以前は、パイプによって同じタバコでも味が違うとは思わなかった。もちろん、いつも同じ味ではない。でもそれは自分の体調やタバコの詰め方・燃え方、パイプの銜え心地などのせいだと漠然と思っていて深く考えることはなかった。
しかし最近、ネット上で探求心あるパイプ愛好家の人たちの意見を聞くうちに明らかにパイプによって味が違うと考えるようになった。考えてみれば、長年パイプ喫煙を続けていてつい手は伸びるパイプと、デザインは気に入っていてもいつしか使わなくなったパイプがあり、美味しく喫煙できるパイプをよく使っているんだ。当たり前だよなあ・・。
美味しく喫えるパイプという観点で自分のパイプを改めて使ってみると、まったくその通りで使用頻度が高いパイプが美味い(笑)。
カーボンについても考えが変わった。以前のページに「カーボンがついてないと美味しくない」と書いたけれど、最近中古のパイプでカーボンをすっかり取ってリストアしたパイプも美味しいし、HeeschenやBeckerの新品のパイプを喫った時ははじめから美味しかった。どうもカーボンとおいしさは関係ないのではないか?極論すればカーボンを着けなければ美味しくないパイプはパイプとしてレベルが低いのか?などと思ってしまう。
というわけで、最近出会った「美味しいパイプ」。作られた年代も国も違うけれどみな素晴らしいパイプだ。
左はDunhill CK 1968。これは感動的に美味しかった。グループ4にしては小振りでころころして実にかわいいパイプ。
中は最近のPeter Heeschen。ブロー・フィッシュってシェイプはあんまり興味なかったのだけど、やっぱりHeeschenはいいなあ。複雑なデザインだけど手になじむ。そしてはじめから驚異的に美味い。
右はLHSのビリアード。20世紀初めのアメリカのメーカー。これは1920年代のものらしいが、なんと未使用だった!作られて80年以上たって極東の国で初めて火を入れられるとはねえ・・。ちょっと感動。ベークライト製と思われるねじ式のステム。木部は柔らかな手触りで傷や埋め跡は一切無く、はじめから実に美味しかった。これがケース付で100ドルもしないとは・・うーん便利な世の中になったもんだなあ。
リンクのページにOldBriarさんの"Ye olde Briars"を追加。パイプ愛好者必見のサイトです。
写真上は、DUNHILL'S "SHELL" 117/21 PAT.MAR.9.15&1341418/20。eBayで思ったよりずっと安く落札できてうれしかった。
このパテント・ナンバーがあるシェルは1920-23のものらしいが、日本で言えば大正9-12年だ・・。ジャズで言えばルイ・アームストロングがOKレコードに"West End Blues"を吹き込むより前のものということになる(笑)
磨き上げるとビットが多少すり減っている以外はとてもきれいになった。深いブラストは長年の使用によって柔らかい感触になっている。小さい象牙色のホワイト・スポットの太くて長いがっしりとしたREGナンバー付のマウスピースも無傷。ボウルの肉厚がとても薄い。こんなに薄いダンヒルは初めて。下記のBarlingも薄いがこれが戦前仕様なのかな?最近のベッカーのパイプを連想させるけど、ベッカーはこの辺のパイプを意識しているのかしらん?
ともかく薄い肉厚にかかわらず、熱くならなくてクール。思ったよりタバコの味が優しい。
写真下は、BARLINGS MAKE 1992 EXEL 。"PREEDY"という刻印があるけどどういう意味なんだろう? (OldBriarさんのページでタバコ屋さんの屋号であることがわかりました。Barlingのパイプは販売店の名入りのものも多いようです)1992は92年製ではなくシェイプナンバー。Fine Pipeによれば1940年代のものだそうだ。大振りのサドル・ビリヤードだけどものすごく軽いので驚いた。そしてボウルはとても薄いのに加熱しない。やはりパイプはブライヤーの質なんだなあ・・・。ラタキアものがとにかく美味い。
写真中は、SASIENI EIGHT DOT PAT. No 1513425 シェイプナンバー44。Briar Bluesに出たので迷ったけど買ってしまいました。なにしろG.L.ピースのサイトで紹介されているのとそっくりのパイプだったし、すごくきれいな戦前のエイト・ドットがそうそう手にはいるわけないし・・と言い訳(笑)届いてみるとほんとに美しいプラム・カラーのアーミー・プッシュ。ボウル・トップにわずかなへこみとマウスピース裏のトゥース・マークがあるくらい。G.L.ピースさんのサイトの写真と比べてみたら驚いた。・・木目が同じ・・そのものじゃん(笑)
彼のコレクションがBriar Bluesを通して売られることがあるとは聞いていたけど、自分の所へ来るとはなあ・・ちょっとうれしい。ただ、ホールマークの位置が少し異なっている?Briar Bluesのマイクさんに聞いてみたけどわからないって。年代はマイクさんは1941年だと確信しているそうだ。G.L.ピースのサイトではホールマークは1926年のものだという。まあ古いものであることは確かだ。サシエニらしい豊かなタバコの味。
eBayで古いSasieniの4本セットを手に入れました。状態のいいこれはっ!という物はなかなか落とせないのですが、この4本は「難あり(銀巻き修理・割れ・マウスピースに穴・・)」というものだったのでセットで80ドル少々で落札できました。ボロボロで使えない物かなあ・・と心配したのですが、届いてみたら自分が長年愛用しているパイプ程度の「難」で使用には全く問題ないし、どれも1940年代以前の逸品でした。これはうれしかったー!
写真左から、シェイプ名"DERBY"、戦前のフィッシュ・テール・ロゴとパテント・ナンバーあり。フラット・ボトムの実に粋なビリヤード。ボウル・トップに一カ所欠けがある。
二番目は、"BARCLAY" N、FOUR DOT、アップライト・ロゴとパテント・ナンバーがあるので戦後すぐの物かな。オーバル・シャンクのビリヤード。細かい木目がストレート・グレインになっている。ボウル・トップにわずかに割れ目があるのが残念。
三番目は、"NORFOLK"、フィッシュ・テール・ロゴとパテント・ナンバー。小振りのアップル・シェイプで、このパイプ驚異的にタバコが美味しい!「難」はマウスピース・ビット裏に小さな歯による穴があるのとテノンが削られていてステム・ルーズになっていること。どちらも使用には問題なし!これと最後のパイプはステムのフォア・ドットがライト・ブルーで上記2本より少し小さい。時代が古いということかな。
最後のパイプはシャンクに小さな割れがあり銀巻き修理されている。しかしみごとな銀巻きでかえって格好良いぞ。ボウルの薄いスマートなダブリン・シェイプで木目もほぼストレート・グレインだ。ただし、銀巻きのせいで刻印が見えない。MADE IN ENGLANDのフットボール・ロゴとLONDON MADEの一部(Lだけ)が見えるだけ。うーん、フォア・ドットが小さいライト・ブルーだから戦前の物ということにしよう。
どれも思いっきり使い倒されてきたパイプだ。古いパイプはいいなあ。なんといってもタバコが美味しいし、自分が生まれる前につくられて長年愛用されてきたものだものなあ。前の持ち主はたぶん亡くなったのだろう。これからは僕が大事に使っていくよ。
僕が利用したことのあるショップを中心に紹介します
海外パイプ関係ネットショップ案内
海外のパイプを扱うネットショップで中古パイプをいくつか買っているうちに興味の中心が古いパイプに移ってきた。
それを決定的にしたのが写真のSasieni FourDot patent "Victoria s"。刻印から1947年頃のパイプだけど、なんて素晴らしいんだ!手触りといい木目といい喫い心地といい、最高です。
中古専門の"Fine Pipe"で買ったのだけど完全にレストア済みで新品同様だった(さすがにマウスピース・ビットのすり減りはある)。
僕がパイプを始めた70年代はダニッシュ・ハンドメイドが脚光を浴びていた時代で、イギリスのマシン・メイド・ブランドはダンヒル以外は普及品扱いだった。それも輸入されていたのはComoy, Charatan, BBB, Orlik, GBD, Parker・・くらいかな。
最近、ネットでパイプのことを調べると20世紀前半のパイプメーカー、イギリスではSasieni, Barling, Loeweなどを中心に素晴らしいパイプをつくり、現在もそれらをこよなく愛する人たちが多くいることを知ってますますパイプ趣味に拍車がかかりました。
ついに海外オークション・サイトのeBayに参加するようになり、毎日アップされる古パイプに心をときめかせている今日この頃です(笑)
自動車や自転車に乗りながら喫うパイプは、気楽に銜えっぱなしにできる軽めのフル・ベントがいい。
最近よく使うのがこの二本。Peterson standard system312 sandblastとCastello searockbriar93(natural vergin)。
勤務場所が完全禁煙になってしまったので、自転車で片道30分の通勤時間が貴重な喫煙タイムになってしまった・・(もちろん人通りの多いところでは喫いませんよー)
このピーターソン・スタンダードシステムはもう30年近く愛用していて、去年穴が開いて折れたステムを交換した。このパイプは酷使してきました。真夏の砂浜、真冬の雪かき、雨の中、台風の中(笑)でも喫ってきた。最近303シェイプを買ったのだけど、こちらは少し大きくて重いので自転車ではきついかな。あと、僕のはサンド・ブラスト仕上げだけど最近のスタンダードシステムはサンドはなくてラスティック(彫り)仕上げになっているようで残念。
カステロ・シーロックは最近中古で手に入れたのだけれど、これは大当たりだった。大きいけれど実に軽くてバランスが良い。30分自転車に乗っている間全くパイプに触れることなくきれいに煙草が燃焼する。
自転車に乗っているときは万一落としたときのことを考えるとサンドかラスティックの方がダメージが少ないようなきがするんだよね。車を運転するときはスムース仕上げのフルベントも使う。主にピーターソンのデラックス・システムだなあ。ストレート・タイプの軽いやつでもいいのだけれど、もし事故ったらのどに突き刺さりそうで怖いような気がする(考え過ぎか・笑)
Dunhill Shell Briar。ダンヒルの黒のサンドブラスト仕上げのパイプは独特の魅力がある。
荒々しいほどの深いサンドブラストの彫りが長年使っているうちに優しい肌合いになっていく。
手元にある三本を紹介します。
liverpool 3110 (1985)は長年パイプ・ケースに入れて持ち歩いて連日使用しているので、赤っぽい下地が透けてなめらかな肌触りになっています。
billiard 41032 (1981)は上記のリバプールより前に買ったのですが家の中だけで使用しているせいか優しく黒々としています。
apple 51011 (1981)は、ほとんど使用していない状態で最近うちに来たもの(「パイプ・スモーキングのページ2004」参照)なので一番荒々しさを残しています。ボウル正面の斜めに入った木目の隆起が素晴らしいです。
Astleys"No.99 Royal Tudor"。"No.109"のヴァージニア・フレークが気に入ったので、ラタキアものも試してみた。上品なイングリッシュ・ミクスチャーだ。"full latakia mixture"と書いてあるけどそれほど強烈なラタキア香でもない。まあまあ。
左はSamuel Gawith"Kendal Cream Flake"。ヴァージニア葉とバーレイ葉にわずかに着香してある。ミルク・ティーもような微かに甘い香りがなかなか良いがバーレイ葉のすこしいがらっぽい感じが気になるかな。ちょっと迷っているがバルク買いしそう。
右はTravern Tobacco co."Thunder Road"。ヴァージニア葉とペリク葉のブレンド。かなりペリクの酸っぱい香りがするが喫った感じは悪くない。ヴァージニア〜ペリクのタバコは数多く、もっと試してみたい。
写真の変てこなパイプは、Roger Wallenstein "Widow Hanlin"。ネットのパイプ屋さん(Smokers' Haven です)で見たとたん、なんだこれは!タンギーの絵に出てきそうな・・ハルキゲニア(カンブリア期始めのバージェス化石に見られる生物)みたいじゃないか!!と一目惚れ(笑)安かったので即購入。
吸い心地はどうでもいいやと思ったのだけれど、意外とバランス良く、いい感じ。ただし仕上げはちょっと粗い・・。興味ある方はここを見てみて。
缶が格好良いのでSolaniのタバコをいくつか試してみた。
"silver flake"はRed Virginiaと深炒りKentucky葉のフレーク。干し草のような香りが微かにする、オーソドックスなヴァージニア・フレークで悪くない。
"White & Black"はBlack CavendishとVirginiaとLatakiaのイングリッシュ・ミクスチャーだが、わずかにワインのような着香。毛色の変わったイングリッシュ・ミクスチャーでまあまあかな。
写真右端は"X Sweet Mystery"。これは着香タバコだ。いろんな果実の香りのミックスで、うーん・・たまに喫うには悪くはないが・・。
左に写っているのは、Garwith Hoggarth "Broken Scotch Cake"。甘い紅茶の香りがする明るい色の葉。ちょっとSmuel Gawithの"Grouse-Moor"に似ているかな。喫った感じは甘ったるくはなく少し酸味のあるさっぱりした感じだ。
写真のパイプは、最近外出時に持ち歩くことが多いPaolo Beckerのアーミー・プッシュのビリアード。オーソドックスなビリアード・シェイプかと思いきやボウルの下があごのようにとがっているのが面白い。驚くほど軽いスマートなパイプだ。ただし、ボウルの肉厚が薄いので無造作にふかすと熱くなる。深いボウルにヴァージニア・フレークをたっぷり詰めてゆっくり味わうと実に美味いなあ。
Beckerのパイプはマウスピースがアクリルなので噛み心地に初めはちょっと違和感があった。長年エボナイトのマウスピースに親しんでいたからしかたない。今ではアクリルの噛み心地を含めてBeckerパイプを愛用している。
G.L.Pease "Odyssey"。まさにラタキア・ブレンド!ラタキア好きにはたまらない。
McClelland "British Woods"。McClellandのイングリッシュ・ブレンド。ちょっと"Frog Morton"っぽいけど、なかなかラタキア風味が美味しい。
McClelland "St. James Woods"。深炒りのヴァージニア葉とペリクのブレンド。「深い森」のイメージ?まあまあ。
写真のパイプはウイークリ−セットからDUNHILL cumberland 52151 1981年製。大きい割に軽くて使いやすい。
はじめて喫ったときよりだんだん印象がよくなるタバコもある。
バルクで買ったEsoterica "Dunbar"。葉っぱはペリクの酸っぱい匂いがするのだが、喫うとヴァージニア葉の甘さがペリクのアクセントで引き立ち、なかなか美味しい。何度か喫うとすっかり気に入ってしまった。
Samuel Gawith "Best Brown Flake"も初めて喫った時はくせのないさっぱりした印象だったが、いろんなタバコを試しているとまたあの干し草のような香りの"Best Brown Flake"をまた喫いたいなあと思うようになった。これも常喫銘柄の一つに決定。バルクが品切れで缶入りを買ったら缶のデザインが変わったようだ。
写真のパイプはPeter Matzholdの白木パイプとベント・ブランデー。
Garwith Hoggarthの"Rum Flake"と"Bob's Chocolate Flake"(バルク)
"Rum Flake"はヴァージニア・バーレイにラム酒とヴァニラとlicoriceの着香。甘いんだろうなーと思ったら意外。ラムの香りがするが甘さはない。うーん、こういうのもあるのか。なかなか面白い。
"Bob's Chocolate Flake"はヴァージニア・ラタキア・バーレイにココアとヴァニラの着香。こちらは予想通りの味。チョコレートの甘さ。Samuel Garwith"Chocolate Flake"の方がさっぱりしていて僕は好きだな。
写真のパイプは1970年代によく使っていたComoy's sandbrast。ビリヤードとカナディアン。
ビリヤードの方はきれいなリング・グレイン。どちらも軽くて使いやすい。
Paolo Beckerの"Oliphant"シェイプのパイプ。 なんとも不思議なパイプ。
"oliphant"とは象牙の角笛のことらしい。
このパイプの形(ホーン・角笛シェイプと普通は呼ぶ)は1960年代からデンマークのハンドメイド・パイプでは時々見るシェイプだったが、僕は全く興味なかった。喫いにくそうだし。
ところが最近Beckerの"Oliphant"シリーズをネットで見かけるたびになにか惹かれるものがあった。他の作家のホーンと何か違う。
そしてG.L.Peaseのサイトでグレッグ・ピースがBeckerパイプに関するエッセイを書いていてこれが実にいいんだー。グレッグ・ピースが絶賛するパイプならまず間違いない。
喫いごごちは・・素晴らしい。手になじみ、思っていた以上に喫いやすい。
なにか「パイプではないもの」を持っているような不思議な気分になる。
ただ、どのパイプ・スタンド、パイプ・レストにも合わない・・。しかたないので粘土を詰めたパイプ・グローブでソファを作ってみました(笑)
安売りしてたのでBjarneのたばこを初めて買ってみた。赤いのは bjarne "the special one"。ヴァージニア・キャベンディッシュ・ラタキアのブレンド。少し酸味を感じるティン・ノート。ラタキア感ほとんどなし。何か着香してあり甘さが若干。
黒いのは bjarne "Flake de Luxe"。ヴァージニア・オリエンタルのブレンド。フレーク状の葉はSG"Best Brown Flake"のような香りがするが、ヴァニラのような甘い香りが付けられている。うーん、どちらもマイルドだが昔の言い方だと「ヨーロッパ・タイプ」だな。一缶吸えばもう十分。
手前のパイプはPeatersonの焼きメシャム。1970年代に銀座佐々木でほとんど使用していない状態の中古を買った。
買ったときはトップ以外はかなり白かったと思うけどだいぶ色づいた。最近ほとんど使っていなかったけどなかなかいいです。シェイプはシステムの312と同じだけどマウスピースはアーミー・プッシュになっていません。
奥はPeaterson "Dunmore"。同じ頃買ったはずだけどどこで購入したか記憶がない(笑)。マウスピース下側の歯の当たるところが穴が空いてしまいましたが十分使えます。
ピーターソンの銀巻きでない廉価タイプだったと思うけど、現在はこのグレードはなくなったみたいだな。
Dunhill "Durbar"。入手可能なDunhillもので唯一未体験だった"Durbar"の缶を開けた。素晴らしい香りだ。
MM965に似たラタキア・ヴァージニア・オリエント葉の香り。やはりこういうたばこが一番好きだなあ。実に美味い。
「美味い」としか言えないのは能がないが・・ダンヒルのラタキア・ブレンド、965Mixture, London Mixture, Standard Mixture, Early Morning Pipe, Aperitif, Nightcap・・・。それぞれの違いはイメージとしてあるのだが、言葉にするのは難しい。今日の感想は・・"Durbar"が一番美味い。次に965Mixture! "Dunbar"は965Mixtureに比べてすっきりしてるかな?イメージとしてはLondon Mixtureに近いような気がする・・。
Peter Heeschenのパイプにすっかり惚れ込んでしまった。なんとも手になじむ素晴らしい曲線。スムース仕上げのものは、これがブライヤーかと思うような柔らかく吸い付くような感触。どんなたばこもおいしく吸える(ような気がする)。
これは黒竹シャンクのブランデー・シェイプ。ちょうど扱いやすい大きさで軽い。
Esoterica Tobacciana "Stonehaven"。平たいプラスティック・トレイに入ったバルク。黒っぽいフレーク。これは久しぶりに味わう「重量級」たばこだ。吸い始めは、J.F.Germain "Brown Flake"に似たシガー・ライクな感じがしたが、濃厚で複雑な味。
結構強いたばこだ。気を引き締めて体調を調えてかからないと負けそう。ダーク・ヴァージニアにバーレイのブレンドだそうだが、パイプ・たばこをたっぷり喫ったという気になる。美味しい。
銜えっぱなしで喫える軽いパイプが欲しいとこれを選んでみました。Paolo Beckerのペンシル・シャンク。まさに鉛筆みたいに細くて軽いパイプ。火皿は結構大きいのでフレークを詰めれば1時間以上持ちます。
左の小さい缶は、J.F.Germain "Brown Flake"。火をつけたとたんに「この香りは何だっけ?」しばし考えて・・そうだ葉巻だ!シガー葉が入っているのかしらん?ヴァージニア葉だけではないみたいだな。まあシガー・テイストのマイルドなたばこ。まあまあ。
右は、Fribourg & Treyer "Evans Blend"。ヴァージニアとブラック・キャベンディッシュのブレンドと言うことだが、風邪気味のせいかほとんど味がしないぞ・・名前が格好いいので買ってみたが、今一つだなあ。
パイプは、Peter Matzhold。クラシックなベント・シェイプかと思ったら木目を生かして意外と角張っている。実にきれいなストレート・グレイン。去年入手したのだが1986年製でA〜CU のグレード分けをする以前のものらしい。
さて、今度はヴァージニア葉とペリク(圧縮して漬け物のように加工したたばこ)のブレンドの話なのですが、いろいろ試してみましたがどうも「これはっ!」というのに当たりません。ヴァージニア・ペリク・ブレンドは僕には向かないのかなあ・・たばこ道はきびしいです(笑)
写真左はA.C.Petersen "Escudo"。見ての通り縄状に固めたたばこを輪切りにしたもので、"Three Nuns"を思いだしました。前にも書きましたが"Three Nuns"は20代の頃、実に美味しいのでよく吸ったのですが注意してかからないと強いニコチンに負けて気分が悪くなる「強い」たばこという印象があります。(単に自分に合わなかっただけかもしれないなあ・・)
"Escudo"は"Three Nuns"ほど強くなく美味しく喫えました。
もう一つ中身が写っているのは、Cornell & Diehl "Bayou Morning Flake"。柔らかいフレークでチョコレートケーキか豚の角煮に見えます(笑)。ペリクの酸味はそれほど感じません。
その間に見えるのが Butera "Kingfisher"。小さい缶にカワセミの絵が実にいいのですが、バーレイ葉を含むブレンドで(ペリクも元はバーレイ葉らしいですが)どうもピンと来ません。
上の袋は Esoterica "Dunbar"。下の缶は Dunhill "Elizabethan Mixture"、右の瓶はバルクで買った MacClelland "#2015"、Tavern Tobacco "Laurel Flake"。うーん、みんなそれなりにおいしいのだけれど、僕はまずラタキア・ブレンド、そしてヴァージニア・ブレンドの方がいいなあ・・。もう少し「たばこ道」修行を続けます(笑)
写真のパイプは、Dunhill rootbriar billiard 51039 1980年製。大きくて長さがあり、手で支えていないと重いので出番は少ないです。刻印からシェイプは03(billiard)だけどシャンクの断面は楕円です。(この時期の刻印、最後の数字はシャンク断面を示しているのでしたっけ?どこかで読んだのだけど忘れてしまった・・)
パイプ喫煙を始めた頃に当時手に入るたばこをほとんど試してみたので、昨年から再びMM965以外のいろいろなたばこを吸いはじめたときも大体どんな味か予想できた。
ただ、Samuel Garwith "1792Flake"と"Perfection"には少し驚きました。これらは典型的な英国風フレークたばこやラタキア・ミクスチャーに香料が添加されているのです。昔、「英国ではパイプタバコに香料を添加するのは禁止されている」って読んだような気がするけど間違いだったのかな。
"1792Flake"と"Perfection"は気に入ったので、他の「アロマティック・イングリッシュ・ブレンド」(でいいのか?)を試しています。
まず、ラタキア・ブレンドに香料が加わっているもので、左からSmokers' Haven "Cognac Mixture"、Esoterica "And So To Bed"と"Pembroke"。右下は"Perfection"。
"Cognac Mixture"と"Pembroke"はコニャック、"And So To Bed"はアニス?、"Perfection"はヴァニラの香りが加わっていてどれもたばこ本来の味と香りを引き立てていて実に美味しい。
写真のパイプは、Dunhill shell billiard 41032 1981年製。
次に、ヴァージニア葉中心のフレークたばこに着香されているもの。左下のSamuel Garwith "Fire Dance"は香料きつすぎで僕には合わなかった〜人工的なフルーツ香。一缶吸ったけどもう買うことはないだろう。
しかし後ろの二つは気に入った。"Chocolate Flake"と"Sam's Flake"。どちらもマイルドで美味しい。"Chocolate Flake"は名前の通りチョコレートというかココアの香りだけど押しつけがましくない。"Sam's Flake"は和菓子を連想する上品な薄甘い香り。"1792Flake"より香りがずっと穏やか。
これらの「アロマティック・イングリッシュ・ブレンド」があれば"Blue Note"や"Autumn Evening"などの甘いたばこはいらないや(笑)。
写真のパイプは、Dunhill bruyere bulldog 3104 1987年製。
次はヴァージニア葉を中心にしたFlake(葉を固めてある状態)たばこから。
後ろの三つは前に書いたRattray "Marlin Flake"、Samuel Gawith "Full Virginia Flake"、"Best Brown Flake"。"Marlin Flake"と"Full Virginia Flake"は愛用品として定着しました。実に美味しい。
中段左、Astley "No.109"。これもちょっと違う味わいで気に入りました。
そしてFribourg & Treyer "Vintage"、"Cut Blended Plug"、"Cut Virginia Plug"の三部作(笑)なんですが、どれも上品でおいしいヴァージニア・フレークです(例によって違いを言葉にできません・笑)。あえて言えば赤缶が一番気に入ったかな。
正直言って味は"Marlin Flake"と"Full Virginia Flake"の方が好きです。ただこの缶の魅力!薄い缶にびっちりフレークが詰まっていてシンプルなデザインと持ち運びに便利な大きさ・・。"Cut Blended Plug"なんてこれで50g入ってるの?と思うほど小さくて気に入りました。
写真のパイプは、Dunhill bruyere bent rhodesian 42081 1980年製。たしかこれも銀座菊水の半額セールで購入したもの。サドル・マウスピースでとても吸いやすく美しいパイプです。
今度はヴァージニア葉を中心にしたReady rubbed(ほぐした状態)のものから。
まずRattray "Brown Clunee","Old Gowrie","Hal O' the Wynd" 。Rattrayのたばこはどれも気に入った。この三部作はよく似ているが違いを説明できません(笑)朝・昼・晩と吸い分けるのが良いのかな(笑)柔らかくふくよかなヴァージニア葉のうまみをたっぷり味わえます
左下はRattray "Black Virginia"。これは深炒りのヴァージニア葉がたっぷり入っていて、見た目は真っ黒だが軽くて香ばしい。これが一番甘く感じるな。美味しいです。
右上はRattray "Highland Targe"。たしかにラタキア葉も入っているけれどごくわずかな香り付けで、僕にはヴァージニア・ブレンドとしか思えない。軽くて美味しい。これはフル・ボディのラタキア・ブレンドとは考えられないなあ。tobacco reviewを見ると、昔の"Highland Targe"と現在のものは全く違う!(もともとイギリス製だが今はドイツで生産されているらしい)と怒ってる人がいたから、味が変わったのかな。
右下丸缶はMacClelland "Virginia Woods"。缶を開けると例によってヴィネガー臭があるがかなり少ない。各種ヴァージニア葉のブレンドで深炒りのものも含まれていて"Old Gowrie"と"Black Virginia"を混ぜたみたい(乱暴な例えだが)。悪くないです。
最後は、黒い四角缶Fribourg & Treyer "Blackjack(Negrohead)"。明るい葉っぱが詰まっています。Rattrayの三部作に比べるとわずかに甘酸っぱい印象。ブレンド名"Blackjack"は紙のシールが貼ってあってはがすと旧名が出てくるって言うのがいい加減でいいです(笑)
写真のパイプは、Dunhill shell liverpool 3110 1985年製。たしか銀座菊水で購入して、ずっと職場と外出用に愛用してます。かなりマウスピースが摩耗してきていていつ噛み破るか心配です。
あいかわらずいろんなたばこを試しています。まずラタキア葉とヴァージニア葉を中心にしたもの(とりあえずラタキア・ブレンドと呼んでみます)。
手前は、Esoterica "Margate"。ラタキア・ヴァージニア・オリエントのブレンドでMM965に近い。実に美味しい。
中段は、Rattray "Black Mallory"と"Red Rapparee"。よく似ていてどちらも美味しい。"Red Rapparee"の方が香り高いかな?この二つは他のラタキア・ブレンドよりマイルドな気がする。
中段右は、Butera "Pelican"。これが一番好きかな・・。オリエント葉トルコ葉とラタキア・ヴァージニアとのブレンド。香り高く甘みもある。缶のデザインも良い。
上段左は、G.L.Pease "Caravan"と"Black Point"。ダーク・ロードって呼ばれるだけあってG.L.Peaseのラタキア・ブレンドはラタキアの香りが一杯でどれも美味しいけど、いろんな種類があって違いを言葉にすることは僕には不可能です(笑)。でも缶のデザインがどれも同じでつまらないなあ。
最後は、Cornell&Diehl "da VINCI"。ダ・ビンチの名前で買いました(笑)大きめの葉っぱで半分以上真っ黒なラタキア葉です。ラタキア・ヴァージニア・バーレイのブレンド。バーレイ葉は昔アメリカのパイプタバコをいろいろ試してみて、美味しくない!バーレイ葉は僕には合わない!と思ったので、今回も期待はしなかったのですが、G.L.Peaseのラタキアものによく似た感じでそう悪くないです。
写真のパイプは、Dunhill bruyere saddled billiard 523 1976年製。大学生の頃初めて手に入れたダンヒルで、親父に頼んでロンドンのダンヒル本店で買ってきてもらったもの。30年愛用している最愛のパイプ。銀巻きはシャンクにひびが入って修理したものです。普通のビリヤード型を頼んだのにサドル・マウスピースじゃないか〜と当時は思ったのですが、今は僕にとって一番吸いやすいシェイプはサドル・ビリヤードかもしれない。
現在最も人気のあるパイプ作家の一人、Peter Heeschen。
丁寧な作りで初めからたばこが美味しい。評判通りすごく良い。
今まで使ったことのないシェイプを2本入手。
スムース仕上げのCobra(bent"P"っていうのかな?)は一見頭でっかちの寸づまりかと思いきや(笑)、手になじんで銜えやすい。
ロングシャンクのブラック・サンドブラストは僕にはさらに使いやすい。ちょうど良い大きさ。
どちらも見飽きない美しい曲線で構成されている。
年末に作ったのがシャンクにひびができてくやしいので同じようなのを作る。
茶色染料で木目出し後カルバナ・ワックスで仕上げ。丸くするのは難しいなあ・・。