日本史映画・神話〜平安時代
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日本誕生
1959年
東宝
カラー映画(182分)
スタッフ○監督:稲垣浩○脚本:八住利雄/菊島隆三○撮影:山田一夫○音楽:伊福部昭○美術:伊藤熹朔/植田寛○特技監督:円谷英二○製作:藤本真澄/田中友幸
キャスト三船敏郎(ヤマトタケル/スサノオ)、司葉子(オトタチバナヒメ)、中村鴈治郎(景行天皇)、宝田明(ワカタラシヒコ)、東野英治郎(大伴建日連)、志村喬(クマソタケル兄)、鶴田浩二(クマソタケル弟)、香川京子(ミヤズヒメ)、田中絹代(ヤマトヒメ)、乙葉信子(アメノウズメ)、朝汐太郎(タヂカラオ)、原節子(天照大神)ほか
ストーリーヤマトの王子オウス(=ヤマトタケル)は暴れ者だが純粋で人々から慕われていた。しかし不実な兄を殺したことから父や大臣達に疎まれ、クマソをはじめとする日本各地の征伐へと向かわされる。戦いの末にヤマトに帰ってきた彼を待ち受けていたのは・・・。
解説東宝映画1000本記念作品として製作されたオールスター大作。「ヤマトタケル」の伝説を主軸に「国産み」「天の岩戸」「ヤマタノオロチ」といった「古事記」の名場面を完全映像化。特撮の神様・円谷英二の手によるスサノオとヤマタノオロチの戦いの場面は、日本特撮映画史上の名シーンとして知られる。かなり原作に忠実だが、死んだヤマトタケルが白鳥に変身するラストシーン(感動的!)では火山噴火の大スペクタクルシーンが展開する。
メディアDVD発売:東宝

わんぱく王子の大蛇退治
1963年
東映動画
カラーアニメ映画(86分)
スタッフ○監督:芹沢有吾○脚本:池田一朗/飯島敬○作画監督:森康二○音楽:伊福部昭○美術:小山礼司○製作:大川博
キャスト(声)住田知仁(スサノオ)、岡田由起子(クシナダヒメ)、九里千春(アカハナ)、篠田節夫(イザナギ)、友部光子(イザナミ)、新道乃里子(アマテラス)、山内雅人(ワダツミ)、木下秀雄(ツクヨミ/タロウ)、川久保潔(タイタン坊)ほか
ストーリーオノゴロ島に住む幼い王子スサノオは、愛する母が亡くなったことを理解できず、泣きわめいて暴れたあげく母のいる黄泉の国めざして海へと乗り出す。海の国、夜の国から火の国へと冒険を続け、さらに姉アマテラスのいる天上世界「高天原」へと向かう。しかしスサノオはここでも問題を起こしてアマテラスが天の岩戸に隠れる騒ぎとなってしまう。出雲の国へ下ったスサノオは美少女クシナダヒメに出会い、彼女を救うべくヤマタノオロチと戦う。
解説東映動画の初期長編アニメ映画の名作。「古事記」を素材にしつつ暴れ神スサノオを「わんぱく王子」に大アレンジ、絵にかいたような明るく楽しい「母と子のための冒険活劇漫画映画」となり、作品的にも高い評価を受けた。クライマックスの天馬に乗るスサノオとヤマタノオロチの大空中戦はアニメならではの手間のかかった名シーン。同じテーマの「日本誕生」も手がけた伊福部昭による怪獣映画のノリの壮大なBGMも映画を盛り上げる。
メディアDVD発売:東映ビデオ

ヤマトタケル
1994年
東宝映画
カラー映画(103分)
スタッフ○監督:大河原孝夫○脚本:三村渉○撮影:関口芳則(本編)/江口憲一(特技)○音楽:荻野清子○美術:小川富美夫○特技監督:川北紘一○製作:富山省吾
キャスト高嶋政宏(オウス、ヤマトタケル)、沢口靖子(オトタチバナ)、篠田三郎(ケイコウ)、藤岡弘(クマソタケル)、阿部寛(ツクヨミ)、目黒祐樹(スサノオ)、宮本信子(ヤマトヒメ)ほか
ストーリーヤマトの王子オウスは兄を殺したことから疎まれ、クマソ征伐を命じられる。ここでヤマトタケルの名をもらった彼は、やがて復活したスサノオと出会い、光と闇の神々の戦いに巻き込まれて行く。
解説「日本誕生」をモチーフに「平成ゴジラ」のスタッフが制作したファンタジー冒険活劇。ストーリーは大幅に変更され、RPGのノリに近い(実際タイアップしたゲーム・アニメも制作された)。特撮に主眼が置かれており、クライマックスはツクヨミ(なぜか悪役)の変身したヤマタノオロチ(なぜそうなる!)とヤマトタケルの操る巨大ロボット(爆笑)の月面上(理解不能)での対決。話のタネにはなるので一度見て欲しい。
メディアDVD発売:東宝

皇室と戦争とわが民族
1960年
新東宝
カラー映画(96分)
スタッフ○監督:小森白○脚本:内田弘三○撮影:岡戸嘉外○音楽:橋本力○美術:朝生治男○製作:大蔵貢
キャスト嵐寛寿郎(神武天皇)、大谷友彦(長髄彦)ほか
ストーリー日向を旅立ち大和を目指した神武天皇の軍勢は、大和の豪族長髄彦の抵抗にあい、苦戦する。そのとき光り輝くトビが神武のもとに飛来、恐れおののいた長髄彦らは総崩れに。かくして大和を平定した神武天皇は橿原で即位し、日本を建国する。それか2600年の時が過ぎ、昭和の戦争の時代へと話が飛ぶ。
解説エログロ路線を突き進み末期症状に陥っていた新東宝がほとんどヤケクソのように放った一本。いわゆる「神武天皇」の東征建国神話を冒頭10分で映像化(やる気のない戦闘シーン、子どもの銀紙工作みたいな金色のトビに逼迫した予算状況が察せられる)、その後は新東宝の過去の映画をツギハギして(昭和天皇関連で一部新撮りあり)太平洋戦争開戦と終戦秘話を語り、さらに記録映像を編集して戦後の皇室模様を浩宮(現皇太子)誕生まで描くという、物凄く変な映画。「明治天皇と日露大戦争」から続く一見右翼調のタイトルの最後の一本だが、「皇室のおかげで平和日本あり」というスタンスが貫かれている。内容の大半は戦中・戦後なのだが、神武神話を映像化したのはたぶんこの一本だけなのでここに置いてみた。
メディアDVD発売:オフィスワイケー(いわゆる激安DVDでの発売)

卑弥呼
1974年
創造社/ATG
カラー映画(100分)
スタッフ○監督:篠田正浩○脚本:富岡多恵子/篠田正浩○撮影:鈴木達夫○音楽:武満徹○美術:粟津潔○製作:岩下清/加藤正夫/葛井欣士郎
キャスト岩下志麻(卑弥呼)、草刈正雄(タケヒコ)、加藤嘉(オオキミ)、三国連太郎(ナシメ)ほか
ストーリー古代の王国・邪馬台国はオオキミが統治しその娘・卑弥呼が神の声を告げて政策を決めていた。卑弥呼の異母弟・タケヒコが帰国すると、卑弥呼はそのたくましい肉体の虜となり、神託を乱していく。重臣ナシメは卑弥呼の神託を信じないオオキミを暗殺し、思いのままに国を動かそうと画策する。
解説非常に前衛的な作品で、やや難解かも知れない。暗黒舞踊の人達が演じる不気味な異形の集団が謎の古代王国の雰囲気を盛り上げる。いわゆる「邪馬台国論争」に詳しい人は、気をつけて見ているといろいろと面白い要素が入っているのでお薦めする。畿内説・九州説、神功皇后説などあれこれミックスさせている感じ。
メディア1998年にVHSソフトが発売されていた。DVDなどは未発売。

火の鳥
1978年
東宝/火の鳥プロダクション
カラー映画(137分)
スタッフ○監督:市川崑○脚本:谷川俊太郎○撮影:長谷川清○音楽:深町純○美術:阿久根巌○特技監督:中野昭慶○原作・アニメ監修:手塚治虫○製作:市川喜一/村井邦彦
キャスト若山富三郎(猿田彦)、尾美としのり(ナギ)、高峰三枝子(ヒミコ)、江守徹(スサノオ)、大原麗子(ヒナク)、林隆三(グズリ)、由美かおる(ウズメ)、草刈正雄(天弓彦)、仲代達矢(ジンギ)ほか
ストーリー女王ヒミコがヤマタイ国を治めていた時代。ヤマタイ国の将軍猿田彦はヒミコの命でクマソを滅ぼし、クマソの少年ナギを連れ帰る。ナギは復讐のためにヒミコ暗殺を謀るが失敗、猿田彦と共にクマソへと逃れる。ヒミコは猿田彦たちを追わせつつ、弓の名手天弓彦にその生き血を飲めば不老不死となる「火の鳥」を射止めるよう命じる。そのころ、大陸からやってきた騎馬民族「高天原族」が怒涛の勢いで次々と国を滅ぼし、ヤマタイ国へと迫っていた。
解説説明不要の手塚漫画の名作の「黎明編」を、当時金田一シリーズでノッていた市川崑が自作の常連豪華キャストを集めて映画化という、それだけ聞けば大期待の企画だったが、でき上がってみれば原作漫画にかなり忠実ながら(猿田彦のデカ鼻はもちろん、ギャグ部分までそのまま実写化!)、スケール感もダウン、平板なセリフまわしとチープな演出でストーリーを切れ切れになぞっただけの陳腐な怪作になってしまった。火の鳥や狼をアニメで合成するのはまぁいいとして、狼たちがピンクレディーの「UFO」を踊るわ、ナギが突然鉄腕アトムになるわといった悪ふざけが理解不能(「手塚的」といえばその通りだが…)。あまりの不出来ぶりに興行的にもコケ、まったくソフト化もされない封印作品状態になっている(CSで放映した例はある)
メディア上記のとおり封印作品状態で、ソフト化されたことは一度もない。

火の鳥・黎明編
2004年
NHK/手塚プロダクション
カラーTVアニメ(100分)
スタッフ○監督:高橋良輔○脚本:五武冬史○作画監督:杉野昭夫ほか○音楽:内池秀和/野見祐二○美術:河野次郎/安原稔○原作:手塚治虫
キャスト(声)竹内順子(ナギ)、小村哲生(猿田彦)、来宮良子(ヒミコ)、津田英三(スサノオ)、玉川紗己子(ヒナク)、中尾みち雄(グズリ)、中谷ゆみ(ウズメ)、寺杣昌紀(天弓彦)、大塚明夫(族長)、竹下景子(火の鳥)ほか
ストーリー女王ヒミコがヤマタイ国を治めていた時代。ヤマタイ国の将軍猿田彦はヒミコの命で火の国を滅ぼし、少年ナギを連れ帰る。ナギは復讐のためにヒミコ暗殺を謀るが失敗、猿田彦と共に火の国へと逃れる。ヒミコは猿田彦たちを追わせつつ、弓の名手天弓彦にその生き血を飲めば不老不死となる「火の鳥」を射止めるよう命じる。そのころ、大陸からやってきた騎馬民族が怒涛の勢いで次々と国を滅ぼし、ヤマタイ国へと迫っていた。
解説30分枠・全13回構成で製作された「火の鳥」TVアニメの1〜4回。原作におおむね忠実な展開だが、「クマソ」が「火の国」に変えられる、グズリがスパイではない、など細かい変更点もある。このシリーズ全体に言えることだが25分ずつ細切れの4回だけでまとめるため話がかなり駆け足で、ナレーションによる補足説明もうるさく、盛り上がりに欠けた。
メディアDVD発売:ハピネット・ピクチャーズ

火の鳥・ヤマト編
1987年
マッドハウス/プロジェクトチームアルゴス
手塚プロダクション/角川映画/東北新社
カラーOVA(48分)
スタッフ○監督:平田敏夫○脚本:高屋敷英夫/金春智子○作画監督・キャラクターデザイン:さかいあきお○音楽:宮下富実夫○美術:松岡聡○原作:手塚治虫○プロデューサー:りんたろう/丸山正雄○製作:角川春樹
キャスト(声)井上和彦(オグナ)、鶴ひろみ(カジカ)、屋良有作(川上タケル)、池田昌子(火の鳥)ほか
ストーリー古墳時代、ヤマトの王子オグナは父王に命じられて九州クマソの川上タケルの討伐に向かう。タケルの妹カジカと恋仲になるオグナだったが命令の通りタケルを殺害する。しかしヤマトに帰ってみると父は死去しており、その墓に大量の殉死者が埋められることになる。オグナを追ってきたカジカも殉死者に選ばれ、それを救おうとしたオグナも殉死させられることに。そこへ火の鳥が現れ…
解説「鳳凰編」の劇場公開後に「宇宙編」ともどもOVA化したもの。もちろん元ネタはヤマトタケル伝説である。原作はギャグてんこもりの実験的漫画なのだがアニメではさすがにギャグ要素は全て排除、原作の展開に忠実ではあるがシリアスのみとなっている。
メディアDVD発売:角川エンタテインメント

聖徳太子
2001年
NHK
古代史ドラマスペシャル(180分)
スタッフ○作:池端俊策○演出:佐藤幹夫○撮影:神田茂/皿井良雄○美術:青木聖和○音楽:冨田勲
キャスト本木雅弘(厩戸皇子)、ソル=ギョング(伊真)、中谷美紀(刀自古郎女)、緒形拳(蘇我馬子)、宝田明(物部守屋)、松坂慶子(推古天皇)、近藤正臣(用明天皇)、柄本明(穴穂部皇子)、今田耕二(小野妹子)ほか
ストーリー6世紀、新羅人・伊真は密命を帯びて倭国に渡った。おりしも倭国の朝廷は二大勢力の蘇我氏と物部氏が対立し、大王の座をめぐる争いが絶えない。その中で伊真は仏教に基づく平和な理想の国家を作り上げようと理想に燃える厩戸皇子に出会う。厩戸は新羅出兵を企てる馬子と対立しつつ十七条憲法、冠位十二階といった政策を実現していく。
解説ついに、という感じで製作されたNHKによる大型飛鳥時代ドラマ。「聖徳太子」の若き日を描くことを主眼にしているため後半にやや物足りなさも残るが、「初物」として力も入っており五年もの制作期間をかけた重厚なドラマ作りは見もの。多くの渡来人たちの存在も取り混ぜて古代日本を描いたことでも高く評価できる。
メディアDVD発売:徳間ジャパンコミュニケーションズ

大化改新
2005年
NHK
古代史ドラマスペシャル(148分)
スタッフ○作:池端俊策○演出:片岡敬司○撮影:佐々木達之介○美術:藤井俊樹○美術監修:西岡善信○音楽:大島ミチル
キャスト岡田准一(中臣鎌足)、渡部篤郎(蘇我入鹿)、木村佳乃(与志古)、原田芳雄(蘇我毛人)、山口祐一郎(山背大兄皇子)、高島礼子(宝皇女=皇極天皇)、小栗旬(中大兄皇子)、伊武雅刀(蘇我臣石川麻呂)、吹越満(軽皇子)、仲代達矢(南淵請安)ほか
ストーリー少年時代に東国・常陸から飛鳥にやってきた小豪族の息子・鎌足は幼なじみで学問仲間でもある蘇我入鹿と熱い友情で結ばれていた。二人の共通の幼なじみである与志古は入鹿に求婚されるが、与志古は鎌足の妻となる。入鹿は皇極女帝の後押しで蘇我氏の指導権を父・毛人から奪い、鎌足との約束を破って山背大兄皇子一族を滅ぼし、唐の圧力に対抗する徴兵を行うなど権勢を強めていく。入鹿の暴走を止めるべく、鎌足は中大兄皇子らと入鹿暗殺・蘇我氏打倒の計画を進める
解説「聖徳太子」の続編的位置づけの飛鳥時代ドラマ第2弾。誰もが知ってる有名事件「大化の改新」を、鎌足と入鹿の愛憎劇を主軸に青春ドラマ的にまとめている。フィクション部分が大半で歴史的事件は割と駆け足で処理されるのが歴史ドラマとしてはやや物足りなかったが、「聖徳太子」同様に手間ひまとお金をかけた画面作りは見もの。
メディアDVD発売:ジェネオンエンタテインメント

額田女王
1980年
朝日放送/松竹
TVドラマ(240分)
スタッフ○脚本:中島丈博○演出:大熊邦也○監修:野村芳太郎○原作:井上靖
キャスト岩下志麻(額田女王)、松平健(大海人皇子)、近藤正臣(中大兄皇子)、津川雅彦(蘇我入鹿)、京マチ子(皇極/斉明天皇)、樋口可南子(鸕野讃良皇女)、川崎麻世(有間皇子)、三田村邦彦(大友皇子)、宝田明(阿倍比羅夫)、三國連太郎(中臣鎌足)ほか
ストーリー天智天皇と天武天皇の二人に愛された女性、額田女王。彼女を中心に大化の改新から壬申の乱にいたる激動の時代を描く。
解説井上靖の同名小説のドラマ化。なぜかいまだにソフト化されていないので私は未見で、人からその存在を教えられた。おそらく最初の本格的「飛鳥時代映像」。とりあえずキャスティングは絶妙だと思う。ぜひ見てみたい一本なのだが…
メディア現時点でソフト化は一切されていない。

火の鳥・太陽編
2004年
NHK/手塚プロダクション
カラーTVアニメ(100分)
スタッフ○監督:高橋良輔○脚本:野崎透○作画監督:西田正義ほか○音楽:内池秀和/野見祐二○美術:柴田正人○原作:手塚治虫
キャスト(声)松本保典(ハリマ)、内川藍維(マリモ)、巴菁子(おばば)、小村哲生(猿田将軍)、菅生隆之(ルベツ)、内田直哉(大海人皇子)、大木民夫(法弁)、神谷浩史(大友皇子)、池田勝(天智天皇)、竹下景子(火の鳥)ほか
ストーリー百済が滅亡、敵軍に捕えられた百済王族のハリマは狼の顔をかぶせられ、命を救ってくれた老婆、そして偶然救出した倭国の将軍・猿田と共に倭へと渡る。おりから倭では朝廷の政策で仏教が推し進められ、古くからの土着の神々が仏教の侵攻に抵抗していた。こうした神々の戦いを背景に、人間の世界では「壬申の乱」が勃発、ハリマは狗族の娘・マリモと共に戦いに身を投じる。
解説30分枠・全13回構成で製作された「火の鳥」TVアニメの8〜11回。原作漫画は飛鳥時代と近未来の宗教戦争が交互に描かれる構成だが、このアニメでは話を飛鳥時代に絞った。それでも時間的制約から、かなりはしょった展開になり、火の鳥との絡みも今一つ。「猿田将軍」は原作の阿倍比羅夫をベースにしたアニメオリジナルのキャラである。
メディアDVD発売:ハピネット・ピクチャーズ

死者の書
2006年
人形アニメ映画(70分)
スタッフ○監督・脚本・人形美術:川本喜八郎○美術:工藤瑞樹○音楽:廣瀬量平○原作:折口信夫○プロデューサー:福間順子
キャスト(声)宮沢りえ(藤原南家の郎女)、観世銕之丞(大津皇子)、榎木孝明(大伴家持)、江守徹(恵美押勝)、黒柳徹子(語部の媼)、新道乃里子(身狭乳母)、三谷昇(長老)、岸田今日子(語り)ほか
ストーリー奈良時代、藤原南家の郎女は写経をするうちに二上山に光り輝く仏の姿を見る。その姿を求めて嵐のなか当麻寺にやって来た郎女は、非業の死を遂げた大津皇子の亡霊と触れ合い、その霊を慰めるべく蓮の糸で刺繍を織り上げてゆく。
解説「三国志」「平家物語」の人形設計でも知られる川本喜八郎がライフワークとして作り上げた人形アニメ。折口信夫の古代人の心を描いた難解な原作を人形アニメならではの幻想的な映像で描き出している。
メディアDVD発売:ジェネオンエンタテインメント

天平の甍
1980年
「天平の甍」製作委員会
カラー映画(152分)
スタッフ○監督:熊井啓○脚本:依田義賢○撮影・姫井真佐久○音楽:武満徹○美術:木村威夫○原作:井上靖
キャスト田村高広(鑑真)、中村賀葎雄(普照)、大門正明(栄叡)、浜田光夫(玄朗)、草野大悟(戒融)、井川比佐志(業行)、常田富士男(景雲)、藤真利子(平群郎女)、高峰三枝子(与呂志女)、古田日出子(小芳)、梅野泰靖(吉備真備)、高橋幸治(阿部仲麻呂)ほか
ストーリー遣唐使として唐に派遣された普照と栄叡は日本へ来てくれる高僧を探していた。そして唐を代表する高僧・鑑真に出会う。鑑真は幾度もの失敗の後、失明しながらも日本へついに到達する。
解説井上靖の同名小説を名匠・熊井啓が映像化。海外文化の摂取に命を懸ける遣唐使の留学生達の群像を描く。実際に中国ロケも敢行し(国交回復後に中国現地ロケが実現した映画は本作が最初)、なかなかの大作である。
メディアかつて東宝よりVHSソフトが発売されていたが、現時点でDVD以降のソフト化はない。

火の鳥・鳳凰編
1986年
角川春樹事務所/東北新社
カラーアニメ映画(60分)
スタッフ○監督:りんたろう○脚本:高屋敷英夫/金春智子○作画監督・キャラクターデザイン:さかいあきお○音楽:宮下富実夫○プロデューサー:丸山正雄/りんたろう/岩瀬安輝○原作:手塚治虫○製作:角川春樹
キャスト(声)堀勝之祐(我王)、古川登志夫(茜丸)、小山茉美(ブチ)、麻上洋子(速魚)、大塚周夫(吉備真備)ほか
ストーリー奈良時代、生まれた直後の事故により片目片手を失った我王は凶悪な盗賊となり、行きずりに仏師茜丸の腕を傷つけた。やがて茜丸は仏師として成功し大仏建立にも携わるが権力に溺れてゆき、盗賊から流浪の仏師に様変わりした我王と再会する。朝廷の命により二人は鳳凰の像を彫って腕を競い合うことになるが…
解説手塚治虫のライフワーク「火の鳥」の中でも重要な一編である「鳳凰編」を「角川アニメ」の一環として製作したもの。当初はOVAの企画だったが劇場公開に変更された経緯があり(同時上映はタイムスリップものの「時空の旅人」)、そのため時間も1時間と短く原作から大きくはしょった軽い内容となってしまったのが残念。
メディアDVD発売:角川エンタテインメント

大仏開眼
2010年
NHK
古代史ドラマスペシャル(180分)
スタッフ○作:池端俊策○演出:田中健二○撮影:黒川毅○美術:山内浩幹○美術監修:西岡善信○音楽:千住明
キャスト吉岡秀隆(吉備真備)、石原さとみ(阿倍内親王=孝謙女帝)、高橋克典(藤原仲麻呂)、内山理名(由利)、市川亀治郎(玄ム)、國村隼(聖武天皇)、浅野温子(光明皇后)、笈田ヨシ(行基)、草刈正雄(橘諸兄)ほか
ストーリー吉備真備と玄ムは遣唐使として唐に渡り、16年の留学ののち日本に帰国する。真備は阿倍内親王の家庭教師的立場となり、唐で学んだことを生かして理想の国づくりを目指すが、玄ムは巨大な仏像を造るという野心のために権力へと接近する。疫病の流行、貴族間の紛争と社会不安が広がるなか、聖武天皇は大仏建立という大事業にとりかかった。
解説池端脚本による古代史三部作の三作目(当初は「壬申の乱」が予定されていたが…)。平城遷都1300年とのタイアップということもあり「大仏開眼」を素材としたが、内容的には吉備真備と藤原仲麻呂を軸とした政治紛争ドラマ。真備と孝謙女帝の関係が半ば恋愛的に描かれ、仲麻呂の滅亡まで描かれるにも関わらず道鏡は登場しない。予算が厳しかったのか、戦国ものの鎧を使いまわしていたのが悲しい。
メディアDVD発売:ポニーキャニオン

妖僧
1963年
大映
白黒映画(98分)
スタッフ○監督:衣笠貞之助○脚本:衣笠貞之助/相良準○撮影:今井ひろし○美術:柴田篤二○音楽:伊福部昭○原案:八尋不二○企画:原田光夫○製作:永田雅一
キャスト(声)市川雷蔵(道鏡)、藤由紀子(女帝)、万里昌代(千保)、片岡彦三郎(阿部ノ君麻呂)、小沢栄太郎(藤原清川)、若山富三郎(藤原良勝)ほか
ストーリー厳しい修行の末に死者をも蘇らせる法力を身につけた行道(のちの道鏡)は、人々の治療を行ううちに女帝の病を治すよう宮中に呼び出される。行道によって病をいやされた女帝は彼の人柄にほれこみ、政治の相談相手にするようになる。権力を奪われることを恐れた藤原良勝は行道の暗殺をはかり、さらに反乱まで起こすが敗れ去る。女帝の信任を得て大臣となり意欲的に政治改革にとりくむ道鏡だったが、女帝に対して本気の愛情を抱いたためにその法力を失ってしまっていた。
解説皇位を狙った怪僧として名高い道鏡を主人公にした異色作。悪役まわりをさせられがちだった道鏡を理想政治を目指した人物として再評価したのが注目される。ただ女帝との関係はさすがにストイックなものにとどめているし、藤原仲麻呂や和気清麻呂ら実在人物が名前を変えて登場、終盤の展開も史実とは大きく変えるなど、フィクションの体裁を強めてある。序盤ではもっとSFばりの荒唐無稽な展開になるのかと思わせておいて平凡な純愛ドラマにまとめちゃった印象。
メディアDVD発売:角川映画

火怨・北の英雄アテルイ伝2013年
NHK
BS時代劇(176分)
スタッフ○演出:佐藤峰世/田中英治○脚本:西岡琢也○撮影:横山義行○美術:近藤智○音楽:川井憲次○原作:高橋克彦
キャスト大沢たかを(阿弖流為)、北村一輝(母礼)、内田有紀(佳那)、石黒賢(阿万比古)、大杉漣(呰麻呂)、高嶋政宏(坂上田村麻呂)、近藤正臣(桓武天皇)ほか
ストーリー豊かな自然と共に平和に生きてきた蝦夷(えみし)に対し、ヤマト朝廷の強圧的な支配が及んできた。朝廷側についていた呰麻呂らが反乱を起こし、若き勇者・阿弖流為(アテルイ)もヤマトと戦う道を選び、やがて蝦夷のリーダーへと成長する。一方桓武天皇に蝦夷征服を任された坂上田村麻呂は阿弖流為の兄・阿万比古を使って謀略をめぐらせる。
解説東日本大震災を受けて東北への応援企画として製作されたドラマで、津波の被災地で見つかったアテルイ研究のノートをもとに被災者が語るという構造になっている。かねて映像化が期待されていたアテルイの物語だが(アニメ映画で前例があるらしいが未見)、時間と予算の都合かえらく駆け足の内容で登場人物たちの行動の唐突さばかりが目立つ内容となってしまった。環境保護の観点を持ちこんでいるのは今風とは思うけど、なんだかエコ思想優先でアテルイたちが戦闘放棄したようにも見えちゃうのだが…。
メディアDVD/Blu-ray発売:バップ

紅顔の密使
1959年
東映
カラー映画(89分)
スタッフ○監督・脚本:加藤泰○撮影:吉田貞次○美術:塚本隆治○音楽:高橋半○原作:千葉省三
キャスト大川橋蔵(小田の武麿)、田崎潤(赤鷲)、一條由美(狭霧)、故里やよい(夜叉姫)、吉田義夫(悪路王)、伏見扇太郎(照日の王子)、加藤嘉(吉備の道玄)ほか
ストーリー平安の始め、悪路王率いる蝦夷が反乱を起こし、大陸の浪人らを糾合して瞬く間に東日本を制覇してしまった。大和朝廷は陸奥の胆沢城に立てこもる照日の王子に援軍と密使を派遣する。密使・武麿は美少女・狭霧と共に蝦夷占領下の東国を突破する大冒険を繰り広げる。
解説映画全盛期の子供向けプログラム・ピクチャーの一本。悪路王というのはアテルイのことなんだけど、もう話は無国籍そのもので蝦夷軍じたいモンゴルっぽいしロシア人やらアラブ人の将軍まで混じってる始末(笑)。クライマックスの無国籍大合戦は良くも悪くも日本映画らしからぬスペクタクルとなっている。
メディア東映ビデオよりVHS発売。DVD化はされていない模様。

空海
1984年
東映
カラー映画(179分)
スタッフ○監督:佐藤純弥○脚本:早坂暁○撮影:飯村雅彦○美術:井川徳道/内田欣哉/今井高瑞○音楽:ツトム・ヤマシタ○企画:全真言宗青年連盟
キャスト北大路欣也(空海)、加藤剛(最澄)、丹波哲郎(桓武天皇)、小川真由美(薬子)、中村嘉葎雄(平城天皇)、西郷輝彦(嵯峨天皇)、石橋蓮司(橘逸勢)、森繁久弥(阿刀大足)ほか
ストーリー時は平安遷都が行われた頃、日本仏教界にも新しい波が押し寄せていた。そんなころ都にやって来た少年真魚(まお)はやがて出家し、全国を渡り歩く。そして人生の真理を知るべく遣唐使として唐へ渡り、密教を学んで帰国。おりしも朝廷では平城上皇と嵯峨天皇が対立する「薬子の乱」が起こり、空海は国家鎮護の祈祷を行う。空海と同じく唐で学んだ高僧・最澄との交流もあったが、密教をめぐる意見の相違と弟子をめぐる対立からたもとを分かつ。
解説弘法大師入定1500年記念企画で、真言宗の開祖・弘法大師空海の生涯を描いた大作。僧侶の伝記映画だが宗教色は案外薄い。最澄との友情と確執、「薬子の乱」まで持ち込んでの無理矢理な合戦シーンもあり、それなりに長時間を飽きさせない工夫はしている。中国ロケも行い(監督の佐藤純弥は海外ロケの多さでは定評がある)、国内でも海上シーンが船一隻作って撮影された(以前平戸港につないであったが、現在は撤去)
メディアDVD発売:東映ビデオ

竹取物語
1987年
東宝/フジテレビ
カラー映画(121分)
スタッフ○監督:市川崑○脚本:菊島隆三/石上三登志/日高真也/市川崑○撮影:小林節雄○美術:村木忍○音楽:谷川賢作○特技監督:中野昭慶○製作:田中友幸/羽佐間重彰
キャスト沢口靖子(かや)、三船敏郎(竹取の造)、若尾文子(田吉女)、中井貴一(大伴の大納言)、春風亭小朝(倉持の皇子)、竹田高利(安倍の内大臣)、伊東四朗(道尊)、石坂浩二(帝)ほか
ストーリー時は9世紀の末。竹細工を売って暮らしている竹取夫妻は貧しさからたった一人の娘「かや」を死なせて嘆いていた。そんなある夜、近くの山に天から何か巨大なものが落ちてきて、その翌日、竹取は竹林の中で「かや」そっくりの幼女を拾う。夫妻はその娘を「かや」として育てるが、「かや」は急速に成長、たちまち絶世の美女として評判になる。三人の貴公子が「かや」に求婚するが、「かや」は三人に三つの珍宝を持ってくるよう条件を出し、いずれもこれを果たせない。やがて「かや」は自分が月の世界からやって来たこと、そして月からの迎えが来ることを悟る。そして満月の夜に巨大な飛行物体が都の空に出現する。
解説円谷英二が製作を夢見たという、「かぐや姫」こと「竹取物語」の映像化。珍しい平安ものの映像作品としても楽しめるが、東宝特撮映画の流れを汲む作品でもあり、龍が出現するミニチュア特撮や、ラストの宇宙船出現シーンなどはなかなか見どころ。もっともラストのあれは「未知との遭遇」そのまんまだからなぁ…空飛ぶ牛車に乗って去っていくシーンなどのほうがファンタジックで良かったような気もするのだが。
メディアDVD発売:東宝

母恋ひの記2008年
NHK
時代劇スペシャル(74分)
スタッフ○演出:黛りんたろう○脚本:中島丈博○撮影:相馬和典○美術:川口直次○音楽:窪田リナ○原作:谷崎潤一郎
キャスト黒木瞳(北の方)、劇団ひとり(藤原滋幹)、内山理名(右近)、川久保拓司(藤原敦忠)、長塚京三(藤原時平)、大滝秀治(藤原国経)ほか
ストーリー菅原道真を追い落とした藤原時平が権勢を誇った時代。下級公家の藤原国経は80を過ぎていたが若く美しい北の方を愛し、一子・滋幹をもうけていた。しかし北の方は時平によって強引に奪い取られ、幼い滋幹は最愛の母と生き別れになってしまう。二十年後、成人した滋幹は時平と北の方の間に生まれた父違いの弟・敦忠に母と会わせてくれるよう頼むが、敦忠はなんとしても二人を会わせまいと画策、自身の愛人である右近を滋幹の妻に押しつけてしまう。
解説谷崎潤一郎の短編「少将滋幹の母」のドラマ化。劇団ひとりという意外なキャスティングで描く異色の平安マザコンドラマとなった。冒頭で菅原道真の怨霊(とされる雷)に時平が剣を抜いてこれを鎮めるシーンがある。
メディアソフト化は現時点でされていない。

風と雲と虹と
1976年
NHK
大河ドラマ(全52回)
スタッフ○脚本:福田善之○演出:岸田利彦/大原誠/松尾武/榎本一生/重光亨彦○音楽:山本直純○原作:海音寺潮五郎
キャスト加藤剛(平将門)、緒形拳(藤原純友)、吉永小百合(貴子)、小林桂樹(平良将)、新珠三千代(正子)、真野響子(良子)、草刈正雄(鹿島玄明)、米倉斉加年(興世王)、山口崇(平貞盛)、佐野浅夫(平国香)、長門勇(平良兼)、西村晃(源護)、露口茂(藤原秀郷)、仲谷昇(藤原忠平)ほか
ストーリー関東の豪族として生まれた平将門は青年期に京に上って貴族に仕え、不敗した貴族政治の矛盾を目の当たりにする。関東に戻った将門は叔父や従兄弟ら一族と戦い、やがて西国の藤原純友と呼応して中央政府に反旗を翻し、関東に独立王国を築こうとする。
解説奇跡的にNHKの倉庫から全話の録画テープが発見され、現時点で完全版が見られる最古の大河ドラマであり、現在のところ最古の時代を扱った作品。当初「加藤清正」で企画が進んでいたがボツになり、主演が決まっていた加藤剛の提案で将門が主役となり、海音寺潮五郎に原作を依頼した経緯がある。毎年恒例の大河出演者の成田山節分豆まき参加もこの年だけは行われなかった(成田山新勝寺は将門怨霊を鎮める寺であるため)という逸話もある。
メディアDVD発売:ジュネオンエンタテインメントより完全版DVD-BOX、アミューズビデオより約3時間の総集編。

陰陽師
2001年
「陰陽師」製作委員会
カラー映画(116分)
スタッフ○監督:滝田洋二郎○脚本:福田靖/江良至/夢枕獏○撮影:栢野直樹○美術:部谷京子○音楽:梅林茂○原作:夢枕獏○製作総指揮:植村伴次郎
キャスト野村萬斎(安部清明)、伊藤英明(源博雅)、今井絵理子(蜜虫)、真田広之(道尊)、萩原聖人(早良親王)、小泉今日子(青音)ほか
ストーリー鬼、怨霊、妖怪が横行する平安京。陰陽師・安部清明は超人的な術を用いて次々と奇怪な事件を解決していく。清明に術を破られた陰陽師・道尊は、封じ込められていた桓武天皇の弟・早良親王の怨霊を呼び起こし、都を大混乱に陥れる。清明と親友の博雅は道尊に戦いを挑むが…
解説夢枕獏の人気小説を原作者自らも積極的に関わって映画化、純和風のファンタジーホラー時代劇映画(?)として成功した作品。何と言っても主演・野村萬斎の、いかにも「超人」的な存在感には圧倒される。人気の余勢をかって続編「陰陽師II」も製作されたが、神との戦いの領域まで話をスケールアップしてしまったために支離滅裂な映画となりそこで打ち止めとなった。
メディアDVD発売:東宝

源氏物語
1980年
KANOX/TBS
テレビスペシャルドラマ(150分)
スタッフ○演出:久世光彦○脚本:向田邦子○撮影:鈴木達夫○美術:西岡善信/松宮敏之○音楽:冨田勲○
キャスト沢田研二(光源氏)、八千草薫(桐壺/藤壺)、叶和貴子(紫の上)、渡辺美佐子(六条御息所)、十朱幸代(葵の上)、倍賞美津子(朧月夜)、いしだあゆみ(夕顔)、風吹ジュン(末摘花)、芦田伸介(桐壺帝)、竹脇無我(頭中将)、火野正平(惟光)、藤真利子(女三宮)、岸本加代子(小侍従)ほか
ストーリー「源氏物語」のダイジェスト。
解説「資生堂スペシャル」と銘打たれた3時間枠のドラマ。人気絶頂期といっていい沢田研二が光源氏を演じ、原典の内容やキャラを絞ってテンポよくまとめた。
メディアDVD発売:インディーズ・メーカー

源氏物語
1991/1992年
TBS
スペシャルドラマ(420分)
スタッフ○演出:鴨下信一○脚本:橋田寿賀子○原作:紫式部
キャスト東山紀之(光源氏青年期/夕霧)、片岡孝夫(光源氏壮年期)、大原麗子(藤壺/紫上)、泉ピン子(末摘花)、長山藍子(六条御息所)、沢口靖子(夕顔)、岸本加代子(朧月夜)、古手川祐子(明石上)、丹波哲郎(桐壺帝)、橋爪淳(頭中将青年期)、竹脇無我(頭中将壮年期)、坂上忍(柏木)、若山真由美(三の宮)、香川照之(惟光)、石坂浩二(藤原道長の声)、三田佳子(紫式部)ほか
ストーリー「源氏物語」そのまんま。
解説もちろんあの超有名な古典小説の橋田脚本によるドラマ化。TBS開局40周年記念企画、前後編合わせて7時間にも及ぶ大作で、紫式部が道長(声のみ)に催促されつつ物語を語ってゆく構成になっている。源氏役は第1部を東山紀之、第2部を片山孝夫(のちの仁左衛門)が担当、東山紀之は第2部では源氏の子・夕霧を演じ、大原麗子も藤壺と紫上の二役を演じた。リアリティよりも「絵」になることを優先、絵巻物を思わせる舞台劇的なセットが使われるなど工夫も多い。
メディア現時点でソフト化は一切されていない。

千年の恋
ひかる源氏物語

2001年
「千年の恋」プロジェクト委員会
カラー映画(143分)
スタッフ○監督:堀川とんこう○脚本:早坂暁○撮影:鈴木達夫○美術:西岡善信/松宮敏之○音楽:冨田勲
キャスト吉永小百合(紫式部)、天海祐希(光源氏)、常盤貴子(紫の上)、高島礼子(桐壺/藤壺)、竹下景子(六条御息所)、中山忍(葵の上)、南野陽子(朧月夜)、細川ふみえ(明石の君)、本田博太郎(桐壺帝)、風間トオル(頭中将)、山本太郎(惟光)、竹中直人(明石入道)、水橋貴巳(彰子)、松田聖子(揚げ羽の君)、渡辺謙(藤原道長/藤原宣孝)、森光子(清少納言)ほか
ストーリー越前で育ち、夫・宣孝を失った紫式部は、権力の階段をかけあがる藤原道長にその賢才を買われて道長の娘・彰子づきの女房となる。天皇の妃となる彰子に、紫式部は自分が書いている「光源氏の物語」を語って聞かせ、微妙な男女の心について説く。そんな紫式部に道長も惚れこんでしまい、彼女を我がものとしようとするのだが…
解説「東映創立50周年企画」の大作。「源氏物語」映像化作品の一つだが、軸足は紫式部をとりまく現実の方に置かれていて、劇中劇の形で挿入される「源氏物語」部分はかなりのダイジェスト。豪華なセット・衣装が平安時代をよく再現していて見どころなのだが、光源氏を宝塚男役出身の天海祐希が演じ、話題にはなったけどどう見ても女にしか見えない。節々で唐突に松田聖子が乱入して歌い出すのも困りもの。映像的見栄え優先とは分かるのだが、ヘンなシーンも多いんだよな。
メディアDVD発売:東映ビデオ

羅生門
1950年
大映
白黒映画(88分)
スタッフ○監督:黒澤明○脚本:橋本忍/黒澤明○撮影:宮川一夫○音楽:早坂文雄○原作:芥川龍之介
キャスト三船敏郎(盗賊)、森雅之(武士)、京マチ子(武士の妻)、志村喬(薪売り)ほか
ストーリー平安時代、荒れ果てた羅生門の下で語られる不思議な物語。ある武士が盗賊に殺され、妻が犯された。ところが検非違使の取り調べに対し、盗賊、武士の妻、武士の亡霊の証言は全く食い違う。そして通報者の薪売りの証言も・・・。
解説芥川龍之介の「藪の中」を原作にした、日本映画のみならず世界映画史上屈指の名作と言われる歴史的作品。ヴェネチア国際映画祭でグランプリを獲得、黒澤明監督の名を世界的なものとした。平安時代を舞台にしているが、テーマは人間のエゴイズムを追求した普遍的なもので、「法廷映画」の趣もある。海外でリメイクされたほか、日本映画でも同じ題材で「MISTY」という作がも作られている
メディアDVD/Blu-ray発売:角川エンタテインメント

大江山酒天童子
1960年
大映
カラー映画(114分)
スタッフ○監督:田中徳三○脚本:八尋不二○撮影:今井ひろし○美術:内藤昭○音楽:斉藤一郎○原作:川口松太郎○製作:永田雅一
キャスト長谷川一夫(酒天童子)、山本富士子(渚)、市川雷蔵(源頼光)、勝新太郎(渡辺綱)、本郷功次郎(坂田金時)、左幸子(茨木)、中村玉緒(こつま)、田崎潤(袴垂保輔)、中村鴈治郎(大和守一正)、小沢栄太郎(藤原道長)ほか
ストーリー平安時代、時の権力者・藤原道長は屋敷にたびたび現れる妖怪に悩まされ、寵愛する渚の前を武士の源頼光に下げ渡した。すると今度は頼光のもとへ妖怪が現れるようになり、ついに道長の命で頼光は部下の渡辺綱・坂田金時らを率いて妖怪を操る盗賊たちがこもる大江山へ討伐に向かう。大江山の首領「酒天童子」は実は元近衛の武士で、妻の渚を道長に奪われ、盗賊たちを率いて「革命」を起こそうとしていたのだった。
解説源頼光の「大江山酒呑童子」退治の伝説を現代風に新解釈した大映オールスター映画。妖怪・妖術も出てくる特撮時代劇の趣もある。
メディアDVD発売:角川映画

炎(ほむら)立つ
1993〜1994年
NHK
大河ドラマ(35回)
スタッフ○脚本:中島丈博○演出:門脇正美/吉村芳之/榎戸崇泰/竹林淳/三井智一/吉川邦夫○撮影:杉山節郎/佐藤俊憲○美術:増田哲○音楽:菅野由弘○原作:高橋克彦
キャスト渡辺謙(藤原経清・藤原泰衡)、村上弘明(藤原清衡)、渡瀬恒彦(藤原秀衡)、里見浩太郎(安部頼良)、古手川祐子(結有)、佐藤慶(源頼義)、村田雄浩(安倍貞任)、佐藤浩一(源義家)、萩原流行(清原真衡)、豊川悦司(清原家衡)、野村宏伸(源義経)、長塚京三(源頼朝)、中尾彬(後白河法皇)ほか
ストーリー平安後期、東北の奥三郡の蝦夷の末裔「俘囚」の安倍氏は産出される黄金を背景に強大な勢力を誇っていた。それに目を付けた国司たち、そして軍事貴族の源氏一族の挑発から「前九年の役」が勃発する。亘理の豪族・藤原経清は安倍氏に味方して非業の死を遂げ、その遺児・清衡は「後三年の役」を生き抜いて「奥州藤原氏」の栄華の基礎を築く。時は流れ、三代・秀衡は源平合戦のなか源義経を支援して独自の地位を保つが、その子・泰衡は結果的に奥州藤原氏の滅亡を招いてしまう。
解説珍しく東北地方のみを舞台とした大河ドラマで、「前九年・後三年の役」から源頼朝の奥州征伐まで、奥州藤原氏の興亡を描く大河ドラマ。第一回では回想として坂上田村麻呂とアテルイの戦いが見られる。
メディアDVD発売:ジェネオンエンタテインメントより完全版


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