第4室(1)

「菜根譚」より。
高きに登れば人をして心曠(ひろ)からしめ、流れに臨めば人をして
意遠からしむ。書を雨雪の夜に読めば、人をして神(しん)清からしめ、
嘯(しゅう)を丘阜(きゅうふ)の巓(いただき)に舒(の)ぶれば、
人をして興(きょう)邁(ゆ)かしむ。

<意>
高い山に登ると、心を広々とさせるし、清らかな流れに臨むと、
世俗を遠く離れる思いを起こさせる。また、書物を雨や雪の降る夜に読むと、
気持ちをすがすがしくしてくれるし、ゆっくり小高い丘の上で口ずさむと、
感興を高くはずませてくれる。

2001年は巳年です。



以前勤めていた会社の関係で、パリのパン屋さんの社長の受章記念に書きました。
この作品はそういうわけでフランスへ渡りました。


朱熹(しゅき:1130-1200)七言絶句「偶成」
少年 老い易(やす)く 学 成り難し
一寸の光陰 軽(かろ)んず可(べ)からず
未(いま)だ覚(さ)めず 池塘(ちとう)春草の夢
階前の梧葉(ごよう) 已(すで)に秋声
「瑞気集門(ずいき もんにあつまる)」
めでたい気がその人の家門に集合する。

「富貴寿考百事意ノ如シ」
富も長生きもすべて意のままになる。
不景気な世の中を追い払うように!!
韓愈 雑説
世に伯楽有りて然る後に千里の馬有り。
千里の馬は常に有れども、伯楽は常には有らず。
故に名馬有りと雖もただ奴隷人の手に辱められ、
槽櫪(そうれき)の間に駢死(へんし)して千里を以て
称せられざる也。

第55回文人展の揮毫室に並べてもらった色紙です。5,000円で頒布しているコーナーです。
会場にドイツのデュッセルドルフからの団体客が来られ、何枚か日本のお土産に買って行かれました。
その中の1枚に左の「笑」も入りました。従ってこの作品も外国に行きました。
名刺によると、ノルトライン・ヴェストファーレン州議会の方達でした。

「楽」:孟子 梁恵王(りょうのけいおう)
・・・衆と楽しみを分かつ

「今、王ここに鼓楽せんに、百姓、王の鐘鼓の声、
管籥(かんやく)の音を聞きて、挙(みな)欣欣然として
喜色あり、あい告げて曰く、『わが王疾病なきに
庶幾(ちか)からんか。何をもってかよく鼓楽するや』と。
今、王ここに田猟せんに、百姓、王の車馬の音を聞き、
羽ぼうの美を見て、挙(みな)欣欣然として喜色あり、
あい告げて曰く、『わが王疾病なきに庶幾(ちか)からんか。
何をもってかよく田猟するや』と。これ他なし。
民と楽しみを同じくすればなり。今、王、百姓と楽しみを
同じくせば、すなわち王たらん。」

「愛」:敬宮愛子(としのみやあいこ)様のお名前の出典です。
孟子、離婁章より。孟子曰く、君子の人に異なる所以の者は、其の心を存するを以てなり。
君子は仁を以て心を存し、礼を以て心を存す。仁者は人を愛し、礼有る者は人を敬す。
人を愛する者は人恒に之を愛し、人を敬する者は、人恒に之を敬す。

李白:山中対酌
両人対酌すれば 山花開く 一盃一盃 復た一盃
我酔いて眠らんと欲す 君しばらく去れ
明朝意有らば 琴を抱いて来たれ

無一物中無尽蔵

劉希夷(りゅうきい)
「白頭を悲しむ翁に代わりて」
古人復(ま)た洛城の東に無く
今人(こんじん)還(ま)た対す落花の風
年年歳歳花相似たり
歳歳年年人同じからず
般若心経

「先ず隗より始めよ」 羅隠(らいん)詩* 「六根清浄(ろっこんしょうじょう」

*得(う)れば即ち高歌し、失えば即ち休(や)む
 多愁多恨亦た悠悠
 今朝(こんちょう)酒有らば、今朝酔わん
 明日(みょうじつ)愁い来たらば、明日愁えん

無用の用:荘子 外物編
良寛の漢詩:
花は蝶を招くに心無く、蝶は花を尋ぬるに心無し
花開く時蝶来たり、蝶来たる時花開く
吾も亦人を知らず、人も亦吾を知らず
知らずとも帝則に従う

「思い立ったが吉日」 九層の台も、累土より起こる(老子)

諸悪莫作(しょあくまくさ)
衆善奉行(しゅぜんぶぎょう)。
(七仏通戒偈)
心を清め人為を絶して法性と一如になれば
そのはたらきとして諸悪は自ずから作られる
ことはない。
和顔愛語(わげんあいご)。
和顔は穏やかな顔、愛語は相手を慈しむ言葉である。
たとえ何もなくてもこの心を持っていれば
大変素晴らしい充実した人生を送ることができる。

和顔愛語(わげんあいご)。
左の作品を結婚のお祝いにプレゼントしました。
家庭にあって、和顔愛語であることは、家庭円満、育児においては、健全発育を
促進するということを願って仕上げたものであります。
その時に、色々の大きさのものを書き、
小さい横書きのもの(一段上の写真右)を第57回秋季文人展に出品しました。
大きめの作品(右)は、第58回に出そうと思っています。

王維「鹿柴」 *1
第25回日中書画合同展出品
写真の通り。
第58回文人展出品
杜牧「江南春」 *2
第58回文人展出品
*1
空山人を見ず、ただ人語の響きを聞く
返景深林に入り、また照らす青苔の上
*2
千里鶯啼いて 緑 紅に映ず
水村山郭 酒旗の風
南朝 四百八十寺(しひゃくはっしんじ)
多少の楼台 煙雨の中(えんうのうち)


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