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机の上の本−Books
 文机のような和風の低いテーブルに、幾つかの本が並べて置いてある。

 色紙や拙い絵が貼りこまれた表紙は、どうも手作りらしく、一冊一冊で微妙に位置や、紙の表情が違っている。

 作り手があまり器用ではないのか、時には、位置がずれているものも見受けられる。

 どれも、あまり古書といった風情はなく、むしろ刷られて間もない本ばかりといった印象を受ける。


 「今ある売り物はこれだけだ。あまり数が作れない上に、雪窓のヤローが中々原稿をあげてこないときてる。」

 不思議そうな顔の私に気づいたのか、店主が言った。

 「それでもよかったら、お茶でも飲みながら、ゆっくり見てってくんな。」

◆ * ◇ * ◆

現在、イベントで販売している本たちです。取りあえずは中里分。

でも、手作りで数が作れないため割とすぐに硝子ケースに……。

不器用なくせに紙や装丁に凝るが好きなのです。手作り本なめんなよってことで(笑)


一応、通販もやってます。お問い合わせはメールにてどうぞ。

(在庫ありのものは1週間〜2週間、在庫なしのものは2週間〜1ヶ月ほど

お届けにお時間がかかります)

◆ * ◇ * ◆

Moon song
2004.08.15発行 ポストカードサイズ・44p
手作り \400 在庫:
"For my precious moon"
そんな旧い言葉と、彼女の宝物だった蒼い星間ラジオを残して学舎から姿を消したミチル。
そのふたつの手がかりを頼りに、私はひとりミチル探し、逢いにゆく。彼女が発信するパルスを受けとめて。
移民星を舞台にした、おつきさまとささやかな電波をめぐる、ラジオドラマ仕立て(?)のおはなし。『ハーフタイムシアター』のあの人も少しだけ再登場。
モチーフ曲:『Moon song』/谷山浩子 
なんとまあ、対して長いおはなしでもないのに、前作から八ヶ月も経ってしまった新刊。しかも文章の1/3は、イベント一週間前になんと旅行先のモルディブで海を見ながらPCに向かって原稿を書いていたといういわくつきのおはなし(殴)
本当は、この本に書かれたおはなしの外側に、さらに「紅茶店パート」のおはなしが付く予定だったのですが、ページデザインまでしておきながら時間切れで断念。いつか雪窓紅茶店上で追加して掲載するかもしれません(笑)。
同じスタイルながら、デザインの色彩配置の工夫(てか白が多いだけ)により『百年の満月』に比べてカラーインク消費量が半分以下! えらいっ!(←ひとりで言ってろ)


2003.12.30発行 A5・30p
手作り \300 在庫:
ぽろん、ぽん、ぽろん、と、桜の樹を通じて遠くから届いた、見知らぬ誰かが奏でた音楽。いつしか時折届くその調べに心惹かれた娘は、自らがずっと護ってきた桜の最期の花へとその想いを託そうと、他の桜の樹から春の気配を拝借することで、年老いた桜の花を咲かせようとします。
花びらを音符にうたい、込められた想いを空気に溶かせて散らす桜達と、その桜を護る桜護の少年と娘の、ささやかなおはなしです。
モチーフ曲:『桜』/Zabadak 
こちらも、とある方からのリクエストに基づいて書かれたおはなし。こちらはこちらでいかんせん歌詞のないインスト曲からのリスエスト(笑)。
歌詞からのイメージを取れないので、じゃあ音楽から思いつくままに、ついでに当時はまっていたシューティングゲームへのオマージュを込めて書いたおはなしです。(こっそり(?)込めたつもりだったけど、友人には一発でばれました・笑)

切ないおはなしと見せかけながら、ある意味私のストーリーお約束パターンが込められていて(?)、かつ長さも手ごろと割と初心者向けの一冊、かも。


harvest rain
2003.08.17発行 A5・52p
手作り \500 在庫:
×
遠い移民星で、都市を離れて乾いた荒野を、集落を創りながら旅を続ける開拓の民。その開拓の民の、青い砂が舞う谷の集落に、気象官の娘が長期観測調査のために派遣されてきます。
集落の素朴な暮らしの中での、気象官の娘、開拓の民の少年、そして不思議な青い髪の少女を巡る、豊穣の雨のおはなしです。
c/wとして、若き気象官と冬至祭の夜の雪降りの短編おはなし『silent bells』を収録。
モチーフ曲:『harvest rain』/Zabadak 『silent bells』/遊佐未森
とある方からの「『harvest rain』をモチーフに「農業風」で」というリクエストに基づいて書かれたおはなしです。ちなみにおはなしの舞台は『ハーフタイムシアター』と同じ移民星。ラストに『ハーフタイムシアター』の「植物学者」を出そうと思っていたのだけど、忘れました(笑)
ところが、書いてみたらもう長くなる長くなる……単体のおはなしでは過去最長サイズですで、イベントの前日に書き上がって1日で編集して、カラープリンターで印刷をはじめたのですが……恐ろしい勢いで空になってゆくインクカードリッジの山……。なので、再版確率が低そうな本のひとつなので、イベントで見つけた時に手に入れておくことをお勧めします(そんなのばっかじゃん・笑)。

c/wの『silent bells』は以前雪窓紅茶店でクリスマス限定でアップしたおはなしです。


鳥は鳥に
2003.03.21発行 ポストカードサイズ・12p+22p
手作り 2冊セット\300 在庫:
×
空世界を「人の領域」と「鳥の領域」に分かつ『海』。白い霧のたち込める『海』に隔てられて、鳥はひとりで空を旅し続け、人は灯りのもとに寄り添って日々を暮らす。そんな人と鳥の世界を舞台にした、カモミールミルクティとロイヤルミルクティの、小さなささやかなおはなしふたつ。
「カモミール・ミルクティ」は、人でありながら鳥の領域を旅することができる『旅人』と、春を迎えにいくために旅をする白い鳥の娘の、出会いと贈り物のおはなし。
「ロイヤルミルクティ」は、『海』に建つ研究所『birds islands』での、助教授さんと助手の、冬至の夜の観測のおはなし。
2冊でひとつのおはなしです。
モチーフ曲:『鳥は鳥に』/谷山浩子
もともとは雪森古書店で、カモミール・ミルクティかロイヤルミルクティか好きな方を選んでくださったお客さんに、クリスマスイブに選んだお茶のおはなしをメールで届ける、というクリスマス企画のためのおはなしでした。
ところが、ロイヤルミルクティの方がイブまでに書きあがらず、企画倒れに終わるという(涙)。3月になってようやく書き上げて、リベンジで発行したのがこの本です。2冊にすると、1冊あたりのページ数が少ないから楽かな……と思っていたら、楽どころか、製本に2倍の手間がかかることが判明(笑)。なので、再版確率が低そうな本のひとつなので、イベントで見つけた時に手に入れておくことをお勧めします(笑)。

表紙の雪のかたちは、新兵器クラフトパンチャーによるもの(笑)


PlanetariumCD
2002.12.30発行 A5正方形・84p
オフセット印刷 \400 在庫:
空に超新星の輝く夜、残した星座を燈す機械が眠る、祖父が残した『惑星館』という廃墟で、姉弟は「うた」という言葉を紡ぐ不思議な絵描きに出逢って……。
月祭りの夜、遠い昔の「機械」が眠る『月帽子織物店』。注文通りに織ったはずなのに、1枚残ってしまった織物を前に途方に暮れていた娘の前に、『機械技師』と名乗る不思議な旅人が訪ねてきて……。
機械を忘れた世界と、うたを忘れた世界。それぞれの世界でのプラネタリウムを巡るおはなし、ふたつ。
過去に「シングルCDサイズ」シリーズで出したふたつの本を再録し、ボーナストラックとして、五島プラネタリウムでのZabadakライブレポートを加えたプラネタリウム再録集。
モチーフ曲:『星狩り』『光の人』/Zabadak
「硝子ケースの本」で書いていた、マキシシングルCDサイズでの再録プロジェクトを決行(笑)。『C/W With Planets』『Better Days Moon』『Zabanetarium Live』3冊の再録集です。
ただし、今回は印刷屋さんに発注したので、正方形であること以外は、歌詞カードやらCDの形の栞やらといった、妙なおまけはついていません(笑)。ただ、こちらの方がちゃんと本になっているので読みやすいかも(笑)



東京の空の下
2002.11.17発行 ポストカードサイズ・48p
手作り \400 在庫:
親を亡くして、これからの暮らしを選択するために、ふたりきりで巨大な街へとやってきた双子の姉妹。
「踏切を通りすぎた次の駅」で降りるように言われて、はじめて乗ったこの街をぐるぐると廻る緑色の電車。ふたりはその電車の中で、不思議な少年に出逢います。
大人になったふたりの回想で語られる、街の時間とかなしみを巡る、やわらかくも少し淋しいおはなし、です。
モチーフ曲:『東京の空の下』/遊佐未森
イベントの2日前におはなしが書きあがり、一日で装丁・製本をこなしたという、古書店の店主が切れそうな本。
おはなしで書かれている風景の50%くらいは、私の住んでいる街の近所の風景をもとに書いていたりします。(「夕暮堂」はありませんよ、ちなみに(笑))

このおはなしの中で「緑色の電車には踏切は一つしかない」という記述が出てきますが、この前山手線に乗っていたら、池袋駅到着直前に、「かんかんかんかん」という調べが……(笑) 未森さん本だけに、空耳、かなぁ?(笑)
本の中で、何枚か写真を使ってますが、デジカメを持って電車が来るタイミングを待ち構えてると、何だか鉄ちゃんになった気分でした(笑)。レールとか、踏切とかのモチーフは、割りと好みなのかも。

百年の満月 
2002.05.05発行 ポストカードサイズ・40p 手作り \400
在庫:
鳥の姿と人の姿をとり、空を駆けて遠く旅をする月読鳥の民。そしてその導となる月を燈し、鳥と人の変化を司る、彼らの生命の一部ともいえる月時計。
北の田舎街に留学へ向かう「助手さん」に、博士は若い頃、その街で月読鳥の娘と恋に落ち、別れる際に月時計を壊してしまったことを告白し、そして頼みます。
「もう一度、月時計に月をともしてほしい」、と。
月読鳥の民と月時計をめぐる、恋の物語(?)、です。
モチーフ曲:『百年の満月』/Zabadak
『Tin Waltz』以来実に1年3ヶ月ぶりとなるZabadak本(こら)。
雪窓紅茶店の4周年プレゼントアンケートで、好きな曲のリクエストを頂いて、その曲のおはなしを書いてそのまま本にしてプレゼントする、という企画から生まれた本です。
雪窓紅茶店にもおはなしを載せているのですが、本のバージョンではおはなしの前後に、おまけのプロローグとエピローグが1ページずつついてて、エピローグでは「機械技師」が曲の3番を歌ってます。
2つ穴パンチャーに加え、表紙を満月の形に切りぬくために、ローリングカッターまで登場した、装丁的にもゆかいな造りの1冊(笑)