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ルパンシリーズ
表 紙絵美術室


<南欧各国版展示室>

 ここではそれほど冊数が出ていない南ヨーロッパ各国のル パン本をまとめて展示します。

<ギリシャ語版>
ギ リシャにおけるルパンシリーズの受容のほどは分かりませんが、ネットで当たってみると全部ではないものの訳本は出ているようです。ここには紹介しません が、フランスで出た漫画版の翻訳も出版されてました。

ΑΓΡΑ
1980年代に出たもの。
ΑΡΣΕΝ ΛΟΥΠΕΝ ΕΝΑΝΤΙΟΝ ΧΕΡΛΟΚ ΣΟΛΜΣ  Η ΚΟΥΦΙΑ ΒΕΛΟΝΑ 
「ルパン対ホームズ」だそうです。この写真の人はルブランにも見えるけど… 「中空の針」、すなわち奇岩城。

☆ΛΥΧΝΑΡΙ 版
1980年代に出たものらしいのですが、一部作品しか見当たりません。
ΟΙ ΟΧΤΩ ΧΤΥΠΟΙ ΤΟΥ ΡΟΛΟΓΙΟΥ ΤΟ ΚΟΡΙΤΣΙ ΜΕ ΤΑ ΠΡΑΣΙΝΑ ΜΑΤΙΑ 
「八点鐘」なんだそうですが、こんな場面あったっけ。 「緑の目の令嬢」だそうですが、これも覚えがないシーン で。

☆ΕΡΑΤΩ 版
1990 年代から2000年代に出た模様。フランスの昔の表紙絵をそのまま使ってますが、違う作品の絵を使うものもあります。
Η ΔΙΠΛΗ ΖΩΗ ΤΟΥ ΑΡΣΕΝ ΛΟΥΠΕΝ  ΤΟ ΝΗΣΙ ΜΕ ΤΑ ΤΡΙΑΝΤΑ ΦΕΡΕΤΡΑ
Η ΚΟΜΙΣΣΑ ΚΑΛΙΟΣΤΡΟ Η ΕΚΔΙΚΗΣΗ ΤΗΣ ΚΑΛΙΟΣΤΡΟ
「アルセーヌ・ルパンの二重生活」。つまり「813」です。 この表紙はフランスでは「カリオストロ伯爵夫人」のはずですが、こちらでは「三十棺 桶島」です。 こ れが「カリオストロ伯爵夫人」。フランスでも同じ表紙があったようですが、どの話だったっけ。 「カリオストロの復讐」。この表紙もフランスでは違う話の表紙だったような…。

☆Ερατώ 版
2011年に出ている最新版。
Αρσέν Λουπέν, αριστοκράτης λωποδύτης το κρυστάλλινο πώμα 
「アルセーヌ・ルパン、泥棒貴族」といったタイトルのようです。表紙は「逮捕」で しょうか。 「水晶の栓」。フランス版のネタばれ表紙そのままです ね。

Δημοσιογραφικός Οργανισμός Λαμπράκη
2011 年に出たもの。
Η κούφια βελόνα 
「中空の針」。何にビックリしてるんだろ?


<ポルトガル語版>
 ポルトガ ル語ではアルセーヌ・ルパンは「Ladrão de Casaca」と するが定番のようです(Wikipedia ポルトガル語版ではこの語でルパンの項目が立てられてます)。直訳すると「コートの泥棒」となるのですが、この 「Casaca」が紳士服も表すようなのでこれで「怪盗紳士」になるということのようです(ポルトガル語に詳しい方、ご教示いただければ幸いで す)。なおこの「Ladrão de Casaca」はヒッチコックの映画「泥棒成金」の訳題としても使われてまして、ポルトガ ル語圏ではどっちの話なのか注意が必要です(も ともと設定的に似てる話ではあるんですが)。なおポルトガル語版はポルトガル本国だけでなくブラジルで刊行されている場合もあ ります。

☆Vecci版
1950 年代に発行されたもの。やたらにぎやかな表紙絵が楽しい。
Arsene Lupin Contra Herlock Sholmes A Agulha Oca  Confidências De Arsène Lupin  O Estilhaço De Obus O Triângulo De Ouro
「ルパン対ホームズ」。ホームズらしき人が足蹴にされてる… 「中空の針」。つまり「奇岩城」なんですが、潜水艦のシーンを表紙にしてるのが意 外。バカに楽しそうなルパン(笑)。 「ルパンの告白」。これは「地獄の罠」のシーンですね。 「砲 弾の破片」。ルパンはちょっとしか出てこないはずなのに。 「金 三角」。確かに内容をちゃんと絵にしてますが、コラリーさん、色っぽ過ぎる…(^^;)

☆Nova Fronteira版
1980年代にブラジルで出たものらしく、時期により表 紙にバリエーションがあります。一部しか見つけてませんがほぼ全集状態のようです。
Ladrão de Casaca  813 Os Dentes Do Tigre A Condessa de Cag
liostro
A Vingança Da Cagliostro
「アルセーヌ・ルパン-怪盗紳士」1988年版。 「813」。 「虎の牙」。 「カリオストロ伯爵夫人」1980年代版。 「カリオストロの復讐」。
Arsene Lupin Contra Herlock Sholmes A Agulha Oca As Oito Pancadas Do Relógio
こ ちらは1970年代バージョンの「ルパン対ホームズ」。 やはり70年代バージョンの「奇岩城」。内容の見当が付きません。 「八点鐘」。

☆Editora Ática版
1998 年にブラジルで出たものらしいです。
Arsène Lupin  Ladrão de Casaca 
「怪盗紳士ルパン」。なかなか渋い表紙です。

☆Nova Fronteira版
2011 年発行のもの。
O LADRÃO DE CASACA  
「怪盗紳士」らしいのですが、えらく不気味なルパンで…


<スペイン語版>
 ス ペイン語版といってもスペイン本国とは限らないので注意。調べた限りではシリーズのごく一部のものしか出ていないようです。「カリオストロ伯爵夫人」が妙 に多いのは何となくスペイン人好みの内容なのかな、という気も。名前はイタリアと同じく「アルセニオ・ルパン」となっています。

☆Tusquets版
1975 年にミステリ文庫シリーズの一つとして刊行されたもの。
La condesa de Cagliostro 
「カリオストロ伯爵夫人」。いや〜日本では考えられないほどアダルトチックな表紙 絵。

☆Bruguera 版
1982 年にミステリシリーズの一冊として出た模様。
EL TRIÁNGULO DE ORO 
「金三角」。内容を知ってる人には実に分かりやすい表紙絵です。

☆ANAYA版
1994 年の刊行。この一冊だけなのかな?
EL TAPÓN DE CRISTAL 
「水晶の栓」。「T」の字が「栓」の絵になっています。

Edhasa
2000 年代の最新版。
Arsenio Lupin, caballero ladrón Arsenio Lupin contra Herlock Sholmes  
Arsenio Lupin y la aguja hueca  Arsenio Lupin
813
Arsène Lupin. La Condesa de Cagliostro 

「怪 盗紳士ルパン」。おなじみのフランス最初の単行本のイラストが使われています。 「ル パン対ホームズ」。良く見ると宿敵の影が映っています。
「アルセーヌ・ルパンと中空の針」。背景にあるように「奇岩城」です。 「813」。 「カリオストロ伯爵夫人」。一転してアメコミタッチ。伯爵夫人が怖いです(汗)。こ れとは別に映画とタイアップして写真を使ったものもあります。

☆ おまけ:Portada Comics版の「Arsenio Lupin」
詳 しい事情が分からないんですが、「Arsenio Lupin」で画像検索かけてると、このスペイン語コミック版の表紙がいくつもヒットします。ルパンの漫画版かと思いきや舞台は現代(70年代?)らしい ですし、 やってることは「三世」のノリ。調べると同じくフランス怪盗のファントマスのシリーズもあってこちらも原作とほぼ無関係にキャラだけ使ってるようです。ど この国で出てるものかも分からないんですが、参 考までにいくつか載せておきます。
いちばん「ルパン」っぽい表紙。 ルパンと妖怪大戦争? 今度はカーレース!?花嫁は誰? 元祖ルパンもバイクに乗っておりましたが… 古代エジプトの秘宝?ついに時空も超えた?


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