主役にとって、古典バレエの中で最も体力的にも精神的にも過酷なものでしょう。
とにかくプリマの踊るシーンが多いのです。ローズ・アダージョに始まり、幻想の場、第3幕パ・ド・ドゥと休む暇もないほどです。
他のバレエの倍以上あるのではないでしょうか。
ですから、オーロラ姫を踊るプリマは、最初から最後まできちんと踊り通すことが大切なのです。
あまり最初の方で頑張りすぎてしまうと最後に疲れきってしまうことにもなりかねません。
しかももっと過酷なのは、普通は最後のグラン・パ・ド・ドゥが見せ場となるのですが、「眠り・・」は、冒頭に見せ場があることです。
クラシックバレエで最も難しい踊りと言われるローズ・アダージョです。
オーロラ姫が求婚者の手に掴まってアチチュードのポーズを取り、求婚者の手を離してから次の求婚者の手が差し伸べられるまで、細いつま先でしっかりバランスを保っていなければなければならないのです。
求婚者との呼吸が合わないと、バランスが崩れてしまうことにもなりかねません。キャリアを積んだバレリーナでさえ緊張するところです。
出だしで緊張し、最後まで気の抜けない、これほど大変な役も他にないと思います。
それだけにオーロラ姫はバレリーナにとっては、最もやりがいのある役に違いありません。
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