韓国のピアニストEun S. Kim によるモーツァルトの曲の演奏です。Kimは、大学の音楽科で講を受け持ち、ダンス科でのピアノ演奏者も務めているということで、これは、Ballet Class for Juniorとあるように、バレエのレッスン用に作られたＣＤです。 バレエ音楽の中には退屈なものもありますが、バレエ音楽ではないモーツアルトの曲を使っているところが一味違うところです。

　

かねてから、「バレエパラダイスショップ」の 「店長日記」を読むことが好きで、このサイトはよく見ていたのですが、ふと商品リストのこのＣＤに目が留まり、 モーツァルトの曲ということで買ってみました。収録されているのは全部で31曲で、オペラ「魔笛・フィガロの結婚」、バレエ曲「レ･プティ･リアン」、ドイツ舞曲、ピアノソナタ、ロンド、ピアノ協奏曲、クラリネット協奏曲、フルート四重奏曲、メヌエット、セレナーデそして交響曲と、広くモーツァルトの作品からとっています。演奏時間は全部で約60分です。 バレエのレッスンの伴奏とはいうものの、大好きなモーツァルトの曲を一度に聞くことが出来るのは有難く、とても気に入りました。

　

バレエを志す子供向けのこともあって、バレエ用に可愛らしくアレンジした曲を、 ちょっとオルゴールぽいピアノの音で楽しめます。 バー･エクセサイズ、センター･エクセサイズの２部構成。 前半のバー･エクセサイズは、フロアでのウォーミングアップ、ピルエ、バットマンなど基本的な練習、 後半のセンター･エクセサイズは、アダージョ、ピルエット、アレグロなどの応用編となっています。 Kimは、実際にダンスのピアノ演奏を務めているだけあって、バレエを習う子供達の気持ちをよく理解しているようで、 自然に踊りたくなってしまうような、楽しく美しい編曲と演奏です。きっと、Kimは、クラシックバレエをこよなく愛していて、モーツァルトの清らかな旋律と軽やかなリズムが、 バレエの世界に自然に溶け込むと感じたからでしょう。かってデヴィッド・ビントレーが、モーツァルトの喜遊曲をバレエにした ことがありましたが、もともとモーツァルトの音楽には、優雅なクラシックバレエの世界に通じるものがあるのでしょう。 このCDを聞いていると、天使のように可愛らしいバレリーナの卵たちが、未来のプリマを夢見て、懸命にレッスンに励んでいる姿が目に浮かんできます。

　

Ballet Class for Junior on Mozart：Eun S. Kim