書名:二酸化炭素温暖化説の崩壊
著者:広瀬 隆
発行所:集英社
発行年月日:2010/7/21
ページ:222頁
定価:700円+税
人間が出す二酸化炭素によって地球が温暖化しているという仮説が出てから、人類の大半が科学の結論だと信じて議論をスタートしエコ、エコと叫ぶ。単なる仮説にすぎないのに、結論までに持って行った。犯人を実名を上げてその悪質なやり口を説明している。IPCCの基礎データ捏造が発覚したクライメートゲート事件(日本では北海道新聞以外は報道していない)科学問題を政治問題、環境問題にすり替えた国家から研究費を貰っている東京大学をはじめとする国立大学の権威とされている人達にとっては科学よりお金、産業界も環境よりお金。こんな泥沼に浸かっている現状をデータを用いながら説明している。
著者は今の気象学者、科学者と呼ばれる専門家は勉強していない。特に歴史を全く知らない。IPCCの気温のグラフを見た瞬間に過去にあった温暖化時期は全て削除されて、化石燃料を使うようになった1950年頃から急激に気温が上がったようになっていることに気がつく人が殆どいなかった。(たとえいても魔女狩りで発言すら出来なかった)
地球温暖化の犯人とされている二酸化炭素よりもっと気温に影響するのは水蒸気、地球・太陽の天体運動の方が桁違いに大きい。悠久の昔から続いてきた地球の自然な気温の変化に過ぎない。それを大きく取り上げて大騒ぎしているのが温暖化問題だ。と冷静に評価している。
この大騒ぎにウキペディアが寄与している。1960年代から1970年代の地球環境、温度、歴史などを書いてある本を数冊読めば簡単に判ることをネットに出てこないという理由で無かったことしている。自分で調べようとしない科学者。ネットではなく図書館に少し足を運べば先人の英知が詰まっている。情報の信頼性、信憑性を見抜くコツは過去の著書、図書館で自分で調べてみること。声を大きくして訴えている。
ところでもっと問題なのはヒートアイランドだ。原子力発電所はエコだと言われているが、実は最悪の地球加熱装置です。核燃料の分裂によって出る熱によって発電を行う。その熱は海水を取り込んで冷やす。巨大な原子力発電所は熱を海に全て捨てている。海水の温度はどんどん上昇している。海に住む生物の体系が変化してきている。こんな傾向を調べるため海水の温度を30年毎日測定している大学の教授がいるということ。こんな人こそ科学者と呼べる人。
200ページ位の短い本なので2,3時間もあれば誰でも読める本です。判りやすく良く書けていると思います。この本の中で、今、大騒ぎになっている計画停電、電力不足に非常に気になることが書かれています。
「原子力がなくても電力需給が逼迫しない」と。また私たちは東京電力と政府、政治家にダマされるのか?
簡単にいうと発電施設の設備容量(発電できる容量)と最大電力(消費電力)は原子力発電所がなくても需要を満たすことが出来る。しかし原子力発電を推進してきた東京大をはじめとする「原発村の住人」のメシのタネのために原子力発電所がなければ停電になってしまうと長い間言い続けていた。下記の資料を見ると驚愕すると思います。また夏場に最大電力が昼間に発生する。そしてそのために各家庭の皆さんに節電をと。
この本の資料によると昼間には各家庭の消費は最低ライン、企業、産業用がピークになっている。したがって瞬間的に最大になるピークは企業が少なくしないといけない。ところ東京電力、テレビはまったくとんちんかんなことを言っている。
原子力発電は急に電力の制御ができない。したがって深夜に電力消費が小さくなると発電を止めないといけないので深夜の電力利用、ダムに水をくみ上げる(揚水発電)を盛んに進めて来たという経緯があります。火力発電は需給の調整は容易にできる。今回の電力不足、実は原子力発電を擁護するための一つのジェスチャーという面もあるような気もします。火力発電のコストの4倍のコストが掛かっている原子力発電が本当に必要だったのか?(化石燃料が枯渇すると脅し続けてきました。でも)
この本のデータだけで鵜呑みするのは危険なので電力関係の整理した資料です。
http://www.fepc.or.jp/library/data/infobase/pdf/infobase2010.pdf
広瀬 隆 著『二酸化炭素温暖化説の崩壊』 第2章 より抜粋
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【図64】 発電施設の設備容量と最大電力の推移
http://www.exblog.jp/blog_logo.asp?slt=1&imgsrc=201103/13/26/f0126826_23352815.jpg
【図65】 2008年度の発電実績(設備利用率)
http://www.exblog.jp/blog_logo.asp?slt=1&imgsrc=201103/13/26/f0126826_23435287.jpg
【図67】 夏における電力の消費者の分布
http://pds.exblog.jp/pds/1/201103/15/26/f0126826_7173434.jpg
≪≪ では何故、電気の3分の1が電気だと宣伝され、原発がないと停電するかのような脅しが電力会社によって語られ、新聞とテレビがそれを引用するかと言えば、【図65】のように、原発だけは強引にフル回転して、発電量の比率を高める悪知恵を絞ってきたからである。この3枚のグラフを見ていると、実は面白いことに色々気付くはずである。火力と水力は、立派な発電所を持ちながら、大部分が休んでいるのだ。では何故、これほど無駄な火力発電所や水力発電所を持たなければならないのだろう。
注意しなければならないのは、この2008年度の原発の稼働率が60%という低い数字で、これでも動かせる原発を全てフル回転しての悲惨な現実だということである。原発はいつ止まるかわからない発電所なのである。その為予備に大量の火力と水力を持っていなければならないのだ。かつては原発がフル稼働して80%も使われていたが、その場合(図65中B)を考えても、休んでいる火力を動かせば、原発の発電分を楽々まかなえる。このように実際には不要ながら、原発必要論の口実にいま最も悪用されているのが、二酸化炭素温暖化という土台から崩壊した仮説だったのである。