TOP» 症例紹介(保険適用外)»MTM» MTMとは、どんな治療?

症例を見る前にMTMという治療法のご説明

 日本人の歯を失う原因の約半分はむし歯で、約半分は歯周病です。

 歯周病の原因は口の中の常在菌に食べカスというエサを与えて病原菌である歯周病菌の数を増やすことが原因です。多くの謹賀常在菌ですので、殺菌剤で殺すのは簡単ですが、全部殺してしまうと、もっと悪い菌(弱毒だが抗生物質の効かない菌)や真菌(=カンジダなどのカビ類)が増えてしまいます。

 よって、プラーク・コントロールが重要となります。お口の中を清潔にして、歯周病菌を増やさないようにすることが大事なのです。高齢者の誤嚥性肺炎もお口の中をキレイにしておくと発症する確率が減りますよ。

 さて、お口の中をキレイにするためには歯磨き(ブラッシング)が重要ですが、歯並びが悪いと(=ガタガタだと)歯ブラシを全部の歯に当てるのは非常に難しくなります。歯並びという悪条件を解決することにより、歯周病のリスクを減らすことが可能です。

MTMとは:

 Minor tooth Movement(=小規模の歯牙移動)、つまり全部の歯にブラケットを付けて全体のかみ合わせを変える治療ではなく、部分的、限局的な歯科矯正治療を意味します。

MTMの利点

 歯磨きがしやすくなる。料金もリーズナブル。治療期間も比較的短い。

MTMの欠点

 骨格的な問題があるものは守備範囲ではありません。上顎前突、下顎前突も治療可能な範囲が狭くなります。

MTMの料金

 当院では、基本技術料10万円+ブラケット代5万円+リテーナー4万円+月々の調節料4千円。(治療月数ぶんかかります。) あと、治療費には消費税がかかります。自費治療ですが、医療費控除の対象になります。

歯を失わないために

 歯槽骨(歯のはえている骨)というものは、歯が無くなるとどんどん痩せてゆきます。抜けたままにしておくと噛む時の力がかかりませんので、どんどん痩せてゆきます。(人間の身体は使わないとダメになる。)=廃用退縮という医学用語があります。

治療の手順

 初診時は相談だけです。治療不可能であれば、その旨お伝えします。

 治療の意思確認をしたら、検査をします。レントゲン写真や、口腔内写真、歯型をとって、どう治すか、考えます。診断で治療方針をお話しして、ご了解頂ければ治療開始となります。(MTM症例では診断料は頂いておりません。)

 後は、月に1回の通院調整です。歯列が整ったら、リテーナーを用いて保定観察に移ります。。。

治療の重要性

 健康保険では、歯周病治療のための歯科矯正治療は認められておりませんが、大学の授業では歯周病治療法のひとつとして講義があります。できれば、もっと早い時期に、歯並びを治して歯磨きしやすい状態に持ってゆけば、歯が残る確率が上がると思うのですが。

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