書名:竹の御所 鞠子
著者:杉本苑子
発行所:中央公論社
発行年月日:1997/10/7
定価:3600円+税
初代頼朝、二代頼家、三代実朝と続く鎌倉幕府。頼家には3男1女がいた。その中には実朝を殺害した鶴岡八幡宮の別当公暁がいる。木曾義仲の娘と頼家の間に生まれた鞠子(竹の御所鞠子とよばれている)の物語。竹の御所とは鎌倉駅から直ぐの杉本寺の辺りを指す。娘時代ひっそりと竹の御所に住んでいた。四代将軍北条頼経の后になるひと。
鎌倉時代の物語は少ない。また歴史資料が少ないので分からないことが多いので作者の空想の中から生まれた物語だと思うが、頼朝の死にしても、頼家の死にしてもまして実朝の死など分からないところが多い。北条氏と三浦氏の陰謀がかなり色濃く書いてある。鎌倉を散歩しながらこの時代を忍んでみるのもまた面白い。
書名:汚名
著者:杉本苑子
発行所:中央公論社
発行年月日:1997/10/7
定価:3600円+税
徳川家康が開いた徳川幕府の初期の時代。本多佐渡守正信、正純は駿府にいて大御所(家康)のおつき、2代将軍秀忠でさえも本多が了解しないと大御所にもあえない。そんな本多親子、家康の死後宇都宮城に。創業時代の家臣から秀忠、家光に時代は引き継がれていく、その間に大久保長安事件、それぞれその政権のときには重要な人物、権力も絶大の人物達に汚名をきせて、次の世代に繋いでいく、そんな狭間を生きていた武士の生き様を描いている。