日本史映画・安土桃山時代
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原始〜平安時代鎌倉〜室町時代戦国時代◎安土桃山時代◎江戸前期江戸後期明治〜現代
○「国盗り物語」昭和48年(1973)NHK大河ドラマ
◇キャスト
平幹二郎(斉藤道三)、山本陽子(小見の方)、三田佳子(深芳野)、高橋英樹(織田信長)、松坂慶子(濃姫)、近藤正臣(明智光秀)、火野正平(木下藤吉郎)、太地喜和子(ねね)、宍戸錠(柴田勝家)、寺尾聡(徳川家康)、金田竜之介(土岐頼芸)、杉良太郎(浅井長政)、松原智恵子(お市)、林隆三(雑賀孫市)ほか
◇うんちく
司馬遼太郎の小説を原作に、斉藤道三から織田信長に至る「国盗り」の過程を描く。
○「風雲児信長」1940・日活
◇スタッフ
○監督:マキノ正博
◇キャスト
片岡千恵蔵(織田信長)、志村喬(平手政秀)ほか
◇ストーリー
「うつけ者」と呼ばれる異様な言動で周囲の眉をひそませる青年・信長。そんな信長に理解を示すのは父・信秀と守役の平手政秀、そして人質に来ている竹千代(のちの家康)ぐらい。そんななか信秀が死に、信長はその葬儀で…
◇うんちく
名匠マキノ正博(漢字はいろいろ)により、まさに「皇紀2600年」という時期に製作された戦国武将もの。信長を跡継ぎにするのは「一天万乗の君のため」だとか父・信秀が言ったり、そこかしこに「皇国ニッポン」が匂わされるのは時局ならではだが、全体としては「信長青春編」といった好編に仕上がっている。
○「紅顔の若武者・織田信長」1955・東映
◇スタッフ
○監督:河野寿一○原作:山岡荘八
◇キャスト
中村錦之助(織田信長)、高千穂ひづる(濃姫)、月形龍之介(平手政秀)、片岡栄次郎(前田犬千代)、進藤英太郎(斉藤道三)、柳永二郎(織田信秀)ほか
◇ストーリー
うつけ者と呼ばれ、粗暴な言動の青年・信長。彼のもとへ嫁いだ斉藤道三の娘・濃姫は初めは呆れるが次第に信長に惹かれてゆく。父・信秀も周囲の批判をよそに信長の才能を買っていたが、急死してしまう。父の葬儀で乱行をはたらいた信長を諌めて守役の平手が切腹。やがて信長は舅の斉藤道三と運命的な会見を行う。
◇うんちく
下記の「風雲児・織田信長」の4年前に製作された白黒版で、監督も脚本も主演も一部主要キャストも同じ。ただこちらは予算がなかったのか、桶狭間までは描かれず全体的に地味。たださらに若い錦之助演じる信長の「不良少年」ぶりの迫力はこちらの方が凄い。
○「風雲児・織田信長」1959・東映
◇スタッフ
○監督:河野寿一○原作:山岡荘八
◇キャスト
中村錦之助(織田信長)、香川京子(濃姫)、月形龍之介(平手政秀)、里見浩太郎(丹羽万千代)、中村賀津雄(木下藤吉郎)、戸上城太郎(蜂須賀小六)、進藤英太郎(斉藤道三)、柳永二郎(今川義元)ほか
◇ストーリー
信長は父親の葬儀で焼香を投げつけるなど尋常ではない振る舞いを繰り返し、政治向きのことは全て守り役の平手政秀に任していた。平手は信長の自立をうながして諫死し、悲しみから立ち上がった信長は尾張を狙う斉藤道三と会見しこれを圧倒する。やがて今川義元の大軍が上洛目指して侵攻、信長はこれを桶狭間に奇襲する。
◇うんちく
人気急上昇期の中村錦之助(のちの萬屋錦之介)を信長役に据えた信長青春記映画。おなじみの名場面を次々と特に工夫もなく映像化しているが、荒々しい錦之助の信長役はイメージにピッタリ。信長・秀吉を兄弟揃い踏みで演じているのも面白い。信長・濃姫の夫婦の仲睦まじさもやけに目に付く一本。
○「若き日の信長」1959・大映
◇スタッフ
○監督:森一生○原作:大仏次郎
◇キャスト
市川雷蔵(織田信長)、金田一敦子(弥生)、小沢栄太郎(平手政秀)、市川染五郎(平手甚三郎)、青山恭子(小萩)、月田昌也(木下藤吉郎)ほか
◇ストーリー
傍若無人の言動で「うつけ者」と呼ばれる信長のもとに、今川と内通する山口左馬之助から娘の弥生が人質として送り込まれた。だが弥生は信長のそばにいるうち、彼の人間らしさと深謀遠慮に気づいてゆく。そんな中、守役の平手正秀が信長を諌めて自害。そして今川義元の軍が織田領へと侵攻してくる。
◇うんちく
たびたび作られた信長青春ドラマの大映版。珍しく濃姫が登場せず、別のヒロインが立てられている。原作は大仏次郎の歌舞伎だそうで、まだ子役といっていい市川染五郎(現・松本幸四郎)も出演しているのもそのせいか。物語は桶狭間へ向かうところで終わる。
○「信長」平成4年(1992)NHK大河ドラマ
◇キャスト
緒形直人(織田信長)、帰蝶(菊池桃子)、仲村トオル(羽柴秀吉)、芦田伸介(斉藤道三)、マイケル富岡(明智光秀)、中山美穂(ねね)、鷲尾いさ子(お市)、的場浩司(池田恒興)、前田利家(橋爪淳)、辰巳琢郎(浅井長政)、滝田栄(柴田勝家)、二谷英明(平手政秀)、宇津井健(林通勝)、田中健(佐久間信盛)、杉本哲太(丹羽長秀)、柴俊夫(滝川一益)、平幹二郎(加納随天)、フランク・ニール(ルイス・フロイス)ほか
◇うんちく
意外にも信長一人を主人公にした大河ドラマはこれが初めて。人気の「信長」をネタにしたもののミスキャスト(信長と秀吉は逆だと思うぞ、普通)が目に付く。演出も過剰気味。
○「織田信長」TBS正月大型時代劇
◇キャスト
渡辺謙(織田信長)ほか
◇うんちく
正月時代劇らしい盛りだくさんの娯楽大作。個人的には渡辺謙はもっともハマった信長役だったと思う。ただしめでたい正月の出し物ということで「本能寺」がバッサリとカットされている妙な「信長」である。
○「忍者武芸帳」1967年・創造社
◇スタッフ
○監督・脚本:大島渚○脚本:佐々木守○音楽:林光○原作・原画:白土三平
◇キャスト(声)
山本圭(重太郎)、戸浦六宏(影丸)、佐藤慶(坂上主繕)、小松方正(蔵六)、小沢昭一(ナレーター)ほか
◇ストーリー
時は戦国、民衆を率いて信長ら戦国大名と戦う、謎の忍者・影丸がいた。超人的な能力を持ち彼を支える「影一族」、明智光秀の影武者となる忍者・主膳とその妹・蛍火、そして主膳を仇と狙う剣客・重太郎らが織りなす壮絶な戦国絵巻。
◇うんちく
白土三平の代表作である忍者劇画を、鬼才・大島渚が「映画化」した異色作。白土の原画(みたところ印刷物から撮ったものではなさそう)を編集して画面に映し、そこに声と音声・音楽を重ねて映像化している。言ってみれば紙芝居に近い実験作品。白土の原作をほぼ忠実になぞり、ほぼ二時間に凝縮することに成功している。当時の時代性もあって濃厚な「民衆闘争史観」が原作以上に滲んでいる気も。
○「太閤記」昭和40年(1965)NHK大河ドラマ)
◇キャスト
緒形拳(豊臣秀吉)、藤村志保(ねね)、高橋幸治(織田信長)、稲野和子(濃姫)、佐藤慶(明智光秀)、石坂浩二(石田三成)、片岡孝夫(森蘭丸)、中村歌門(柴田勝家)、岸恵子(お市)、尾上菊蔵(徳川家康)、福田善之(竹中半兵衛)、島田正吾(千利休)、三田佳子(淀君)ほか
◇うんちく
まだ白黒時代の大河ドラマ。まだ無名に近かった緒形拳がスターにのし上がり、石坂浩二の初仕事でもある。信長が大変な人気で助命嘆願がNHKに送られ、「本能寺」の放送が遅くなったという伝説がある。
○「おんな太閤記」昭和56年(1981)NHK大河ドラマ
◇キャスト
佐久間良子(ねね)、西田敏行(豊臣秀吉)、フランキー堺(徳川家康)、前田吟(蜂須賀小六)、藤岡弘(織田信長)、夏目雅子(お市)、滝田栄(前田利家)、池上希実子(淀君)ほか
◇うんちく
豊臣秀吉の妻「ねね」の視点から見た「太閤記」。
○「秀吉」平成8年(1996)NHK大河ドラマ
◇キャスト
竹中直人(豊臣秀吉)、沢口靖子(おね)、渡哲也(織田信長)、高島政伸(羽柴秀長)、渡辺徹(前田利家)、真田広之(石田三成)、松たか子(淀君)、大仁田厚(蜂巣賀小六)、西村雅彦(徳川家康)、村上弘明(明智光秀)、赤井英和(石川五右衛門)、宅麻伸(浅井長政)ほか
◇うんちく
竹中直人の過剰とも思える演技もあってかなりのヒットとなった今風太閤記。信長・秀吉の時代が「高度成長期に奇妙に重なる」といういかにも堺屋太一らしい強引な説明にのっかっている。秀吉の弟・秀長にスポットを当てたのは新機軸。
○「太閤記」TBS正月ドラマ
◇キャスト
柴田恭平(豊臣秀吉)、千葉真一(明智光秀)ほか
◇うんちく
年末年始の時代劇ブームが開始された時期の大型娯楽作。いかにも正月気分のお遊びがふんだんに盛り込まれている。とにかく光秀が自ら本能寺に飛び込んでいって信長を刺し殺すは、逃げる足利義昭を光秀が鉄砲で撃ち殺すは。挙げ句の果てに秀吉と光秀の一騎打ちの末、光秀は見事に切腹して果ててしまう(!)。開き直ってみれば確かに面白いが。
○「利家とまつ・加賀百万石物語」平成14年(2002)NHK大河ドラマ
◇キャスト
唐沢寿明(前田利家)、松嶋菜々子(まつ)、反町隆史(織田信長)、香川照之(豊臣秀吉)、酒井法子(おね)、高嶋政弘(徳川家康)、萩原健一(明智光秀)ほか
◇うんちく
若手人気タレントで主役を固めて製作された竹山洋作の戦国夫婦ドラマ。これまでさんざん脇役で登場してきた前田利家が主役だが要するに太閤記の裏バージョン。NHKの露骨なまでの視聴者媚びぶりと時代考証の破綻ぶり、行き当たりバッタリで「まつ」を異様に前面に押し出した脚本などなど、目に余る出来とも思えたが困ったことに視聴率は良かったりする。
○「功名が辻」平成18年(2006)NHK大河ドラマ
◇キャスト
仲間由紀恵(千代)、上川隆也(山内一豊)、舘ひろし(織田信長)、柄本明(豊臣秀吉)、浅野ゆう子(寧々)、西田敏行(徳川家康)、坂東三津五郎(明智光秀)、武田鉄矢(五藤吉兵衛)、中村橋之助(石田三成)ほか
◇うんちく
司馬遼太郎の同名小説が原作で、「内助の功」で有名な山内一豊の妻・千代を主人公にした戦国もの。人気若手俳優を主役に安土桃山をやればハズレはない、という要するに「としまつ」路線であるが、信長・秀吉の描かれ方が結構辛らつだったり、それなりに工夫はあった。
○「徳川家康」昭和58年(1983)NHK大河ドラマ
◇キャスト
滝田栄(徳川家康)、池上希実子(築山殿)、竹下景子(お愛)、武田鉄矢(豊臣秀吉)、役所広司(織田信長)、藤真利子(濃姫)、夏目雅子(淀君)、江原真二郎(石川数正)、長門裕之(本多作左衛門)、石坂浩二(竹之内波太郎)、近藤正臣(松平広忠)、宅麻伸(松平信康)、成田三樹夫(今川義元)、吉行和子(北政所)、津川雅彦(大久保長安)ほか
◇うんちく
山岡荘八の大長編小説を一年間でじっくり描いた大河ドラマ。滝田栄が「家康」というとんでもない配役で、ちょっと家康が理想化されすぎている嫌いも。まだ無名だった役所広司の信長役は強烈な印象を残し、彼の出世作となった。
○「徳川家康」TBS正月時代劇
◇キャスト
松方弘樹(徳川家康)、長門裕之(酒井忠次)ほか
◇うんちく
ちょこっと放送時に見ただけであるが、正月時代劇らしくお色気も取りまぜた(家康がしょっちゅう強精薬を飲んでたり、ヌードがやたら出てくる)娯楽時代劇。設定が凄いのが石川数正で、影の主役と言った役割。家康から秀吉に鞍替えした後、どういうわけか関ヶ原に現れ戦死してしまう。
○「反逆児」1961・東映
◇スタッフ
○監督:伊藤大輔
◇キャスト
中村錦之助(徳川信康)、杉村春子(築山殿)、佐野周二(徳川家康)、岩崎加根子(徳姫)、月形龍之介(織田信長)ほか
◇ストーリー
家康の長男・信康は武勇に優れた若武者で将来を嘱望されていたが、信長は自分の婿でもある信康にひそかに警戒心を抱く。信康は母である築山殿、妻で信長の娘である徳姫との間で苦悩し、ついには悲劇的な最期を迎えることになる。
◇うんちく
戦前以来の時代劇の名匠であった伊藤大輔が、家康の悲劇の長男・信康をテーマに一本の映画に仕立てた異色作。当時乗りに乗っていた感のある錦之助が才能もありながら無念の最期を遂げる若者を熱演している。当然ながら本作の信長はかなりワル。
○「千利休・本覚坊遺文」1989・西友/東宝
◇スタッフ
○監督:熊井啓○原作:井上靖
◇キャスト
三船敏郎(千利休)、萬屋錦之介(織田有楽斎)、奥田英二(本覚坊)、加藤剛(古田織部)、上條恒彦(山上宗二)、芦田伸介(豊臣秀吉)ほか
◇ストーリー
利休の弟子、本覚坊に織田有楽斎が問う。「なぜ利休は切腹したのか?」と。本覚坊は利休の思い出を振り返りながらその真相を明かしてゆく。
◇うんちく
三国連太郎版「利休」と競作になった利休映画。「お吟さま」では秀吉だった三船が利休役。さすがに三船が演じると「芸術家」というより「武将」イメージの利休となった(むろん、狙ったところだろう)。全体的に哲学性が強く、海外での評価も高かった。
○「利休」1989・松竹/勅使河原プロダクション
◇スタッフ
○監督:勅使河原宏○原作:野上弥生子
◇キャスト
三国連太郎(千利休)、山崎努(豊臣秀吉)、田村亮(豊臣秀長)、松本幸四郎(織田信長)、中村吉右衛門(徳川家康)、岸田今日子(北政所)、坂東八十助(石田三成)、中村橋之助(細川忠興)、井川比佐志(山上宗二)ほか
◇ストーリー
ヨーロッパ人も来日し「地球」という概念も伝わった安土桃山時代。信長の時代から茶を指導した利休は、信長亡き後権力者となった秀吉にも茶の指導をする。成り上がり者の秀吉と、独特の美意識に生きる利休とは次第にすれ違いが生じ、悲劇へと向かってゆく。
◇うんちく
三船敏郎版「千利休」と競作になった利休映画。華道家元である勅使河原監督の美意識が散見される映像で、歴史上の有名人も数多く登場し(後に首相となる細川護熙まで1カット出ている)、三船版に比べると全体的に派手で絢爛豪華。ただストーリー自体は細かいエピソードの淡々とした積み重ねで盛り上がるところもなく、利休切腹の原因については観客の想像に任せる形になっている。
○「江〜姫たちの戦国〜」平成23年(2011)NHK大河ドラマ
◇キャスト
上野樹里(江)、宮沢りえ(淀殿)、水川あさみ(初)、鈴木保奈美(お市)、豊川悦司(織田信長)、岸谷五朗(豊臣秀吉)、柴田勝家(大地康雄)、大竹しのぶ(おね)、石坂浩二(千利休)、平岳大(佐治一成)、AKIRA(豊臣秀勝)、富田靖子(春日局)、向井理(徳川秀忠)、木咲直人(徳川家光)、北大路欣也(徳川家康)ほか
◇うんちく
これまで何度も描かれてきた「浅井三姉妹」のうち、秀忠の妻・家光の母となった「お江」を主人公に信長・秀吉・家康の時代を描いた。「篤姫」でヒットを飛ばした脚本家によるものだが、最近の女性戦国ものの常で主人公を強引に歴史的事件に絡めたり、現代劇的感覚のドラマ作りが目につきすぎて大河ファンからはブーイングが多かった。大河が露骨に視聴率稼ぎで視聴者に媚びてくるとどうなっちゃうかという典型であった。
○「忍びの者」1962・大映
◇スタッフ
○監督:山本薩夫
◇キャスト
市川雷蔵(石川五右衛門)、藤村志保(まき)、岸田今日子(いのね)、伊藤雄之助(百地三太夫)、西村晃(木猿)、若山富三郎(織田信長)ほか
◇ストーリー
伊賀の下忍・石川五右衛門は首領の百地三太夫はその妻と密通したうえ死なせたために、その代償として京で盗賊となって資金集めをさせられ、さらには天下取りの野望に突き進む織田信長の暗殺も命じられる。実は全ては三太夫の策謀で、それに気付いた五右衛門は恋人のまきと共に非情な忍者の世界から逃れようとするが…
◇うんちく
共産党機関紙「赤旗」に連載された「階級闘争」的な忍者小説を、共産党員である山本薩夫がリアルな忍者を描く娯楽活劇として映像化、大ヒットして人気シリーズとなった一本。白土三平の忍者劇画ともよく似ている。
○「続忍びの者」1963・大映
◇スタッフ
○監督:山本薩夫
◇キャスト
市川雷蔵(石川五右衛門)、藤村志保(まき)、天知茂(服部半蔵)、山本圭(森蘭丸)、石黒達也(鈴木孫一)、東野英次郎(豊臣秀吉)、山村聡(明智光秀)、永井智雄(徳川家康)、若山富三郎(織田信長)ほか
◇ストーリー
伊賀忍者集団は織田信長の攻撃を受けて壊滅、五右衛門も息子を殺されて雑賀衆に加わり、信長への復讐をはかる。五右衛門は明智光秀を煽って本能寺の変を起こさせ、信長殺害に成功するが、直後に天下をとった秀吉により雑賀も壊滅、五右衛門は秀吉の命を狙うべく聚楽第へと侵入する。
◇うんちく
大ヒットした前作に比べ「歴史劇」の趣向が強くなり、本能寺の変に至るおなじみの話が詳しく描かれる。信長・秀吉の暴君性がかなり強調されており、五右衛門が彼らに挑む展開は前作以上に悲惨で救いがない。史実通り五右衛門は釜煎りにされるラストだが(釜煎り直前まで)、山本監督の意図をよそに大映はさらなるシリーズ続行を決めて五右衛門は死なないことになり、第三作「新忍びの者」が製作された。第4作からは主演は同じだが霧隠才蔵に主人公を変えてシリーズは続行された。
○「梟の城」1999・梟の城製作委員会
◇スタッフ
○監督:篠田正浩○原作:司馬遼太郎
◇キャスト
中井貴一(葛籠重蔵)、マコ・イワマツ(豊臣秀吉)、鶴田真由(小萩)、上川隆也(風間五平)、葉月里緒菜(木さる)、中尾彬(徳川家康)、根津甚八(服部半蔵)ほか
◇ストーリー
忍者の本拠地・伊賀は天下統一を目指す織田信長の攻撃を受け壊滅した。生き残りの上忍・葛籠重蔵は徳川家康の筋から依頼を受けて秀吉暗殺を謀る。しかし同じ伊賀の下忍・風間五平は武士として出世するため秀吉側につき、重蔵と対決する。
◇うんちく
司馬遼太郎のデビュー作となった忍者小説を篠田正浩監督が映画化。久々の本格忍者映画となった一本。セットなどにCGを取り込んだりアクションシーンにリアリティを追求するなど意欲的な作品だが、いささかシナリオが散漫で盛り上がりに欠ける。ただ秀吉は物凄く似てる(笑)。
○「GOEMON」2009・「GOEMON」パートナーズ
◇スタッフ
○監督:紀里谷和明
◇キャスト
江口洋介(石川五右衛門)、大沢たかお(霧隠才蔵)、広末涼子(茶々)、ゴリ(佐助)、奥田瑛二(豊臣秀吉)、中村橋之助(織田信長)、伊武雅刀(徳川家康)、寺島進(服部半蔵)、要潤(石田三成)ほか
◇ストーリー
豊臣秀吉が天下を取り、世は一見平和を謳歌していた。そんな大阪に出没する大泥棒・石川五右衛門。実は彼にはかつて織田信長に救われて忍者に育てられた過去があり、信長の姪・茶々にほのかな思いを抱いていた。ある盗みをきっかけに「本能寺の変」の黒幕が秀吉であったことを知った五右衛門は秀吉の暗殺を謀る。
◇うんちく
登場人物はほぼ全て安土桃山時代の実在人物ばかり、展開も大筋で史実に沿ったものになるのだが、アニメチックなCG全開で描かれた日本のようでそうでないような世界風俗ごった煮状態のファンタジーワールドの「安土桃山」を舞台にした異色時代劇アクション。江口洋介が五右衛門を豪快に演じ、もっとハチャメチャになるかと思ったら意外に大真面目な着地をする。
○「黄金の日日」昭和53年(1978)NHK大河ドラマ
◇キャスト
市川染五郎[現・松本幸四郎](呂宋助左衛門)、根津甚八(石川五右衛門)、栗原小巻(美緒)、丹波哲郎(今井宗久)、津川雅彦(津田宗及)、鶴田浩二(千利休)、高橋幸治(織田信長)、緒形拳(豊臣秀吉)、児玉清(徳川家康)ほか
◇うんちく
実在すら疑われる伝説的人物・呂宋助左衛門を主人公に商人の自由都市・堺の興亡を描く大河ドラマ。大河史上初の海外ロケ(フィリピン)を実現したことでも知られる。
○「茶々・天涯の貴妃」2007・東映・同名製作委員会
◇スタッフ
○監督:橋本一○脚本:高田宏治○原作:井上靖
◇キャスト
和央ようか(茶々)、寺島しのぶ(小督)、富田靖子(はつ)、渡部篤郎(豊臣秀吉)、高島礼子(大蔵卿の局))、余貴美子(北政所)、原田美枝子(お市)、中村獅童(徳川家康)、松方弘樹(織田信長)、中林大樹(豊臣秀頼)、谷村美月(千姫)、黄川田将也(真田幸村)ほか
◇ストーリー
信長の妹・お市と浅井長政の間に生まれた茶々・はつ・小督の三姉妹は戦国の興亡のなか父と母を失い、運命に翻弄されるように茶々は秀吉の側室に、小督は家康の子・秀忠の妻となってそれぞれに子をもうける。秀吉が死に、天下人となった家康は豊臣氏を滅ぼしにかかるが、茶々は秀吉の遺児・秀頼を擁して大坂城を断固守り抜こうとする。
◇うんちく
東映久々の戦国映画で井上靖の「淀どの日記」を一応原作としているが、良くも悪くも東映らしい奔放史劇。宝塚男役スター・和央ようかの初主演映画という売りもついてしまったため男装甲冑に身を固めた淀どのが家康本陣に来るとか、大坂城大爆発といったトンデモシーンがある。浅井三姉妹はそのままでも十分劇的だし、悲惨な戦場の描写など「女たちの戦国もの」として見どころもなくはないのだが。
○「独眼竜政宗」昭和62年(1987)NHK大河ドラマ
◇キャスト
渡辺謙(伊達政宗)、桜田淳子(愛姫)、北大路欣也(伊達輝宗)、岩下志麻(お東の方)、秋吉久美子(猫御前)、西郷輝彦(片倉小十郎)、三浦友和(伊達成実)、原田芳雄(最上義光)、真田広之(松平忠輝)、沢口靖子(五郎八姫)、勝新太郎(豊臣秀吉)、津川雅彦(徳川家康)、樋口可南子(淀君)、八千草薫(北政所)、奥田瑛二(石田三成)ほか
◇うんちく
しばらく近現代に走った大河ドラマが時代劇に復帰した作品。ジェームズ三木の脚本でマイナーな主人公ながら意外な高視聴率を上げた。渡辺謙の政宗の印象が強烈。
○「独眼竜政宗」1959・東映
◇スタッフ
○監督:河野寿一
◇キャスト
中村(のち萬屋)錦之助(伊達政宗)、月形龍之介(伊達輝宗)、岡田英次(片倉小十郎)、浪花千栄子(喜多子)、山形勲(畠山義継)、佐久間良子(千代)、大川恵子(愛姫)、大河内伝次郎(勘助)、徳大寺伸(石田三成)、佐々木孝丸(豊臣秀吉)ほか
◇ストーリー
豊臣秀吉が全国を制覇しようとしているころ、奥州では若き武者・伊達政宗が日の昇る勢いだった。政宗は秀吉の放った刺客に襲われ、命は助かるものの片目を失明する。ショックでふさぎこむ政宗だったが、次第にそれまで見えていなかったものを知り、成長してゆく。そんな折、父・輝宗が畠山義継に拉致され…
◇うんちく
信長に続き、錦之助・河野寿一のコンビで製作された政宗青春ドラマ。政宗が刺客に襲われて失明する、母親がとっくに死去している、輝宗の死が小田原参陣直前など、史実を改変した部分も目につくが、一人の若者の苦悩と成長のストーリーは錦之助の迫力もあって見ごたえあり。
○「関ヶ原」TBS大型時代劇
◇キャスト
森繁久弥(徳川家康)、加藤剛(石田三成)、宇野重吉(豊臣秀吉)、三船敏郎(島左近)、三国連太郎(本多政信)、高橋幸治(大谷吉継)、杉村春子(北政所)、三田佳子(淀君)、丹波哲郎(福島政則)、藤岡弘(加藤清正)、松坂慶子(初芽)ほか
◇うんちく
石田三成を主人公にすえた司馬遼太郎の小説を、TBSが開局30周年記念作品としてドラマ化。豪華というほかないオールスターキャスト、早坂暁の脚本による群像劇が秀逸で長時間をまったくあきさせない。ちょっと三成がカッコ良すぎという気もしなくはないが。
○「天地人」平成21年(2009)NHK大河ドラマ
◇キャスト
妻夫木聡(直江兼続)、常盤貴子(お船)、北村一輝(上杉景勝)、阿部寛(上杉謙信)、笹野高史(豊臣秀吉)、深田恭子(淀殿)、小栗旬(石田三成)、松方弘樹(徳川家康)、吉川晃司(織田信長)、長澤まさみ(初音)、城田優(真田幸村)、松田龍平(伊達政宗)ほか
◇うんちく
智将とされる上杉家家老・直江兼続の生涯を描く大河ドラマで、「三傑」が登場する定番の戦国ものではあるが家老クラスが主役というのは異例。折からの「歴女」ブームに乗ろうとしたらしくイケメン男優ぞろいの大河ドラマとなった。
○「将軍」1980・アメリカTVミニシリーズ
◇キャスト
リチャード=チェンバレン、島田陽子、三船敏郎、フランキー堺ほか
◇うんちく
家康に仕えたイギリス人ウィリアム=アダムスをモデルにしたアメリカ製時代劇で、アメリカで驚異的な視聴率を記録した作品(編集・映画化もされた)。三船敏郎以下、日本俳優陣も豪華な顔ぶれで確かに見応えはある。しかし日本人が見ると、それこそ「変なニッポン」のオンパレードでなかなか笑える(まぁまだましな方だけど)。外国人が思い浮かべるサムライ・ニッポンの全てが凝縮されたような作品。
○「真田太平記」昭和61〜62年(1986〜1987)NHKドラマ
◇キャスト
渡瀬恒彦(真田信之)、丹波哲郎(真田昌幸)、草刈正雄(真田幸村)、遙くらら(お江)、榎木孝明(樋口角兵衛)、中村梅之助(徳川家康)、長門広之(豊臣秀吉)、中村梅雀(徳川秀忠)ほか
◇うんちく
池波正太郎の長編小説をドラマ化、一年かけて放送した大作。大河ドラマが近代を扱った時期に作られたドラマで、やや低予算。丹波哲郎演じる昌幸の「謀将」のイメージが余りにもピッタリ。忍者たちの活躍も見物だった。
○「琉球の風」平成5年(1993)NHK大河ドラマ
◇キャスト
東山紀之(啓泰)、萩原健一(楊邦義)、真鶴(小柳ルミ子)、渡辺篤郎(啓山)、江守徹(謝名親方)、小林旭(徳川家康)、仲村トオル(豊臣秀吉)、ショー・コスギ(震天風)、沢田研二(尚寧王)、室田日出男(島津義久)ほか
◇うんちく
大河史上初、というより歴史映像史上初の沖縄ドラマ。いかにも陳舜臣の原作らしく、架空の人物がやたらと有名人に絡み合う。アメリカのニンジャ映画で成功したショー・コスギが出ているのも話題。後に琉球語バージョンも製作された。冒頭は前年度の「信長」のラストからつながっており仲村トオルの秀吉が出てくる。
原始〜平安時代鎌倉〜室町時代戦国時代◎安土桃山時代◎江戸前期江戸後期明治〜現代
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