Northwind Passasge - 北風紀行 -
走破 - 津軽線 -
青森 6:04-(323M)-6:59 蟹田 7:17-(325D)-7:56 三厩
5月2日、晴。「日本最大の旅客鉄道」完乗まであと1線、55.8km。
早朝の青森駅に〔白鳥〕の血を受け継ぐ最長距離昼行特急〔いなほ8号〕が停まっている。2ヶ月前は雪の積もる暁のホームだったが、いまはすっかり朝の雰囲気。
津軽線は津軽海峡線とローカル線が同居する路線。ローカル列車はふつうはディーゼルカーか701系だが、朝一番の蟹田ゆきは特急車両。2編成が朝の津軽線でアルバイト運用 (平日1.5/休日1往復) をしている。
停まっていたのは、国鉄色の485系電車だった。昨2000年に〔スーパーはつかり〕が登場して半数がE751系に、残る〔はつかり〕も3000番代リニューアル車で運用することになっているが、たまにこうして国鉄色が走る日もあるようだ。
奥羽本線と別れると、左手に青森運転所。JNRマークを輝かせて寝台電車583系が停車していた。〔思い出の583系はつかり〕に使われた編成、このあと〔はくつる81・82号〕〔はつかり133・134号〕としての運転もある。いまや希少価値のある「国鉄色特急電車」、583系原色はここだけだが、車齢も30年を超えており、東北新幹線が八戸延伸され〔はつかり〕がさらに北へやられる来年あたりが潮時かもしれない。
海岸に近いところを走るわりに、海はなかなか見えない。その海がようやく見えてくると蟹田(かにた)、ここでディーゼルカーに乗り換える。海峡線の見かけ上の起点、中小国(なかおぐに)は田んぼの中の無人駅で、三厩方面の列車だけが停車する。そして本来の起点 新中小国信号所で海峡線が分離。やがて新幹線規格になる線路を右に送りだすと急にローカル線色が濃くなり、津軽線は山中に分け入る。
山を一つ越えると海峡線が右手から近づいて津軽二股(つがるふたまた)。となりには津軽今別(つがるいまべつ)駅。隣接していることはよく知られているが、あくまでも別の駅だ。ここまで津軽線自体を乗せかえてしまってもいいような気もするが、もともと新中小国から管轄会社が違うのでそうもいかなかったのだろうか。
JR東日本「さいはて」の駅、三厩 | 駅前から龍飛崎ゆきのバスが出る |
津軽浜名を出ると津軽海峡が右に見えて、そして終点、三厩(みんまや)。民営化から14年と1ヶ月、JR東日本の全線 7,417.1km を乗り終えた。
終点三厩から竜飛崎へ向かう青森市営の路線バスは3月末で廃止され、時刻表だけ見ていると竜飛崎への交通機関が無くなってしまったようにみえるが、実際には竜飛崎の巡回バスが同じように出ている。
この路線バス、青森市から遠く離れているのに青森市営なのが不思議だったのですが、「蟹田・上磯(三厩)地区等を運行していた青森バスを吸収したためで、この路線もその当時の名残です」という情報を地元出身の中村啓介さんからいただきました (ありがとうございます)。調べてみたところ、1954年に青森市交通部による青森バス株式会社の営業譲受が行われ、町村合併の大きな要素になったとのことです。 (2002.8追記)
→ 青森市営バス(青森市交通部) : http://www.bus.city.aomori.aomori.jp/