オーキング
04. 9. 1
ウオーク(玉川上水下り)

内容は次の通りです。
羽村の堰〜拝島駅(7月6日)
拝島駅〜小平監視所(8月27日)
小平監視所〜三鷹駅(8月27日)
玉川上水に架る橋のリスト

昨年、私鉄が主催するウオーキングで「玉川上水」開削350年を記念する企画があり、私もその3回シリーズに参加した。こちらをどうぞ。第1回第2回第3回
その私鉄の営業範囲が「玉川上水」のどちらかというと下流にあたる地域であるため、ウオーキングは井の頭公園から新宿、渋谷までだった。(玉川上水は渋谷まで導水されてないが・・・)

そこで上流にあたる地域のウオーキングを自主企画した。
多摩川からの取水口がある「羽村の堰」から「井の頭公園」までを2、3回に分けて上水の流れを見ながら歩こうというわけである。
ご承知の通り、玉川上水は羽村の堰から小平の監視所までは上水が流れている。小平から下流は再生された水が「清流復活」として流されている。少々残念な気もするが・・・・。
私にとって見所は小平までの上水流と残堀川との交差だった。

羽村の堰〜拝島駅(7月6日) ルート
 羽村の堰 第二水門
羽村駅→まいまいず井戸→玉川神社→禅福寺→羽村堰→玉川上水に沿って→牛浜橋→熊川駅→拝島駅

この日午前中は曇っていて午後晴れる天気予報だった。その日の目的地は「玉川上水駅」までの約12km。午後は早々に切り上げる予定だったが、昼前からの急激な気温の上昇に遭遇し、結果として拝島駅でリタイヤした。
羽村駅は初めて降りた。娘たちが小学生の頃、遠足で来た「まいまいず井戸」があることを思い出した。
駅前の案内図を見て、駅の東側を少し歩き公園の一角に見つけた。
まいまいずとはカタツムリのことだそうだ。底まで下りていくためにらせん状に道が作られている。水を汲むためにこの道を昇り降りしたのだろう。説明版には次のようなことが記されている。
鎌倉時代の創建と推定。砂礫層地帯に井戸が必要であった。昭和35年、町営水道開設で使用を停止。地表面の直径約16m、底面の直径約5m。深さ約4.3mのスリバチ状の窪地の中央に直径1.2m、深さ5.9mの掘り井戸がある。

 羽村の堰 第三水門
駅へもどり南西方向に禅林寺の脇を通り、多摩川に出れば羽村の堰だ。ところが道を間違え、西北西の方に歩いてしまった。街角の地図に禅福寺と記されているのを前記のお寺、禅林寺と勘違いしてかなり遠回りすることになった。
遠回りしたおかげで「大菩薩峠」の作者「中里介山」の生誕地と記された場所に立ち、禅福寺の境内で介山の墓所を探してみた。実は介山の墓所は禅林寺にあったのだが、別のお寺であることは家に帰り地図を見るまで気づかなかった。
だいぶ時間をロスしたという気持ちで多摩川の堤防にたどり着いた。しかも堰からかなり上流に出てしまった。
堰の近くには四つの水門があり、上流の第一水門は多摩川から取水し、第二水門を通って下流へ、小吐水門は水流の一部を多摩川へ戻している。やや下った第三水門は村山・山口貯水池へ導水するゲートである。
玉川兄弟の像が立っている取水公園の木陰でひと休み、堰の部分を流れる多摩川の水しぶきが涼気を運んでくる。自然の冷気はいいものである。川の中を犬を連れた人が歩いている。
玉川上水は小平監視所まで上水の導水路として使用され、東村山浄水場に導水されるそうだ。

さて私のウオーキングは玉川上水の右岸の快適な散策路を流れに沿って下る。しかし宮本橋から先は悲劇である。上水のそばに散策路がなく奥多摩街道を歩く羽目になる。さらに下流の新橋から上水からかなり離れた道路を歩かなければならず、気温の上昇とともに気分も滅入ってきた。
JR五日市線の熊川駅の近くから奥多摩街道を離れ拝島駅を目指し炎暑の中を歩いた。
コンビニを探すが見当たらない。この市は玉川上水の周りを公園化している市と違い財政に余裕がないのかな、なんて思いながらやっとの思いで拝島駅にたどり着く。
この頃には熱中症の一歩手前ではないかと思えた。駅構内の立ち食いそばで腹ごしらえをしながらリタイヤを決めた。トータルウオーキング距離:13km。
この日、東京は最高気温が32℃、40日間連続真夏日のはじまりであった。

拝島〜小平監視所(8月27日)
残堀川との交差点
ルート
(省略:玉川上水に沿って歩くだけ)この日の目的地は、西武鷹の台駅(12km)。

夏期の猛暑の期間はウオーキングは避けなければならない。特に遠方などに出かけると気温の最も高い時間帯となり熱中症の危険度が高くなる。
8月15日に連続真夏日が40日で途切れたとはいえ、午後は32〜3度になることが多かった。
8月27日は一日中、曇り空との予報だった。久しぶりに「玉川上水下り」の続編ウオーキングをやろうと思いたった。
拝島駅北口から少しのところに玉川上水はあった。この近辺は前回散々な思いをし、上水に接することがなかったたところなので少々上流へ向かってみる。

日光橋から上流には上水の周りに歩道が見当たらなかった。下流方向は上水の両岸に散策路が整備されているようだ。
小平監視所の近く
持参したウオーキング・マップに記されている通り、右岸→左岸と進む。地図に簡単なコメントが記されている。「桜並木道・・・」、「橋の下に鯉が・・・」散策している人、ウオーキングしている人が多い。
昭和の森ゴルフコースの近くで上水は暗渠に入ってしまう。「なぜここに暗渠が必要なのだろうか。」ブツブツ言いながらも快適な散策路を東へ、散策路は上水の堤防の上に道幅1m以下であるが、すぐそばを車道が走っている。
願わくはこのような道が続いてほしいものだ。 車で側道を利用する人は玉川上水が邪魔になるのかもしれない。

ややしばらく進むと昭島市から立川市に入り天王橋交差点にきた。ここは五日市街道との交差だ。この街道が滑らかになるように斜めにも橋がある。
ウオーキング・マップの指示通り右岸に来たところ、上水沿いに道がないではないか。 マップには「心地よい散歩道」と、嘘を書いちゃいけないよ。しばらく五日市街道を歩くが、だんだん上水から離れる。細い道を見つけ上水わきの散歩道に戻る。まもなく残堀川との交差点に達した。
川の交差は人工的に天井川をつくり下部に水路を通したものかと想像していた。
玉川上水と残堀川が同じ高さでぶつかり、上水が残堀川底を潜り再び湧き上がっているようだ。
この先 玉川上水駅まで、木々に囲まれた快適な道が続く、「best」と記す。小平監視所はもうすぐだ。
玉川上水は昭和40年まで淀橋浄水場へ上水道水路として使われていた。昭和40年以降は ここ小平から下流は水が途絶えていた。東京都の清流復活事業により昭和58年の野火止用水に続き、昭和61年8月清流が復活した。小平から下流は多摩川上流処理場(昭島市)の処理水を導水し、砂ろ過されたものが流れている。



小平監視所から三鷹駅(8月27日)
清流が甦る
今日8月27日は曇りの予報通り、しかも気温もかなり低い方であろう。また 上流の市と異なり、ウオーキングには快適な散策路が続く。
小川橋あたりから小平市に入った。グリーンロードと名づけられている。上水の水は少なくチョロチョロと流れているようだ。清流は見ることが出来ない、グリーンロードと名づけたのもうなづける。
玉川上水に関心のない人がそこを見たら単なるグリーンベルトと思うだろう。
このあたりから小川分水とよばれる水路が散策路の左を流れている。
玉川上水は深い谷底にあり、水の流れは見えない、真っ直ぐで単調なグリーンロードは単調な歩きを強要する。
少し速度を上げて進む。西武国分寺線を越えた、この頃目的地を三鷹駅に変更する。小平中央公園、津田塾大のそばを通り五日市街道と合流。西武多摩湖線をわたる。
小平市を縦断し小金井市に入り、新小金井街道、小金井街道をクロスする。道路標識に右方向は東府中と記されている。真っ直ぐ歩くしかない。小金井公園の入り口が見えてくるが寄り道する元気はなくなっている。
このあたりの玉川上水もグリーンベルトだけでつまらなくなった。いつのまにか小金井市から武蔵野市を歩いている、五日市街道と別れ境浄水場の南側へ来た。水流はわずかにあるようだ。
玉川上水の開通は、江戸市民ののどを潤しただけでなく、玉川上水からの分水により原野だった武蔵野台地も開拓され、人が住めるようになった。小川村(現・小平市小川町)の新田開発は小川分水の工事から始まり、現在の東小川橋付近に分水口が設けられた。小川分水から仙川分水まで7つの分水口があった。

三鷹駅北口近くの終点
北側の浄水場の周りは上部が内側に曲がったフェンスが設けられている。最近はテロなどに対する心配も必要だろう。内向いているのと外に曲がっているのではどちらが侵入を防げるだろうか、しかし侵入しようと思えばこの程度は難なく越えるだろうなど余計な思いをしながら歩く。
それにしても浄水場はだだっ広い。
右側の玉川上水を覗き込んでいるオバサンがいる。私も覗いてみると清流とはいえない濁った水の中に鯉が数匹泳いでいる。水量が少ないから濁ってくるのかしら。
三鷹駅に近いけやき橋の近くで暗渠が見えてきた。嗚呼!終わりかな。
北口に申し訳程度に水流が作られている。
所詮、小平からの玉川上水は「まぼろし」なのかも。現代人は先人の遺産を自分たちに都合の良いようにアレンジしている。遺産を知らない人が増えてくるかもしれないがやはり残すべきだろう。

この後、中央線、井の頭線、京王線を乗り継いで帰宅。本日の歩行距離、約30km。お疲れ様。


参考
玉川上水に架る橋のリスト

1 羽村橋
2 羽村大橋
3 堂橋
4 新堀橋
5 加美上水橋
6 宮本橋
7 宿橋
8 新橋
9 清厳院橋
10 熊野橋
11 かやと橋
12 牛浜橋
13 青梅橋
14 福生橋
15 山王橋(JR青梅線)
16 五丁橋
17 (JR八高線)橋
18 武蔵野橋
19 どんぐり橋
20 日光橋
21 (横田基地引込線)
22 平和橋
23 こはけ橋
24 (西武拝島線)橋
25 ふたみ橋
26 拝島上水橋
27 美堀橋
28 (暗渠)
29 松中橋
30 一番橋
31 天王橋
32 稲荷橋
33 (残堀川交差)
34 新家橋
35 見影橋
36 金比羅橋
37 宮野橋
38 千手小橋
39 千手橋
40 清願院橋(モノレール)
41 上水小橋
42 西中島橋
43 小川橋
44 東川橋
45 くぬぎ橋
46 寺橋
47 いこい橋
48 栄光橋
49 水車橋
50 新小川橋
51 鷹の橋
52 東鷹の橋(西武国分寺線)
53 久右衛門橋
54 鎌倉橋
55 小松橋
56 商大橋
57 一位橋
58 小平桜橋(西武多摩湖線)
59 八左衛門橋
60 山家橋
61 喜平橋
62 小桜橋
63 茜屋橋
64 貫井橋
65 小金井橋
66 陣屋橋
67 新小金井橋
68 睦橋
69 関野橋
70 梶野橋
71 新橋
72 あけぼの橋
73 くぬぎ橋
74 もみじ橋
75 境橋
76 うど橋
77 独歩橋
78 桜橋
79 松実橋
80 大橋
81 けやき橋
82 暗渠(三鷹駅)
83 三鷹橋
84 むらさき橋
85 万助橋
86 ほたる橋
87 さいわい橋
88 新橋
89 松影橋
90 井の頭橋
91 若草橋
92 宮下橋
93 東橋
94 長兵衛橋
95 どんどん橋
96 牟礼橋
97 兵庫橋
98 岩崎橋
99 浅間橋


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