第三五条 [住居の不可侵] (1) 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
(2) 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。
注. 正文は縦書きですが, 横書きに書き換え, それにともなって句読点や括弧を横書き用のものに変更してあります. また正文で○の中に入れてある数字は, ここでは(1), (2)などに書き換えてあります. なお, 見出しは「第三五条」で, 本文中では「第三三条」でなく「第三十三条」と, 表記が不統一であるが, これは原文のとおりです. 参照されている第三十三条はつぎのとおり:
第三三条 [逮捕の要件] 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となってゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。
いずれも旧仮名づかいで, 新仮名づかいで書くとすれば「ゐる」は「いる」に, 「行ふ」は「行う」になります. また「且つ」は「かつ」です.
さて, この条項に私が格別の思いがあるのは, この日本国憲法の施行される前, つまり大日本帝国憲法の時代に, 恐怖の体験があるからです.
そういう思いがあって, 憲法学者浦田一郎さんの呼びかけに応じてビデオ「映像で語るわたしたちの日本国憲法」に出演いたしました. 私の担当したのは第11巻「身体の自由とは」です.
新憲法を見て, 「この憲法によって守られる」と私が感ずるようになったのは, 太平洋戦争中にあの忌まわしいできごとがあったからなのです. その恐ろしかった体験については朝日新聞1997年 (平成9年) 4月23日記事「私の憲法体験」と翌々日の訂正とをごらん下さい.
こちらをご覧下さい.