Northwind Passage - 北風紀行 - (part-2)

津軽半島めぐり - 津軽鉄道・青函トンネル記念館 -


三沢 14:29-(1011M:白鳥11号)-15:17 青森=津軽五所川原 17:02-17:42 津軽中里 17:47-18:22 津軽五所川原

三沢に戻って485系〔白鳥〕に乗り、青森に降り立った。ここからはレンタカーを使い、一日かけて津軽半島を回る。まず五所川原市へ向かうと、予定していたより一本前の津軽鉄道線に乗れそうだ。JRだと弘前も近い川部まで行かなければならず、こちらは大釈迦(だいしゃか)から近道できるのだった。

津軽五所川原駅はJR駅のとなりにあった。50円玉が使えないというちょっと変な券売機にてこずりながらもきっぷを買い、JR共用の跨線橋を通って津軽鉄道のホームへ。津軽21形には「走れメロス」の名称がつけられている。名物・ストーブ列車を残し、ここも車両を空調完備の新型車に刷新した。でも、ここも喫煙はできるんだな……。

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築堤を走る「走れメロス」 後ろに津軽富士・岩木山が霞む (2003.5 芦野公園-川倉)
[Nikon D100, AF-S Nikkor ED 80-200mm F2.8D (IF)]

津軽五所川原〜金木(かなぎ)間は腕木式信号下でのタブレット交換、金木〜津軽中里(つがるなかさと)間はスタフ閉塞。話に聞いていたが、ここのスタフはバトン形の純正スタフだった。硬券を求めて折り返し、帰りの列車はダイヤ構成の関係か、一部の駅を通過して行く。黄昏のころ終着。


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翌5月1日朝、車で芦野公園(あしのこうえん)駅に向かった。ここは文字通り公園の中にあり、春は桜に包まれる駅として撮影名所になっている。桜はもう満開を過ぎ、昨夜また降った雨でもだいぶ散らされたようだ。きょうはまた晴れ上がり、ときおり風に吹かれて散る花びらが線路上を舞った。


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さらに国道339号線・竜泊ラインを北上して竜飛崎へ。有名な「階段国道」を体験して、青函トンネル記念館に行く。ここ竜飛はトンネル工事の本州方基地だった場所で、斜坑経由で竜飛定点の「体験坑道」へ降りるケーブルカーを鋼索鉄道として営業運転している(4月下旬〜11月中旬)。

トンネルを強制換気するため風が吹き降りているので、線路の前に防風扉が降ろされている。乗客の出入口を閉鎖してから扉が開くと、斜坑がまっすぐ下に延びていた。


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体験坑道ケーブル斜坑を下る
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ここはケーブルカーとしては珍しく(もとよりケーブルカーとして作ったのではないから)、1台の車体だけを巻きおろす方式。アラーム音を響かせてトンネルをゆっくりと降りてゆく姿は工事トロッコの雰囲気だ。7分で地下140mの体験坑道駅に到着、線路は闇の中へ消えており、たぶん先進導坑まで続いているのだろう。

生暖かいトンネル内で係員の説明を受けながら約30分で体験坑道を一周し、次の見学者と入れ替わりにケーブルカーで地上に戻った。本州最北端の私鉄で、東北地区の現役鉄道路線をひととおり乗り終えたことになる。


飛翔ふたたび - 津軽海峡線 -


青森 18:12-(1017M:スーパー白鳥17号)-20:09 函館

日本最長昼行特急〔白鳥〕が廃止されるということで、全区間13時間を乗り通したのが2年前。また〔白鳥〕に乗るとは想像もつかなかった。今度はJR北海道の〔スーパー白鳥〕で、海峡を越える。発車を待つ上野ゆき〔あけぼの〕の隣にJR北海道の最新型特急789系が滑り込んできた。

多客時で8両に増結しているが自由席は2両、しかし連休谷間の平日ということをさしひいても拍子抜けするくらい空いている。そんなに悪い時間帯でもないはずだが……やはり青函の流動はこんなものなのかとも思えてくる。

蟹田(かにた)から海峡線内は普通列車がなくなって、特急券無しでも乗れる区間だが、18きっぷシーズンでもないため流入はなし。津軽今別に停車するところで最前部の「ミニ展望台」――貫通路に赴き、青函トンネル突入の瞬間を待った。さっきも寄ったのだが、列車通過時刻を外れていたのでトンネルポータルしか撮れなかった。

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青函トンネル進入! (津軽今別-竜飛海底)
[Nikon D100, AF Nikkor 50mm F1.4D]

トンネル内140km/hの速度は上り坂に転じてもほとんど落ちず、25分で「ゾーン539」を通過。あたりはすっかり闇に沈みこみ、木古内から海辺に出ると右手には函館の夜景がまたたく。