詞：坂井泉水 作曲：春畑道哉 編曲：明石昌夫
マイナーな曲調で、やや初期に戻ったような印象がある。ヴォーカルに包み込むような優しさが出てきているので、この時期らしいといえばこの時期らしいか。
歌詞は泉水さんの特徴が良く出てきていて、個々のフレーズは印象的、歌詞を続けて読むと、具体的なストーリーはサッパリ分からないが（二人は別れているのか、まだ続いているのか、危機を迎えているのか、フレーズ毎に変化する）、なんとなく言わんとすることはわかる、というもの。
作曲は表題曲としては初めて織田哲郎以外が担当している。TUBEのギターの春畑道哉だ。
収録アルバム
「揺れる想い」
「ZARD BLEND 〜SUN & STONE〜」（リマスタリング）
「Cruising & Live」（ライヴバージョン）
「Golden Best」
作詞：坂井泉水 作曲：松川敏也 編曲：池田大介・小沢正澄
ZARDって女子供が聴く音楽だよな、などと抜かす奴が居たら、この曲を聴かせてやろう。ZARDのキャリア中最大の問題作。
ZARD曲中最もロック的な曲であり、非常に攻撃的。歌詞も、放送禁止直前の過激なモノで、「闇を滑る 熱い指先で イカせるアイツに 夢中なのよ」などともろにセックスのことを歌っている。おそらく今後この曲が別の形でリリースされることはないだろうから、ZARDファンは是非今のうちにこのシングルを手に入れておくべきだ。
作曲は珍しく松川敏也が担当している。編曲には後にパメラのギターとなる小沢正澄の名が見える。
曲の感じや歌詞の内容から、アルバム「もう探さない」あたりのアウトテイクのような感じもする。
収録アルバム
※アルバム未収録
ジャケット・ブックレット
アルバム「HOLD ME」リリース直後だったこともあり、「HOLD ME」のジャケット写真と同じフォトセッションの写真。ジャケット裏は「眠れない夜を抱いて」のフォトセッションの写真だ。
ややクールな視線といい、ぼさっとした髪型といい、ラフな服装といい、現在のZARDのイメージが固まってきていると言えるだろう。
この作品で３作連続で横型のジャケットになるが、これはＣＤシングルの縦長のジャケットにいかにインパクト強く写真を納めるか試行錯誤している過程なのだと思う。
この頃になるとZARDも注目すべきアーティストになっていて、レンタルＣＤショップやレコード店でもZARDは「さ行」からZARDコーナーへと移り、ＣＤもジャケット面を表に出してディスプレイされるようになった。私もＣＤを手に取ったことはあるが、ＴＶ出演を見たことがなかったし、曲は耳に入っていたが、ZARDというアーティスト名と曲が結びついていなかったのでレンタルもしなかった。「本当にこんなに美形なのかな、写真写り良いだけなんじゃないの？」と思った記憶がある。
セールス
- オリコン最高位9位
- 登場週数13週
- 総売上32.2万枚
「眠れない夜を抱いて」には及ばないが、ZARDの固定ファンが付き始めた時期なので、トップ10入り、累計30万枚オーバーと結構良い成績を収めている。