日本史映画・戦国時代
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原始〜平安時代鎌倉〜室町時代◎戦国時代◎安土桃山時代江戸前期江戸後期明治〜現代
○「塚原卜伝」2011年・NHKBS時代劇
◇スタッフ
○脚本:山本むつみ 、高山直也○原作:津本陽
◇キャスト
堺雅人(塚原卜伝)、平岳大(山崎左門)、栗山千明(真尋)、京野ことみ(鹿乃)、三浦アキフミ(山本勘助)、松本備前守(永島敏行)、龍子(江波杏子)、中尾彬(伊勢宗瑞=北条早雲)、安田顕(細川高国)、吉見一豊(大内義興)、本田博太郎(足利義尹)、風間杜夫(平賀丹後守)ほか
◇ストーリー
常陸・鹿島に育って神道流を学んで剣の腕をあげた塚原新右衛門(後の卜伝)は山崎左門を連れて武者修行の旅に出た。伊勢宗瑞や将軍・足利義尹の前で試合に連勝、剣の名をとどろかせる新右衛門だったが、醜い政争が続く京に飽き、また剣に生きることの意味を問い直すために鹿島へと帰って行く。
◇うんちく
名前は有名なんだけど史実関係はさっぱり分からない塚原卜伝を、津本陽の小説を下敷きに7回でさらりとまとめたドラマ。最後にようやく「卜伝」となってまた武者修行に出るので「青春篇」といったところ。戦国初期という珍しい時代を描いたため、北条早雲や足利義尹などは映像で出てくるのはこれが初めてか?なお地元鹿嶋では卜伝の大河ドラマ化運動をしており、NHKが小型ドラマでそれに応えた形だ。
○「風林火山」1969年・東宝・三船プロ
◇スタッフ
○監督:稲垣浩
◇キャスト
三船敏郎(山本勘助)、萬屋錦之介(武田信玄)、佐久間良子(由布姫)、石原裕次郎(上杉謙信)ほか
◇ストーリー
姿も醜く足も不自由な山本勘助は策略をもって武田信玄に自分を売り込み、その参謀におさまる。ところが勘助は信玄の側室となる由布姫にひそかに恋してしまった。やがて由布姫は世を去り、川中島合戦の火ぶたが切られる。
◇うんちく
井上靖の同名小説が原作の戦国ロマン。片目で足も不自由な名参謀・山本勘助の愛と戦いの生涯を描く。川中島合戦のシーンは日本映画には珍しい大スペクタクル。
○「風林火山」日本テレビ年末時代劇
◇キャスト
里見浩太郎(山本勘助)
◇うんちく
上と同じ原作のテレビドラマ化。一部しか見てないもんで何も書けない(涙)。
○「風林火山」2006・テレビ朝日正月時代劇
◇キャスト
北大路欣也(山本勘助)、松岡昌宏(武田信玄)、加藤あい(由布姫)、若村真由美(三条の方)、徳重聡(上杉謙信)、夏八木勲(板垣信方)ほか
◇うんちく
井上靖の原作小説をまたまたドラマ化。しかも2007年NHK大河発表とほとんど同時に製作発表され、ちょっとした「抜け駆け」に(笑)。信玄の正室と側室の対決に妙に力が入っていた。川中島ロケはやたら狭いところで…謙信を演じたのは「21世紀の裕次郎」の人だが、映画版の「本家」のパロディに見えたものだ。
○「風林火山」2007・NHK大河ドラマ
◇キャスト
内野聖陽(山本勘助)、市川亀治郎(武田信玄)、柴本幸(由布姫)、Gackt(上杉謙信)、池脇千鶴(三条夫人)、千葉真一(板垣信方)、仲代達矢(武田信虎)、緒形拳(宇佐美定行)、佐々木蔵之介(真田幸隆)、谷原章介(今川義元)、松井誠(北条氏康)ほか
◇うんちく
上記のとおり何度となく映像化されてきた井上靖の小説を一年がかりのドラマに仕立てた。序盤は勘助の武田家仕官までをオリジナル創作で追加し、武田家と周辺国との細かい合戦や交渉を丹念に描いていくことで一年間濃い密度を維持できた。近年になく視聴者に媚びない硬派な作りであったため戦国ファン、時代劇ファンの支持を強く受けることになったが、信玄と勘助の演技が力みすぎという印象も強かった。
○「おんな風林火山」1986〜1987・TBS連続時代劇
◇スタッフ
不明
◇キャスト
織田信忠(松村雄基)、松姫(鈴木保奈美)、武田信玄(石立鉄男)、上杉謙信(山下眞司)、織田信長(隆大介)、徳川家康(国広富之)ほか
◇うんちく
大河ドラマの向こうを張ってTBSがその裏番組に仕掛けた民放には珍しい連続歴史ドラマで、織田の息子と婚約した信玄の娘を中心に戦国乱世を描いていく(本能寺の変まで)。それなりに意欲的な企画ではあったが視聴率的にコケたので(僕も第一回の川中島合戦あたりしか見てない)打ち切られ、以後もこの手の連続ドラマはTBSでは作られてない。
○「影武者」1980・東宝・黒澤プロ
◇スタッフ
○監督:黒澤明○脚本:黒澤明・井手雅人○海外版プロデュース:フランシス=コッポラ、ジョージ=ルーカス
◇キャスト
仲代達矢(影武者・武田信玄)、山崎努(武田信廉)、萩原健一(武田勝頼)、隆大介(織田信長)、油井昌由樹(徳川家康)ほか
◇ストーリー
武田信玄にうり二つだったために処刑を免れ影武者となった盗賊。信玄が狙撃を受けて死に、遺言に従って家臣達は影武者を立てて信玄の死を隠す。信長・家康は次々と真相を見破ろうとはかるが・・・
◇うんちく
巨匠・黒澤明のオリジナル史劇大作。武田信玄亡き後、その死を秘すべく奮闘する影武者を中心に武田家滅亡へのドラマを描く。高天神城攻防、長篠の戦いなど戦闘スペクタクルもたっぷり。海外にも配給されカンヌ映画祭でグランプリを受賞。ちなみに撮影開始時点では影武者・信玄役は勝新太郎だったが黒澤監督とトラブルになり降板した。
○「武田信玄」TBS正月時代劇
◇キャスト
役所広司(武田信玄)ほか
◇うんちく
TBS正月時代劇もネタ枯れが目立ち始めた時期の一作。しかし役所広司の武田信玄とは・・・どうも信玄役はミスキャストが多い。
○「武田信玄」昭和63年(1988)NHK大河ドラマ
◇キャスト
中井貴一(武田信玄)、西田敏行(山本勘助)、柴田恭平(上杉謙信)、石橋凌(織田信長)ほか
◇うんちく
NHK大河ドラマ史上最高の視聴率を記録した作品、なのだがどうも全体的に芝居がかったセリフ運びと無理のある人物設定、暗い映像(映画を意識したと思うが)などTVドラマとして観ると問題が多い。信玄・謙信がともに神がかってしまうのが何とも・・・。
○「天と地と」角川春樹事務所・東宝
◇スタッフ
○監督:角川春樹
◇キャスト
榎木孝明(上杉謙信)、津川雅彦(武田信玄)、渡瀬恒彦(宇佐美定行)、浅野温子(乃美)夏八木勲(山本勘助)ほか
◇ストーリー
兄を追放し、越後の竜と恐れられるようになった長尾景虎(のちの謙信)は毘沙門天を信仰し、正義を貫くために戦いを続ける。そして川中島で武田信玄と数度にわたる決戦を行う。
◇うんちく
制作費50億というとんでもない大作なのだが、どうも宣伝費にやたらかけたフシがある(当時3分に一度はCMをやってる?とか言われた)。バブルの頃だから出来た事業である。カナダで川中島ロケを行うなど話題には事欠かなかったが作品自体の評価はボロクソ。宗教観を無理に押しだし、「ベンハー以来のスペクタクル!」とか言う宣伝文句がむなしい。そしてこれを自社映画本で絶賛しまくる神経も疑われるものがあった。武田を赤、上杉を黒に統一し、信玄と謙信が馬に乗って一騎打ちをやってしまう川中島決戦は映像としては見応えがあるが。
○「天と地と・黎明編」日本テレビ特別ドラマ
◇キャスト
大沢樹生(長尾景虎)、三船敏郎(長尾為景)、渡瀬恒彦(宇佐美定行)ほか
◇うんちく
映画「天と地と」の宣伝を兼ねて日本テレビ「金曜ロードショー」枠で放映された大型時代劇。前宣伝のハズが結果としてこちらの方が出来が良かった印象が強い(笑)。父親役で三船敏郎が出ているのが目を引く。ストーリーは謙信が兄を倒すまで。
○「天と地と」昭和44年(1969)NHK大河ドラマ
◇キャスト
石坂浩二(上杉謙信)、高橋幸治(武田信玄)ほか
◇うんちく
大河ドラマ初のカラー作品。海音寺潮五郎の原作を映像化。さすがに観たことはない。川中島のシーンだけビデオで観た。
○「天と地と」2008・テレビ朝日系正月時代劇
◇キャスト
松岡昌宏(上杉謙信)、渡瀬恒彦(宇佐美定行)、渡部篤郎(武田信玄)、木村佳乃(乃美)、山下信司(山本勘助)、北大路欣也(毘沙門天)ほか
◇うんちく
何度となく映像化されてきた作品ということもあり、景虎が出生の秘密で悩んだり、信玄関係の描写が多い(これは前年の大河「風林火山」を明らかに意識している)、謙信が勘助を直接殺す、川中島の一騎打ちが刀と刀でとか、いろいろいじっている。松岡は2年前に信玄を演じたばかり、渡瀬恒彦の宇佐美はこれが二度目(映画とドラマを分ければ三度目)。北大路の毘沙門天コスプレはちょっと失笑(笑)。
○「毛利元就」平成9年(1997)NHK大河ドラマ
◇キャスト
中村橋之助(毛利元就)、緒形拳(尼子経久)、高島政宏(尼子晴久)細川俊之(大内義興)、風間トオル(大内義隆)、陣内孝則(陶晴賢)、松坂慶子(杉の方)、富田靖子(美伊の方)ほか
◇うんちく
大河ドラマで扱いうる最後の戦国大物と言われていた元就についに手を着けた作品。女性の脚本のためか女性陣の存在感が強烈(とくに松坂慶子は評判になった)で、ネタ枯れがちな展開を盛り上げた。海賊衆やマニアでもないと知らないような毛利家臣団もうまく簡略化しとっつきやすいドラマとなっていた。
○「国東物語」1984・鐵プロダクション・大分合同新聞社
◇スタッフ
○監督:村野鐵太郎
◇キャスト
隆大介(大友義鎮・宗麟)、峰岸徹(八幡)、滝田祐介(大友義鑑)、貞永敏(菊池武治)ほか
◇ストーリー
豊後の大名・大友家の嫡男義鎮は理想に燃えながらも父に疎まれ戦国を生き抜く矛盾に苦しんでいた。倭寇の八幡はそんな義鎮に海外を語って世界への目を開かせる。八幡に連れてこられたフランシスコ・ザビエルの説くキリスト教は義鎮の心の拠り所となった。やがて父が家臣によって殺され当主の座にいた義鎮は、戦国の世に理想の世界を築こうとする。しかし幼なじみである菊池武治は仏教の道へ進み、義鎮と相容れぬ存在となっていく。
◇うんちく
キリシタン大名としても有名な大友宗麟を主人公にした珍しい映画。国東半島の描写など大分県の観光PRみたいな側面もあるが、内容そのものは心理描写に重きを置き、全体としては宗教的・観念的な印象を受ける。個人的には峰岸徹演じる倭寇の「八幡」のキャラクターが興味深いところ(笑)。サレルノ国際映画祭グランプリを受賞している。
○「大友宗麟〜心の王国を求めて」2004・NHK正月時代劇
◇スタッフ
○脚本:古田求
◇キャスト
松平健(大友義鎮・宗麟)、財前直見(矢乃)、細川俊之(大友義鑑)、田村亮(臼杵鑑連)、坂上忍(大友晴英)、ラズ・ブレザー(ザビエル)、佐藤慶(立花道雪)、片岡鶴太郎(豊臣秀吉)ほか
◇ストーリー
島津氏に圧迫され、秀吉に面会して助けを請うた大友宗麟はこれまでの自分の生涯を回想していく。宗麟は一時は九州の六カ国を支配し西洋の地図にも「ブンゴ」王国と記されるほどの全盛期を築き上げたが、自分を疎んじた父の暗殺、家臣の粛清、弟・晴英の死、妻・矢乃との確執などで悩み、常に心の平安を求めていた。キリスト教の洗礼を受けた宗麟は「無鹿(ムジカ)」に理想の王国を建設しようとするが…
◇うんちく
地方戦国大名の中では比較的知名度のある宗麟の生涯の初のドラマ化となったわけだが、いかんせん1時間半にその生涯をまとめたのは無茶。なじみの薄い話を理解させようと中央での動向を字幕で時々入れたりまでしていたが、どうも散漫な話になってしまった。
○「乱」1985・黒澤プロ・日本ヘラルド
◇スタッフ
○監督:黒澤明、脚本:黒澤明・井手雅人、美術:村木与四郎
◇キャスト
仲代達矢(一文字秀虎)、寺尾聡(太郎)、根津甚八(次郎)、隆大介(三郎)、井川比佐志(鉄修理)、原田美枝子(楓の方)、油井昌由紀(平山丹後)、植木等(藤巻)、ピーター(狂阿弥)ほか
◇ストーリー
70を過ぎた戦国大名・一文字秀虎は突然隠居を宣言し、三人の息子に「三本の矢」の訓戒を垂れ、領土を託した。しかし三人の息子は相争い、国土は戦乱に巻き込まれて行く。息子達に攻められ、燃える城の中で秀虎は発狂してしまった・・・。
◇うんちく
シェークスピアの「リア王」を下敷きに「毛利元就の三本の矢」を組み込んだ戦国絵巻。黒澤明監督のライフワークと言われ、総制作費26億円の超大作。「影武者」より一段と進んだ様式美に「活力がない」という声もあるが、自然音を一切消しテーマ音楽のみが流れる三の丸攻防戦のシーンは圧巻。もう映画と言うより美術品である。厳密には「歴史映画」とは言い難いが黒澤ファンなもので以下にも挙げてしまおう。
○「蜘蛛巣城」東宝
◇スタッフ
○監督:黒澤明、脚本:黒澤明・小国英雄・橋本忍・菊島隆三、撮影:中井朝一、美術:村木与四郎
◇キャスト
三船敏郎(鷲津武時)、山田五十鈴(浅茅)、千秋実(三木義明)ほか
◇ストーリー
戦国時代、武将・鷲津武時は森の中で不思議な老婆に出会い、「やがて蜘蛛巣城の主となる」との予言を受ける。果たして武時は妻にそそのかされるままに主君を殺し、友を殺し、蜘蛛巣城の主となる。隣国から敵軍が攻め込み、動揺する武時の前に再び現れた老婆は「蜘蛛手の森が動き出して攻めてこぬ限り敗れることはない」と予言するのだが・・・。
◇うんちく
これまたシェークスピアの「マクベス」を翻案した戦国絵巻。面白いことに「最高のマクベスの映像化」という評価がある。重厚な美術もさることながら、ラストに武時が矢の雨を浴びてハリネズミ状態で死ぬシーンはビックリ。未見の方はよーく目を凝らして観ること!当時劇場で気絶した人まで出たそうな。
○「隠し砦の三悪人」東宝
◇スタッフ
○監督:黒澤明、脚本:黒澤明・小国英雄・橋本忍・菊島隆三
◇キャスト
三船敏郎(真壁六郎太)、上原美佐(雪姫)、千秋実(太平)、藤原釜足(又七)、藤田進(田所兵衛)ほか
◇ストーリー
戦国時代、百姓の太平と又七は戦に敗れて落ち延びる最中、思わぬことから滅んだ秋月家の隠し砦と埋蔵金を発見してしまう。埋蔵金と秋月家の跡継ぎ・雪姫を守る家臣の真壁六郎太は、百姓二人の強欲を見込んで姫と埋蔵金運びを手伝わせる。はたして一行は次々と立ちふさがる難関を突破して、無事隣国へと脱出できるのか?
◇うんちく
秋月とか山名とか出てくるが、一応全て創作。黒澤娯楽時代劇の傑作の一本で、特に海外の評価が高い。余りにも有名なのが太平と又七のデコボココンビが「スターウォーズ」のC3POとR2D2のヒントとなったこと。ルーカスは本当に大好きらしく「インディジョーンズ」もこれを念頭に置いているという(そういやテーマ音楽がよく似ている)。六郎太が馬に乗って騎馬武者二人を追跡し追い抜きざま斬って捨てるシーン、兵衛と六郎太の一騎打ちなどアクションの醍醐味もたっぷり。
○「七人の侍」1954・東宝
◇スタッフ
○監督:黒澤明、脚本:黒澤明・小国英雄・橋本忍、撮影:中井朝一
◇キャスト
志村喬(勘兵衛)、三船敏郎(菊千代)、稲葉義男(五郎兵衛)、宮口精二(久蔵)、千秋実(平八)、加東大介(七郎次)、木村功(勝四郎)、津島恵子(志乃)、藤原釜足(万造)、土屋嘉男(利吉)ほか
◇ストーリー
戦国時代、ある山奥の村の百姓達は毎年のように襲ってくる野武士の集団に苦しんでいた。たまりかねた百姓たちは腹の減った武士を雇って野武士と戦う決意をする。様々な苦労の末、集められた七人の個性的な侍が村へとやって来る。侍達は百姓との軋轢を繰り返しながらも村を武装化、40人の野武士たちの数を次々と減らしていくが、侍達もまた次々に倒れていく。そしてついに野武士達を全て村に誘い入れ、豪雨の中で壮絶な決戦を行う。
◇うんちく
余りにも有名な、時代劇という枠も越えた日本映画の最高傑作とうたわれる名作。世界映画史上でも指折りの傑作とされる。重厚な人間ドラマ、笑いあり涙あり恋ありの盛りだくさんのストーリー、人馬入り乱れる壮絶な戦闘アクション、そしてついに混じり合うことのない武士と百姓という歴史の重みを感じさせるラストシーン。とにかく映画の中の映画。三船敏郎が演じた侍(実は百姓)・菊千代のキャラクターは映画史上でも際だった個性と言えそうだ。西部劇版「荒野の七人」はアクションシーンはともかく、作品の持つテーマ性の点で遠く及んでいない。
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