骨は硬いものですが、リモデリングといって常に形を変えてます。この骨の性質を使って、力をかけることにより骨の形を変えることができます。古くはインカ帝国の変形頭蓋、中国の纏足(てんそく)というものがあります。フランスでは18世紀ぐらいから歯に装置を付けて歯を動かしていたようですが、現在のような系統だった歯科矯正治療が出来上がったのは20世紀初頭に登場したアングル先生(D.H.Angle)の功績によるところが大きいと思います。

 さて、歯科矯正治療にはいくつかの分類があって、

1)治療内容による分類:歯を動かす治療、骨の位置を修正する治療

 乳歯は動かしても抜けるのでやりません。噛めないものを噛めるようにすると正しい成長になります。出っ歯のまま放置するのは危険だと考えます。

2)治療時期(年齢)による分類:早期(幼稚園以前)、第1期(小学生)、、第2期(中学生以降~、永久歯列の治療)

 小学校入学前の歯科矯正治療は本人の意思(気持ち)が確認できず、イヤイヤやらせるのはかわいそうなので当院では基本的には治療しません。(無理やりやったら、拷問ですよ。)

3)治療の範囲による分類:部分矯正(MTM)、全体(全顎)矯正

4)治療する装置による分類:

 可撤式装置(取り外し可能)=床矯正、機能的顎矯正装置、ヘッドギアなど

 固定式装置(取り外しができない装置を使用)=マルチブラケット法、クォードヘリックスなど

5)手術を併用するかどうか:外科的矯正治療、通常の歯科矯正治療

※取り外し可能な装置はある意味楽ですが、治療効果や治療精度は落ちます。使わなければ、当たり前ですが、治りません。

     マルチブラケット装置

個々の歯を三次元的に並べることができる、ある意味最高の矯正装置です。

上顎前突

    上顎前突(出っ歯)

治療前:上顎前歯がねじれた出っ歯ちゃんです。上下の前歯が当たっていません。

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    左の写真の治療後

治療後:マルチブラケット法で治療しました。奥歯が1対2の噛み合わせになってます。