写真中:Comoy's Blueriband/Extraordinaire/236、
左:Comoy's Tradition/210、
右;Comoy's Tradition/102。どれも1950年代初期・中期〜1960年代中期のものと思われる。
前に紹介したComoy's Tradition/26 がすごく良いので、オールド・コモイが少しずつ増えています。
喫味、手触り、リップの感触、シェイプ、ステイン・・・実に好みです。70年代のものとは別物のよう。
Blueriband/Extraordinaire/236 は、"jamesislandpiper"を初めて利用したのだけど大当たり。サイトの写真ではもうひとつサエない感じだったけど、届いたものは傷一つない美品。ただ刻印はかなり薄くなっているが。
BlueribandとExtraordinaire両方の刻印を持つものはかなりレア、だというoldbriarsさんのサイトの記述に後押しされて購入したのだけど(笑)100ドル台は安かった(と思う)。Extraordinaireはかなり大型のパイプのシリーズらしいが、実にバランスの良い美しいオームポール(クリューガー)シェイプなので、重さは全く苦にならない。
Tradition/210は対照的に小型のロバット。これもいいなあー!美しく、MM965が旨いこと!
Tradition/102は大型のポット。A/Mマウントだけど、シルバー・キャップにHCの刻印はない。マウスピースはCロゴもなく、リップも厚いのでreplacedだと思う。まあ旨いし格好良いから問題ない(安かったし)
Sasieni Four dot Rustic "Dovercourt"(1950-1979)、Sasieni One dot "RUSTIC"(1919?-1950?)、eBayで入手。
Sasieniのラスティック仕上げに惹かれてeBayを物色。ついに落札できた。
"Dovercourt"は、人気シェイプなんで無理かと思ったらあっけなく落札できた。セラーが4dotと表記していたからかな?いやー!やっぱりいいなあーコレ。17.5cmもあるロングシャンク・カナディアンでちょっとめずらしいストレート・グレイン風カービィングがとても美しい。全く無傷の美品だ。sasieniの味。ラタキアタバコが旨い。
One Dotは思ったより小振りのビリアード。しかしこの仕上げの美しさはどうだ!(まいった)。
年代特定はよくわからない。刻印は、Sasieni(フィッシュテール書体)LONDON MADE "RUSTIC"、のみ。
ドットはすごく薄いライトブルー。One Dotはごく初期につくられたのち、アメリカではFour Dotになったがヨーロッパでは戦後まで販売されていたという。
Sasieniのロゴはこのページのトップの写真の20年代Eight Dotのものとわずかに異なり、ヒゲの交差がaとsの間だ。テノンは2段。うーん、戦後のヨーロッパのものなのかしらん?落札価格もだめでもともとと思ってたら意外と安かった(Mr.Canのスナイブを振り切ったのは上出来だった・笑)し・・・。まあ、旨いしとても気に入っています。
DUNHILL'S "SHELL" LB 4 PAT.1130806/15 & 1341418/20 (1926)。eBayで入手。
1920年代のシェルLBなのだが、届いて包みを開けたとたん愕然とした。
LBじゃない!??・・よく見るとボウル・トップが5mmほど切られている。まるでシャンクの太いPotシェイプのようだ。
セラーの写真は真横からのはなかったのでわからなかった。よく見ればトップはスムースのようなので、冷静に考えればトップオフされたものだとわかりそうなものだよなあ・・。
しかし、使ってみるとなかなか良いんだーこれが。
見事な対の歯形以外状態は極上(トップオフされていて極上も何もないが・苦笑)。古いシェル特有の実にクラッギーで味わい深いブラストが手になじむ。
なによりも、タバコが旨い。965を喫うと、ボウル最後に行くに従って旨さが増す感じ。これは驚いた。手持ちのパイプのうち旨さでは一、二を争うかもしれない・・。
ステムは銜えた感じやホワイトスポットの作りからオリジナルっぽいが、シャンクの接合部のブラストがバフアウトされているようにも見えるので、replacedの可能性もある。
ボウルトップ左上にブラストの深い所があるので上部にクラックが生じて切り取ったのだと推定される。トップオフのあともかなり使い込まれた形跡がある。やっぱり旨いパイプだからだろう。これからは僕が愛用していこう。
Dunhill Bruyere #120(1967) & #35(1969)。eBayで入手。
#120、デカイ! シェルの#120よりもさらに大きい印象。しかしバランスが良いので銜えっぱなしでも苦にならないのはさすが。セラーはMr.Can。この人、僕がeBayを始めた頃にsasieniの良いヤツをbid終了間際に何度も持って行かれて悔しい思いを味あわせてくれた方だが、こんな格好いいパイプを出してくるんだからしかたない(笑)対応も丁寧で、完璧にクリーニング済みで届いた(もちろんそれなりの値段だったのけど)。
若干染色が薄くなっている箇所もあるが、ボウルの傷や噛み跡などは全くないほれぼれするような美品。シェルとの味の違いは言い表せないが、美味いのは確か。
#35、これは安かったなあ・・、買値は#120の1/4くらいだったが、こういうミディアム・サイズのビリアードも大好きなんだ。ボウル・トップの若干の打ち傷(灰を出すときに固いものに叩きつけられたんだ。かわいそうに・・)以外は新品同様で、ボウル、マウスピースに全く傷なし。染色も濃い。
以前使っていた1978年製のbruyere31031とほぼ同じ大きさ。この78年bruyereは気に入ってずっと持ち歩いて連日使用していたので20年ほどでマウスピースが摩耗して割れてしまった(まだ直してない・・今度ステムを作り直してもらおう)。僕の経験から、テーパー・ステムは約20年の連日使用で壊れる(笑)。サドル・ステムのほうが摩耗に時間がかかります。
刻印も鮮明で、どちらもあまり使われていなかったことがわかります。
#120のシェイプ、ホントに好きだなあ。3本揃って形を比べると、みんな違うのが面白い。年代による違いなのだろうか、職人の自由裁量によるものなのか、興味は尽きない。
上から、1921、1963、1967、です。
Sasieni Four Dot Patent "OOM-PAUL" S (circa 1946)。eBayで入手。
Sasieni独特のライン・カービングのほどこされたボウル。木目を隠すように刻みを入れる仕上げはどんなもんか?と思っていたけれど、手触り・見た目、なかなか良いなあ。
彫りのパターンも一本一本全然違うようだ。現在、oldbriarさんのページと"fine pipes international"で見られるほぼ同時期のものと比べるとよくわかる。
付記:このライン・カービングは、「正確にはグレインのラインに沿ってとも言うべきで、恣意的なカービングではなく、ストレートグレインの木ならストレートに、クロスの木ならクロスにカービングされ、1本1本違った表情になる。」とoldbriarsさんから教えてもらいました。なるほど!木目を隠しているわけではないんだ。よく見ればわかることでした。
Sasieniのラスティック、ちょっと敬遠していたけれど気に入りました。
ただ、二つの謎が存在するのである!(笑)
その一。トップ・オフ疑惑。
僕のものはボウル・トップがスムース仕上げになっているが、上記の他のパイプはトップまでラスティック仕上げだ。
シャンク断面の色とトップが異なっているのでやはりボウル・トップが傷ついて切断したのか?しかし、マウスピースはほとんどトゥース・マークなしで他に傷らしきものはなく、かなり状態は良い。eBayではたまに無惨にボウルをカットされたパイプを見ることがあるが、これはボウルの高さも失っているようには見えないが・・。
やはりトップ・オフされているとしか考えられないようです。理由は永遠の謎として(笑)まあ、きれいな細工だしたっぷり楽しんでいこうと思います
その二。four dotの一つだけ色が違う。
マウスピース寄りの一つだけライト・ブルーであとの三つは白い。
PAT No 150221/20の刻印があり、ステム内側にフィットメント用のねじ溝が刻まれている(フィットメント自体は付いていなかった)ので戦後すぐのもののようだ。戦後の物資不足のころなので色が合わなくてもしかたなかったのかな?
いろいろ考えさせられられるのでoldpipeはおもしろい。このオーム・ポール気に入りました。
欠点は火をつけるときに火皿が近いので寄り目になって目が疲れることぐらいか(笑)
ラスティックでトップがスムースということで、Ferndown(two star)と一緒に。このFermdownはdunhill#120とほぼ同じサイズで愛用しています。eBayで入手したときはべたべたに甘い着香タバコの臭いに閉口しましたが今は脱臭できて快適です。
今回はオールド・ブリティッシュ・パイプの王道(笑)、Dunhill、Barling、Comoy's を紹介します。
写真左から、Comoy's Tradition #26 A/M Bent (1950's-mid60's)、Dunhill Bruyere #111 (1934)、Barling's Make Ye Olde Wood #268 EL T.V.F. (1935-1949)
それぞれが強烈な個性を持った実に良いパイプです。
Comoy's Tradition #26、Comoy'sの刻印がヒゲなし書体なので1950年代から60年代中頃までのものだと思われるけどどうなんだろうか?大きさはDunhill#56よりわずかにボウルが小さい。
染色の美しさが見飽きない。フイッシュ・テール型のマウスピース・ビットは薄くてくわえやすく快適だ。
以前に紹介した70年代に購入して結構使用していたサンドのビリアードとカナディアンは、どうも味・くわえ心地がいまいちなので近年はほとんど使用していなかった。しかし今回のComoyは気に入りました。MM965の芳醇な味わいが実に美味しい。これがComoyの「ダークでヘヴィな味わい」なのですね。納得。
Barling's Make Ye Olde Wood #268 EL。オーバル・シャンクのビリアード。このBarling、消えやすいBarlingCrossやサドル・マウスピースのRegisterd No.まで非常に鮮明に残っているので70年代近いものかな?と思っていたら、oldbriarsさんのRegisterd No.研究によると、「この"U.S Registerd Design 98046"はMontague Henry Barlingが1935年1月3日に出願した意匠登録ナンバーであり有効期間は14年間であるため1935年―1949年のパイプと推定される・・」。うーん、これBriarBluesで入手したのだけどeBayで落札するよりずっと安かったぞ・・やっぱりBriarBlues良い店だ(笑)
とにかく堂々としたビリアードであるがとても軽い。前に紹介した生Barlingと比べるとボウルの仕上げがはるかに美しく正確であるように感じられる。Barling 独特の扁平で幅広のサドル・マウスピースがくわえやすい。
Dunhill Bruyere #111。刻印は、Aの横に小さく丸(cにも見える)、DUNHILL/LONDON、反対側に、MADE IN ENGLAND14(under lined)/CANADIAN PATENT/197365/20 111。Pipe wolfさんのサイトによるとこのパテントナンバーは1928-34のもの。下線に14だから1934年製と推定される。
しかし・・なんて格好良いんだ!(笑)ブリュエール仕上げの美しいボウルからすらっと伸びたテーパー・ステム。完璧なビリアード・シェイプである。ビットの幅が狭くて少々くわえづらいが格好良さには変えられない(笑)
マウスピースをよく見るとビットから3cmほどのところの裏表にわずかな歯による窪みがある・・前の持ち主も銜えづらいのでこんなところを噛んでいたのかな・・でかい口(笑)
これもBriarBluesで入手したのだけれど、いつも完璧にクリーニングして送ってくれるのが今回は着香タバコの臭いが残っていた。さすがのMikeさんも取りきれないほどの強烈なバニラ臭・・。そこで「アルコール・レトルト法」の出番。アルコールの蒸気でクリーニングするオールド・パイプ・レストアの奥の手。これは効きましたー!実に旨いパイプになってくれました。MM965を味わうのに最適です。
以前紹介したshellの#111がとても気に入っていたので今回のものと並べてみました。
shellはPAT.No.1341418/20で1921-1927年製と思われます。ステムは残念ながらreplacedです。shellの方がボウル、シャンクとも若干小さめ(細め)になっています。ブラストで失った分なのか・・?。
70年代にパイプ・スモーキングを始めた者として、やはり当時のデンマークのハンドメイド・パイプには特別なあこがれがある。
なかでもG.Holbekのデザインが一番好きだ。最近eBayで2度ほど見かけたが落札できなかった。"Fine Pipe"でも時々出るが、さすがに高価だし気に入ったデザインのモノはなかなかない。
そのHolbekたちが関わったデンマークのパイプ・ショップ"PIPE DAN"(1950年代末から1980年代まであったようだ)のパイプが"Fine Pipe"に出る。安値であるし、時々買っているうちに4本になったので紹介します。
PIPE DAN独特の、"Shape Reformed"と名付けられたボウルからシャンクが鋭角をなしているデザイン。これはくわえたときに火皿が垂直になる工夫であるそうだが、効果の程はともかく格好いい・・と思う。
写真上から、"Grand Danois? Nov.1966?"、"Danois sep.1969"、"Standard smooth Aug.1963"、"Standard sand ?"。
PIPE DAN のdatingは刻印から特定できるようだ。ただ、創業者のダン・クリステンセンの1974年の死後は刻印もいい加減になったらしく、写真下のサンドはdating stampがない。
さて、一番最近入手したこのチムニー・パイプ。これが面白いんだ!
他の三本と明らかに違うていねいな作り。手触りが素晴らしい。現在のHeeschenのスムースを思わせる暖かく滑らかな感触。
染色は、黒とダーク・ブラウンがクロス・グレインを見事に浮き上がらせている。"Fine Pipe"によれば、この染色はオールド・コモイに発しイヴァルソンからトム・エルタンに受け継がれている"Double Contrast" ステインだという。
そしてなんといってもこのデザインの素晴らしさ!9p近くあるボウルの優雅な曲面、絶妙な角度と曲線を描くシャンクからステム・・。どの角度から見ても格好いいぞ。ビットも薄くて快適。
このパイプ、"Fine Pipe"ではHolbekがPIPE DANで作った"Grand Danois"、という風に解説しているが・・
DANのカタログ("Fine Pipe"に1961-63年版がアップされている)で見る"Grand Danois"は全然格好良くない。むしろ、Holbek信者のバイブル(笑)「デンマークのパイプ」松山荘二(1983)で見るHolbek"Ambassador H"のデザインにそっくりだ。
刻印はかなりバフ・アウトされていて、PIPE DAN / COPENHAGEN / SHAPE REFORMED の一部がかろうじて判別でき、dating stampも1166のような気がするだけだ。
うーん・・つまりこのパイプはPIPE DANを通して売られたHolbekの作品なのではないだろうか。ということにしよう!
ただ、これ一度シャンクが折れて修理されています。だから安かったんだけど・・。"Fine Pipe"の説明では「たぶんHolbekが修理したのだろう」とあるが、これはセールス・トークなんだろうなあ。よく見れば修理跡ははっきりわかるし・・。
さて、吸い心地はどうか。「デンマークのパイプ」ではチムニー・シェイプは「哲学的な存在」であり現実にタバコを吸うのに適しているかどうかは次元の違う問題である!・・いや、そうは書いてないけど(笑)「時々ボウルを振って酸素を供給してやる」とか「間違ってもイングリッシュ・ミクスチャーなどを吸うパイプではない」とは書いてあって、初めて火を入れる時は緊張しました。でも、全然問題ありません。普通に吸えました(笑)MM965もOK。
ただジュースが出やすいようで、吸い方の工夫を試行錯誤しています。他の三本に比べてもタバコが旨いです。
今回は、1950年代〜70年代のSasieni Four Dot Naturalを2本紹介します。
SasieniはDunhillのように刻印で製作年を1年単位で特定できない。この2本は以前紹介した古いSasieniのような、強烈な存在感はないが、「古き良き時代の普通の英国製パイプ」、という印象。しっかりした作り、完璧なクラシック・シェイプ、オイル・キュアリングのためかラタキアタバコの芳醇な味を楽しむことができる。
写真上は、"Sasieni"筆記体アップライト書体、"FOUR DOT NATURAL"ブロック体大文字、"LONDON MADE / MADE IN ENGLAND"小さめのブロック体大文字。シャンク反対側は、"M "、"WARWICK"とある。
"M"はアーミー・マウント風の丸いシャンク端の記号らしい。Sasieni Four Dotはシェイプ名としてイギリスの地名をつけているが"Warwick"はロンドンとリバプールを直線で結んだ中間あたりの町のようだ。大ぶりのビリヤード型。ステムはA/Mではなくて通常のプッシュ式。
これが欲しかったのは、僕の愛用エレキ・ベースが"Warwick"製だから(笑)。ドイツのメーカーがなんで"Warwick"なのかは知らないけれど、実に良い楽器です。で、一緒に記念撮影。
楽器の方は、"Warwick Thumb Bass Fretless"、"Warwick Streamer StageU"。
もう一本のSasieniは、"Sasieni"筆記体アップライト書体、"FOUR DOT NATURAL"ブロック体大文字、"LONDON MADE"小さめのブロック体大文字。反対側に、"MADE IN ENGLAND"フットボール・シェイプ、"LIVERPOOL"。こちらは新品同様のきれいな個体だった。
しつこいようですがまたDunhill Shell Briarです。今回はベント・シェイプを紹介。
長年ダンヒルはストレート・シェイプ、ベントはピーターソンのものを愛用してきました。
先日、Shell#120(1963)をeBayで落札。すげぇいいじゃん!!ダンヒルのフル・ベントを敬遠してたのを後悔しました
この#120という大型のベント・シェイプは、僕にとってちょうど好みのサイズです。フル・ベントは小振りのモノだとなんか頼りなくて・・大きめが好きですね。大きくてもストレートのモノのように重さはあまり気になりません。
あと、このシェイプはビットからボウルの底までモールが通らないと思いこんでいたのですが・・通るじゃん(笑)
そこでこんどは、Shell#120/9 PAT No.1341418/20(1921-1927)を入手。(oldbriarsさんから年代は1921年に特定できるとの情報を掲示板に頂きました。ありがとうございます!)
1963年のものはかなり状態が悪かったのですが、この20年代モノはミント状態。ボウルのテクスチャーはまさにクラッギー。デコボコ状態がたまりません(笑)。
63年のモノはまさにモダンなイメージ通りのベント・シェイプであるのに対して、20年代のモノは実に微妙な曲線が古き良き時代を感じさせます。味の違いを言葉にすることが出来ませんが、どちらも実に美味いパイプであります。
そして、今度はBriarBluesに状態の良いShell#56/24 PAT No.417574/34(1942-1954)が出た・・。#56は#120の弟分のようなシェイプ。これは箱とインナー・チューブも付いた美品でした。
これも、姿といい味といい全く申し分ない素晴らしいパイプです。シェイプは#120を単に小さくしたのではなく、シャンクの角度やステムの曲線が独自にデザインされています。僕はどちらかといえば#120の大きさが好きですねー。
写真は上から#120(1921)、#120(1963)、#56(1947)。
左から#56、#120(1921)、#120(1963)。
#120(1921-27)のインナー・チューブ。かなり長く、ステムの湾曲部まで挿入するようになっている。PAT 417574の刻印がある。
#56の箱とインナーチューブ。青い箱かー!70年代以降の赤い箱しか知らなかったので新鮮。インナーチューブは湾曲部までは挿入しない仕様だ。PAT 417574の刻印あり。
20年代#120の刻印。かなり鮮明。
63年#120の刻印。右に見えるのがシャンクのクラック。まあ使用には問題ない。
#56の刻印。ENGLANDのつぎはアンダーライン付の7のように見える。1947年製でいいのかな?
愛用のデジカメが壊れて修理中なので更新してませんでした。なにしろKonica製なので部品取り寄せに数ヶ月かかるとのこと。まいったなあ・・友人にデジカメ借りたので久しぶりにアップ。
しばらく前にeBayで落札したDunhill Shell LB(1950)なのですが、最後の写真でわかるようにかなりひどい状態でした。
White Spotは潰れているし、汚れもひどい、マウスピースはアンバーもどき?でちょっとハデかなと思いましたが、安く落札できました。
届いて掃除にかかろうとしてステムをはずしてびっくり。なんと実物を見てもアンバーもどきの黄色いマウスピースとばかり思っていたのが、テノンが黒い・・。ここでやっとバルカナイト・マウスピースが徹底的に酸化して真っ黄色になっていることに気がつきました(笑)
マウスピースをオキシクリーン(漂白剤)に浸けてサンドペーパー、アルコール、塩、等々を駆使して磨き上げると、ビットのすり減りはほとんどなくすごくきれいになりました。
問題は一つ・・White Spotが赤い・・・。・・・なんだこりゃあ〜!?
銜えごごちと象眼の細工からreplacementとは思えないので、オキシクリーンで何か化学反応が起こったのかしらん?
何本もダンヒルをオキシクリーン処理したのにこんなの初めて。White Spotの材質は時代によって色々なものが使用されたらしいのでこういうこともあるのかな。
しかし赤いスポットもなかなか良いものですっかり気に入ってしまいました(笑)。ボウルのブラストも深く良い感じで、大きい割に軽くとても使いやすい。60年代のShellと少し違うタバコの味でとても旨いのですっかり愛用パイプになっています。
Dunhill Shell Briarの魅力にはまっております。
去年書いたように昔から好きだったのですが、「パイプ・スモーキングのページ2006」の最後に紹介した"CK"(アーサー・シェイプ)がものすごく美味くて魅力的なパイプだったのでしばらくshellを追いかけてみようと思いました。
写真上から"PO"(1965), "P"(1967), "CK"(1968)。このレター・シェイプ3本はまさに「拝みたくなるほど旨いパイプ」(このフレーズは昔のパイプに関するとてつもなく蘊蓄に富んだトリニティスクール校長先生のページから拝借しました)。
1960年代後半は、70年代以降は行われなくなる「オイル・キュアリング」処理の最盛期でそのせいか独特のラタキア・タバコの芳醇な味を感じることができる(ような気がする)。
シェイプも手触りも実に魅力的だなあ。POはかなりcraggy(ごつごつした深いブラスト)だがPとCKは浅めのブラストでリング・グレインっぽい。
60年代以降のshellはそれ以前のパテント期に比べてブラストが浅めであるとよく言われるけれど、以前に紹介した僕の70.80年代のshellもかなりcraggyな感じなので、必ずしも昔のは彫りが深くて新しいのは浅いとは言えないみたいだ。(この時代に以前の「ダブル・ブラスト」製法の復活があったらしい)
CKが届いたときは思ったより小振りだなあと思いました。というのは、「パイプ・スモーキングのページ2004」で紹介したウイークリー・セットに入っている同じグループ4のtanshell41083(1979)くらいのサイズを想像していたからです。
Pの方はbruyere42081(1980)とほぼ同じサイズ。ただしPはマウスピースがF/Tでないテーパーなので先細りになっていて、ちょっと銜えたときに不安定かな。ストレートのパイプはF/Tでない方がスマートで格好良いけれどベントはF/Tの方が安定するような気がします
このbruyere42081(1980)は、80年代初めにこれを買って以来長いこと新しいパイプを購入しなかったので「おニューのパイプ」という印象があったのだけれど、よく見ると細かいキズがついてビットもかなり消耗している・・そりゃあ20年以上愛用しているんだからしかたないなあ。このパイプは長年愛用している70年代以降のものの中では屈指の旨さを誇るパイプだけれど、60年代後期のshellとは味わいが少し異なることがやっとわかってきた。
というわけで4本で記念写真(笑)
次はストレート・シェイプのshellです。
写真左上から、"LB"(1968), "127"(1960), "60"(1942-54), "111"(1921-27), "117"(1920-23), "32125"(1978)。
LBは浅く上品なブラストに実に堂々とした太いシャンク、127はcraggyな深いブラストのボウルにノーマルのテーパー・マウスピースが実にたまらない魅力。しかしどうしたことか味は上記レター・シェイプ3本にかないません。うーん・・不味い訳ではないのですがあの3本で味わう芳醇さが今一つ出ないのです。パイプは喫ってみないとわからないなあ。
60と111はパテント期のものですが、2本ともステムは交換されたもので60のは銜えたとたん「違う!」とわかるあまり質の良くないものでPATナンバーはわかりますがdate stampはステムすり合わせの際に削られて不明です。111のステムはwhite spotさえ無くシェイプもオリジナルの優雅な長めのテーパー・ステムが短いサドルになっていますが銜えごごちは悪くありません。この2本はいつかきちんとしたステムに取り替えたいものです。で、味はどちらも良好です。111はPATナンバーから20年代のものなのですがブラストは浅く、軽くて扱いやすく気軽に使っています。
117は昨年紹介したものですがステムもオリジナルのままで実に気に入っています。梅干しのような独特なテクスチャーの小さめのボウルに127と同じくらい太いシャンク。長めに伸びるテーパー・ステムがなんとも素敵であります。
最後のグループ3のチムニーはウイークリー・セットと同様友人の渡辺氏コレクションのものですが、浅いブラストのチムニー・ボウルにペンシル・シャンクの粋なパイプです。肉厚が薄いのでゆっくり吸わないと熱くなりますが軽くてかわいいパイプです。
さて、この際だからと大きめのビリヤードの集合写真を撮ってみました。
上から"127", "LB", "bruyere 41032"(1977), "root briar 51039"(1978)。
あれっ・・大きさが伝わらないかな。比較できるものを入れれば良かった・・。127は約14p、rootbriarは約16pです。
77年のbruyereは渡辺氏コレクションからです。このくらいのサイズまではなんとかなりますが、グループ5のビリヤードで16pもあると銜えっぱなしでいることは難しく手で支えないとキツイですね。でも旨いパイプです。