はんがーのっく日誌 |
01/05(tue) | 正月のアスリート達 |
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1999年の正月は、旭化成の全日本実業団駅伝三連覇で始まった。
2日は駒沢大が箱根の往路を制して初の総合優勝へ夢を膨らませたが、翌3日には順天堂大が、まさかの逆転でその夢を砕いた。 この3日間の駅伝で、最も印象に残ったランナーが3人いる。 一人目は、ニューイヤー駅伝の1区を走った山陽特殊製鋼の大川久之である。本人も”仕掛けが早すぎたか?”と、勘違い!?するほど見事なスパートであった。高校駅伝や大学駅伝では力の差もあり、素直な走りをするため見事なスパートはよく見られるが、実力が拮抗し、様々な思惑や駆け引きがうごめく実業団の大会では、なかなかお目にかかれない気持ちのよいスパートであった。まさに今年の幕開けにふさわしい走りだった。 二人目は箱根駅伝で花の2区を走った、順天堂大の三代直樹である。当分破られないと思われていた、渡辺康幸(早稲田)の区間記録を更新した走りはこれ以上考えられないほど見事であった。彼の快走が復路八区の高橋謙介の走りを呼び、大逆転につながったことは明らかである。 最後は、その高橋に抜かれ引き立て役となってしっまた駒沢大の八区の北田初男である。順大の高橋の走りがすばらしく抜かれたのはやむを得ぬと誰もが認めるが、北田がその走りに自分のペースを乱されて、必要以上の差を付けられてしまった。というのが解説者の大方の意見であった。しかし、彼はあの時点でできる自分の最高の走りをしたと思う。確かに戦略的にはもっと賢い方法があったのだろうが、駅伝(特に学生の大会)でもっとも大切なのは勢いである。無難な走りをして最小限のタイム差にとどめたところで、勢いは完全に順大に傾いている。最終区のランナーに望みを託すためにも、北田の走りは(結果には結びつかなかったが)正解だったと思う。 ちなみに大川久之選手は自らのホームページを開いているが、一流ランナーの顔とは全く違った一面(実は本性?)が見られる。 |
12/23(wed) | 冬に汗くさいおやじ |
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今年の冬は大雪だといわれながら、岐阜県美濃の山奥ではまだ雪にお目にかかれない。この予想に反した暖冬のため、サイクルおやじ達は年末まで西へ東へと走り回っている。しかし私は、早々と冬眠状態でおなかの脂肪を蓄えるのにいそしんでいる。 これでは、アスリートおやじの名が泣く?とばかり、久しぶりにサドルにまたがった。 気ままに走るつもりだったのだが、今回はなぜか峠で工事箇所が多くて、車の流れにあわせるためダンシングで走ったり、初めての道へ行って、もう時間がないから戻ろうかと思ったところに、”自転車通学あり注意!”の看板を発見し、意地でもう少し奥へ走ったりと、予定よりがんばって走ってしまった。 しかし体力はないので、当然ペダルが回らないは、お尻は痛くなるはと悲惨なポタリングであった。 しかし、これが気持ち良いのである。 私は、運動するのは、断然、暑い夏が好きある。燃えるような日差しを受けて汗をだらだら流して、走り回るのがスポーツの楽しみ方の一つだと思っている。それに冬は、動けば汗がでるものの始めや休憩時は冷え込んでしまうので、そのギャップがどうしても乗り越えられない。 しかし今回は違った。”冬の汗”が何ともいえず気持ちよかったのである。 夏の汗を”焼き肉”とすれば、冬の汗は”焼きイモ”である。焼き肉はさっとあぶっただけでも、おいしく食べられるが、焼きイモは芯まで火が通らないと美味しくない。(しかも強い火では表面が焦げるだけ。)冬の汗はじっくりと味わいましょう。 (日焼けサロンかどこかへ通って)、真冬に異様な黒い顔をしている若者には、違和感を感じていたのだが、真冬に汗くさいおやじは人のことはいえない? |
12/07(mon) | 祝!高橋金メダル |
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アジア大会が、女子マラソンの高橋選手の金メダルで幕があけた。 高橋選手は岐阜県の出身で、教職員であるお父さんは我が町に見えたこともあって、お顔を拝見したことがあるのだが、いかにも誠実でまじめなお人柄が現れた方だったと記憶している。 今回はそのお父さんとお母さんの応援もあって、悪条件のなか世界歴代5位という好記録でみごと金メダルを獲得した。ロルーペの世界最高記録は、好条件の中、男性のラビット2人を従えての記録だったことを考えると、今回の猛暑の中、独走での記録は、事実上は世界最高だとの評価が高い。 高橋は今回3回目のマラソンと、経験は浅いが今回の、アジア大会の出場を聞いて、”おや?”と思った人は多いはずだ。女子マラソンにおいては、アジア大会は、オリンピックや世界選手権と比べればもちろんのこと、ともすれば国内の主要大会より軽視されがちである。レベル的にみても日本人に要求されるのは金メダル以外になく、重責だけが重くのしかかる大会である。その大会に、今、日本で最も伸び盛りの金の卵を出場させる意味がどこにあるのか?と疑問に思った人もいるだろう。 参加者の数やレベルからいても、高橋にとっては勝って当然、負ければ失うものばかりという、得るものが非常に限られる大会だったと思う。 さらに、日本と気候も風土も異なる地で、マラソンのシーズンインのこの時期に、万が一故障でもすれば、1年を棒に振ることになる。オリンピックが全てと考える日本においては、誰もができれば避けたい大会である。 今回の条件を分析すればするほど、すばらしい記録で完走した彼女の精神力がますます際立ってくるのである。 考えてみれば、すばらしいモチベーションでアジア大会に出場を決めた時点で、高橋の快走は始まっていたのかもしれない。 #お祝いのメッセージに、”シドニーでの活躍も期待しています。”と必ずつけられるのは、寂しいことだ。今回の走りは、オリンピックの金メダルに勝るとも劣らない、すばらしい走りであった。 |
12/04(fri) | ホークスの失敗 |
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ダイエーホークスのスパイ疑惑が、世間を騒がせている。 ベースボールファンの意見としては、ファン心理を裏切ったという見方が多いが、(当然行われているであろうスパイ行為だから)見つかったことが悪い。という意見もケッコウ聞く。 サインを盗む行為は、昔からなかば公然と行われていて、そのためサインを乱数表を使って盗まれないような策もとられたりして、イタチゴッコの感が強い。 今回はその行為に、カメラやアルバイトの学生が使われたことに問題があるということなのだろう。自分たちで、サインを盗むのはスポーツマンとしての戦略の一つだが、機械や他人を使うのは明らかにフェアじゃなく許されない。ということなのだろう。 しかし、今のプロスポーツは、当然組織の力無くしては、よい成績を収めることはできない。わずか 100mを走るシューズに、億単位の金額がつぎ込まれ、一人の選手に何十名というスタッフがつくことが、当然のように行われている。 経済的に恵まれたスポーツマンと、そうでないスポーツマンには、スタート地点に立つ前に、すでに大きなハンディキャップがついているのである。 スポーツを見る楽しみは、人間の力を最大限に生かしたパフォーマンスである。最高の肉体を持った人間が、限界まで能力を出しきるところに、美しさがあり感動が生まれるのである。けっして、新記録をうち立てたり、勝負に勝つことではない。 ...と、いいながら、スポーツはもっと単純でわかりやすくはっきりして欲しい...と思うおやじである。 |
ハンガーノック日誌 |