書名:朝鮮学校「歴史教科書」を読む
著者:萩原 遼・伊沢 元彦
発行所:祥伝社
発行年月日:2011/11/10
ページ:251頁
定価:780円+税
民主党が政権を取った当時「高校の授業料無償化」の対象に朝鮮高級学校を含めるか除外するかで問題になっていたとき。著者のひとり萩原遼氏は朝鮮学校ではどのような「歴史教育」が行われているのかを知るために独自に教科書を入手して10日で全文翻訳、1ヶ月で出版しました。
文部省をはじめ、ほとんどの人が朝鮮高級学校の実態を知らないなかでの無償化議論に危機感を抱いた結果です。朝鮮学校では、「金日成の出生と独裁」「朝鮮戦争」「大韓航空機爆破事件」「日本人拉致問題」などの問題を、どう教えているのか。本書を読むと北朝鮮の歴史教育の実態がわかるとともに、歴史をどのように捏造し、つじつま合わせの整理をしているかが理解できます。朝鮮高級学校、朝鮮大学校は在日北朝鮮人のエリート養成学校、日本では各種学校、料理学校等とおなじ扱い。学習プログラム、教科書等は公開も、文部省にも届けは出ていない。
そこでは何が行われていたか?拉致された日本人は400人とも500人とも言われています。その裏に在日北朝鮮人(朝鮮高級学校、朝鮮大学校卒業生)が拉致の幇助をしていたはずと。船に乗って日本に来て人をさらって帰る。(見つからないように)ということを日本内部の人の協力なしにはできないはずと。朝鮮戦争は韓国・アメリカが仕掛けたと長い間言われていたけれど金日成(北朝鮮)から仕掛けた。また朝鮮戦争で壊滅的な敗北をしたのは北朝鮮、でも中国・ソ連に仲介に入って貰って停戦協定を結ぶ。今も韓国と北朝鮮は停戦中です。この本を読むといかにマスコミが間違った(意図的かも)報道を繰り返してきたことが判る。北朝鮮政府、朝鮮総連発表をただそのまま発表してきた。それを黙って信じて来たことが判ってくる。
この教科書を翻訳するために、入手した時のエピソードが書いてあるが、朝鮮学校の教科書は機密文書扱いで門外不出になっている。でも在日朝鮮人のPTAの人たちは朝鮮学校を潰して欲しい。でも自分たちが言い出すと、北朝鮮内に残っている親族がどうなるかわからいから表だって反対できない。そんな人たちから入手したとのこと。一読する価値のある本だと思う。