FURIKO de SHIKOKU

第7走者 : 宇和海1号 〜 2000系 (JR四国) 〜


松山 6:49-(4001D)-8:20 宇和島
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8月7日。乗り継ぎ行の締めはふたたび〔宇和海〕。トレインマークには愛称の由来となった、宇和海(うわかい) (豊後水道南部) に沈む夕陽が描かれている。が、実際に〔宇和海〕が海を眺められる区間はほんのわずかしかない。先頭車はグリーン車と普通車指定席だが、見ると普通席は16席しかない。これでは座席がすぐ埋まってしまうわけだ。この車両が増備されていた1990年代前半はまだバブルの頃で、各社ともグリーン車の充実に力を入れており、今振り返ると少々やり過ぎだった感もある。

内子線をふたたび通り、伊予大洲。高速道も今はここまで、だがいつかは宇和島へ延び、この列車も影響を受けずにはいられないだろう。山間を走り、八幡浜(やわたはま)に着くと「九州連絡 別府・佐伯方面」の案内板が見える。国鉄時代には民間航路との連絡運輸も広く行われており、その名残だろう。

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列車はふたたび卯之町(うのまち)へ向けて山を上りだし、トンネルを抜けるとミカン畑の向こうに海が見えた。降りきった伊予吉田で宇和海の海辺をかすめて、闘牛の街・宇和島に到着。東京から1,300kmあまり、確かに振子特急を乗り着いで到達することができた。

八幡浜から船に乗ると、別府ではJR九州の〔ソニック〕883系・885系が待っている。博多に着けば白い〔かもめ〕885系で長崎まで行ける。私の行程はこれから予土線で窪川へ、土讃線・土佐くろしお鉄道で宿毛(すくも)、返して高知・阿波池田から徳島経由で鳴門・高松へ。その行程のほとんどが2000系という「振子三昧」の旅を続ける。


そのほかの車体制御

空気バネを使った簡易姿勢制御

先頭車が曲線に入ったことを検知して、空気バネの圧力を調整させて車体を内側に傾ける。強制車体傾斜方式の一つである。傾き角度は最大2度。

日本ではJR北海道の201系気動車で実用化され、つづいて261系気動車 (スーパー宗谷)にも採用、名鉄の新空港連絡特急むけに製作された1600系でも1編成で試用中。

油圧による強制制御

小田急で試験が行われたものの実用化されなかった強制制御方式であるが、その後の技術革新によって高度に制御することが可能になった。海外ではこの方式の採用例が多い。

JR東日本が年に試作したE991系高速試験電車「TRY-Z」では、位置計算に基づいて油圧により車体を内側に傾斜させる方式を採用した。振子方式と違い車体上部が振れるため、車体断面は馬蹄形をしていた。なお同車はすで廃車解体されている。