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第13回マウンテンサイクリングin乗鞍参戦記
◆写真おやじの執念◆
 2年ぶりの出場となる乗鞍ではあるが、気分の盛り上がりとは逆に、体力の方はどう考えても下降線を描いている。体力に頼れないとすると、乗鞍を完走するためには、気力しか頼るものがないのであるが、地震や台風の影響で何か水を差されたような気分である。他の大会なら早々と DNS を決め込んでビールでも飲んでいるところだ。
 いつもは乗鞍スカイラインを登って乗鞍高原に行くのだが、今年は安房トンネルが開通したので、通ってみることにした。白骨温泉側から行くのは初めてなので、安曇村のホームページから林道地図をプリントアウトして、要項と一緒に車に積んだ。
 白骨温泉の手前で、地図を確認しようと、プリントアウトした地図を探すと、コピー用紙の裏側から、カラー印刷したインクが透けて見える紙が見えた。
 ”おぉ、これだこれだ”と、その紙を取り出してみると、なんと kemさんの写真。
 乗鞍でお会いしたとき顔がわかるように、以前 skuramさんの、ホームページからプリントアウトしたものであった。(地図と kemさんの写真と間違えて入れていた...(^^;)
#これは、きっと乗鞍を断念した kemさんからの、”写真だけでも連れていってくれ〜〜〜”というお告げだったに違いない。

◆ビールおやじと山職人◆
 早めに出たこともあって、今年は2時頃に乗鞍高原に着いた。受付も済ませて会場の向かいの店で休んでいると、向こうのテーブルでビールを飲んでいるカップルがいる。思わずのどが鳴ったが、以前に二日酔いで当日の朝を迎えたことがったので、今回は自重するという固い意志により我慢してあたりをぶらぶらする。
 戻ってきて、ボーとしていると、再びそのカップルの男の方の顔が目に入ってきた。
”しかし、うまそうに飲んでいるなぁ・・・”
”あれ?、どこかで見たような???”
 なんと、さくら道ネイチャーサイクリングでご一緒した URATAさんではないか。お髭を剃ってさっぱりされて、若々しくなられたので、全然気がつかなった。
 URATA さんの”このビールうまいですよ。”の一言に、さっきまでの”固い意志”は、パンターニWツール後のキアプーチのようにどこかへ消え去って、思わずビールを買いに走った。
#これは、けっして優柔不断なわけではなく、まだ頭が柔軟なことの現れである。

 アルコールが入って気分良くなったところで、隣の岳の屋をのぞいてみると、yabemanさんらしき人が歩いている。おそるおそるたずねてみると、本物だった。FunRideの写真と少しイメージが違って、ピスト+固定ローラー台でアップする姿は、まさしく山職人。

◆後ろからの視線◆
 夕食・朝食ともにどうも食欲がない。しかし以前も体調が悪いと思ったら、思ったより走れたので、それに期待して準備をする。
 空は一面曇り空で、時折雨がこぼれてくる。会場に着くと、集合場所はすでに一面サイクリストで埋め尽くされている。どんよりと沈み込んだ空と色とりどりのサイクルウエアで埋まった会場のコントラストが対照的で面白い。
 Eクラスは、早い方のスタートだと思っていたら遅い方で、さらに列の後ろの方は、いろんなクラスのゼッケンが入り乱れて、はっきりわからない。
 うろうろしていると、TCN(東京サイクリストネット)のジャージを発見。近寄っていってご挨拶する。SLOWさん、OSSANN TORAさん、はすさん、まるねさん(だったと思う...(^^;)と言った、TCN 坂馬鹿倶楽部おやじ部隊の強者たちであった。
 しばらく話していてると何か後ろから視線を感じる。レースクイーンはスタート地点に移動しているから、いったい誰だろう?...と、後ろを振り返ると...残念ながら、もとい!残念ではない...(^^;) Nifty のなわ〜るどさんやブッチさん達だった。しばらくしてスタート地点に移りスタートを待つ。
#うぅ〜〜〜む、スタート前にこんなに字数を使ってしまった。


◆アスリートおやじとタダのおやじ◆
 スタートの号砲がなり、いよいよ2年待った乗鞍への登りが始まる。妻子が応援しているのを確かめてから、ギアチェンジして前へ出ていく。十分なアップをしていないくせに、2年ぶりに走れる嬉しさからか、自然とペースがあがってしまう。心拍数は早くも 170を越えている。
 前方に URATAさんを発見。やはりアップ不足で、ゆっくり走っているようだ。いったんは前に出たが、直ぐにズルズルと後退していく。第1チェックポイントでのタイムは約25分、やはり90分がぎりぎりのペースか?どう考えてもペースアップはできそうにないので、早くもタイムは考えないで走ることに決定する。
#これは、年齢とともに状況判断が早くなってきたからであって、決して年のせいであきらめが早くなってきたわけではない。

 MTBクラスの TOPの人たちがドンドン追い抜いていく。自分より前にスタートした若いクラスの人たちを抜くときは、まさしく”アスリートおやじ”なのだが、抜かれるときは”ただのおやじ”に成り下がる...(^^;)
 なんと、先に行ってしまったはずの niftyのブッチさんが、チェーントラブルで遅れていたが、復帰したら風のように走っていった。

◆激坂の走り方?◆
 中間点まではひたすらサイクリングモードで、心拍計の数字もあがらない。 自分では第2チェックポイントまでのコンクリート舗装のあたりが一番の山場だと思っていたのだが、FunRide誌の「 yabemanの乗鞍攻略法」によると、第2チェックポイント後の坂が一番の激坂らしい。これらの激坂では、必ず辛くなって急に自転車を降り押し始める人がコースをふさぐので、コーナーのかなり手前から、前を行く人の状況を見ながらコース取りを考えなくてはいけない。
#と言っても、インコースは辛いので単純に一番アウトコースを走りペースを調整するだけなのだが...(^^;)

 ここらあたりまでに、TCNジャージを着た、まるねさん、yumaoさん、Ryouさんにお会し、”初めまして・・・”のご挨拶をする。
”ホームページ見てますよ。”と言われると、うれしい。

◆焦げたメインディッシュ◆
 第2チェックポイントをすぎてからは、元気のあるときは 23Tで走って、疲れてくると 26Tでサイクリングモード。回復するとまた 23Tを回すというパターンで、ペースが全然安定しない。もう少し一定のペースで走った方がタイム的には良くなるのだろうが、気持ちよく走った方が良い。

 ゴール 3,4km手前になるといつもなら雪渓やはい松の海といったすばらしい景色が見えてきて、少しは気分が紛れるのだが、今回は霧のためひたすら忍耐の走りが続く。最後に楽しみにしていたメインディッシュを焦がしてしまったようで気分が悪い。
 タイムが悪いなりにも、ゴール前で刺されると気分が悪いので、周りの同じクラスのゼッケンを確認する。人生の辛苦を味わったおやじらしい考え方だが、おかげでとりあえずのんびりゴールできそうだ。
 あいかわらず視界が悪くてゴールの位置が全く見えない。ゴールして下山を待つ人たちの激励の言葉が心にしみる。
 ”がんばれ、あと 200mだ!”張り切ってペダルを踏み込む。しばらくしてまた声がかかる。”ガンバレあと 300mだ!”???あれ???もちろん言っている人に悪気はないし、どっちにしても、すでに 100m単位の距離感はない。
 最後の坂を上りきってゴ〜〜〜ル。昨年からの測定方式が功を奏していて、ゴールの混雑はない。かなり余裕を持ってゴールしたつもりだったが、標高のせいか呼吸が苦しい。

◆ゲキ坂をゲキ走するおやじにゲキを飛ばすおやじ◆
 下山の列に並んでいると、”SLOWさん、ガンバレ!”の声が。声の方を見ると目に飛び込んできたのは力強くダンシングする TCN の SLOWHANDさんの姿だった。ゴール手前であれほどの力強さを温存しているとは恐るべし坂馬鹿おやじパワー。乗鞍の楽しみの一つに、おなじようにガンバっている全国のおやじの姿を見ることがある。若い頃なら、自分よりがんばっている人を見ると、悔しさの方が強かったのだが、今はうれしくなってくる。

 待っていたところで、天候は回復しそうにないので、下山することにする。
雨が強くなってきて、ブレーキブラケットを握りしめたままのダウンヒルを強いられる。
 下に着く頃はどうにか雨も止んで、日差しも戻ってきた。
 毎度のことなのだが、ゴール手前で一度は時計を見るのだが、ゴールのタイムを取り忘れてしまう。
#タイムを取り忘れるのは、呆けが始まったからではなく、ゴールの感動に浸っているからである。


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