4中総志位報告の総選挙逆戻り方針と空想的拡大目標

東北・近畿ブロック落選恐怖から300小選挙区立候補逆戻り

賽の河原の石積み政党化と達成不能目標が全役員をトゥフタ幹部化

12年7月まで7カ月間で、党員5万・日刊紙5万・日曜版17万増やせと目標大幅アップ強要

(宮地作成)

 〔目次〕

   1、4中総志位報告の特徴−党勢力6分野増減データほとんどを沈黙・隠蔽 (表1)

   2、総選挙で東北・近畿ブロック落選恐怖に基づく300小選挙区立候補逆戻り (表2〜8)

      1、志位報告の東北・近畿ブロック落選恐怖、152→300小選挙区立候補に逆戻り

      2、逆戻り方針は東北・近畿ブロック落選を防ぐ特効薬になるか―70%というウソデータ

      3、供託金7億円没収推定と300小選挙区選挙費用による党財政破綻スピード促進化

   3、賽の河原の石積み政党化と達成不能目標が全専従・役員をトゥフタ幹部化 (表9〜12)

      1、7カ月間で、党員5万・日刊紙5万・日曜版17万増やせと目標大幅アップ強要

      2、賽の河原の石積み政党化−1980年以降の31年間、一貫して日刊紙・日曜版減紙

          (表10) 7月以降1月までの6カ月間通算HN−339部 2月結果HNとも後退、減紙部数に沈黙

      3、達成不能目標が全専従・役員をトゥフタ幹部化

        1、4中総志位報告における3つの疑惑

        2、疑惑の謎解き=12年7月「大運動」後→「新大運動」12カ月間で延長目論見か?

        3、達成不能目標が全専従・役員をトゥフタ幹部化

 

 〔関連ファイル〕        健一MENUに戻る

    『総選挙比例代表05年→09年結果比較』定数55%に削減→自然死の展望

    『日本共産党の総選挙結果5回分データ分析』

       得票率10%以上小選挙区数96年190→162→65→52→09年28

    総選挙09年結果 総務省 朝日 読売 毎日 中日 05年結果 総務省 朝日 読売

 

    志位4中総『幹部会報告の全文』

    『日本共産党2010年度政治資金報告の表裏』

       1年間で、党費収入−7515万円、機関紙収入−5億4441万円

       月別党費納入党員数−4245人、党費納入率−1.0%など全指標衰退

 

 1、4中総志位報告の特徴−党勢力6分野増減データほとんどを沈黙・隠蔽

 

 2011年12月4日、志位和夫は4中総報告をした。ところが、()党勢力6分野増減データほとんどを沈黙・隠蔽した。さらに、後半の()総選挙方針()党勢拡大に関する報告内容とそのレベルは、ともに異様だった。総選挙東北・近畿ブロック落選恐怖が色濃く出ていた。恐怖感に基づく300小選挙区立候補逆戻りになった。党勢拡大方針では、賽の河原の石積み政党化が明白になった。達成不能目標を決定した。それは、全専従・役員のトゥフタ幹部化を促進する。

 

(表1) 25回大会・2中総→3中総→4中総の比較-数量的データ有無

6分野

2中総の数量的データ、109

3中総データ、117

4中総の数量的データ、1112

 

1、党員数

党大会公表党員数40.6万人というウソ→党費納入党員62.0%・25.172万人。復帰不能党員15.428万人

年齢構成比−65歳以上97年2割→10年4割。綱領読了率40.6%・16.4836万人=党費納入党員8.6万人・34.1%が未読

なし

党員拡大を中心に、2012年7月90周年までの12カ月間連続の「大運動」決定

3中総後、新入党員を迎えた支部15.2%、入党決意?4600人。5カ月間経っても、84.8%・18656支部「大運動」参加拒否

3中総の読了・徹底39%−(61%党員は未読)、「綱領・古典の連続教室」約28000

(1年間で、月別党費納入党員数−4245人、党費納入率−1.0%沈黙・隠蔽)

 

2、読者数

2中総公表140万部弱。綱領全面改定の第23回大会比、日刊紙30万部×83%=24.9万部、日曜版143万部×79.7%=113.9万部、HN合計138.8万部101月第25回大会145.4万部より、9カ月間6.6万部もの大量連続減紙

赤旗党生活欄公表の減紙経過102月わずかに後退、3月H1069減紙・N1739減紙、4月H1300減紙・N8000減紙、5月公表なし、6月HN5799増紙、7月H6000以上減紙・N40000近い減紙、8月HN合計で13000近い減紙、9月H1000以上減紙・N5000以上減紙=党大会決定の減紙力・赤旗読者連続蹴散らし力を証明

なし

(値上げ文書)

日刊紙→10年余で36万部→24万部に後退

日刊紙500円値上げを原因とする大きな後退の危険性→読者数を維持

 

(3中総後の日刊紙減紙2011年819191051045、累計281部に沈黙・隠蔽)

 

3、支部数

1カ月間支部会議なし20%×22000支部=実質的な崩壊か解党選択4400支部。党生活の乱れ。残存17600支部。

199528000支部から15年間10400支部・37%が崩壊か支部解党を選択

なし

なし

 

4、党財政

党費納入率63%→62%に下落。党費機関紙収入2001342.8億円→08249.6億円に激減。7年間で、93.2億円・27.2%減収→党機関財政破綻→専従の大量リストラ

地区専従19971376人→10918人、13年間で、専従458人・33.2%をリストラ、地区レベルは退職金なし、全専従は失業保険なし。党専従全体の推計4000人×33.2%=1328人をリストラ。残存する専従は全党で約2700人。専従がいなくなった地区11=実質的な崩壊地区、地区数は315304地区に減少

なし

(値上げ文書)

日刊紙→毎月2億円赤字

党費納入の後退傾向

 

(1年間で、党費収入−7515万円、機関紙収入−5億4441万円沈黙・隠蔽)

 

 

 

5、民青数

1073地区が再建。1972年民青20万人・315地区→72年新日和見主義事件=宮本・不破による対民青クーデターという民青破壊犯罪2.3万人に激減→94年民青全地区廃止命令→05年地区再建方針に逆転換→10年第25回大会時点、再建65地区→109月2中総、73地区再建、242民青地区崩壊のまま

なし

兵庫で民青1地区再建、241民青地区崩壊のまま

 

6、議員数

共産党は、109、地方議員数をHPで公表した。その7カ月後、114の統一地方選結果はどうだったか。41道府県議選は、議席16、得票数828034、得票率1.93、県議047の連続全面惨敗だった。

15政令市議選は、議席16、得票数251226、得票率2.08の連続全面惨敗だった。

志位・市田・不破らは、2000年不破路線・体質・人事体制確立後の11年間で、4462議席から2011年4月790議席へと、1672議席・37.4%喪失をさせた。

なし―統一地方選の数量的データ沈黙・隠蔽

なし

 

 2010年9月2中総と比べると、3中総・4中総においてはその数量的データの沈黙・隠蔽ぶりが明白になる。2中総は、2010年参院選の全面惨敗結果を受け、かなり具体的データを報告した。

 

    志位4中総『幹部会報告の全文』

    『日本共産党2010年度政治資金報告の表裏』

       1年間で、党費収入−7515万円、機関紙収入−5億4441万円

       月別党費納入党員数−4245人、党費納入率−1.0%など全指標衰退

    志位3中総『幹部会報告の全文』 『「しんぶん赤旗」日刊紙発行の危機打開のために』

    『第25回大会中央委員会報告・決議の行間を読む』5分野データ

 

 

 2、総選挙で東北・近畿ブロック落選恐怖に基づく300小選挙区立候補逆戻り

 

 〔小目次〕

   1、志位報告における東北・近畿ブロック落選恐怖、152→300小選挙区立候補に逆戻り

   2、逆戻り方針は東北・近畿ブロック落選を防ぐ特効薬になるか―70%というウソデータ

   3、供託金7億円没収推定と300小選挙区選挙費用による党財政破綻スピード促進化

 

 1、志位報告における東北・近畿ブロック落選恐怖、152→300小選挙区立候補に逆戻り

 

 4中総において、志位和夫は次の報告をした。「私たちが出発点とすべきは、2010年参院選比例票の356万票(6・1%)であります。この水準では、現有9議席のうち、東北と近畿で議席を減らすことになります。650万票(10%)の得票目標の獲得のためには、参院比例票を1・8倍(得票率では1・6倍)に伸ばすことが必要となります」。

 

 「2009年総選挙でわが党は、300のうち152の小選挙区で候補者を擁立してたたかいました。小選挙区候補を擁立した選挙区ではそのうち70%が比例代表の得票を伸ばし擁立しなかった選挙区では比例代表の得票を伸ばしたのは31%でした」。「次期総選挙では、前回の方針を変更し、比例代表の候補者は、ブロック全域で活動する候補者とすることを基本とし、小選挙区については、すべての小選挙区で候補者擁立をめざすという方針でたたかうことを提案します」。

 

 2、逆戻り方針は東北・近畿ブロック落選を防ぐ特効薬になるか―70%というウソデータ

 

(表2) 5回目の小選挙区比例代表並立制総選挙

比例議席

得票数(万票)

得票率(%)

小選挙区データ

96

24

727(小)  710(比)

13.08(小)  12.55(比)

299190

00

20

735(小)  663(比)

12.08(小)  11.23(比)

300162

03

9

484(小)  459(比)

8.13(小)  7.76(比)

30065

05

9

494(小)  492(比)

7.25(小)  7.25(比)

27552

09

9

297(小)  494(比)

4.22(小)  7.03(比)

15228

小選挙区データとは、立候補者数→得票率10%以上選挙区の激減ペース

 

 共産党は、2009年総選挙において、小選挙区候補者299→300→300→275→152に激減させた。そこから、小選挙区データの比較が単純にはできない。152選挙区どうしなら比べられる。09年総選挙結果を見ても、今後の総選挙300小選挙区において、いかなる政党との選挙協力拒絶する路線の共産党が当選する見込みは皆無である。そこから、ここでは、各色太字で比例代表データだけの比較をする。

 

(表3) 当選7ブロックだけの当落予想

ブロック

定数

当選

得票率

当選順位

比例代表定数そのまま

次回総選挙

05年→09

05年→09

 

 

東北

14

1

6.245.89

1314位最下位

落選?

 

北関東

20

1

6.646.26

121220

 

 

東京

17

1

8.849.61

9817

 

 

南関東

22

1

6.847.00

121222

 

 

東海

21

1

6.325.83

131221

 

 

近畿

29

3

9.669.56

8192981626

3人目落選?

 

九州沖縄

21

1

5.805.27

151621

 

 

180

9

7.257.03

 

 

 

    『比例代表11ブロックの05年→09年結果比較』11ブロック全体の選挙結果データ

 

 次のMF生作成データは、東北・近畿ブロックにおける小選挙区09年と05年結果である。

(表4) 東北ブロックの立候補小選挙区と結果

小選挙区

09年総選挙

05年総選挙

09/05

得票数

得票率

得票数

得票率

得票数

得票数

○は得票数増加

倍率

増減

□は得票率増加

青森1区

7,976

3.50%

8,832

3.8

0.90

岩手1区

12,187

6.30%

9,659

5.2

1.26

岩手4区

8,288

3.87%

11,420

5.5

0.73

宮城1区

14,547

5.68%

15,470

6.2

0.94

宮城4区

11,881

5.24%

16,584

7.9

0.72

秋田1区

15,830

8.82%

13,334

7.7

1.19

山形1区

6,021

2.62%

10,536

4.7

0.57

山形3区

13,789

6.01%

20,657

9.0

0.67

福島1区

15,879

5.09%

20,412

6.8

0.78

(東北計)

106,398

126,904

0.84

20,506

 

(表5) 近畿ブロックの立候補小選挙区と結果

滋賀1区

19,920

9.19%

21,111

10.3

0.94

 

 

 

滋賀3区

9,957

5.86%

10,325

6.5

0.96

 

 

 

滋賀4区

19,420

9.73%

17,801

9.0

1.09

 

京都1区

54,605

22.21%

55,097

23.3

0.99

 

 

 

京都2区

25,856

14.70%

29,348

17.0

0.88

 

 

 

京都3区

30,583

13.70%

32,251

14.9

0.95

 

 

 

京都4区

30,410

11.42%

35,705

13.8

0.85

 

 

 

京都5区

17,941

9.49%

25,467

13.9

0.70

 

 

 

京都6区

32,322

10.54%

37,181

12.7

0.87

 

 

 

大阪1区

20,438

8.85%

25,156

11.7

0.81

 

 

 

大阪2区

23,629

10.31%

27,300

12.1

0.87

 

 

 

大阪3区

32,432

13.23%

37,040

15.3

0.88

 

 

 

大阪4区

28,432

10.67%

28,931

11.4

0.98

 

 

 

大阪5区

35,405

13.65%

43,189

17.4

0.82

 

 

 

大阪6区

26,490

10.51%

29,543

12.2

0.90

 

 

 

大阪7区

29,030

12.28%

27,573

12.2

1.05

 

大阪8区

19,498

9.05%

22,448

10.8

0.87

 

 

 

大阪9区

24,281

8.23%

27,347

9.7

0.89

 

 

 

大阪10区

18,425

8.49%

12,703

5.8

1.45

 

大阪11区

30,680

11.71%

32,230

12.8

0.95

 

 

 

大阪12区

19,053

8.51%

23,595

10.7

0.81

 

 

 

大阪13区

45,716

18.43%

41,017

16.9

1.11

 

大阪14区

27,855

9.85%

35,560

12.9

0.78

 

 

 

大阪15区

26,134

9.89%

31,810

12.3

0.82

 

 

 

大阪16区

19,379

9.26%

24,212

12.5

0.80

 

 

 

大阪17区

20,560

9.57%

29,732

14.2

0.69

 

 

 

大阪18区

27,440

10.07%

30,912

11.7

0.89

 

 

 

大阪19区

14,735

7.43%

15,855

8.3

0.93

 

 

 

兵庫1区

20,760

9.08%

21,402

9.6

0.97

 

 

 

兵庫2区

23,041

10.14%

31,155

14.1

0.74

 

 

 

兵庫3区

18,703

9.13%

24,655

12.1

0.76

 

 

 

兵庫6区

28,098

9.03%

17,696

5.7

1.59

 

兵庫7区

26,745

8.91%

22,304

7.7

1.20

 

兵庫8区

20,327

8.07%

29,986

12.6

0.68

 

 

 

奈良1区

14,732

7.40%

15,071

7.7

0.98

 

 

 

奈良2区

15,626

7.36%

12,657

6.1

1.23

 

奈良3区

14,525

7.10%

18,096

9.2

0.80

 

 

 

和歌山1区

12,529

6.06%

18,418

9.3

0.68

 

 

 

(近畿計)

925,712

 

1,021,879

 

0.91

96,167

 

 

    MF生作成『総選挙小選挙区−共産党の成績』小選挙区09年結果沈黙・隠蔽

 

(表6) 東北・近畿ブロックの09年立候補小選挙区得票数の増減

ブロック

立候補

得票増加小選挙区

増加小選挙区%

得票数減少

得票数減少

得票数増減

志位

152

比例票増加106

比例票増加70

比例票減少46

比例票減少30

 

 

 

 

 

 

 

 

東北

9

増加2

増加22

減少7

減少78

20506

近畿

38

同上増加7

同上増加18

同上減少31

同上減少82

96167

 

 

 

 

 

 

 

近畿

38

比例票増加26

比例票増加70

 

 

 

 

 志位は4中総において、「小選挙区候補を擁立した152選挙区で、そのうち70%が比例代表の得票を伸ばした」と報告した。これが全300小選挙区立候補逆戻り方針にした唯一の根拠データになっている。本当にそんな比率%で伸ばしたのか。近畿ブロックの立候補38小選挙区中、志位報告のように、比例票増加70%なら→比例票増加26小選挙区になったはずである。しかし、そのデータはどうもおかしい70%はウソではないか。

 

 70%というウソデータのややこしい検証

 

 東北・近畿ブロックだけのデータを見ると、どうもおかしい70%とは、志位による支部・党員騙しのウソ詭弁ではないか。152小選挙区と東北・近畿ブロックの小選挙区とを比べてみる。ただし、2ブロックとの比較基準が違う。比例代表票と小選挙区票では異なる。本当は、厳密に比べるなら、東北・近畿38小選挙区比例代表票とその伸びを調べる必要がある。しかし、それは総務省HPデータにもなく、当時の新聞にもない。47都道府県選挙管理委員会に直接問い合わせるにしては、あまりにも煩雑な作業になるので、ここでは小選挙区票と比べた。東北小選挙区票増加22%・近畿同上増加18%→それらが比例票増加70%になるとは到底考えられない。これがウソなら、一大ペテンの党内犯罪データになるが。

 

 それとも、志位和夫は、東北・近畿ブロック落選=9→7議席への一段の泡沫政党化転落恐怖に怯えて、なりふり構わず、意図的虚構データをでっち上げたか。一例として、近畿ブロックでややこしい検証をしてみる。近畿は比例代表定数180中、29を占める最大ブロックである。その立候補38中、小選挙区票増加は、7小選挙区だけで、小選挙区得票数増加18%しかない。11ブロック中、最大定数の近畿も、志位報告のように比例票増加70%になったとしたらどうなるか。近畿38立候補小選挙区×70%比例票増加26小選挙区になるはずだ。小選挙区得票数増加7小選挙区−比例票増加26小選挙区=−19小選挙区という奇妙に違うデータになる。これは志位でっち上げのウソデータではないか。

 

 ()から別の計算をすれば、近畿38立候補中小選挙区得票数減少31小選挙区もあるのに、比例票増加26小選挙区にもなる。やはり、これは志位が常用する支部・党員騙しのウソ詭弁でしかありえない。党員数40.6万人というウソつき党首同じ種類のペテンではないのか。比例票増加70%支部・党員騙しの真っ赤なウソなら、全300小選挙区立候補逆戻り方針論拠全面崩壊する。

 

 70%有無問題については、もう一つの疑惑根拠がある。09年総選挙結果について、常幹は次の総括だけをした。「日本共産党は、()比例代表選挙で9議席を獲得し、現有議席を確保することができました。()また得票では、投票率が上がるなかで、得票率は前回総選挙の7・25%から7・03%に後退したものの、()得票数では491万9千票から494万4千票へと前進させることができました」。全体評価として「善戦健闘」との自己評価をした。そこでは、70%伸ばした問題について、一言も触れていない

 

    共産党常幹『総選挙の結果について』09年9月1日−「得票数前進=善戦・健闘」

    共産党『総選挙、共産党9議席守る。比例代表494万票、前回上回る』総選挙データ

 

 また、共産党の国政選挙方針は、いつも、同種選挙との比較でなく、直近の国政選挙データとの比較をする。10年参院選方針のときも、直近の09年総選挙データと比べていた。そこでも、70%伸ばした問題について、沈黙していた。それが、09年後2年も経ってから、突然、総選挙総括と参院選方針という2度も未報告だった「152選挙区で、70%が比例代表の得票を伸ばした」と初めて発表した。これらの疑惑から見ても、志位70%伸ばしたデータは、真っ赤なウソではないか。志位は、このウソによって、支部・党員騙しをし、全300小選挙区立候補逆戻りという誤った赤色特攻作戦を納得させようとした騙しのテクニックを使った。

 

 志位・市田・不破ら独裁者3人は、47都道府県委員会・315地区委員会をこの誤った赤色特攻作戦党財政破綻の最終航路に突っ込ませるつもりなのか。

 

 3、供託金7億円没収推定と300小選挙区選挙費用による党財政破綻スピード促進化

 

 志位和夫は供託金問題に触れた。「党組織の現状からみて、候補者擁立自体が、大仕事となります。党機関の常勤体制が弱まっている。すべての小選挙区で候補者擁立をめざす」という方針を保障する財政措置についても、中央と地方が一体で努力をはかります。党大会で確認した「国政選挙供託金支援基金」を強化します。あわせて地方党機関の供託金募金・選挙募金の取り組みを強化します」。

 

(表7) 供託金と没収者数・額・率−89%候補者が没収、6億6600万円

立候補

供託金

当選

没収者

没収額

没収者率

 

03

小選挙区

比例代表

合計

300(単独269)

47(重複31)

347(重複31)

9億円

18900万円

108900万円

0

9

9

235人

29

264人

7億500万円

9500万円

7億9200万円

78

重複94

80

 

05

小選挙区

比例代表

275(単独253)

39(重複22)

314(重複22)

82500万円

16800万円

99300万円

0

9

9

223

21

244

66900万円

6300万円

73100万円

81

重複95

84

 

09

小選挙区

比例代表

152(単独92)

79(重複60)

171(重複60)

27600万円

47400万円

75000万円

0

9

9

2

61

153

27600万円

39000万円

66600万円

100

77

89

 

 総選挙小選挙区の得票率10%以上は、供託金300万円が没収されない。その10%以上小選挙区数は、立候補数−没収者数である。10%以上小選挙区数は、96年190→00年162→03年65→05年52→09年28激減してきた。私が供託金没収データにこだわるのは、没収金額問題だけではない。得票率10%以上に到達する小選挙区がいかに激減してきたのかというデータによって、それが、日本共産党の衰弱死テンポを示すバロメーターの一つになっているからである。次回総選挙では、10%以上小選挙区数が、09年28以下に減ると予想される。

 

    『総選挙における共産党の供託金と没収者数・額・率』(03年〜09年)

 

 一方、志位報告の供託金強化方針に反し、党大会で確認した「国政選挙供託金支援基金」納入拒否をする党員・支部が激増している。09年総選挙不参加・サボタージュ党員と、供託金基金納入拒否・不服従党員との党員数・比率は照応している。ほぼ重複している。ただ、志位和夫が報告した09年総選挙不参加党員とは、選挙期間12日日々=毎日の選挙活動をしなかった党員のことであり、2〜4日は活動したかもしれない。

 

(表8) 総選挙活動不参加党員と、供託金基金納入拒否党員

項目−党費納入25万人中

時期

党員数

党員比率

総選挙活動不参加

09年総選挙12日間−日々の選挙活動

17.6万人

68.5

供託金基金納入拒否

06年第24回大会〜09年総選挙−3.5

14.4万人

57.6

 

 この()データは何を表しているか。党費納入25万党員中、17.6万人・68.5%党員が、志位和夫の自己保身式選挙総括反発し、選挙活動へのやる気を失い12日日々=毎日の選挙活動拒否するようになった。かつ、それらの党員と重複し、14.4万人・57.6%党員党大会代議員約1000人軽蔑し、満場一致50年間政党の党大会決定にたいし不服従の行動を起こした。

 

 納入拒否・不服従をしている57.6%、14.4万人を、支部数に換算するとどうなるか。支部全員でないとしても、機械的換算では、22000支部×57.6%≒12672支部が、供託金基金納入拒否・不服従を公然としていることになる。支部としての決定でないとしても、支部長・LCらが、どうも供託金基金方針そのものには納得でないから、納入しないと言えば、他党員も全員が納入しなくなるケースが多発する。14.4万人もが納入拒否をしていることは、支部全員が結果として不服従というケースも多いと推定される。

 

    『国政選挙供託金支援基金にたいし党費納入党員の58%が納入拒否・不服従』データ

 

 次回総選挙における供託金没収額300小選挙区選挙費用は、党財政破綻スピードを一段と促進する。4中総志位報告の根本的に誤った総選挙逆戻り方針は、党財政面から衰弱死テンポを早める。

 

 

 3、賽の河原の石積み政党化と達成不能目標が全専従・役員をトゥフタ幹部化

 

 〔小目次〕

   1、12年7月まで7カ月で、党員5万・日刊紙5万・日曜版17万増やせと目標大幅アップ強要

   2、賽の河原の石積み政党化−1980年以降の31年間、一貫して日刊紙・日曜版減紙

   3、達成不能目標が全専従・役員をトゥフタ幹部化

 

 1、12年7月まで7カ月間で、党員5万・日刊紙5万・日曜版17万増やせと目標大幅アップ強要

 

 志位和夫は、4中総において次の報告をした。「中心課題である党員拡大では、「大運動」に入って新入党員を迎えた党支部は15・2%入党決意者は約4600人であります。今年の5月以降半年にわたって、毎月、ほぼすべての地区委員会が党員を迎えていることは、重要な前進の一歩です」。「「しんぶん赤旗」読者拡大では、日刊紙の発行危機打開のための購読料値上げで、大きな後退の危険性がありましたが、3中総時点日刊紙の読者数を維持していることは、重要な成果であり」

 

 「大運動」の目標について、つぎの基本的見地にたって、明確化と発展をはかることを提案します。」「『大運動』の期間中に新しい党員を必ず迎えることを目標とします」と決めました。この提起にそくして、支部、地区、都道府県で党員拡大の目標を決めていますが、その合計は約5万人の新入党員を迎えるというものになっています」。

 

 「基本的考え方にたって、次の方向で目標の見直し・発展をはかることを提案します。まず、「しんぶん赤旗」日刊紙の読者拡大の目標についてですが、各都道府県が決めている目標を見ますと、ほとんどの県で、党員拡大の目標を下回っています。全党的にも、党員拡大の目標が約5万人であるのにたいして、日刊紙拡大の目標は合計で2万8千人となっています。すべての党員が「日刊紙」を購読する党をつくることを入党の最初から貫く、さらに党外にも広く「日刊紙」読者を広げていくという見地にてらせば、この目標では足らないということになるのではないでしょうか。

 

 そこで、いまの目標見直して、すべての支部、地区、都道府県で、党員拡大目標に匹敵する、あるいはそれを上回る「日刊紙」読者拡大目標を決め、それを達成するようにしたい。かりに全党的に党員拡大目標と同水準の5万人の「日刊紙」読者を拡大するならば、前回総選挙時比で108%の峰を築くことができます。5万人の党員と「日刊紙」読者を拡大し、党の基幹的部分を強めることは、質的にも強い党をつくることになります。採算面でも、「日刊紙」発行の赤字を脱し、情勢が求める党活動構築の財政的基盤を確立することができます。」

 

 「「しんぶん赤旗」日曜版の読者拡大の目標についてですが、各都道府県が決めている目標は、多くの県で「大会時回復」が多く、全党的な目標の合計は、12万5千人となっています。これでは実は目標をやりきっても、前回総選挙時比で96%にとどまります。ここでも目標を見直して、すべての支部、地区、都道府県が、「大運動」期間中に、少なくとも前回総選挙時を上回る日曜版読者の陣地を築くことを提起したい。その場合、全党的な目標の合計は約17万人ということになりますが」。

 

 「「党勢拡大大運動」をつうじて、5万人の党員、5万人の日刊紙読者、17万人の日曜版読者を、全党が力をあわせて増やし、党勢拡大の高揚をつくりだし、総選挙勝利の土台となる自力をつけよう」。「この点で3中総決定の読了・徹底は、39%にとどまっていますが、ここに党の抱える最大の弱点の一つがあります」。

 

(表9) 中間機関の拡大目標と目標大幅アップ命令

党勢力

中間機関目標

目標大幅アップ命令

5カ月間の拡大数

 

目標合計

比率%

目標アップ命令

比率%

 

党員

5万人

 

5万人

 

入党決意?者4600

日刊紙

2.8万人

95

5万人にアップ命令

108%以上

維持09年総選挙時26.8万人。以後減紙2.8万人

日曜版

12.5万人

96

17万人にアップ命令

100%以上

沈黙09年総選挙時137万人。以後減紙17万人

中間機関目標の比率%は、09年総選挙比。志位目標大幅アップ命令も09年総選挙比

 

 大運動期間は、11年7月3中総〜12年7月党創立90周年までの連続12カ月間である。これほど長期の党勢拡大運動期間は、党創立以来初めてであろう。

 

 〔党員拡大数のウソ詭弁〕、党員拡大の中間機関目標合計は5万人だった。志位和夫は、「大運動」突入後5カ月間拡大成果「入党決意?者4600人」と誇らしげに公表した。1カ月間平均920人決意?者である。従来は入党者数と公表してきた。そもそも、入党者とは、入党申込書を提出した件数である。それにたいし、「入党決意?者」数とは何なのか。これは、入党申込書提出有無に関係なく、申込書は出ていないが、「入党を決意します」発言しただけ、または、発言させた読者・支持者数書記局電話・報告書による日報・週報・月報点検にたいし、47都道府県委員会が報告した数値である。

 

 「入党決意?者」数なる珍妙な日本語は、いつから、誰がでっち上げ、全党的に数値発表し始めたのか。10年参院選まで、志位や赤旗も、こんな日本語を使わなかった。「大運動」開始後に時々赤旗記事に出た。公式の中央委員会総会としては、志位が初めて使った。ただ、参院選の志位発表=毎月1000人入党・19カ月間で19000人入党数値は、2010年度政治資金報告書から見て、志位のウソで、すべて入党決意?者だったと思われる。総務省への志位報告は、10年度1年間で、党費収入−7515万円、機関紙収入−5億4441万円、月別党費納入党員数−4245人、党費納入率−1.0%など全指標衰退だったからである。

 

 19カ月間とは、09年1月から10年7月参院選までである。10年度は7月参院選まで、6カ月間あった。毎月1000人入党×6カ月間=6000人入党したことになっている。しかし、その間、月別党費納入党員数が4245人も減った党員高齢化による死亡数アップがあったにしても、差引でこんな大量のマイナスにならない。志位報告の19000人入党とは、「入党決意だけをした?者」数のことで、入党申込書を出さなかったという志位和夫の支部・党員騙しのウソだった。彼は、4中総になったら、公然と、正式に、「入党決意だけをした?者」数の市田書記局長による点検・集計数値で、公然と支部・党員騙しテクニックを使うトップに腐敗・堕落した。

 

 総務省09年度10年度日本共産党政治資金報告書データでも検証する。09年1月から10年7月参院選まで18カ月間あった。総務省09年度党費納入党員数延べ3095992人÷12カ月≒1カ月間の平均党費納入党員数25万7999人だった。→1年後総務省10年度党費納入党員数」の延べ3045049人÷12カ月≒1カ月間の平均党費納入党員数25万3754人になる。月平均党費納入党員数09年25万7999人−10年25万3754人≒4245人減り、1.6%減少した。

 

 09年1月から12月まで、毎月1000人入党とすれば、党費納入党員数は1月1000人+2月2000人+3月3000人・・・で年間累計78000人増えたはずである。月平均党費納入党員数は78000人÷12カ月間≒6500人増加データになる。ところが、志位和夫は、総務省にたいし、4245人減った政治資金報告をした。やはり、志位和夫発表は、「入党決意だけをした?者」数という支部・党員騙しの真っ赤なウソだった。

 

    『日本共産党2009年度政治資金報告の表裏』党員数25万7999人

    『日本共産党2010年度政治資金報告の表裏』党員数25万3754人

 

 当時は、『蟹工船』ブームで。50万部以上が売れた。参院選の共産党宣伝カーは、それにあやかろうと、全国で「『蟹工船』の共産党です」と票集めを図った。志位も、毎月1000人入党・19カ月間で19000人入党発表によって、日本共産党が大躍進中有権者・支部・党員騙しのウソで、参院選躍進を図った。しかし、参院選結果は、『蟹工船』効果も、志位ウソ入党数値発表効果もなく、惨敗だった。彼は、その無効果・逆効果に懲りないで、総選挙での9→7議席惨敗の恐怖に怯え、今度は公然と、「入党を決意します」発言しただけ、または、発言させた読者・支持者数書記局電話・報告書点検数値を宣伝し始めた

 

    『共産党の参院選結果5回分データ分析』議席−1・得票−84万票・得票率−1.70%

    MF生『10年参院選−共産党の都道府県別成績』得票数・率とも各地で大幅後退

 

 〔日刊紙拡大目標大幅アップ命令〕、志位和夫は、11年7月3中総において、12カ月間連続の党勢拡大「大運動」を命令した。ところが、従来になく、拡大目標数値・%に沈黙した。日曜版目標も含め、47都道府県委員会の自主決定にまかせた。集約した合計が2.8万部しかなかった。それを達成しても、09年総選挙比95%にしかならない。拡大目標を5万部に大幅アップせよとの強制命令を出した。志位は、その上意下達命令によって、09年総選挙時点、日刊紙26.8万部→11年12月時点までに2.8万部も減紙した惨状を自白したことになった。

 

 〔日曜版拡大目標大幅アップ命令〕47都道府県委員会の自主決定目標合計が12.5万部しかなかった。これを達成しても、09年総選挙比96%にしかならない。拡大目標を17万部・総選挙時点100%までに大幅アップせよとの強制命令を出した。この官僚主義的中央集権命令は、09年総選挙時点、日曜版137万部→11年12月時点までに17万部も減紙した惨状を自白した。

 

 2、賽の河原の石積み政党化−1980年以降の31年間、一貫して日刊紙・日曜版減紙

 

 2011年7月の3中総は、()党員拡大を中心とする方針と()日刊紙500円・17%値上げ→3400円にする方針を決定した。その後、8月〜2012年3月までの拡大結果はどうだったのか。翌月初めの「しんぶん赤旗」における「日本共産党の活動ページ」の公表データを見てみる。

 

(表10) 3中総・4中総後の日刊紙拡大と党員拡大の増減データ

年月

10年1月

党大会

11年7月

3中総

8月

9月

10月

2

4中総

1

3

4

5

日刊紙

25

24万部

131

105

45

108

後退

2123

 

増減累計

 

1万部

236

281

 

 

 

 

 

日曜版

120.4

 

717

沈黙

408

減紙

後退

8865

 

HN累計

 

 

 

 

 

 

339

11327

 

 

党員

40.6万人

 

沈黙

900

沈黙

600

 

党員累計

 

 

 

900

 

 

 

+2120

 

 

11月沈黙、1月・2月結果HNとも後退・減紙部数に沈黙、2月党員620人拡大

7月3中総以降1月までの通算HN339部減紙と公表

党員40.6万人とは、志位和夫による支部・党員騙しの真っ赤なウソ

10年度政治資金報告書で、志位は署名付きで党費納入党員数25万3754人と報告

 

    『日本共産党2010年度政治資金報告の表裏』

     1年間で、党費収入−7515万円、機関紙収入−5億4441万円

     月別党費納入党員数−4245人、党費納入率−1.0%など全指標衰退

 

 宮本・不破・志位らは、1980年ピーク以降、赤旗部数増減の長期データを発表したことが一度もなく、隠蔽している。せいぜい、前回国政選挙比か前回党大会比しか言わない。それらは、でなく、すべて減っている。1980年以降、30年間で、HN355万部−145.4万部=209.6万部・59.0%読者が、日本共産党を支持できない誤った路線・体質の政党であるとして大量離脱してきた。

 

(表11) 30年間連続減紙政党=読者大量離脱政党

80

82

85

87

90

94

97

00・9

04・1

061

10.1

大会

15

16

17

18

19

20

21

22

23

24

25

HN

355

39

17.7

17.5

286

250

230

199

173

164

145.4

内H

54

50

40

35

(30)

(28)

(25)

内N

232

200

190

164

(143)

(136)

(120.4)

増減

16

21.3

0.2

31.5

36

20

31

-26

-9

-18.6

累計

 

16

37.3

37.5

69

105

125

156

182

191

209.6

 

 第22回大会までは、HN総部数とともに、日刊紙H、日曜版Nの個別部数も報告していた。しかし、第23、24、25回大会は、HN総部数しか報告しなくなった。()( )は、従来のHN比率に基づき、私が推計した。第25回大会の(H25万部)はその推計である。増減数は、前大会からの減紙を示す。2000年9月第22回大会報告では、日刊紙H35万部だった。その少し前値上げ決定の「10年余前36万部」だったと思われる。

 

(表12) 10年1月第25回大会後も読者大量離脱政党

年月

10.2

3

4

6

7

8

9

10

11

12

11.1

2

7月・3中総

1069

1300

6000

1000

前進

前進

24万部

1734

8000

39000

5000

後退

前進

(115)

増減

後退

2803

9300

5799

4.5

1.3

6000

後退

後退

5000

1.2

(139)

データは、すべて「しんぶん赤旗」の学習党生活欄の公表数値

09年総選挙時点、日曜版137万部12年7月3中総までに17万部減紙115万部に激減

 

 2010年1月第25回大会の赤旗増減はどうだったのか。それは、増紙3カ月間22799部−減紙9カ月間(76013+後退3カ月間+4月大幅後退)差引減紙53304部+後退4カ月間部数になる。3中総・値上げ決定は、党大会後1年7カ月間日刊紙1万部大量減紙だったとした。

 

 日曜版部数増減はどうだったのか。11年7月3中総時点日曜版N部数は、未公表だが、115万部に激減と推計した。その推計根拠は、11年12月4中総で志位和夫が、日曜版17万部拡大すれば09年8月30日総選挙部数比率が100%になると公表したデータに基づく。11年7月3中総時点における部数推計115万部と、09年8月30日総選挙時点部数は、1年2カ月間の間隔があるが、その間における日曜版部数減紙は未報告である。3中総時点日曜版N部数115部+激減した17万部再拡大≒総選挙時点の100%・132万部に回復する、という志位式皮算用である。これは、総選挙後〜3中総までの約2年間で、日曜版だけでも17万部減ったというデータを志位和夫があからさまに自白したことを示す。

 

 10年1月第25回大会〜11年7月3中総までのわずか1年7カ月間だけで、日刊紙1万部減紙、総選挙後では、日曜版17万部減紙した。合わせて、赤旗HN18万部という大量減紙政党への衰弱死過程段階に突入しつつある実態を、4中総で志位和夫は自白した。

 

 志位・市田・不破は、2000年第22回大会後の11年間、日刊紙・日曜版の単独部数を沈黙・隠蔽してきた。しかし、日刊紙10余年12万部もの大量減紙→日刊紙発行毎月2億円赤字に直面した。彼らは、党財政破綻の恐怖にとらわれた結果、11年ぶり日刊紙24万部と情報公開をした。

 

 日本共産党という資本主義世界で最後に残存するコミンテルン型共産党は、1980年以降の31年間において、赤旗拡大運動を何十回となく繰り返してきた。これら3つの()データは何を示しているか。一貫して、赤旗HN部数が減り続けてきた。その間、共産党議員数も減り続けた。地方議員忠誠派党員8万人は、党勢拡大の運動・期間・月間目標を実現する行動をいつも起こした。結果は、赤旗部数の石積みが積んでも、積み増しても、直後から崩れていった。

 

 3つの()データは、1912年7月に90周年を祝うことになっているコミンテルン型共産党が、賽の河原の石積み政党だという本質を露呈した。何回積んでも、崩れるだけでなく、石積みの高さも低くなるばかりである。3人独裁者は、その経緯を知りつつ、90周年記念日までの7カ月間で、「5万人の党員、5万人の日刊紙読者、17万人の日曜版読者を、全党が力をあわせて増やせ」との最終突撃命令を下した

 

 3、達成不能目標が全専従・役員をトゥフタ幹部化

 

 〔小目次〕

   1、4中総志位報告における3つの疑惑

   2、疑惑の謎解き=12年7月「大運動」終了後→「新大運動」12カ月間で延長目論見か?

   3、達成不能目標が全専従・役員をトゥフタ幹部化

 

 1、4中総志位報告における3つの疑惑

 

 7カ月間で、「5万人の党員、5万人の日刊紙読者、17万人の日曜版読者を増やせ」との中間機関目標大幅アップの最終突撃命令には、様々な疑惑がある。

 

 〔どうもおかしい1〕3人独裁者は、大幅アップ命令中間機関新目標が、7カ月間で、達成可能と判断しているのか。

 

 「大運動」発令後5カ月間における拡大結果は、()入党決意?者4600人−入党申込書提出数は不明中間機関の架空拡大報告数?()日刊紙は、3中総値上げ後維持281部減紙を沈黙・隠蔽、維持はウソ()日曜版の拡大部数に沈黙309部減紙を沈黙・隠蔽である。5カ月間でこの結果なのに、残り7カ月間では、誰が予想しても、とうてい新しいアップ目標を達成できるはずがない。

 

 〔どうもおかしい2〕、なぜ、発令5カ月後になってから、党勢拡大運動史上初めて中間機関のHN目標を大幅アップさせる必要があるのか

 

 志位和夫は、11年7月3中総における「大運動」提起で、党勢拡大HN目標に沈黙した。その中間機関が決定した目標数値を全面否定した。それなら、なぜ最初から党中央目標を出さなかったのか5カ月後からの目標引上げ変更となれば、47都道府県委員会・315地区委員会は、総会を招集し、引上げ目標を再決定しなければならない。中間機関常任委員→各総会の委員たちは、納得するのか

 

 〔どうもおかしい3〕、なぜ、()70%伸びたという比例代表得票数のウソ()「入党決意だけをした?者」4600人というウソ二重につくのか。

 

 2、疑惑の謎解き=12年7月「大運動」12カ月間終了後→「大運動」12カ月間で延長目論見か?

 

 これら3疑惑を解くのは難しい。4中総を見直しても、謎は深まる。志位・市田・不破ら3人独裁者気が狂ったのでなければ、何か隠している思惑が潜んでいるはずである。思惑推理の結論は、総選挙惨敗恐怖しかない。

 

 「大運動」の5カ月間は、HNとも減紙だった。今のままでは、残り7カ月間経っても、HNは減り続ける2012年7月15日「大運動」は終わる。最大の課題は、2013年7月参院選13年9月任期満了の総選挙になる。時期的に、衆参院同日選挙になる可能性もある。その場合、参院選議席3→2議席に減る危険性と、総選挙の東北・近畿ブロック落選による9→7議席に転落する予想もある。衆参院国政選挙とも、議席を減らせば、コミンテルン型共産党の衰弱死展望が有権者に知れ渡る。3人独裁者にとって、同時惨敗の恐怖ははかり知れない。

 

 落選=議席減少を避けるにはどうしたらいいか。()まず「大運動」5カ月経過後であろうと、総選挙・参院選必勝の目標に大幅引上げ上意下達命令を出す。11年12月4中総時点から、全党を国政選挙臨戦体制に大転換させる。()2012年7月15日「大運動」終了の前後、直ちに、5中総第26回大会を開く。そこで、13年7月参院選、または、衆参院同日選挙に向け、1年間の「衆参院選挙躍進の大運動」を決定する。それにより、22000支部・党費納入党員25万3754人を、24カ月間連続の党勢拡大運動に総決起させる。

 

 「この正念場で決起しなければ、いつ立ち上がるのか」をスローガンにする。ただ、「大運動」の単純12カ月間延長ではまずい。魅力ある名前に変更する。勝利運動」とか、共産主義友党関係復活の北朝鮮・金正日に連帯し強勢大政党運動」にする。または、「24カ月間連続大運動」にふさわしいスローガンと名前を全党から募集してもよい。それとも、「12年1月82歳になる現代のマルクスを讃える大運動」にも一考の余地があるかもしれない。

 

 そもそも、国政選挙の「大運動」ならともかく、コミンテルン型共産党90周年記念「大運動」は、全支部・党員を党勢拡大に決起させる上でのモチベーション・動機になりえない。レーニンは、1919年にコミンテルンを創設し、20年第2回大会において国際共産党各国支部に鉄の軍事規律を強制した。その21カ条とは、実態としての官僚主義的中央集権制と分派禁止規定に基づく犯罪的組織原則だった。その90周年を祝うのは、世界中で、党員10万人に激減しているフランス共産党、党独裁・党治国家の中国共産党、そして、31年間赤旗HNが減り続けている日本共産党という3つしかない

 

 ル・モンド記事さえ「フランス共産党、未来のない90周年」と言うように、3人独裁者が支配する日本共産党90周年は、有権者にとって祝う価値があるのか「90周年だから、月3400円・年40800円の赤旗日刊紙を購読してくれ」と頼んでも、ビンとくる有権者はいない。そんなレーニンのウソ詭弁犯罪・数十万人大量殺人犯罪90周年にたいし、「90周年記念12カ月間連続大運動」とは、「3人独裁者独断の大誤算運動」だった。

 

    ル・モンド『フランス共産党、未来のない90周年』81年党員71万人→10万人61万離党

    『ウソ・詭弁で国内外の左翼を欺いたレーニン』レーニンのウソ・詭弁7つの90周年を検証

 

 3、達成不能目標が全専従・役員をトゥフタ幹部化

 

 「大運動」5カ月間の結果は、()入党決意?者4600人()日刊紙281部減紙()日曜版部数309部減紙だった。志位命令は、残り7カ月間5万人の党員、5万人の日刊紙読者、17万人の日曜版読者を増やせ」である。47都道府県常任委員会・315地区常任委員会は、官僚主義的中央集権命令隷従し、大幅引上げ目標数値具体化する。都道府県委員会総会・地区委員会総会に決定を言い渡す。全中間機関の常任委員約2500人・委員約21000人は、沈黙奴隷と化し、誰一人反対・批判も言わない言えば、すぐに解任されるという党内犯罪システムだと、全員が分かっている。

 

 全専従・役員23500人は、そんな目標を7カ月間で達成できるなどとまるで思わない。しかし、全常任委員会・総会は満場一致で大幅引上げ目標に賛成する。その数値を、通達で22000支部に指令する。支部長・LC約10数万人も達成不能と判定する。それでも、誰一人反対・批判も言わない全党役員がトゥフタ幹部化する。

 

 3人独裁者政党は、トゥフタ政党化する。トゥフタとは、コミンテルン型共産党に普遍的な独特の腐敗・堕落倫理現象である。

 

 スターリン「5カ年計画」は、()大粛清・大量殺人・囚人労働産業を伴っただけではない。()それは、必然的に、ソ連全国民とソ連共産党員とに深刻な思想腐敗を蔓延させた。その一つとして、有名な「トゥフタ」というロシア語がある。ジャック・ロッシ『ラーゲリ強制収容所注解事典』(恵雅堂出版、1996年)から、一部引用する。

 

 「トゥフタ−偽物、うそ、ごまかし、見せかけだけの仕事、公式の報告の中ではじめから嘘と承知の過大に見積もった指数。≪トゥフタ」という用語は1920年代半ば、ソロフキー監獄の刑事常習犯の使う言葉の中で初めて現れた。ここからトゥフタという言葉と制度はソ連邦の全ラーゲリに広がり、1930年代終わりには世界初の社会主義国の全土にわたるものとなる。

 

 ≪トゥフタ≫はTFT≫(重肉体労働の頭文字3字)に由来する。ソロフキー島の刑事常習犯はTFTのカテゴリーに入れられると、こう考えたのだろう:≪俺たちにTFTをやれっていうのかい? それならtefetaを見せてやろう!≫。後にトゥフタはこう解釈された―架空労働算出技術。トゥフタ隆盛の環境を生み出したのはレーニンである。トゥフタの誕生は論理的帰結にすぎなかった。生産の収益性と能率によってではなく、計画遂行の量的指標によって、指導職員の評価と報奨の原則があるからである」(P.209)

 

 トゥフタという思想腐敗・倫理堕落現象を、世界最初に小説形式でリアルに告発したのは、ソルジェニーツィンの『イワン・デニーソヴィチの一日』である。全世界が、その実態に衝撃を受けた。彼は、()強制収容所内の腐敗実態描写・告発に留まらず、()ソ連国家・ソ連作家同盟の思想腐敗の実態「ウソによって成り立つ社会」規定し、()たった一人で、国家・共産党・KGBち向かったトップからウソをつき、真実を怖れる体質を持つブレジネフと共産党は、彼を逮捕し、西側追放にした。それは、創作活動の源であるロシアの大地から、作家を引き剥がすという、ソ連文学者にたいするもっとも残酷な共産党式生殺し処刑だった。

 

    『ソルジェニーツィンのたたかい、西側追放事件』

 

 よって、ソ連崩壊後において、「5カ年計画」という共産党使用語は、「スターリンの犯罪、および、誇大計画とウソの統計、思想腐敗現象」と同義語になっている。現在のロシアにおいて、この言葉を口にすれば、たちどころに、「ペッペッ!」という、唾を吐きかける意味の、軽蔑と敵意に満ちた言葉が返ってくる。

 

 志位和夫は、2000年『党員50万人5カ年計画』によって、日本共産党の全専従・役員・支部長トゥフタ幹部化した党内犯罪独裁者である。彼は、4中総によって、さらなるトゥフタ政党化の促進犯罪をしている。彼は、スターリン型「5カ年計画」達成不能目標を出すが、その総括をしたことがない。彼自身が結果責任をとらないトゥフタ幹部そのものに腐敗・堕落している。

 

    『志位和夫の党員50万人5カ年計画の空想性と犯罪性』トゥフタの意味と実態

 

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 〔関連ファイル〕

    『総選挙比例代表05年→09年結果比較』定数55%に削減→自然死の展望

    『日本共産党の総選挙結果5回分データ分析』

       得票率10%以上小選挙区数96年190→162→65→52→09年28

    総選挙09年結果 総務省 朝日 読売 毎日 中日 05年結果 総務省 朝日 読売

 

    志位4中総『幹部会報告の全文』

    『日本共産党2010年度政治資金報告の表裏』

       1年間で、党費収入−7515万円、機関紙収入−5億4441万円

       月別党費納入党員数−4245人、党費納入率−1.0%など全指標衰