書名:欅しぐれ
著者:山本 一力
発行所:朝日新聞社
発行年月日:2004/4/30
ページ:307頁
定価:1600 円+ 税
深川の老舗大店桔梗屋のあるじ太兵衛は偶然、賭場の貸元霊巌寺の猪之吉と出会う、人の目利きにたけた太兵衛は、猪之吉の人柄を敏感に感じ取り、一献のお付き合いをと申し出る。大店のあるじと貸元のはらを割った五分のつき合いが始まった。そんなある日油問屋・鎌倉屋による桔梗屋の乗っ取りの企みが明らかになる。重い病の太兵衛は、桔梗屋の後見を猪之吉に託し、息を引き取る。やがて桔梗屋をめぐる乗っ取り一味との駆け引き、猪之吉・桔梗屋の雇い人達と鎌倉屋、それに雇われた一味との知力と死力を尽くした闘いが始まるが、江戸深川を舞台に一力の筆が踊る。興味をもってつぎつぎ読んでしまう。筆運びは流石。なかなか面白い。