2002年6月はこの3公演

 


げんこつ団「蛇腹」

下北沢駅前劇場 5/30〜6/2
6/1(土)マチネ観劇

作・演出 吉田衣里

申し訳ありません。まだ書けていません。

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動物電気「えらいひとのはなし キック先生」

下北沢駅前劇場 6/5〜6/12
6/8(土)観劇。座席5列目左端

作・演出 政岡泰志

 白木屋の開店前の店員達のサッカー談義のショートコントから始まる・・・この、ストーリーとは何の関係もない前説的ショートコントが、私は大好きだったりする。今回もなかなかの出来。

 本編の舞台は、私立ホワイト畜産農業高校夜間部。新任の長尾菊太郎(高橋拓自)の元、何かに向かってがんばる高校生達。村上(鬼頭真夜)、白井(多田淳之介)、谷口(松下幸史)、村田(石川明子)そして北条恒夫(辻修)。狂牛病の発病により売り上げが急激に落ち込んでしまった焼き肉屋の店主・増田力男(森戸宏明)は、妻の直子(伊藤美穂)と共に、牛の事を一から学び直そうとホワイト畜産農業高校(通称チクノウ)に入学した。その話を聞きつけ、みんなでおいしい肉を作ろうと長尾菊太郎は生徒達を先導する。その声に一致団結する生徒達。そんな努力する人達の物語。そんな人達に、教頭(政岡泰志)や教師・すわしんじ(小林健一)や北条恒夫が一方的に恋しているミカ(川村幸枝)などが絡みつつ物語は展開する・・・。

 辻修や小林健一のキャラクターで引っ張っている芝居であった。毎回キャラクターの強さが芝居を面白くしているのだが、今回は脚本の面白さより役者の面白さが目立ってしまい、脚本のスカスカさが目についてしまった。なので、新人達が中心の物語運びの時は、面白さのパンチ不足は否めなかった。それは脚本の魅力不足に他ならないのだが・・・。次回は役者のキャラクターに依存しないで、脚本の面白さを前面に出して欲しい。って書いておいてなんだけど、次回の公演は再演らしい。

 今回の伊藤美穂はおばさんキャラだけで、ぶち切れ方が少なくて少々物足りなさを感じてしまった。扱い方はおいしい所をうまい具合につかんでいるので不満はないのだが、もっともっと切れまくって欲しいと願う。川村幸枝にも期待しているのだが、今回はいま一歩って感じであった。辻や小林のように物語に関係なく客の目を奪ってしまう、そんなキャラに育って欲しいもんだ。


“動物電気”自分が観た公演ベスト
1.NOは投げ飛ばす〜魂の鎖国よ開け〜
2.女傑おパンチさん
3.えらいひとのはなし キック先生
4.運べ 重い物を北へ
5.チョップが如く
6.キックで癒やす
7.人、人にパンチ

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AGAPE store「地獄八景亡者戯」

青山円形劇場 6/19〜6/25
6/22(土)ソワレ観劇。座席 C-17

脚本 東野ひろあき
演出 G2

 シスカンパニーとか言う会社の会長・社長・会長秘書・営業2課の課員2名が、ふぐを食べて死の国へとやってきた。その亡者たちが三途の川を渡ってあの世で閻魔様のお裁きを受けるのだが、地獄の沙汰も笑い次第とばかりに、三途の川や閻魔様の前で死してなお笑いにこだわる。そんな上方亡者たちが繰り広げる、奇想天外な死の国巡り。最後の閻魔様のお裁きで地獄行きが決定するが、彼等が素直に従うわけもない。こうなれば仕方が無いと、閻魔様のお裁きが降りる。“一番辛い現世へ送り返してしまえ”・・・って。

 タイトルは「じごくばっけいもうじゃのたわむれ」と読み、上方古典落語の中でも、屈指の大ネタらしい。その落語を原作にし、時事ネタなんかも盛り込み、現代風にアレンジしたのが今回の芝居。出演は、松尾貴史、三上市朗 [劇団M.O.P.] 、八十田勇一[劇団そとばこまち]、福田転球 [転球劇場]、濱田マリと一癖も二癖もある役者ばかり。これだったら面白いだろうと期待したのだが、とんだ期待外れだった。まず、と言うか、これが一番の要因だったのだが、客席が最悪。円形劇場をまるで意識していない舞台構造で、舞台装置は正面だけが客だと言わんばかり。自分の席が舞台の横手だったのだが、物陰に役者が隠れている裏側が全てまる見えで興ざめ。舞台横の席になってしまった客は、完全無視状態なのである。青山円形劇場を舞台に選んだのならそれなりの工夫があってしかるべきではないだろうか。それもG2プロデュースの優先で買ったチケットだから余計に腹立たしい。そんな状態で観ていたので、芝居に入り込めるわけもなく、終始眠たいだけの芝居であった。「不慮の家溺伎」「鬼のコマ劇場」「ザ・かぶとむし」「南天阿弥陀佛」とか演目が書かれてあったが、今となっては忘却の彼方である。最後のは念仏屋の話だったような・・・まぁどうでもいいけど。

 落語の筋はそのままらしいが、落語を聞いた事もないので比較のしようがない。でも元の話を知らなくても面白くなくっちゃしょうがない。まぁ内容は最低だったが、おもしろい所がない訳ではない。実際、あの世に行ってしまった方々を出演者が順に演じていくシーンは、各々のキャラクターも手伝って面白く観れた。松尾貴史が、まだ生きている永六輔を登場させたが、会場には、本人がいるという、なんとも複雑な空気も味わえた。三上市朗がカーク船長を演じたのは、ファンとしては嬉しい限りだ。しかし、面白かったのが役者の持ちネタだったてのが、どうもねぇ〜。


“AGAPE store”自分が観た公演ベスト
1.BIG BIZ〜宮原木材危機一髪!〜
2.地獄八景亡者戯
3.超老伝2000

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