書名:拳銃稼業
著者:大藪 春彦
発行所:双葉社
発行年月日:1997/1/25
ページ:362頁
定価:1748円+ 税
大藪春彦というと早稲田大学時代「野獣死すべし」で脚光をあびた作家で、ハードボイルド・ミステリー作家と言われている。この「拳銃稼業」もハードボイルド・ミステリーで8つの短編で構成されている。拳銃、暴力団、女、薬、車を題材にした単純なストーリーが基本。劇画を見ている感じで何となく退屈。週刊誌向きの小説。
日々のきづいたことを気ままに書き綴ってみよう
書名:拳銃稼業
著者:大藪 春彦
発行所:双葉社
発行年月日:1997/1/25
ページ:362頁
定価:1748円+ 税
大藪春彦というと早稲田大学時代「野獣死すべし」で脚光をあびた作家で、ハードボイルド・ミステリー作家と言われている。この「拳銃稼業」もハードボイルド・ミステリーで8つの短編で構成されている。拳銃、暴力団、女、薬、車を題材にした単純なストーリーが基本。劇画を見ている感じで何となく退屈。週刊誌向きの小説。
書名:天涯の花 小説未生庵一甫
著者:澤田 ふじ子
発行所:中央公論社
発行年月日:1999/4/20
ページ:389頁
定価:1456円+ 税
いままで殆どの人が取り上げなかった華道(生け花)をテーマにした作品を発表している。『空蝉の花』(池坊の異端児、大住院以信)、『花僧』(池坊立花成立に貢献した池坊専応)、そして本書を含めて三作品です。
23歳の沼田内蔵助(後の未生庵(斎)一甫)は、幕臣山村家の妾腹の子として、小普請組支配無役の沼田家に婿養子に入る。無役の舅又左衛門は猟官運動に奔走する。それも娘・蕗(沼田内蔵助の妻)を連れて、上司のところへ外出する。そんなある日、高瀬家を出奔し行方を捜していた親友・高瀬修蔵は遊女・葉と心中する。内蔵助が一人残された修蔵の妹・雪に代わり葬儀の支配を行い。妻蕗と離縁し、一人生け花に生きる覚悟をした矢先、事件が起きる。
幕臣の子に生まれながら武士への執着を捨て、愛への未練を断ち、木曾、尾張、京都、九州、四国、山陰と漂泊の旅の中で、内蔵助(未生庵(斎)一甫)は、多くの人と出会う、自身の花論を作り上げていく。一輪の花に人生を託して、生花“未生流”を興した一甫。華道を行う中で、儒教・老荘思想・仏教の宗教的観念を根本的思想にした。そして、華道をする事によって、自らの心を安定させるというのが理念。華道技法には、直角二等辺三角形の形を象って生け花をするという技法がある。そして、宗教観念を取り入れ、世界を形成する万物である「天地人」を意識した生け花。生け花一筋の道をたどりつづける辛苦にみちた生涯を鮮烈に描く渾身の長篇小説。
書名:庖丁人 轟桃次郎
著者:鯨 統一郎
発行所:早川書房
発行年月日:2005/10/31
ページ:339頁
定価:1700円+ 税
女将福嶋彩乃が経営する小料理屋「ふく嶋」、伝説の庖丁人といわれた加賀善蔵は店の経営に専念して老舗料亭「加賀屋」を経営している。加賀屋は経営規模拡張のために「ふく嶋」を譲り渡せと、女将彩乃に迫っていた。小料理屋「ふく嶋」の庖丁人桃次郎は店舗の買収を目論む「加賀屋」と、店を賭けた料理対決に鎬を削っていた。加賀屋では7人の庖丁人を用意している。料理対決と殺人が交互に描かれていく。
罪のない善良な人々を殺害しておきながら、ぬくぬくと生き延びている殺人犯たちが、何者かに包丁で惨殺されるという奇怪な事件が続発していた…。それは「ふく嶋」に来た客の周辺だったりした。実直で腕の立つ庖丁人桃次郎が極悪非道の犯罪者たちを料理していくというブラックユーモア風の連作短編集。
書名:東大が倒産する日
著者:森 毅
発行所:旺文社
発行年月日:1999/11/25
ページ:255頁
定価:1500円+ 税
もう亡くなられましたが、数学者の森毅、京大の教授を退官してからマスコミにも顔を出したり、いろいろなエッセーを書いていたり幅広い雑学が面白い。この「東大が倒産する日」も大学の国立大学独立行政法人化が議論されていた時代の対談集です。
大学は一種の文化産業だから価値がある。人間はおしゃれが好きな生物だから、知的なおしゃれとして文化がある。学問産業と映画産業はあんまり変わらない。「東大も東宝も芸能産業」等ユニークな発想が面白い。卒業は東大、でも京大の教授が長かったせいか、雰囲気は京大。そんな感じ。
誰にでも好かれる映画がないように、大学もある狭い分野、特徴をもったものがあって良い。金太郎飴を作るのではなく、いまの世の中に役に立つものでなくて良い。例えば中世神学なんて産業界にどれだけ役に立つか?でもそれで良い。それが文化という。大学ではなく大学院を充実しないといけないと述べています。ユニークな森毅の教育論です。