書名:残月 みおつくし料理帖
著者:高田 郁
発行所:角川春樹事務所
発行年月日:2013/6/18
ページ:314頁
定価:619 円+税
吉原の大火、「つる家」の助っ人料理人・又次が亡くなった。火事の時又次に救い出されたあさひ太夫こと野江のその後はどうなったのか?行方不明の大坂の「天満一兆庵」若旦那・佐平衛との再会は叶うのか? 料理屋「登龍楼」から投げかけられた新たなる試練とは?いよいよ佳境に入ったみおつくし料理帖第八弾
日々のきづいたことを気ままに書き綴ってみよう
書名:残月 みおつくし料理帖
著者:高田 郁
発行所:角川春樹事務所
発行年月日:2013/6/18
ページ:314頁
定価:619 円+税
吉原の大火、「つる家」の助っ人料理人・又次が亡くなった。火事の時又次に救い出されたあさひ太夫こと野江のその後はどうなったのか?行方不明の大坂の「天満一兆庵」若旦那・佐平衛との再会は叶うのか? 料理屋「登龍楼」から投げかけられた新たなる試練とは?いよいよ佳境に入ったみおつくし料理帖第八弾
書名:夏天の虹 みおつくし料理帖
著者:高田 郁
発行所:角川春樹事務所
発行年月日:2012/3/18
ページ:312頁
定価:619 円+税
想いびとである小松原と添う道か、料理人として生きる道か、澪はなやみに悩み抜く。小松原の正体が初めて明かされる。武家の嫁として生きるか?大きな分岐点。「みをつくし料理貼」シリーズ第七弾
書名:心星ひとつ みおつくし料理帖
著者:高田 郁
発行所:角川春樹事務所
発行年月日:2011/8/18
ページ:297頁
定価:590 円+税
吉原の翁屋の桜主伝右衛門から澪に吉原へきて大坂の「天満一兆庵」を再建しないかという話、一方ライバル店の登龍楼の采女宗馬からも、神田須田町の登龍楼を、居抜きで売るのでつる家として移って来ないかという2つの話が舞い込んだ。つる家の料理人として岐路に立たされた澪は心が揺れ動く。みおつくし料理帖シリーズ第六弾
書名:小夜しぐれ みおつくし料理帖
著者:高田 郁
発行所:角川春樹事務所
発行年月日:2011/3/18
ページ:290頁
定価:590 円+税
江戸時代の小説で売れる条件とは
1.武州豊島郡江戸市中が舞台であること
2.捕り物などのミステリー性があること
3.剣豪物であること
と言われていますが、このみおつくし料理帖シリーズはこれらの3条件の内1部しか満たしていない。でも好評なシリーズです。時たま大坂を舞台。料理も上方、江戸のものなどの違いを紹介しながら工夫していく。
最近このシリーズは全10巻ということを知った。2009年に第1作を発表し2014年刊行の第10作で完結した。この本は第五弾です。
大坂生まれの澪、野江の二人が水害で両親を亡くし、それぞれ苦労しながら江戸に、澪はつる家の料理人、野江は吉原の花魁あさひ太夫。澪が料理人として毎回工夫して新しい料理を考案しながらつる屋を繁昌させていく。しかし毎回これでもかこれでもかという困難に遭遇する。そんな健気な生き方を描いている。
日本橋伊勢屋の美緒が思いを寄せている医師、源斉との縁談ではなく伊勢屋の主・九兵衛が美緒に使用人を婿にとらせるという話他
『みをつくし料理帖』シリーズ
2009年に第1作を発表し2014年刊行の第10作で完結した『みをつくし料理帖』シリーズは、
全10巻で300万部を超える大ヒットシリーズ
1. 八朔の雪 みをつくし料理帖(2009年5月15日発売)
狐のご祝儀―ぴりから鰹田麩……文化9年11月の話
八朔の雪―ひんやり心太……文化10年8月の話
初星―とろとろ茶碗蒸し……同年9月~11月の話
夜半の梅―ほっこり酒粕汁……同年12月~文化11年1月の話
2. 花散らしの雨 みをつくし料理帖(2009年10月15日発売)
俎橋から―ほろにが蕗ご飯……文化11年春の話
花散らしの雨―こぼれ梅……同年3月の話
一粒符―なめらか葛饅頭……同年4月の話
銀菊―忍び瓜……同年5月の話
3.想い雲 みをつくし料理帖(2010年3月15日発売)
豊年星―「う」尽くし……文化11年6月の話
想い雲―ふっくら鱧の葛叩き……同年6月~8月の話
花一輪―ふわり菊花雪……同年8月~9月の話
初雁―こんがり焼き柿……同年10月の話
4.今朝の春 みをつくし料理帖(2010年9月15日発売)
花嫁御寮―ははきぎ飯……文化11年10月の話
友待つ雪―里の白雪……同年11月の話
寒紅―ひょっとこ温寿司……同年11月~12月の話
今朝の春―寒鰆の昆布締め……同年12月の話
5.小夜しぐれ みをつくし料理帖(2011年3月15日発売)
迷い蟹―浅蜊の御神酒蒸し……文化12年1月~2月の話
夢宵桜―菜の花尽くし……同年2月~3月の話
小夜しぐれ―寿ぎ膳……同年3月~5月の話
嘉祥―ひとくち宝珠……同年5月の話
6.心星ひとつ みをつくし料理帖(2011年8月10日発売
天つ瑞風―賄い三方よし……同年8月の話
時ならぬ花―お手軽割籠……同年9月の話
心星ひとつ―あたり苧環(おだまき)……同年10月の話
7.夏天の虹 みをつくし料理帖(2012年3月15日発売)
冬の雲雀―滋味重湯……文化12年11月~12月の話
忘れ貝―牡蠣の宝船……文化13年1月~2月の話
一陽来復―鯛の福探し……同年3月の話
夏天の虹―哀し柚べし……同年4月~5月の話
8.残月 みをつくし料理帖(2013年6月15日発売)
残月―かのひとの面影膳……文化13年6月~7月の話
彼岸まで―慰め海苔巻……同年7月~閏8月の話
みくじは吉―麗し鼈甲珠……同年閏8月~9月の話
寒中の麦―心ゆるす葛湯……同年9月~10月の話
秋麗の客 (特別収録)……同年9月の話
9.美雪晴れ みをつくし料理帖(2014年2月18日発売)
神帰月―味わい焼き蒲鉾……文化13年11月の話
美雪晴れ―立春大吉もち……同年12月~文化14年1月の話
華燭―宝尽くし……同年1月~2月の話
ひと筋の道―昔ながら……同年2月の話
富士日和 (特別収録)……同年2月の話
10.天の梯 みをつくし料理帖(2014年8月9日発売 この巻をもって完結となる)
結び草―葛尽くし……文化14年8月の話
張出大関―親父泣かせ……同9月~12月の話
明日香風―心許り……文化15年1月~2月の話
天の梯―恋し栗おこし……同年3月~文政元年4月の話
別.みをつくし献立帖(2012年5月15日発売)
作中に登場しないレシピや「つる家」の間取り、著者のエッセイ、澪と野江の子供時代の
短編「貝寄風」などが収録されている。
書名:みおつくし献立帖
著者:高田 郁
発行所:角川春樹事務所
発行年月日:2012/5/18
ページ:155頁
定価:686 円+税
「みをつくし料理帖」シリーズで登場した料理「はてなの飯」「ありえねぇ」などの料理のレシピを紹介している。また澪がつくり出す料理を著者自らが完全再現。また、つる家の間取り図なども紹介。また「みをつくし料理帖」の読者の反応とか著者の感じたことなどをエッセイ風に書いている。
本編にはない澪と野江の幼き日の思い出を描いた書き下ろし短編小説「貝寄風」も
みをつくし献立帖(電子版)
http://www.osakagas.co.jp/company/efforts/shoku/kondatecho/index.html
書名:宮本武蔵
著者:司馬 遼太郎
発行所:朝日新聞出版
発行年月日:2011/10/30
ページ:248頁
定価:580 円+税
宮本武蔵というと吉川英治の宮本武蔵のイメージがあって、吉川フィクションが史実だと思ってしまうところがあるが、吉川英治の創造した宮本武蔵ですね。
この本は宮本武蔵の一生を年代と共おいながら、その時々の事件、出来事などを説明、分析しながら真の宮本武蔵に近づこうとした。
何故か?織田信長、豊臣秀吉は兵法者を重視しなかった。剣術家などは相手にしていない。一対一で戦う戦い方は完全に時代遅れになっていた。集団で鉄砲、大砲を使うか?が戦術として登場してきた時代。剣の道を極めるという宮本武蔵は遅れてきた天才と言えるだろう。たまたま徳川家康が剣術家を大事にして柳生、小野などを指南役に召し抱えた。宮本武蔵は強欲までの出世主義で、「直参旗本3000石以上でないと仕官しない」と自分の価値を高く置いていた。そのためいつまでも仕官は出来ない。肥後熊本細川藩に顧問(石高はない。)で一生を終わることになった。
尾張徳川に仕官話が出たとき、尾張徳川の指南役柳生宗家は武蔵の天才をさして、武蔵の剣は彼以外出来る者がいない。後継者が出来ない。指導で武蔵の剣の奥義に達することは出来ない。後年武蔵の後継者は出ていない。幕末にはやった北辰一刀流などは天才でなくても習得できる。天才は一代で終わる。結果的に本人としては寂しく終わるしかないようだ。一時しのぎに英雄、天才は向いているが、恒常的な仕事はできない。武蔵の他の才能、臨済禅と剣術、絵を描く、彫刻を彫るなど一流の才が見られる。どこかの時点で進み方の選択を変えていればまた違った人生が送れたのではないと思える。一生の内30数回の試合で負けたことがなかったと言われているが、負ける試合はしなかったといった方が正しいだろう。「見切る」ということが旨かったと。
宮本武蔵をまた違った見方が出来る本です。
書名:精姫様一条 お狂言師歌吉うきよ暦
著者:杉本 章子
発行所:講談社
発行年月日:2014/11/14
ページ:348頁
定価:800 円+税
将軍家の姫の嫁を迎えることを迎える側は「厄介姫」と敬遠していた。「迎えれば家格は上がるが、莫大な費えがのしかかってくるからだ」今回は12代将軍・家慶の養女・精姫の輿入れについて。将軍家より久留米藩有馬家と彦根藩伊井家に精姫の輿入れについて打診があった。両藩とも断ることで共同戦線を張ったのであるが、お狂言師の歌吉に将軍家の姫の嫁ぎ先をめぐり下される密命が下る。恋あり、ミステリーありの物語です。
江戸時代の中がそこにあるようにすぐに物語の中に入っていける気楽さがある。また習慣、町並みなども当時の中にいる人が言っている。行動しているような描写なかなか面白い。また文章の始め方、終わり方。そして流れ方なかなかのものです。
書名:大村益次郎
著者:佐山 咲平
発行所:学習社
発行年月日:昭和17年6月5日(1942年)
ページ:233頁
定価:65銭
昭和17年(紀元2602年2月(皇紀))に発行された青少年向けの本です。司馬遼太郎の花神とはかなり違っています。(宇和島藩に妻が後から行っている。楠イネとの関係などは無かった)青少年向けと時は戦時下を反映してやさしく書かれていますが、わかりやすい大村益次郎伝になっています。また後書きなどで死ぬことの意義、兵隊に行く行く意義などが書かれています。これは当時の事情の反映でしょうね。
この本では大村益次郎の事蹟の中で特筆すべきものとして徴兵制(武士による各藩の藩兵を解散して)国民の全てから兵を募る。これが民主主義、平等と。また招魂社の出来るまでの裏ばなしなど。この本が参考にした大村に関する本「田中惣五郎著 近代軍制の創始者大村益次郎」「村田峰太郎著 大村益次郎先生事蹟」とか。
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大村益次郎の事蹟を広く人々に再認識させたという点においては、『花神』は実に有難い立派な本である。しかし史実と比べてみると、『花神』の記述の誤りは多い。私はよく人から『花神』の内容に間違いはないかと聞かれたりする。そのとき私は「村田蔵六(大村益次郎)という名前だけが本当で、あとはみな作り事ですよ。小説とはそんなものではないでしょうか」と答えている。(内田伸)
国立国会図書館デジタルコレクション - 大村益次郎
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1719164
大村益次郎先生事蹟・解説
http://www.e-furuhon.com/~matuno/bookimages/18112.htm
書名:冬を待つ城
著者:安部 龍太郎
発行所:新潮社
発行年月日:2014/10/20
ページ:433頁
定価:2000 円+税
陸奥国には糠部郡に「四門九戸の制」一戸から九戸があります。現在の青森県・岩手県にあたります。
一戸・・・岩手県二戸郡一戸町
二戸・・・岩手県二戸市(旧二戸郡)
三戸・・・青森県三戸郡三戸町
四戸・・・現存せず(青森県旧三戸郡内にあったと推定)
五戸・・・青森県三戸郡五戸町
六戸・・・青森県上北郡六戸町
七戸・・・青森県上北郡七戸町
八戸・・・青森県八戸市(旧三戸郡)
九戸・・・岩手県九戸郡九戸村
東北の戦いの歴史は、酷い。「征夷」大将軍・坂上田村麻呂の侵攻、源頼義・義家父子による前九年の役、鎌倉武士が大挙して押し寄せた平泉の討滅、豊臣秀吉の「奥州仕置」、錦の御旗を翻す官軍に敗れた戊辰戦争。中央政府はいつの時代も「征伐、征服」として東北の自由を許さず、いつも屈従を強いてきた。
豊臣秀吉の「奥州仕置」のひとつがこの小説の主題です。南部氏一族の九戸政実が奥州最北端の九戸城(3000人)に立てこもり秀吉軍15万人に包囲されて戦った。主人公は政実の弟、久慈政則。彼の目を通して九戸政実の乱を描く。九戸城(岩手県二戸市)に立てこもる政実の、どう見ても無謀な戦い。でも豊臣軍にも思惑が、そして政実には「奥州の大義」のために命を懸けた。秀吉による天下統一の総仕上げ、といわれるこの戦いは、実は朝鮮出兵を見据えてのものだった……。城主・政実は、九戸家四兄弟を纏めあげ、地の利を生かして次々と策略を凝らした。あとは包囲軍が雪に閉ざされるのを待つのみ!著者の謎解きが面白い。九戸政実の乱は初めて知りました。
冬を待つ城 安部龍太郎著 戦国の謎 九戸政実の乱に迫る
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO80305240Z21C14A1MZB001/