中野ザ・ポケット 4/28〜5/2
「おやすみ、おじさん2〜影食いと影吐き〜」
5/1(土)ソワレ観劇。
作・演出 長谷基弘申し訳ありません。まだ書けていません。
作・演出 土屋亮一申し訳ありません。まだ書けていません。
作・演出 倉森勝利
構成 小松と倉森勝利ブラザーズ物語は『花と緑の豊満の会』講演会のリハーサル風景から始まる。豊満こそ善の道と説く教祖のラヴ・平田(平田敦子)は、石橋(市川しんぺー)の協力の元、教団を法人になるまでに拡大させていた。しかし、その中身はインチキ教団であった。その『花と緑の豊満の会』から会員を引き抜き、自分の教団に入れようとした元信者の鶴田(高木尚三)の行動を見抜いた、平田と石橋は、鶴田に対し、「30万人の会員を集めたら認めてやる」と、注文を付けた。無理だと思えるその注文を呑んだ鶴田には、秘策があった。鶴田が教祖として見つけた男(松村秀憲)は、人気劇団“ワンダフル”の一人と同じクラブ活動をしていたのである。“ワンダフル”とは、2年前、アメリカのシェアスタジアムを満員にしたほどの人気劇団で、カークン(小松和重)、コガニィ(久ヶ沢徹)、カックン(倉森勝利)、ナカッチ(中澤功)の4人で構成されている。そのワンダフルを呼べば会員は一気に伸びると読んでいたのであった。
そんな話を聞きつけた石橋は、平田に10年前の事を話し始めた。実は、石橋はワンダフルのリーダーであったらしい。いや、正確にはワンダフルの前身であった“サモアリマックグローズ”のリーダーであった。サモアリマックグローズの人気に目を付けたレンタルビデオ会社のオーナーのスガイ(菅原永二)は、マネージメントを申し出る。ただし、自分が出来るのは4人まで、という条件を付けた。その条件のせいで女優の涼子(久米淳子)とリーダーの石橋は外されてしまったのであった・・・。
そんな宗教バトルに巻き込まれる事となってしまった劇団“ワンダフル”。その劇団の誕生から解散までの運命を描いた作品。久々に観たサモ・アリナンズ。やっぱ、小さい空間で観るのは良い。面白さの空気が劇場全体を包み込む感じが大好きである。サモ・アリナンズを観るなら小さな空間が最高である、という自論は覆えされなかった。次回は、駅前劇場で原点回帰的なおバカ芝居らしいので、期待しない訳にはいかない。
ってその話は置いておいて、今回観て感じたのは、以前よりストーリーがしっかりしてきたという事。今回の話は、宗教(もちろん信者を洗脳したオウム真理教を意識しているのは明白)に、劇団の誕生〜繁栄〜解散までをビートルズを匂わせ描いていく。まぁ劇団も宗教に近いところがなきにしもあらずだけど・・・。まぁそれはともかく、単なるパロディではなく、しっかり描いていく手法はなかなかのものだと思う(音楽もビートルズで心地よい)。しかし、おふざけ度が低くなってしまい、サモ・アリらしさという点からは物足りなさを感じてしまった。まぁ“小松の笑い”や小松と久ヶ沢のゆるい掛け合いは健在だったので楽しめたけど。
余談になってしまうが、“ワンダフル”にビートルズを匂わせているが、私にはその繁栄から衰退の歴史に“ジ○ビジ○バ”の姿を浮かばせてしまった。そんな風に感じたのは自分だけはないはず・・・。いや、“○ョ○○ョ○”はすでに過去の産物で、忘れ去られていたりして。話を芝居に戻すが、ラストが屋上での解散ライブで終わってしまったのは、「アレッ?終わり?」って感じで拍子抜け。「花と緑の豊満の会」の解散もあっさりし過ぎるし。メッセージ性がありそうでないのもサモアリらしくていいんだけど、もう少し心に残るものが欲しかった、って言うのはわがままな願いだろうか・・・。
“サモ・アリナンズ”自分が観た公演ベスト
1.ガッツ団 2.ロボイチ 3.マクガフィン 4.ワンダフル 5.ホームズ 6.ホールアンドナッツ 7.スネーク・ザ・バンデット 8.蹂躙
企画 和倉義樹・足立雲平まずは「和倉雲平とはなんぞや?」って事で、HPの言葉を拝借。
“めくるめく夜のグラマラス・ショー。ミラーボールの銀色の輝きの下、キラめく衣装を身にまとい、ハスキーボイスで艶やかに歌い、スレンダーボディでしなやかに踊る。壮絶な美貌の和倉義樹とユニセックスな異端児・足立雲平が、男同士でイ・ケ・ナ・イ★ユニット活動をします ”
との事で、毛皮族の和倉義樹と元ロリータ男爵の足立雲平が新たに組んだユニットが“和倉雲平”。●オープニングは、『ロッキー・ホラー・ショー』のフランクリン・フルター博士ばりの衣装(黒の下着にガーターベルトとタイツ、そしてハイヒールを履いている、あの有名な衣装)を身にまとい、曲に乗って二人が登場。歌はもちろんオープニング曲の『SCIENCE FICTION - DOUBLE FEATURE』。周りには、これまた下着姿の女性(及川水生来、野中美子、内田滋)を配してちょっとSMチック。子供には刺激が強い。って私はおやじなので食い入るように観た(ウソだけど)。その後『君に胸キュン』『アジアの純情』とか歌謡曲も交えて歌い踊る。
●で、幕間にゲスト。一人目は“ドイツ三本”の紙芝居。タイトルは【小泉幸太郎誘拐作戦】。微妙に笑える。
●2幕目は衣装を着替えて『いけないルージュマジック』とかを歌って踊って。
●次の幕間で映像。『転校生』のパロディなんだと思うけど、肝心のところでカーテンが開いてしまい観れず。で、続いて二人目のゲストの“アーバンギャルズ”のライブ。電子楽器を使った、変わった男3人組のバンド。何故こんな場所にいるのかわからないって感じで3曲を披露。
●幕間で映像(内容は忘れた)。
●3幕目は『ダンシング・クィーン』とか。
●そして、三人目のゲストは“山形涼士”。タイとかでタイマツを持って踊るやつをライトも持って踊り狂うだけ・・・。その無意味な踊りに目が点・・・。
●で、最後は、グラムロックにオマージュを捧げた映画『ベルベット・ゴールドマイン』の主人公ブライアン・スレイドの衣装っぽい感じ(羽も付いてるし)で華々しく。この時の和倉義樹はデビット・ボウイを彷彿させる美貌を見せる。『2億4千万の瞳〜エキゾチック・ジャパン』とかを熱唱(?)して終演。とても目まぐるしいイベントであった。簡単にイメージで語ると、怪しいショーパブのノリ、と言うか、新宿二丁目的クラブイベントってのが的確かも。自分の知らない世界に生きる人達が登場するだけで心ウキウキなのに、この無意味な空間に心が痺れる。もぉ〜大好き。
と、満足はしているのだが、主催の和倉義樹と足立雲平には、ちょっとだけ注文を付けたい気持ちが残る。今回みたいなグラムロックもいいが、演技者として、グラムロックを題材とした“芝居”を作っても良かったのではないか、と。もちろん、二人の怪しい魅力は堪能できた。でも、歌って踊ってるだけで満足なの?って気持ちも残ってしまった。
ちょうど同じ時期にPARCO劇場で、ロックシンガー・ヘドウィッグの半生をグラムロックにのせて描いた『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の芝居が上演されていた。私は映画は観たが、芝居はチケット代が高かったので観ていない(情けない・・・)ので、どうこう言えないのだが、映画でのヘドウィグは小さなところでライブを続け“愛”を訴えていた。だからPARCO劇場なんかで上演しちゃいけない・・・ってどうこう言えないといいながら文句言ってるけど。そんな商業演劇に対抗して、ホールのすぐ近くの店で歌っている主人公みたいな感じで、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の主人公になりきって歌って踊るみたいな、反骨精神とか言うと固いけど、そんなんを作っても面白かったのではないだろうか。まぁいずれにせよ、楽しめたからいいんだけど。あっ、余談だけど、“グラムロック”とは、70年代初めのロンドンでT・レックスやデビット・ボウイらが、派手な化粧を施し、ラメやサテン地のきらびやかな衣装で身を包み、ハイヒールを履いてステージに立った姿がグラマラス(艶やか)だったことからそう呼ばれるようになったらしい。そして、グラムロックには音の法則は存在せず、格好だけでジャンル付けされていたそうな。性的解放が新たなるカウンターカルチャーとして着目された時代でもあったそうで、そんな事を踏まえると“和倉雲平”はグラムロックそのもの。と私の中では言い切ってしまおうと思う。
作・演出 西永貴文申し訳ありません。まだ書けていません。